毎年1万人以上が新たにかかり、3千人が命を落としているとされる女性のがん、子宮頸がん。検診を受ければ、がん細胞になる前の病変から見つけることができるのに、受診率は低く、若い女性に急増している。子宮がんには、入り口にできる「頸がん」と赤ちゃんをはぐくむ部分にできる「体がん」とがある。およそ7対3の割合だ。頸がんが問題なのは、20~30代で顕著に増えていること。最近の20年間で、この世代の罹患率、死亡率はともに倍増した。以前は50~70代が最も高かったのが様変わりし、結婚、出産世代を脅かしている。さらに久留米大医学部の嘉村敏治教授(婦人科腫瘍学)によると、若に世代に進行した「浸潤がん」の割合が増えてきた。がんになる前の病変である、形が正常でない「異型細胞」が浸潤がんになるには数年~十数年かかる。性行為が低年齢化し、若いほど進行は早い。一方、微小な浸潤がんの段階までは自覚できる症状がない。2,007年の厚生労働省の調査では検診を受けた女性は21.3%にとどまっている。(西日本新聞)