バイエル薬品によると、ゼヴァリンは1月20日現在、国内77施設で594人に使われている。辰巳さんは「脱毛や吐き気などの副作用がなく、1回の治療ですむ。いま対象となっている病気以外にも使えるのではないか」と期待する。治療で白血球や血小板が減ることがあるため、定期的な血液検査が必要だ。ほかに「塩化ストロンチウム」(商品名メタストロン注)もある。前立腺がんや乳がんなどが骨に転移したときに起きる痛みの緩和に効果がある。放射線を出すストロンチウム89を使う。骨の成分のカルシウムに似ているため、骨に運ばれて転移したがんの部位に長くとどまって放射線をあてる。(朝日新聞)