ただ、ワクチンの成分と痛みなどとの因果関係は証明されていない。厚労省の部会は1月、注射時の痛みや不安による「心身の反応」との見解をまとめた。しかし、専門家の一部や被害者側は反論する。西岡久寿樹・東京医大医学総合研究所長らのチームは、ワクチン接種後、時間経過とともにけいれんや痛み、歩行困難、脱力などの症状が出ていると指摘。「HPVワクチン関連神経免疫異常症候群」という新しい病気の概念を唱えている。神奈川県の中学生(14)はワクチンを3回接種した後の昨年9月、体育祭の練習中に足の力が突然抜け、手の震えが止まらなくなった。その後も激しいけいれんを起こしたり、記憶を失ったりし、今も通学できずにいる。父は「接種前は歌やダンスが大好きで、元気だったのに」と憤る。(12月23日 朝日新聞)