国内では胃がんの約65%が1期に見つかっている。だが、遠隔への転移などがある4期になると、完全に取りきるのは難しい。その場合、手術をせずに化学療法を続けるのが標準的だ。最初の抗がん剤が効かなくなったら別の種類に変更していく。手術ができなくて始めた化学療法がよく効き、治療を手術に変えることを「コンバージョンセラピー」と呼ぶ。コンバージョンの意味は「転換」だ。手術することを前提に、状態を少しでもよくしようと、先に抗がん剤でがんをたたく「術前化学療法」とは異なる。広島市民病院では、これまで60人の患者に試みたという。(2月10日 朝日新聞)