がんと診断されたとき、医師の説明でよく出てくるのが進行度を示す「病期」(ステージ)。見慣れない用語が多くてとっつきにくい。それでも、がんの標準的な治療はそれぞれの病期に応じて決められていて、生存期間を考える目安にもなる。納得してがんと向き合うためにも、病期の特徴や限界をしっておくことは大切だ。 「この人のステージは?」「ⅡAです」「手術が標準だね」「ただ、この人には負担が大きいかも知れません」 愛知県がんセンター胸部外科のグループが毎週開く症例検討会。肺がんがあった男性患者の胸部X線やコンピュータ断層撮影(CT)の画像フィルムを前に、医師たちが治療方針を話し合っていた。画像や内視鏡などを使った検査の結果をもとに、医師は病期を判断し、進行度に応じた標準的な治療法を患者に伝える。患者はその情報から、十分の価値観を交えて治療法を決めることになる。「『わたし、末期ですか?』と聞かれることが多いが、末期という病期はありません。対話の質を高めるためにも、患者には病期について知ってほしいし、我々はわかりやすく伝えないといけない」。胸部外科部長の光冨副院長はいう。(朝日新聞)