2004年4月に開設された国立がんセンターがん予防・検診研究センターでは、胃・肺・乳房・大腸・子宮のほか、食道・すい臓・卵巣・前立腺なども含めた「総合がん検診」を実施しています。検査方法は従来のエックス線撮影などに加え、内視鏡やCT、MRI(磁気共鳴画像)、超音波、腫瘍マーカーなどと多岐にわたり、PET検査と組み合わせたコースも設けています。同センターで検診を受けた40歳以上の男女の検診結果を調べたところ、約5%にがんが見つかり、そのうち9割が早期がんでした。「自覚症状がなく、自分は健康だと思っている人でも、詳しく調べてみると20人に1人はがんにかかっているわけです」と、同センター。「がんの9割は時間の経過とともに症状が悪化しますから、進行が遅い前立腺がんや甲状腺がんの一部、逆に進行の早いすい臓がんを除くと、殆どのがんは"検診による早期発見"が完治できるかどうかの鍵になります」