国立がんセンター名誉総長・垣添忠生さんんは語る。「胃がんの発症にはピロリ菌という細菌が関与していることがわかっています。ピロリ菌を除菌すると胃がんになる危険性が3分に1になるという研究成果も報告されています。子宮頸がんの原因とされるヒトパピローマウイルスに対し、欧米ではすでにワクチンが承認されて、罹患率も死亡率も減ってきている。ワクチンの導入にはお金がかかりますが、非常に大事なことです」 予防に加え、「たとえがんになっても治す」ことが、死亡率の低下に大きく貢献する。その柱が検診の普及。早期の治せるがんであるうちに見つけることが大切なのだ。 「残念ながら、現在市町村で実施している集団検診の受診率はせいぜい20%程度です。胃がん、乳がん、大腸がん、肺がん、子宮頸がんは、比較的検診で見つかりやすいので、ぜひ受けてほしい。国の計画では5年以内に受診率50%を目標にしていますが、受診率を上げるだけでなく、検診の質を高めて見落としを防ぐことも大切ですね」 (アフラックスコープ28より)