●ストーマ閉鎖後の苦しみ 直腸がんで4年前に肛門を温存する手術を受けました。一時的に設けたストーマを閉じる予定だった3カ月後、腹膜炎を起こして緊急手術を受けました。装着がさらに8カ月延びました。今でも、ストーマ閉鎖後の後遺症に苦しんでいます。自分の肛門でも、便の出る感覚や便意が感じられないので、服や部屋が汚れてしまうことがあります。掃除にも時間がかかり、1日の大半を排便関係に費やしています。人前で出てしまうことがあり、運動をしなければと思いながら、ウオーキングにも出られない状態です。仕事も再開できていません。主治医からは、どうしても外出が必要な時には下痢止めを、反対に便秘になった痔には便秘薬を使うよう言われていますが、うまくいきません。今も紙おむつをしています。紙おむつやパッドの代金も大変です。(京都府 女性 55歳) ●2時間トイレ離れられず 年9月、人間ドックの便潜血検査で陽性反応が出ました。11月に病院で内視鏡検査を受け、直腸のポリープを切除しました。病理検査の結果は悪性でした。11月に腹腔鏡手術を受けました。6時間超かかりました。人工肛門の可能性も言われていましたが、肛門部は温存できました。手術の結果、がんの進行度は「ステージ1」でした。一時的にストーマを設置し、今年3月にストーマを閉じました。事前に説明されていた通り、手術後に頻便の症状が出るようになりました。便意を感じてから10秒もたたないこともあります。ひどい時は2時間近くトイレに座り続けることになります。それも昼夜を問いません。2カ月が過ぎて多少要領を得てきたものの、コントロールのきかない状態が続いています。気分が落ち込むこともありますが、「半年もたてば落ち着く」という医師のの言葉を頼りに、楽しい計画を立てて心待ちにしています。(静岡県 塚本和雄 65歳) 7月10日 朝日新聞 患者を生きる 読者編より