がんと感染症は「切っても切れない関係」です。免疫の低下などがんそのものの影響に加え、抗がん剤の副作用でもかかりやすくなっています。放射線や手術による治療でも同じ。感染症対策は、がん治療の重要なテーマです。がん患者が感染症にかかれば、さらに苦しみが増します。医師も検査はできるだけ素早く済ませ、早く治療をして苦しみを和らげてあげたいと思うのが自然です。しかし一方で、感染症の中には命にかかわり、絶対に見逃してはいけないものもあります。例えば、抗がん剤治療で血液中の白血球などが減ることで熱が出る「発熱性好中球減少症」は、その治療を最優先にし、がん治療を後回しにすることもあります。(10月24日 朝日新聞)