腹腔鏡手術は、モニターの映像を頼りに、腹腔内という狭い空間で器具を動かすため、大量出血の場合などでは高い技量が求められる。さらに肝臓には、動脈の一種で「門脈」と呼ばれる独特の血管が巡っている。そのため長年、肝臓を切る際は出血に備え、おなかを大きく切って開けて医師がよく見えるようにすべきだとされてきた。そうした中、2000年に左葉の「外側区域切除」と、それより小さくがんを切る「部分切除」が、入院や検査などは健康保険でカバーできる先進医療制度に認められてきた。止血器具も進歩。九州大、新潟大、大阪大、広島大、群馬大、琉球大など13施設に先進医療の取り組みが広がり、手術自体への保険適用に至った。(朝日新聞)