長期負担 支える制度を
「患者を生きる 高額療養費」で紹介した女性は、薬代を節約するため、グリベックを毎月ではなく、2カ付分まとめて処方してもらった。薬代を年12回払うより、6回に減らしたほうが、自己負担額が少なくなるからだ。入院の場合はあらかじめ健康保険組合などから認定証をもらい、病院に提出すれば、高額療養費の上限分だけ払えばよい。しかし通院の場合はいったん、請求額を払わなければならない。約3カ月後に戻ってくるものの、数十万円を立て替えるのは大変だ。厚生労働省は、窓口での負担を上限内ですむよう制度改正を準備中だ。来年4月の全面導入を目指している。東大の児玉さんは「経済的な理由で治療を中断している患者さんもいる。現行の高額療養費は、手術などで一時的に高い医療費がかかることを想定した制度。高額な薬を使い続ける患者を支援する仕組みが必要だ」と指摘する。(朝日新聞・患者を生きる・がんと就労・高額療養費・情報編 より)
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