放射線と抗がん剤を組み合わせた化学放射線療法をつらく思うのはAさんだけでない。それでも東病院では、上咽頭がんなどの頭頚部がんでこの療法を受けるほとんどの患者は治療を完遂する。以前は途中で2週間ほど放射線治療を休んだり、照射回数や抗がん剤の量を減らしたりすることもよくあったという。放射線の副作用で味覚に異常が生じたり唾液が出なくなったり、口やのどの粘膜に炎症が起きて飲み込むのが痛くなったりする。抗がん剤の副作用で吐き気がすることもある。化学放射線療法を受ける人の8割は口から十分な栄養をとれなくなる。すると、衰弱して強い治療に耐えるのが難しくなる。(朝日新聞)