新潟県新発田市の検査機関、下越総合健康開発センターの細胞検査士、赤松節さんは「綿棒を用いた検診は要注意だ」と指摘する。赤松さんは2005年、6年にかけて新潟県内で行われた検診で、液状検体法という方式で作られた約5万点の検体について、調べた。その結果、専用ブラシで細胞を採取したケースでは、検体に含まれる細胞の数が、欧米で多く用いられる国際基準を満たさなかった割合は0.6%にとどまった。これに対して綿棒では、5.8%と約10倍に上がった。基準に満たない検体では、がんの兆しを発見できない危険は高まる。日本産婦人科医会は2008年、細胞診の基準に、検体として適切かどうか判断するための国際基準の導入を決めた。だが検診にかかわる医師らによれば、専用ブラシでななく綿棒が使われるケースが今でも多い。綿棒が1本数円なのに対し、ブラシは100円程度のため、コスト面で嫌われるらしい。赤松さんは「受診する医療機関を決める際、検査方法を聞いて綿棒でないかどうか確認するのも、賢い受診方法かもしれません」と話す。(朝日新聞)