静岡県立静岡がんセンター(長泉町)は、2002年の開院のときから、一部の患者に口腔ケアをしている。食べるときにチクチクとした痛みを感じ、今夏、食道がんと診断された同県掛川市の左官業・鈴木由男さん(60)は10月下旬からセンターに入院、放射線治療を選んだ。約1週間後、鈴木さんは歯科口腔外科を受診し、大田洋二郎部長に「口内炎はないし、これといったトラブルはありません」と伝えた。静岡がんセンターでは、のどや上あご、甲状腺などの頭頚部がん、食道がんの患者を中心に口の中をケアしている。4年前からは地域の医師会との連携も始めた。