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ストレスが多いとがんになりやすい?
国立がん研究センターによると20日、常にストレスを感じる人は感じない人よりがんになるリスクが高いという結果を公表しました。また喫煙や飲酒、ストレスを多く感じる人はがんになりやすい傾向があると言います。ストレスを減らすことで、がんの予防につながりそうです。
Jan 21, 2018 09:44

e保険Shopのホームページを再開しました
約6カ月ぶりにアフラックがん保険などを中心とする資料請求サイト"e保険Shop"を再開しました。これからも皆様のお役に立つホームページを目指して参りますので宜しくお願いいたします。

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Sep 28, 2017 19:50

高額療養費制度
医療費の患者負担を減らすため、所得に応じて一定の上限を設け、窓口負担との差額を支給する。差額ベッド代や食費などは、対象にならない。入院期間が1カ月間でも、月をまたぐ場合は、月ごとに計算する。「がんと診断されたら暮らしを支えるバランスの見直しが必要です」。こう話すのはNPO法人「がんと暮らしを考える会」理事長で看護師の賢見卓也さん。治療で仕事を休まなければならないこともあり、収入は大幅に減る人が多いという。一方、治療費や入院費、通院の交通費など新たな支出が加わるため、貯金の切り崩しやがん保険からの給付で補い、食費や貯蓄などを削ってやりくりすることになる。治療を受けながら経済的に安心して暮らしていくには、公的・民間の保険や疾病手当金、障害年金といった精度をいかに上手に利用できるかがポイントになる。そこで同会が作ったのが、利用可能な制度を探すためのサイト「がん制度ドック」(http://www.ganseido.com)。がんの部位や体調、医療保険や年金の種類、収入や生命保険の特約など計22の質問にチェックを入れて「検索」を押すと、使える可能性のある制度が表示される。東京都が昨年発表した「がん患者の就労等に関する実態調査」では、「知らなかったので利用せず」という答えが高額療養費制度では8%、傷病手当金制度では40%に上った。同会理事でファイナンシャルプランナーの岡本英夫さんは「貯金などがない2人以上の世帯が3割に上るという調査結果もある。傷病手当金や障害年金があるだけで助かる人もいる。制度を知るためにも『がん制度ドック』を活用してほしい」と話す。(5月28日 朝日新聞)
Jun 07, 2015 09:52

がんを通して考えよう 2
手紙には、がんは治る比率が高くなっていること、早期発見が大事で、放射線治療や抗がん剤は決して怖いものではないことなどを知り、勇気づけられたという感想が多くありました。今回の授業は「命について考える(防災・健康)」をテーマにした総合的学習の一環でした。前日には、東日本大震災の発生直後に被災地へ派遣された消防士の話を聴き、地域の地図を使った図上訓練をしたそうです。子どもたちに豊かな学習体験をさせようと、教育現場で様々な取り組みをしていることに感銘を受けました。(10月24日 朝日新聞)
Jan 11, 2015 09:33

がんを通して考えよう
すてきな贈り物が、川崎市立中原中学校の1年生130人から届きました。9月18日に実施した出前授業「がんを通して考えよう」で講師を務めた奥仲哲弥・山王病院副院長への手作りのお礼の手紙集です。授業では喫煙の害や生活習慣の大切さとともに、映像を使って医療の飛躍的な進歩を紹介。かつて出血が多かった肺がんの手術も今は40ミリリットル程度に減ったことが紹介されました。学校は独自に、実在の患者が主人公の映画を見せるなど、事前学習をしていました。それが生徒の興味や理解を深めたのでしょう。(10月24日 朝日新聞)
Jan 10, 2015 09:04

2人に1人はがんになる
35歳、会社員の男です。周りでがんになる人が増え、私も急に心配になってきました。医療保険には加入していますが、がん保険を検討したほうがいいでしょうか。日本人の死因第一位は男女ともに「悪性新生物(がん)」えすから、心配になるのも無理はありません。とくに定年後の収入減が目前に迫ってくると、より不安が募るのでしょう。「国立がん研究センターがん対策情報センター」の調べによると、がんの罹患率は男女ともに50歳代から増加し、60歳代に特に男性の罹患率が上がる傾向にあります。生涯でがんにかかる確率は、男性で60%、女性は45%だそうです。ざっくり2人に1人ががんにかかる、といえます。(12月28日 朝日新聞)
Dec 30, 2014 09:02

子どもの心に配慮を 4
助友さんは「がん教育は学校だけが担うのではなく、がん診療連携拠点病院や患者会などにも協力してらってもいい」と語る。また学校には家族の中にがん患者がいる子や、小児がんを経験した子がいる場合がある。そうした子には配慮が欠かせない。筑波大学の野津有司教授(学校保健学)は「学校は保護者にあらかじめ授業について伝えて、家庭でもがんについて話をしてもらうなど、子どもが授業で不安にならないようにする連携が必要だ」と話す。(8月25日 朝日新聞)
Nov 06, 2014 08:15

子どもの心に配慮を 3
ただ、学校でのがんの教育には課題もある。一つは、専門性が高く、教師の負担が大きくなることだ。2012年度から小学6年生と中学3年生に実施している東京都豊島区は、教師の負担を軽くするため、区独自の教材や指導手引きを専門家らと一緒につくった。日本女子体育大学の助友裕子准教授(公衆衛生学)らは、厚生労働省研究班が2008年に作成した小学生向けの副読本「がんのことをもっと知ろう」に添った指導書をまとめた。指導の狙いや留意点、児童への問いかけ例を盛り込んだ。(8月25日 朝日新聞)
Nov 05, 2014 08:04

子どもの心に配慮を 2
聖心女子大学の植田誠治教授(保健教育学)らが小中高生を対象に実施した調査では、がんについて「怖い」「どちらかというと怖い」という回答を合わせると8割を超えた。がん検診はどんな人が受けるのかという質問に、正しく「健康な人」と答えたのは小学生が88.0%、中学生は60.9%だった。植田さんは「子供たちは、がんの正しい知識を持たないまま、いたずらに怖いと感じていることがうかがえる。発達段階に応じた具体的な教育内容の検討が必要だ」と指摘する。(8月25日 朝日新聞)
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Nov 04, 2014 08:12

子どもの心に配慮を
2014年に閣議決定した「がん対策推進基本計画」は、がん教育のあり方を検討し、推進することを盛り込んだ。文科省は、今年度にモデル事業として全国70校で実施したうえで、2016年度までに学習指導要領の改訂の必要性を含めて検討する。拝啓には、がんが1981年以降、日本人の死因のトップになっているのに、関心が低く、正しく理解されていないことがある。(8月25日 朝日新聞)
Nov 01, 2014 08:23

怖がらず正しく知って 3
白井俊也さん(13)は、小学2年の時に身近な人をがんで亡くしたことを思い出したという。「今から健康的な生活をしておくことが大事なんだと改めて感じた」と感想を語った。夏休みの期間中には、大学や病院でも、がんを学べるイベントが開かれる。帝京大学医学部では、小学5,6年生を対象にしたサマースクールがあった。題は「がんを知ろう!」。児童たちは実習で、がん細胞と正常細胞を顕微鏡で見比べたり、内視鏡手術で使うはさみを操作したりした。病院では、手術ロボットのダ・ヴィンチや放射線装置のリニアックなどを見ながら、進歩するがんの治療法の説明を受けた。内科の授業では、医師や看護師でなくても、病気の人の背中をさすって声をかければ「助ける人」になれると学んだ。(8月25日 朝日新聞)
Oct 31, 2014 08:07

怖がらず正しく知って 2
堅田さんは「がんは一生のうちに2人に1人ががんにかかり、3人に1人が死亡する身近な病気」と説明。発症や進行には喫煙や飲酒のほか、睡眠、運動、食事といった生活習慣の影響が大きいと述べた。「がんになりにくくするのは、中学生のうちから規則正しい生活をすることが大事なんやね」。続いて、がん経験者の富永和重さん(59)が「私、がんになりましたけど、元気に生きていますよ」と語りかけた。富永さんは15年前に悪性リンパ腫になり、腎臓がんや前立腺がんも発症した。いまは落ち着いた状態で、今年2月に京都マラソンを完走したことを披露した。「家族や医師らのサポートがなかったら、私はここにいないでしょう」。(8月25日 朝日新聞)
Oct 30, 2014 08:13

怖がらず正しく知って
京都府は、国に先駆けて昨年度から「生命のがん教育」事業を始めた。医師とがんの経験者が講師として、学校を訪れる。医師ががんの基本を解説し、経験者が闘病を通して生きる大切さを語る。昨年度は小中高20高で実施した。京都市の洛星中学校では、今年6月に2年生が授業を受けた。「がんってどんな病気やと思う?」。冒頭、府健康対策課医務主幹で医師の堅田和弘さんが問いかけた。堅田さんは洛星中学校の卒業生でもある。「怖い」「絶対死ぬ」・・・。生徒たちから次々と声が上がった。(8月25日 朝日新聞 )
Oct 29, 2014 08:15

医師と患者が学校訪問
子どもたちが、がんを学ぶ機会が増える。文部科学省は今年度、がん教育のモデル事業を全国70の小中高校などで始める。生活習慣の大切さを学べる一方、家族に患者がいる児童・生徒を傷つけない配慮も求められている。(8月25日 朝日新聞)
Oct 28, 2014 08:04

がん登録
複数の種類がある。受診したがん患者の実態を病院が調べる「院内がん登録」、都道府県が住民の実態を調べる「地域がん登録」、専門家が特定のがん患者を分析する「臓器がん登録」が代表的。院内がん登録は、がん診療連携拠点病院に義務化されているが、それ以外は任意。地域がん登録も任意で情報にばらつきがあった。昨年12月に「がん登録推進法」が成立、「全国がん登録」が2016年から新たに始まる。がんの種類や治療内容、生存期間といったがん患者の情報を、国に提供することが国内すべての病院に義務づけられた。基準も統一される。(9月22日 朝日新聞)
Oct 15, 2014 08:08

分子標的薬の副作用
また、肝臓や腎臓、甲状腺などのがんの薬の中には、手のひらや足底が硬くなって腫れる「手足症候群」が起こります。従来の抗がん剤は副作用が出ると、薬を中止することが多いですが、分子標的薬の場合は、原則として治療を続けます。副作用の皮疹が出ることが、がん細胞に対して薬が効いている表れでもあるとわかってきたからです。副作用を抑えるためには、日々のスキンケアが大切です。基本は肌を清潔にして潤いを保ち、日焼けなどの刺激から肌を保護することです。症状が出始めたら、すぐに塗り薬を使うようにします。皮膚の障害は顔などに出ると生活の質に影響します。「肌トラブルなんて言いづらい」などと遠慮せず、医師や看護師に伝えてください。がんと脱毛。皮膚 講師 山崎直也さん
(9月22日 朝日新聞)
Oct 14, 2014 07:46

皮膚の副作用 日常ケアで防ぐ
がん細胞を狙う「分子標的薬」は、皮膚に副作用が出やすい薬です。標的とする分子は細胞分裂が激しいがん細胞に多くありますが、新陳代謝が活発な皮膚の細胞にもあるからです。代表的なのは、肺や大腸がんに使われる薬の副作用です。最も多いのは、にきびのようなものがきる「皮疹」です。治療を始めて数日後から頭や顔、背中、胸、手足などに出てきます。続いて起こるのは皮膚の乾燥で、かゆみや手足のひび割れを伴います。爪の周りが腫れる「爪周炎」は、爪が皮膚に食い込むので痛みが強く、治りづらいです。(9月22日 朝日新聞)
Oct 13, 2014 08:29

患者・死者数の予測も 4
【大腸がん】患者数、死亡者数ともに3位。肥満や飲酒が危険を高める。早期であれば手術でほぼ完治する。早期発見には便潜血検査がある程度有効で、体の負担も少ない。 【乳がん】患者数は4位。生存率は高い。女性の発病率は30代から増え始め、50歳ころに最も高くなる。男性ではまれだが、女性に比べて治りにくいという。 【肝臓がん】患者数は6位で、死亡者数は5位。日本人の肝臓がんの7、8割がC型肝炎のウイルスの感染とされ、B型肝炎と合わせると約9割を占める。新たな感染は非常に少なくなっており、肝臓がんも徐々に減るよみられる。 【その他】予測では、膵臓がんは死亡者数が肝臓がんを抜き、4位になった。がん研究センターの片野田耕太がん統計解析室長は「膵臓がんは高齢化の影響を除いても増加傾向」と説明する。早期発見、治療が難しく、将来、5大がんの一角を占める可能性がある。前立腺がんは、鋭敏な検査で見つかることが増えたが、悪性度が低く寿命に影響しない場合も多い。(9月22日 朝日新聞)
Oct 12, 2014 07:57

患者・死者数の予測も 3
【胃がん】今年、新たにがんと診断される患者数は13万700人で1位。死亡者数は2位だった。ピロリ菌の感染や塩分の多い食事、野菜や果物の不足が危険を高めるとされる。日本人は50代以上の7、8割がピロリ菌に感染しているとされ、先進国では際立って多い。 【肺がん】診断される患者数は2位。2010年の2位である大腸がんを抜く見込みだ。死亡者数はがんの中で最多で、ほかを大きく引く離している。近い将来、患者数でもトップの胃がんに並ぶとみられている。喫煙との関連が比較的低いとされる腺がんが増えており、女性では約7割、男性でも約4割に及ぶ。(9月22日 朝日新聞)
Oct 11, 2014 08:28

患者・死者数の予測も 2
予防法や治療法が進歩しているのに、がんは年々増えている。最大の原因は日本人の高齢化だ。がんの発生率、死亡率はおおむね40代から加齢とともに上昇していく。がんになりやすい高齢者の割合が増加した影響を除くと、新たにがんと診断される患者数、死者数ともに減っている。その減少分を上回る速さで高齢化が進んでいることになる。日本人がかかりやすく、死亡者数も多い5大がんについて、今回の予測やがん研究センターの発表情報をもとに、傾向や予防法、治療法をみてみる。(9月22日 朝日新聞)
Oct 10, 2014 07:34

患者・死者数の予測も
国立がん研究センターは、2014年に新しくがんと診断される患者数やがんによる死亡者数の予測を7月に発表した。患者数は約88万2千人で、2010年の推計値の約80万6千人から8万人近く増加。死亡者数は約36万7千人で、2012年の約36万1千人から約6千人増えるという。この予測を出すのは初めて。これまで都道府県による「地域がん登録」などから患者数を推定していたが、最新のデータは4、5年前のものになる。対策をすばやく講じるために、現時点の値が求められていた。(9月22日 朝日新聞)
Oct 09, 2014 07:56

患者情報 治療に生かす 4
広島市民病院の梅本礼子・室長補佐は「院内登録データを、ほかの地域や病院と比較することで、見えてくることがある」と話す。患者数が多ければ、態勢が整っていて適切な治療を受けられる目安になる。また、がん患者全体に占める部位ごとの割合をみれば、どのがんを得意としている病院かもある程度想像がつくという。がん研究センターは8月、最新の2012年の結果を明らかにし、ウエブサイトにも掲載。登録数は約61万人で、国内のがん患者の7、8割をカバーしているとみられている。今回、年齢別の特別集計もした。胃がん、肺がん、大腸がんでは、高齢になるほど薬物療法など積極的な治療をする割合が低くなることがわかった。堀田知光理事長は発表時の会見で「高齢者は体力的に薬や手術に耐えられないことや、がんの進行が遅いことが関係している」との見方を示した。(9月22日 朝日新聞)
Oct 08, 2014 07:37

患者情報 治療に生かす 3
発見時のがんの進行度別に、見つかるまでのその経緯をみてみると、早期の場合にはほかの病気の経過観察中に見つかることが多かった。こうしたデータも、少しでも早くがんを見つけるのに役立つという。この取り組みは「院内がん登録」。全国約400カ所のがん診療連携拠点病院は、すべてこのがんを対象に患者の情報を登録している。内容は厚生労働省が示した基準に基づく。国立がん研究センターは拠点病院から情報提供を受け、集計して発表している。(9月22日 朝日新聞)
Oct 07, 2014 07:46

患者情報 治療に生かす 2
広島市民病院の医療情報室。3人の院内登録実務者が、がん患者の情報をコンピューターに入力している。年齢、性別、初診日、がんと診断された日、検査内容など103項目をすべての部位のがんについて記録する。病院では2カ月に1回、医療者向けにがん研修会を開く。がん登録のデータをもとに、診断や治療内容の変化、ほかの病院との比較などを紹介している。前立腺がん治療をテーマにした7月の研修では、院内での治療法の変化をグラフ化した。2010年に登場した腹腔鏡手術は急増し、2012年にピークになった。だが、その年に登場したロボット手術が2013年にはほとんどを占めるようになっていた。(9月22日 朝日新聞)
Oct 06, 2014 08:20

患者情報 治療に生かす
国立がん研究センターは、全国の拠点病院で登録されたがん患者の情報を集計して発表している。がん登録によって、地域や病院ごとの違いを知ることができる。また、新しくがんと診断される患者数や死亡者数の予測も始め、がん対策に生かそうとしている。(9月22日 朝日新聞)
Oct 05, 2014 08:16

がんの授業
がん患者になった心臓の専門医が、中学2年生97人に、がんの授業をする・・・・。7月15日島根県江津市立青陵中学校で、そんな試みがありました。島根県健康推進課と教育庁の主催で、対がん協会も協力しました。近くの学校や自治体から30人が参観しました。先生役は順天堂大学大学院の佐藤一洋教授。がんは2人に1人がなる身近な病気であること、食習慣や禁煙が大切、気を付けていてもかかることはあるので相談できる相手を作ろう、などと語りました。島根県は喫煙率が全国最低で最優秀と賛辞を贈りました。4年半前に自分にがんが見つかった時の動揺、医師として使命の再確認など、患者だからこその話も。内容の濃い1時間余。日本対がん協会より (7月22日 朝日新聞)
Aug 09, 2014 07:34

秋葉原でがんフォーラム
がんについて「知る」「学ぶ」「集う」をテーマにした講演や講習会などのイベントが、8月9日に東京・秋葉原で開かれる。「アキバ・キャンサー・フォーラム2014」(キャンサーネットジャパン、朝日新聞の医療サイト「アピタル」など主催)。東京都千代田区外神田4丁目の秋葉原UDX内の9会場で、午前10時から午後7時まで。専門医らの講演のほか、がん経験者による「いのちの落語」もある。子どもたちの医学の知識にふれてもらう「こども大学医学部」を同時開催。参加費は無料。一部のイベントは事前申込が必要。(7月22日 朝日新聞)
Aug 08, 2014 08:29

患者会も相談窓口に
患者会でも、相談に応じているところがある。松山市のNPO法人{愛媛がんサポートおれんじょの会」は、「町なかサロン」を開いた。平日に誰でも利用することができ、備え付けのパソコンからがん情報が入手できる。週3回、がん経験者らが相談に乗る。患者や家族の中には、医師らに何を聞いてよいのかわからない人もいる。会は、「今後、起こりうる症状は」「セカンドオピニオンを受けるには」といった質問項目をまとめた冊子をつくり、手渡している。冊子は会のホームページからダウンロードもできる。(7月22日 朝日新聞)


Aug 07, 2014 07:18

がんと化学療法 2
がんを完全に治すことができなくても、進行を抑えて「がんと共存する」とい考え方も大切です。そんな中で化学療法の存在意義はますます高まっています。「分子標的薬」の登場で、特定の遺伝子配列を持つ患者にとって、抗がん剤は劇的に効く治療法になりました。一方、抗がん剤では救えない患者さんもたくさんいるのが現状です。特に、患者数が少ない「希少がん」にも効くような抗がん剤をどう開発していくのか、私たちのおおきな課題です。激しい副作用のイメージから、化学療法を嫌がる人も少なくありません。吐き気止めの薬や抗がん剤自体の質が大幅に向上し、副作用も改善されている現状を、もっと多くに人に知ってもらいたいと思います。(7月22日 朝日新聞)
Aug 06, 2014 08:00

がんと化学療法
かつてのがん治療では、手術でがんを徹底的に取るのが普通でした。臓器を失うことで患者のQOL(生活の質)が多少落ちたとしても、とにかく「命を救う」ことが優先されたのです。しかし、今は「治った後のことも考える」のが当たり前。命を失うリスクと、QOLが落ちるリスクとのバランスを考え、治療方針を立てます。手術で切り取る範囲を少なくするため、あらかじめ化学療法を始めておく方法も珍しくありません。(7月22日 朝日新聞)
Aug 05, 2014 08:06

がん支援センター 2
ただ対応に差がある。2011年の調査では、相談支援センターの1施設ごとの1日当たりの平均相談件数は5.8件。20件以上が18施設ある一方、5件未満が259施設あった。若尾さんは「相談員の技術が上がったきたころにほかの部署に異動してしまい、技術が蓄積されていないところがある」と指摘する。昨年度8800件の相談があった国立病院機構九州がんセンター(福岡市)の相談支援センターは、自身の存在を知ってもらおうと、毎月、院内で患者や家族向けの講習会を開いている。また年1回、がんの予防や最新治療法などをテーマにした市民公開講座も開催している。竹山由子・相談支援係長は「少しずつ地域住民の認知度は高まっている。納得して治療が受けられるようになることが多いので、気軽に相談してほしい」と話す。(7月22日 朝日新聞)
Aug 04, 2014 07:50

がん支援センター
患者や家族の悩みにこたえる場所の一つに、がん支援相談センターがある。厚生労働省に指定され、全国に397カ所あるがん診療連携拠点病院に設けされている。国立がん研究センターで研修を受けた看護師やソーシャルワーカーらが相談員となり、治療やセカンドオピニオンの情報、医療費、就労などの相談を無料で受付ける。センターのある病院に入通院していない患者や家族も利用できる。若尾文彦・がん対策情報センター長は「相談員は、患者さんの悩みや不安を整理して最適な情報を提供し、次の対応を一緒に考えてくれる」と説明する。(7月22日 朝日新聞)
Aug 03, 2014 08:21

セカンドオピニオン 4 
その時、国立がん研究センターのホームページに目がとまった。「(告知を受けた後の不安や動揺は)誰にでも起こります」との言葉に救われた気がした。治療などに関する本を、図書館で借りたり書店で買ったりし、勉強した。告知から約2カ月後、膀胱と前立腺、リンパ節を切除し、人工の膀胱をつくる手術を受けた。手術はうまくいったが、術後の後遺症に悩まされた。尿意がなくなって、1時間おきにトイレに行かざるをえず、尿漏れパッドも欠かせなくなった。腎臓に細菌が入って腎盂腎炎になり、入院することも年に数回ある。柳生田さんは「後遺症やお金の問題などを含めたトータルな相談ができると助かる」と話す。(7月22日 朝日新聞)
Aug 02, 2014 07:51

セカンドオピニオン 3
山崎さんは「結果は同じだったとしても、疑問や不安があったら、ほかの医師にも意見を聞いてみることが大事だと感じた」と振り返る。最近は専門の外来でセカンドオピニオンの相談を受付ける病院も増えている。埼玉県内の柳生田幹久さん(61)は2009年8月、血尿で受診した大学病院で膀胱がんが見つかった。「どうなる?」「いつ死ぬんだ」と不安が次々と浮かんできた。何もやる気が起きず、家に2~3週間こもった。(7月22日 朝日新聞)
Aug 01, 2014 07:50

セカンドオピニオン 2
東京都内に住む会社員山崎宏之さん(48)は、2010年に悪性の脳腫瘍の手術を受けた。最初にかかった病院では、診断や治療方針がなかなか決まらなかった。脳腫瘍の治療を数多く手がけている別の病院の医師を探し、意見を求めた。病状を詳しく伝え、脳の検査画像を見せると、「2カ月以内に手術をしてください」と言われた。この医師から紹介された大学病院で腫瘍の摘出手術と放射線治療を受けた。その後は3カ月に一度、検査の経過をみている。再発の不安はあるが、今のところ良好という。(7月22日 朝日新聞)
Jul 31, 2014 07:35

セカンドオピニオン
がんと診断されれば、不安や疑問を抱くのは当然。「診断は正しいのか?」「どこで治療を受けるのがよいのか?」・・・・・・。だからこそ、適切な情報を入手することが重要になってくるr。全国のがん診療連携拠点病院にあるがん相談支援センターや、患者会を活用してみるのも手だ。(7月22日 朝日新聞)
Jul 30, 2014 07:27

ウイッグ補助の自治体も 3
山形大医学部の2011年度の調査では、がんを患った働き手の4分の1が失職している。県健康長寿推進課によると、抗がん剤治療のため経済的に苦しくなり、ウイッグを買うのをためらう人もいるという。担当者は「ウイッグを購入しやすくすることで仕事や外出に前向きになれば」と話す。岩手県北上市は2005年度から、ウイッグを購入するがん患者に最大3万円を補助している。がん検診の受診料補助などのがん対策事業の一環で、年20~30人が利用している。秋田県熊能市も北上市を参考に、今年度からウイッグを購入するがん患者に最大3万円の補助を始めている。(7月16日 朝日新聞)
Jul 29, 2014 07:40

ウイッグ補助の自治体も 2
「関心を寄せる病院がようやく増え始めた」と国立がん研究センター中央病院の野澤さん。京阪神にも、講習会を検討している大学病院があるという。支援に乗り出した自治体もある。山形県は今年度、抗がん剤治療による脱毛のためにウイッグを購入する人への補助メニューを設けた。市町村と折半し、最大1万円を補助する。県は副作用で髪が抜けてウイッグを必要とする人が県内に年間約800人いるとみており、その社会復帰を支えるのが狙いだ。(7月16日 朝日新聞)
Jul 28, 2014 07:21

講習会開催
「髪が抜けて買物に行けない」「外見の変化が苦痛で、治療をやめたい」という患者の声も耳にしてきた。講習会では患者らの個別の相談にも応じる。池辺さんは「手間をかけなくてもできる工夫があることを伝えたい」と話す。国立病院機構九州がんセンター(福岡市南区)は1年半前から月1~2回、入院する乳がん患者らを対象に講習会を開いている。これまでに約100人が参加。今後は外来の患者にも対応できるよう態勢の強化を目指すという。(7月16日 朝日新聞)
Jul 27, 2014 08:10

ウイッグ補助の自治体も
外見ケアの支援は、各地の医療機関でも始まっている。国立病院機構四国がんセンター(松山市)は今年5月、月1回の講習会をスタートした。初回には10人が参加。患者は皮膚の色素が沈着しやすい場合もあるため、日焼け止めをこまめに塗ったほうがいいなどをアドバイスした。同病院の患者・家族総合支援センターの看護師・池辺琴映さん(33)が企画した。池辺さんは病棟で入院患者を担当していた頃、外見上の副作用について細かく助言する余裕がなく、もどかしさを感じていたという。(7月16日 朝日新聞)
Jul 26, 2014 07:33

がん治療 広がる外見ケア 5
1月から同病院に入院する都内の女性会社員(37)はある日、急に上司が面会に来ることになった。脱毛している姿を見られたくなくて支援センターに相談。ウイッグを付け、ネイルを塗ってもらった。「治療前と変らない見た目になり、明るく話ができた。遠ざかっていた社会とつながれたと感じた」。講習会の参加者は大半が女性だが、男性限定の相談日も設けている。このほか個別の相談にも応じている。支援センターは今後、遠隔地の患者の支援につながるよう、各地の病院に参考にしてもらえるような外見ケアについての指針をまとめるという。(7月16日 朝日新聞)
Jul 25, 2014 07:35

がん治療 広がる外見ケア 4
(国立がん研究センター中央病院)同病院は2009年、通院患者638人にどんな副作用が苦痛かアンケート。女性の回答は頭髪の脱毛が一番多く、吐き気(2位)やしびれ(3位)を上回った。まつ毛の脱毛(6位)、顔の変色(12位)など外見上の副作用を挙げる人が目立った。臨床心理士の野澤佳子・支援センター長は「医療技術が進歩し、外来でも抗がん剤治療を受けられるようになった。生活や自己実現のために仕事をする患者も増えている。どのように生きるかが、これまで以上に重要になっている」と話す。(7月16日 朝日新聞)
Jul 24, 2014 07:25

がん治療 広がる外見ケア 3
5月上旬、抗がん剤治療中の女性やその家族12人が支援センターに集まった。週に2回開く無料講習会だ。講師の臨床心理士は「使うと決めたウイッグに近い髪形にあらかじめ地毛を切っておくと、戸惑わない。薬が終わればまた生えてきますよ」。参加者らはうなずきながら耳を傾けた。慣れないと「なんか変」と感じがちなウイッグも、「似合っていると言ってもらい、自信になった」と、娘と参加した都内の主婦(65)は話した。(7月16日 朝日新聞)

Jul 23, 2014 07:43

がん治療 広がる外見ケア 2
抗がん剤治療のほか、放射線によるがん治療の代表的な副作用の一つが、髪やまゆ毛などの脱毛だ。手足の指が黒ずんだり爪が割れたりするケースもあり、特に女性患者はショックを感じることも多い。こうした副作用による外見の変化をカバーするのが「外見ケア」だ。国立がん研究センター中央病院(東京都中央区)は2007年から、悩みを抱える患者の支援に取り組む。昨年7月には院内の一角にアピアランス支援センターを設け、ウイッグ(かつら)や帽子などを並べている。(7月16日 朝日新聞)
Jul 22, 2014 08:08

がん治療 広がる外見ケア
髪の毛が抜けたり、皮膚が変色したり。そんな抗がん剤治療の副作用のため、落ち込む患者も少なくありません。少しでも生活や仕事がしやすくなるようにと、外見のケアを支援する取り組みが医療機関や自治体で広がりつつあります。(7月16日 朝日新聞)
Jul 21, 2014 08:26

がん未承認薬6割、月100万円超 4
政府は混合診療の拡大を打ち出しているが、かりに混合診療が認められたとしても未承認薬の薬代は自己負担となる。藤原氏は「がんの薬物治療は数カ月かかるケースが多い。混合診療が認められても、重い薬代の負担は変らない。また、欧米では使える対象の患者を限定しており、同じ領域の患者すべてに使えるわけではない。費用負担と薬の効果をよく理解したうえで、治療を選択すべきだ」と話す。
Jul 19, 2014 08:16

がん未承認薬6割、月100万円超 3
最高額は前立腺がんを対象にしたがんワクチン「シプリューセルT」で、月620万円になるという。月100万円を下回った残り10種は、月5万2千円から96万5千円だった。公的医療保険が適用された薬であれば、自己負担は1~3割。患者の年齢や収入によって異なるものの、高額療養費制度を使えば、薬代を含めた1カ月の医療費を大幅に減額できる。一方、未承認のまま使う場合、公的医療保険と自由診療を組み合わせる「混合診療」は原則認められないため、薬代に加えて、本来なら保険が使える検査費や入院費なども含めて全額自己負担になる。(7月11日 朝日新聞)
Jul 18, 2014 08:24

がん未承認薬6割、月100万円超 2
この中には米国か欧州のどちらかで不承認となったり、承認申請が取り下げになったりした6種も含まれる。がんの領域別でみると、血液15種、皮膚8種、泌尿器7種、甲状腺2種などだった。国立がん研究センターの藤原康弘・企画戦略局長らは、米国での薬価が確認できた34種について、1カ月にかかる薬代を円換算(1ドル=100円)した。使用量は、日本人の50代の平均身長や体重などをもとに、欧米での使用法から導き出した。月100万円を超えた24種のうち、6種は300万円を上回った。(7月11日 朝日新聞)
Jul 17, 2014 07:35

がん未承認薬6割、月100万円超
米国や欧州で承認され、日本では未承認のがん治療薬41種類のうち、24種は薬代が円換算で月に100万円を超えるとする調査結果を国立がん研究センターがまとめた。承認されて公的医療保険が適用されないと、患者は高額な負担が必要となる例を示した。41種は2000年以降に欧米で承認され、2014年5月末時点で日本では承認されていない抗がん剤やがんワクチン。(7月11日 朝日新聞)
Jul 16, 2014 07:51

イソフラボン「効果見られず」4
もっとも強い根拠になるのは、介入試験という方法だ。集団をほぼ同じ条件で複数のグループに分け、ある食物成分などをとるかとらないかによって効果に差が出るかを比較する。ただ、たばこなどがんのリスクを上げることが予想される場合は倫理的に介入試験はできず、追跡調査の積み重ねで確かめる。(6月21日 朝日新聞)
Jul 05, 2014 08:42

イソフラボン「効果見られず」3
もっとも当てにならないのは「権威のある人が効くと言っている」だ。ある地域はがんが少なく、そこではある食品をたくさん食べているから、その食品はがんを抑えるという三段論法も根拠は弱い。年齢などほかの条件の違いが影響しているかもしれないからだ。イソフラボンの研究のように、大規模な集団の生活習慣を調べ、がんなどの発病率を長期間追って関係をみる方法は信頼度が高い。(6月21日 朝日新聞)
Jul 04, 2014 08:37

イソフラボン「効果見られず」2
がん研究センターがん予防・検診研究センターの岩崎基免疫学研究部長は「日本人はイソフラボンの摂取量がもともと多いため、差が出にくかったかもしれない」と語る。まだ研究が少なく、完全に否定されたわけではない。また乳がんなどを減らす可能性もある。がんの予防効果があるかのように宣伝されている健康食品やサプリメントは多い。だが、その効果が科学的に確かめられたものはほとんどない。(6月21日 朝日新聞)
Jul 03, 2014 08:29

イソフラボン「効果見られず」
イソフラボンをとる量が多い女性と少ない女性で、子宮体がんの発病には差が見られない。国立がん研究センターなどが6月18日、こんな結果を発表した。イソフラボンは豆腐やみそなどの大豆食品に含まれ、子宮体がんを予防すると期待されていた。岩手、大阪、沖縄など9府県の45~74歳の女性約4万人を対象に、1990年代から2009年まで追跡調査をしたデータをもとに導き出した。(6月21日 朝日新聞)
Jul 02, 2014 08:02

生活習慣 コーヒー
コーヒーもがんのリスクを下げるという研究結果がある。さらに新しいデータが必要で、津金さんは「ふだん飲んでいない人に無理に飲むよう進める段階ではない」と話す。(6月21日 朝日新聞)
Jul 01, 2014 08:01

生活習慣 運動
リスクを下げそうなのは運動だ。大腸がんには「ほぼ確実」、乳がんには「可能性あり」と判定されている。デスクワークの多い人には、毎日1時間程度の歩行と週1回30分程度のランニングなどが勧められている。(6月21日 朝日新聞)
Jun 30, 2014 08:04

生活習慣 肥満・痩せすぎ
肥満や痩せすぎも影響する。体重(キログラム)を身長(メートル)で2回割ったBMI値が、30以上でがんんのリスクを明らかに高めるが、日本人で該当する人は少ない。欧米人とは異なり、太り過ぎよりやせすぎのほうが寿命を縮めているという。中高年では男性がBMI21~27、女性は19~25を適正範囲としている。(6月21日 朝日新聞)
Jun 29, 2014 08:14

生活習慣 野菜・果物
野菜や果物は、不足すると食道がんのリスクを「ほぼ確実」に上げる。1日あたり400グラムの摂取が目標とされ、野菜を小鉢で5皿分と、果物1皿分を合わせた程度になる。熱い飲食物も食道がんのリスクを「ほぼ確実」に上げるという。(6月21日 朝日新聞)
Jun 28, 2014 08:21

生活習慣 塩分
塩分が胃がんのリスクを高めることは「ほぼ確実」だ。国際的には1日5,6グラムが目標とされる。ただ、がん研究センターは男性9グラム、女性7.5グラムとしている。同センターの津金昌一郎・がん予防・検診研究センター長は「5,6グラムでは日本食が成り立たなくなってしまうので、達成できる値にした」と説明する。食品成分が食塩ではなく、ナトリウムで表示されている場合は、ナトリウムを2.54倍すると塩分量になる。(6月21日 朝日新聞)

Jun 27, 2014 08:07

生活習慣 飲酒
飲酒が原因のがんは、男性では約1割。一方、ほどほどの量ならば、がん以外も含めた死亡率全体を下げるという研究結果もある。がん研究センターは、飲むのならアルコール量で1日23グラム程度を勧めており、これは日本酒1合、ビール大瓶1本程度に相当する。(6月21日 朝日新聞)
Jun 26, 2014 08:03

この生活習慣 効果かリスクか3
次に、原因となる割合が高いのが感染症だ。男女とも2割前後ある。肝がんは肝炎ウイルス、胃がんはピロリ菌、子宮頸がんはヒトパピローマウイルスに感染することで、「確実」にリスクが上がるとされる。喫煙と感染をなくすことができれば、日本人のがんは3割程度減る計算になる。(6月21日 朝日新聞)
Jun 25, 2014 07:31

この生活習慣 効果かリスクか2
喫煙は、多くの種類のがんで発病リスクを引き上げている。喫煙が原因のがんは、がん全体のうち、男性は約3割、女性では5%だった。受動喫煙でも原因になる。井上さんは「吸わない人も、たばこの煙に近づかないよう気をつける必要がある」と助言する。(6月21日 朝日新聞)
Jun 24, 2014 07:46

この生活習慣 効果かリスクか
日本での複数の疫学研究をもとに、国立がん研究センターの研究班は、喫煙、飲酒といった生活習慣や、感染症について、日本人のがんのリスクを上げるのか下げるのかを評価している。また、東京大の井上真奈美特任教授は、日本人のがんに占める原因ごとの割合を調べた。2005年の推計では、がん全体のうち、生活習慣や感染症が原因のがんは男性で約5割、女性で約3割とされ、残りは不明という。
(6月21日 朝日新聞)
Jun 23, 2014 08:03

生活習慣
がんを防ぐ方法や食品などの情報が、ちまたにあふれている。多くは科学的根拠がなかったり、あいまいだったりする。国立がん研究センターは、複数の疫学調査組み合わせて、がんに与える生活習慣などの影響を調べている。(6月21日 朝日新聞)
Jun 22, 2014 09:38

整形外科医と連携カギ4
「骨転移に対する医療現場の意識は上がりつつあるが、全国的にみればまだ過渡期」と片桐さん。国が指定する「がん診療連携拠点病院」は全国に397(2014年4月)あるが、がんに詳しい整形外科医は全国に200人に満たないという。専門医の一人で、大阪府立成人病センターの橋本伸之整形外科副部長は「医療現場を変える必要はあるが、患者さんにも知識を持ってもらい、自分の身を守ってほしい」と話す。(5月28日 朝日新聞)
Jun 21, 2014 10:17

整形外科医と連携カギ3
日常の声かけが、患者に骨を気遣う意識を持たせ、予防につながる。外来患者も含め、骨転移の状態に心配があれば、主治医は整形外科医に相談する。年約300例。まひは放射線をあてて、がんを小さくすることで未然に防ぐ。院内の連携が実を結び、2005年から骨転移の患者の骨折は激減。下半身不随はほぼなくなったという。(5月28日 朝日新聞)
Jun 20, 2014 08:16

整形外科医と連携カギ2 
片桐さんは毎週水曜の朝7時半から看護師や理学療法士らと病室を回り、患者に骨折やまひの危険性がないか見極める。がんそのものを治療する主治医とは役割が違う。「ベッドから自力で体を起こすのはやめてください。首の骨に負担がかかりますから」。片桐さんは寝台の傾きを変える電動ベッドを利用するよう女性患者(67)に声をかけた。ほかの患者には杖を使って歩くときに両足に均等に体重をかけるよう指導した。(5月28日 朝日新聞)
Jun 19, 2014 07:43

九州がんセンター、来月講習会
講習会は7月26日~27日、がんセンター内の研究施設で。対象は小学校高学年から中学生までの子どもと保護者で、計8組16人。参加無料で、児童や生徒が書いた200字以内の応募理由をもとに選考する。がん予防の啓発や患者支援のためのセミナーなどは数多いが、この講習会では実際に見て、触れてがんへの理解を深めることを重視する。がんセンターの織田信弥・腫瘍遺伝学研究室長は「子ども向けではない本格的な研究の一部だからこそ心に響く」と話す。(6月13日 朝日新聞)
Jun 18, 2014 08:03

親子で学ぶ がんの仕組み
国立病院機構九州がんセンター(福岡市南区)が小中学生と保護者向けに「親と子の『がんと遺伝子』夏の講習会」を開く。専用の機材でがん細胞のDNAの塩基配列を分析するなど、実際の研究に触れる本格的なプログラム。2人に1人がなるとされる国民病の研究を通し、医療に興味を持ってもらうねらいだ。(6月13日 朝日新聞)
Jun 17, 2014 07:24

整形外科医と連携カギ
「どうしても、元のがん治療が最優先になる。10年前までは、骨折などを予防しようという考えは一般的でなかった」と、静岡県立静岡がんセンター整形外科の片桐浩久部長は言う。同センターは2002年の開院から、骨転移のケアに先駆的に取り組んできた。カギを握るのは、骨や神経が専門の整形外科医。(5月28日 朝日新聞)
Jun 16, 2014 07:52

魔法の食事はありません 2
例えば青魚などに多く含まれるEPAと呼ばれる物質。膵臓がん患者が食べると、筋肉量や体重の減少を抑制する効果がありそうだと、研究でわかってきた。胃を全摘出した患者に対する臨床試験も進められている。「何らかのかたちで貢献できるような食事があるのなら、それを見つけ出したい。そんな思いで患者さんと向き合っています」。科学的根拠が示されないまま「がんに効く」とされる栄養食品やサプリメントは後を絶たない。一方で、肝臓などに悪影響も及ぼすものもある。「夜間学校の講義では、そういったものを見極めるためのヒントもお伝えしたいと思っています」。「がんと食事・栄養」講師 吉川貴己さん
(5月19日 朝日新聞)
Jun 06, 2014 08:21

魔法の食事はありません
毎日食べる食事。どんな工夫をしたら、がんの治療や予防に役立つのだろうか? 残念ながら「これを食べさえすれば予防できるといった『魔法の食事』は、現状では見つかっていません」と過剰な期待に釘を刺す。明確な科学的な根拠のある食事は、まだ見つかっていないという。しかし、「食事」ではなく、「栄養系」では可能性が少し見えてきたという。「がんと食事・栄養」講師 吉川貴己さん (5月19日 朝日新聞)
Jun 05, 2014 08:02

販売停止、学会が対応協議へ
子宮筋腫は成人女性の1~2割が重い症状に苦しんでいる。内視鏡手術はおなかの傷が1センチほどで、入院期間も数日で済む。実施件数は年々増え、2012年では約9千件。ほとんどでこの装置が使われた。はさみなどによる内視鏡手術も可能だが、方法が変ることでほかの臓器を傷つけるリスクが高まるという。厚生労働省によると、この装置でがんが飛び散った事例は日本では報告されていないという。筋腫とがんの判別は日本では精度の高いMRI検査が普及しており、米国とは異なるとして使用中止を求めていない。
May 27, 2014 07:52

切除装置、がんをまき散らす恐れ
この装置は「モルセレーター」といカッターで、筋腫などを細かくして吸い取る。ただ、筋腫と見分けにくいがんもあり、米食品医薬品局(FDA)によると、子宮筋腫の手術を受ける患者の0.3%にがんがあったという。FDAは4月に使用を勧めないと医師に呼びかけた。日本で装置を販売しているのは2社で、2000年に承認された米国製がシェアの大半を占める。米国製は5月上旬に日本でも販売が停止された。もう1社のドイツ製も一時停止した。消耗品のため、在庫がなくなれば、この装置での内視鏡手術ができなくなる。(5月20日 朝日新聞)
May 23, 2014 08:03

子宮筋腫 内視鏡手術に壁
多くの女性が悩む子宮筋腫で、内視鏡手術ができなくなる恐れが出てきた。筋腫を細かく切る装置について、がんがあった場合にがんをまき散らすリスクがあるとして、米国が使用を控えるよう求めたためだ。日本でも企業が自主的に販売を止めた。だが、手術前に詳しく検査する日本では状況が異なるとして、日本産科婦人科内視鏡学会は21日、緊急に対応を協議する。(5月20日 朝日新聞)
May 22, 2014 07:12

甲状腺がん診断
福島県は19日、東京電力福島第一原発事故の被曝による子どもの甲状腺への影響を調べる検査で、結果がまとまった28万7千人のうち、90人が甲状腺がんやその疑いがあると診断されたと発表した。2月の公表から3万3千人分の結果が追加された。県などは、現時点では被曝の影響は考えにくいとしている。県によると、新たに甲状腺がんと診断されたのは17人で、これで計50人になった。良性腫瘍は1人、甲状腺がんの疑いは39人になった。90人の事故当時の平均年齢は14.7歳。(5月20日 朝日新聞)
May 21, 2014 08:03

がん発症 年80万人 2
全国の地域がん登録事業を実施している自治体のデータをもとに推計した。その結果、2010年にがんにかかった人は男性が46万8048人、女性が33万7188人の80万5236人。1975年の計20万6702人の約4倍だった。部位別でかかった人が多いがんは、男性が①胃がん ②肺がん ③大腸がん、女性は①乳がん ②大腸がん ③胃がんで、ここ最近は順位に変化はない。一方、がんによる死者は2012年の人口動態統計によると、男性21万5110人、女性14万5853人の計36万963人。がんで死亡する確率は男性26%、女性16%になる。(5月14日 朝日新聞)
May 17, 2014 08:19

がん発症 年80万人
1年間に新たにがんにかかった人は2010年の推計値で80万人を超えたことが、国立がん研究センターがん対策情報センターの最新統計で明らかになった。記録が残る35年前の約4倍で、80万人を超えたのは初めて。高齢化の影響が大きとみられる。生涯でがんにかかる確率は男性60%、女性45%と試算している。(5月14日 朝日新聞)  

May 16, 2014 08:13

手術ミス訴訟
国立病院機構九州がんセンター(福岡市南区)で胆のうの摘出手術を受けた同市の女性(58)が、手術ミスで後遺症が残ったとして約3千万円の損害賠償を求めた訴訟があり、福岡地裁(青木亮裁判長)で25日、センター側が女性に1300万円を支払う和解が成立した。訴状によると、女性は2008年10月、腹腔鏡での手術を受けた際に胆のうの近くにある胆管が傷つけられた。女性は今も、損傷して細くなった胆管を広げるための治療を受けている。(4月26日 朝日新聞)
Apr 30, 2014 08:08

同じ病気の仲間と支え合おう 4
「顔も名前も知らない。でも、この瞬間も同じ病気と闘う仲間がいることが、大きな力になった」。大量の抗がん剤を投与する超大量化学療法を受ける決断をした。発症から1年半後、医師から「体内にもうがんはありません。社会復帰してください」と告げられた。昨年、医師らと精巣腫瘍の患者の会「J-TAG」を立ち上げた。「今はがん=死の病じゃない。患者が正しい情報を得て、自分の経験を次の人たちに伝えていけるような場にしたい」。改發 厚さん(39) (2011年7月28日 朝日新聞)
Apr 28, 2014 08:53

同じ病気の仲間と支え合おう 3
精巣腫瘍は10万人に1人という、非常にまれながんだ。発症する年齢のピークは20~30代。仕事や結婚など、まだこれからの若い世代を襲う。手術後は精子が作れなくなったり、射精障害になったりして深い悩みを抱える。入院した病室でも、同じ病の人はいなかった。なかなか消えないがんに、もう治療をやめようかと考えた時だ。サイトを通じて知り合った同じ病気を持つ仲間から、「苦しいけれど一緒に乗り越えよう」という書き込みが続いた。(2011年7月28日 朝日新聞)
Apr 27, 2014 08:33

同じ病気の仲間と支え合おう 2
術後、5カ月にわたる抗がん剤治療を受けた。リンパ節を切除したが、がんはなくなるどころか肺に多発転移していた。自分の治療記録のつもりで闘病記のサイトを立ち上げた。転移を繰り返し、病状は悪くなるばかり。「サイトに載せる写真や日記は、いつしか7歳と4歳の子どもに残す遺書代わりに思うようになった」。(2011年7月28日 朝日新聞)
Apr 26, 2014 08:13

同じ病気の仲間と支え合おう
7年前、風呂上りに鏡越しにふと見た自分の睾丸に驚いた。卵ほどの大きさにはれていた。このとき32歳。勤める信用調査会社では一緒に働く部下もできた。「恥ずかしさもあった。会社を休んでまで病院に行くという考えは浮かばなかった」。3カ月が過ぎた頃、熱やしびれ、腰痛に悩まされるようになった。手術で摘出して詳しく調べると、睾丸はがんに侵され、リンパ節への転移がわかった。(2011年7月28日)
Apr 25, 2014 08:09

がん診断後の1年
がんと診断された患者が1年以内に自殺するリスクは、診断されていない人の約20倍とする調査結果を国立がん研究センターの研究班がまとめた。研究班は、診断直後に適切なケアをすることが重要としている。研究班は9府県の男女約10万人(調査開始時40~69歳)について、1990年から2010年まで追跡調査した。この間に自殺したのは561人、自殺の可能性もある不慮の事故などの外因死で亡くなったのは755人。このうち、1年以内にがんと診断されていたのは自殺が13人、外因死が16人だった。がんと診断されていない人と比べた場合、診断後1年以内の患者が自殺するリスクは23.9倍。外因死のリスクは18.8倍高かったとしている。診断から1年以上経つと、いずれのリスクもほとんど変らなかったという。(4月23日 朝日新聞)
Apr 24, 2014 08:14

継続的に受けて欲しい
福島県の子どもの甲状腺検査は、世界的にも前例のない規模と精度だ。夏ごろには、がんがどれくらいあるのか全体像が判明するだろう。甲状腺がんのゆっくり成長する性質などを考慮すると、いま見つかるがんは、被曝とは関係ないと考えられる。今後、1巡目の検査結果を基礎として、それより増えるかどうかで被曝の影響の有無を見極めていく。子どもの年齢が上がると自然にがんは増えるし、これまでの検査で小さながんも見つかっている。これらの影響も考慮して判断する。(3月8日 朝日新聞)
Mar 29, 2014 08:40

検査途中でも説明必要 2
これまでに約3千人を検査し、がんが1人で見つかった。いま見つかるがんは原発事故前にできていた可能性が高い。直径1センチのがんには約10億個の細胞がある。腫瘍細胞が10億個になるには30回分裂しなければならない。細胞が1回分裂して数が倍になる時間を考えると、1センチになるのは数年かかる。(3月8日 朝日新聞)
Mar 27, 2014 08:45

検査途中でも説明必要
月1、2回、福島県内で子どもの甲状腺検査をしている。県による甲状腺検査が県民の要望に十分に応えていないからだ。県民は、検査の途中で説明を聞きたいし、検査画像を印刷して持ち帰りたい人もいる。画像があれば別の専門家の意見が聴けるし、後の検査時にも比較できる。県は「時間がない」「診断が間違っていると混乱が生じる」などと言って、現状では検査結果がわかるのが約2カ月後だ。画像が複雑な手続きを取らないともらえない。その場で診断できない医師や技師が検査をすべきではない。(3月8日 朝日新聞)
Mar 26, 2014 09:08

治療費 国が負担すべき 2
ただ、子どもたちが成人すると、進学や就職などで県外に出る場合も多い。全国どこにいても無料で検査が受けられるよう、福島県で被災したことを証明する「健康手帳」のようなものを県か国は作るべきだ。また、検査で見つかった甲状腺がんの治療費は、18歳を超えると家族や本人に負担が生じる。原発事故がなければ必要のなかった甲状腺検査を受けた結果、見つかったがんなのだから、国が将来にわたって全額負担していくべきだ。(3月8日 朝日新聞)
Mar 25, 2014 08:58

治療費 国が負担すべき
1999年から毎年、ベラルーシを訪れ、甲状腺がんの患者を診療している。チェルノブイリ原発事故から25年以上経つが、事故の影響はまだ続いている。福島の原発事故は、チェルノブイリと規模が違うと言われる。しかし、低線量被曝には未解明の部分が多く、福島でどんな影響が出るのかわからない。福島でも長期間にわたり、影響の有無をきちんと調べていく必要がある。(3月8日 朝日新聞)
Mar 24, 2014 08:46

子の心傷つけてはダメ 2
福島県による甲状腺検査が3月に一巡するのは一定の成果だろう。甲状腺がんが見つかる数が、これからどう変化していくのかをしっかり見守ってほしい。甲状腺がんやその疑いのある子どもは十分に追跡調査をしていくべきだ。甲状腺がん患者の医療費無料化も求めたい。県は原発事故後、18歳以下の医療費を無料化した。甲状腺がんは18歳以上の人も発症する可能性がある。医療費を気にせず受診できる環境を国主導でつくり、安全安心につなげるべきだ。(3月8日 朝日新聞)
Mar 22, 2014 08:53

子の心傷つけてはダメ
昨年、相馬市内の女子中学生520人を対象に、将来、福島出身という理由で結婚の際に不利益な扱いを受ける不安があるかと尋ねた。すると、4割が「ある」と応えた。内科医としても、現在の相馬市の放射線量で妊娠時の胎児に悪影響があるとは考えられない。だが、アンケート結果は、若い子どもたちの心が傷つけられている現状を浮き彫りにした。(3月8日 朝日新聞)
Mar 21, 2014 09:06

比較のため県外検査検討を 2
チェルノブイリ原発事故では、甲状腺被曝線量のわかっている住民が子どもを含め31万人近くおり、線量とがん発生率を比較して被曝の影響を確定できた。一方、福島では甲状腺被曝線量がほとんど不明だ。「被曝していない福島県外の子どもで大規模な調査をして比較すべきだ」と指摘する海外の専門家もいる。だが、甲状腺がん検査は過剰診療につながるリスクがあり、環境省や県は難色を示す。県は、県内で外部被曝線量の低い地域の子どもと比較して判断できるか探るというが、国連科学委員会はチェルノブイリ原発事故で「外部被曝と甲状腺被曝線量には相関関係はない」と指摘している。福島の子どもたちが将来にわたって、被曝の影響があるのかわからないままにしてしまうのは適切ではない。県や環境省は、県外での検査も検討すべきだ。(3月8日 朝日新聞)
Mar 20, 2014 08:52

比較のため県外検査検討を
福島県の子どもの甲状腺検査は、受診率が8割に達する。福島第一原発事故の被曝による我が子の健康への影響に、保護者が大きな不安を抱いていることを示している。県は1巡目の結果を被曝の影響ではなく、子どもに自然に発生する甲状腺がんのデータととらえている。個人のがん細胞を調べても、放射線が原因なのかはわからない。2巡目以降、甲状腺がんの発生率の変化をみて放射線の影響の有無を判断する計画だ。しかしそれだけでは被曝の影響と科学的に証明できない。(3月8日 朝日新聞)
Mar 19, 2014 08:59

子の甲状腺 募る不安 7
症状のない子どもの甲状腺を精度の高い超音波機器で網羅的に調べたことがなかったため、いま見つかっているがんが多いのか少ないのかはわからない。県は1巡目のデータを基本にして、今後、がん発生が増えるのか調べていく。だが、放射性ヨウ素は半減期が8日と短いため、子どもの甲状腺被曝量は調べられなかった。県の検討部会では「がんが増えても被曝の影響だとは結論づけられないのでは」(渋谷健司東大教授)との指摘も出ている。チェルノブイリ原発事故に比べて被曝線量が低いと見られる福島では、影響が出るとしても何十年も先になる可能性もある。(3月8日 朝日新聞)
Mar 18, 2014 08:35

子の甲状腺 募る不安 6
昨年末時点で約37万人が検査を受けた。5割近い子どもに2センチ以下ののう胞(液体の入った袋)や、5ミリ以下の結節(しこり)があった。もっと大きなのう胞や結節があったのは約1800人。詳細な超音波検査などをして、75人ががんの疑いと診断された。34人が手術を終え、1人は良性と確認され、33人はがんだった。やや悪性度の高い可能性が1人にあるが、32人は悪性度の低いタイプだった。疑いがあるとされた残り41人のうち、経過観察の2人を除く39人は、いずれ手術を受ける見通しだ。(3月8日 朝日新聞)
Mar 17, 2014 08:52

子の甲状腺 募る不安 5
チェルノブイリ原発事故では、被曝の影響として明らかに増えたのが、放射性ヨウ素による子どもの甲状腺がんだった。それをふまえて、福島県は2011年秋に甲状腺検査を始めた。対象は、事故当時、県内にいた18歳以下すべて。約37万人に上る。原発周辺地域からスタートし、今年3月末で全域を1巡する。4月以降は2巡目とともに、事故当時に胎児だった子どもの検査が始まる。(3月8日 朝日新聞)
Mar 16, 2014 09:05

子の甲状腺 募る不安 4
原発事故直後、女性は子どもを連れて山あいの浪江町津島地区に避難した。原発から放射性ヨウ素などが風に乗って流れ、線量が高くなっていた。しかし、政府は放射線の予測データを公表しておらず、大くの町民が避難していた。滞在したのは1日だけだったが、「線量の高いところに避難してしまった」と悔やむ。(3月8日 朝日新聞)
Mar 15, 2014 08:01

子の甲状腺 募る不安 3
「子どもたちの被曝を考えると、不安が尽きない」。福島県浪江町から避難し、二本松市内の仮設住宅で暮らす女性(48)は打ち明ける。3人の子どもが始めて甲状腺検査を受けたのは2011年秋。全員、しこりなどがない「A1]判定だった。翌年、県立医大の協力で浪江町が独自に実施した検査では、次女(11)は5ミリ以下のしこりなどがある「A2」に変った。県は「A2も健康上問題ない」と説明しているが、女性は「心の底からは安心できない」と話す。次女を不安にさせたくないので、平静を装っている。(3月8日 朝日新聞)
Mar 14, 2014 09:50

子の甲状腺 募る不安 2
福島県立医大の緑川早苗准教授(放射線科)が、温めたジェルを男児の首に塗ると、男児は歯を食いしばった。緑川さんは男児の首に器械を当てて、モニターを見ながら動かした。時間は2分足らず。「よく頑張ったね」と声をかけると、男児は「はあー」と息を吐いた。くすぐったくて、噴きださないようこらえていたのだ。子ども1人につき8枚の写真を撮る。画像を県立医大に持ち帰り、複数の医師で診断する。迷う時には、外部の専門医の意見も聞く。検査結果が本人に郵送で届くのは約2カ月後だ。(3月8日 朝日新聞)
Mar 13, 2014 08:42

子の甲状腺 募る不安
東京電力福島第一原発事故の被曝で、福島県の子どもに甲状腺がんが増えるのか。結論はまだ出ず、不安は続く。福島県喜多方市の喜多方プラザ文化センターに2月下旬、就学前の子どもを連れた男女や、高校生が次々にやって来た。福島第一原発事故の影響を調べる甲状腺検査を受けるためだ。ついたてで仕切られたブースには、超音波検査器とベッド、枕元にはぬいぐるみが置かれている。母親と一緒に入ってきた4歳の男の子は、自分でベッドで横になった。(3月8日 朝日新聞)
Mar 12, 2014 08:56

甲状腺がん
国内では年約1万2千人が発症。9割は進行がゆっくりで、死亡する恐れが少ないタイプ。若いときになるのは大半がこのタイプだ。早く見つけて早く治療すればよいとは必ずしも言えない。治療の基本は手術で、甲状腺の近くにある発声に関わる神経を傷つける恐れがあり、全摘すれば甲状腺ホルモンの補充が生涯必要になるからだ。(3月8日 朝日新聞)

Mar 11, 2014 09:05

STAP細胞でがん研究 5
九州大の赤司浩一教授は、少しだけ万能化の方向に進み、無秩序に増殖するのががん細胞ではないかと推測する。「これまで、がん化の原因は主に遺伝子異常だと考えられてきたが、メカニズム解明のためには、化学的刺激や物理的刺激も考慮する必要がある」。STAP細胞は、移植をせずに体の中で臓器を作り直すような究極の再生医療への応用が期待されている。開発者の小保方晴子ユニットリーダーは1月28日の会見で、「従来想定していなかった新規の医療技術に貢献できると考えている。がんの抑制技術にも結びつけられるかもしれない」と述べた。(2月6日 朝日新聞)
Feb 18, 2014 09:05

STAP細胞でがん研究 4
ふつうの細胞がSTAP細胞になる能力を秘めている理由について、万能細胞に詳しい京都大の中辻憲夫教授は「何かの意味があるとしたら、修復と防御に関係しているのではないか」とみる。イモリは脚を切断しても、傷口からまた元通りの脚が生えてくる。損傷による刺激で、傷口にある細胞が脚を作れる細胞に変化するためだ。(2月6日 朝日新聞)
Feb 17, 2014 09:03

STAP細胞でがん研究 3
体の中でも、細胞は酸などのストレスで常に刺激を受ける。理研の研究によると、胃から逆流してきた胃酸にさらされた食道の細胞は、万能細胞に特有のたんぱく質を持つ。ただ、STAP細胞にはならない。酸による食道の炎症は、がんの原因にもなる。両者を結びつける鍵は、細胞の修復能力と、その「暴走」かもしれない。(2月6日 朝日新聞)
Feb 16, 2014 09:23

STAP細胞でがん研究 2
体の細胞は、受精卵という「天然」の万能細胞が分裂して増え、作られる。それぞれの細胞は筋肉なら筋肉、皮膚なら皮膚と、役割を分担する。酸などによる刺激を与えて、元の受精卵と同じような万能状態を取り戻したのがSTAP細胞だ。がん細胞はSTAP細胞と同様に、体の細胞が化学物質などさまざまな刺激を受けることもできる。また、STAP細胞は特殊なたんぱく質を与えて育てると、どんどん分裂して増えるようになる。がん細胞も活発に増殖する。STAP細胞はがん細胞とは異なるが、似た特徴を持つ。(2月6日 朝日新聞)
Feb 15, 2014 09:28

STAP細胞でがん研究
新型の万能細胞「STAP細胞」は、体のふつうの細胞が刺激によって変化し、育て方次第で無制限に増えるようになる。これはがん細胞と共通した特徴だ。発見した理化学研究所は、STAP細胞を再生医療だけでなく、がんの予防や治療の研究に生かそうとしている。「(STAP細胞の)原理がもうちょっとわかってくれば、(がん研究に)つながるのではないか」。理研発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の笹井芳樹・副センター長は5日、報道陣にこう述べた。(2月6日 朝日新聞)
Feb 14, 2014 09:18

がん条例 意義は 課題は 2
また、「常設の患者向けの相談窓口がほしい」といった声や、小児がん患者の闘病にかかる費用の負担軽減や、学びへの対応を求める声もあった。がん対策事業を担当する福岡県健康増進課によると、国のがん対策基本法に基づき、検診の普及やがん患者の支援などを行ってきたため、これまで条例化への動きはなかったという。ただ、全国の傾向と同じく、県民の死亡原因の最多はがんだといい、「条例の必要性や他県の状況を研究していきたい」という。(1月29日 朝日新聞)
Feb 13, 2014 09:00

地域により残る偏見
第2部で、福岡にふさわしい「がん条例」について意見を交わした。その中で、がんへの意識や知識が地域によって格差があることが浮き彫りになった。ある女性は「周囲の偏見を恐れて闘病中と公表できない人がいる」と話した。がんだとわかった途端、職場の上司から退職するようしつこく勧められたり、周りの人から別のタオルを使うよう言われたりしたことも報告された。こうした声を受け、教育を通じてがんへの正しい認識を伝えていくことが必要だと確認し合った。(1月29日 朝日新聞)
Feb 12, 2014 09:10

がん条例
がん条例は、2006年に島根県が始めて制定。各都道府県や市町村単位で制定でき、がん患者への支援や医療の充実、がん予防の推進や啓蒙などが基本事項となる。また、国のがん対策基本法にもとづきながら、地域の独自性を盛り込んだところもあるという。昨年末現在、27都道府県と8市区町村が条例を定め、東京や鹿児島など7都県で条例化に向けた動きがあるという。条例をつくるには、議員やメディアへの情報発信、シンポジウム開催などが重要になるという。(1月29日 朝日新聞)
Feb 11, 2014 09:06

行政かかわる契機
第1部は「愛知県と名古屋市に学ぶがん条例」と題して、がん患者支援について研究する名古屋市立大大学院研究員の大野裕美さんが講演した。愛知県と名古屋市は2012年、がん条例を制定したという。大野さんは条例に意義について「がん対策事業予算の充実が期待でき、行政が積極的にがん対策にかかわる起爆剤となる」と話した。名古屋市と愛知県では条例が、小学6年と中学3年向けのがんを学ぶ補助教材や、がん患者と家族向けの相談支援事業につながったという。(1月29日 朝日新聞)
Feb 10, 2014 08:29

がん条例 意義は 課題は
福岡市のがん条例を考える集いが(1月)16日、福岡市で開かれた。全国にがん条例が広がる中、県内では制定に向けた動きがなかったという。他県の例や県内のがんをめぐる支援態勢などが報告され、がん条例のメリットなどを考えた。県内の約20のがん患者団体でつくる「がん・バッテン・元気隊」が主催。各患者会のメンバーや県議、市議らが参加した。
Feb 08, 2014 08:52

失った声 命の授業 3
子どもたちから伝え聞いた保護者や地元の人に評判が広がり、学校に「見学したい」と希望が寄せられた。学校は今年度から児玉さんの授業を見学できるようにした。毎回10人ほどが来る。児玉さんは今後もできる限り教壇に立ち続けたいと思っている。「子どもたちのために、命の大切さを伝える授業になれば」。
補聴器で教壇に 下関市立中 児玉校長 (1月4日 朝日新聞)
Jan 14, 2014 08:44

がん体験「私が教材」 3
命の大切さについて話をする際には、家族のために手術を決意した体験を話すこともある。「病気を通して、家族など自分以外の誰かのためならば頑張れる。先生は、そう感じました」。いじめによる自殺を受けて下関市教委が制定した4月の「いのちの日」には、第二次世界大戦中にドイツで奇跡的に生き延びたユダヤ人女性を描いた絵本「エリカ奇跡のいのち」(講談社)を題材に話をした。(1月4日 朝日新聞)
Jan 13, 2014 09:49

失った声 命の授業 2
2003年5月に手術し、2004年度から県教委で勤務。生活では補聴器が欠かせなくなった。最初は使いこなせず、うまく発音できなかった。他人の視線も嫌だった。しかし、教壇に再び立つ夢は諦めなかった。2007年度に美祢市立厚保中学校に校長として赴任。元々は社会科が専門だが、道徳の授業が苦手な教師の手本になりたい、と授業をすることになった。3年前に菊川中に赴任してからは、1~3年の全8クラスで年に1回ずつ教壇に立つ。全校集会で講話もする。(1月4日 朝日新聞)
Jan 12, 2014 08:49

がん体験「私が教材」 2
児玉さんが異変を感じたのは、別の中学の教頭だった2003年1月。冷たいものを飲むとのどが痛んだ。検査すると下咽頭がんだった。5年間、生きられる確率は「数十%」と宣告された。手術をすれば治る可能性はある。だが、声帯を取り除くため声を失う。その恐怖から「手術せず余命を過ごす」と家族に打ち明けると、大学生の長女は「どんな姿になっても生きていて」と涙ながらに懇願した。手術を決断した。(1月4日 朝日新聞)
Jan 11, 2014 08:43

失った声 命の授業
のどに補聴器を当てた児玉校長が、2年生のクラスで語りかけた。「世の中には、つまらない仕事はない。仕事をつまらなくするのも、誇りある仕事にするのも自分次第。一生懸命打ち込むから、誇りを持てて、立派な仕事になる」。補聴器を通して発せられるのは、抑揚のないブザーのような声。大きな声は出せないので、マイクを介す。(1月4日 朝日新聞)
Jan 10, 2014 08:59

がん体験「私が教材」
がんで声は失った。それでも補聴器を使い、教壇に立つ。山口県下関市菊川中の児玉典彦校長(57)。道徳の授業で、人としての生き方や命の大切さを教える。自らを教材にすることもある。授業は評判を呼び、住民が相次いで見学に訪れている。(1月4日 朝日新聞)
Jan 09, 2014 08:59

がん教育
国のがん対策推進基本計画に「がん教育」が盛り込まれ、県や市でもがん条例に「がん教育の推進」が制定されました。たとえば香川県は「児童及び生徒が学習活動等を通じてがんに対する理解及びがんの予防に関する知識を深めるために必要な施策を実施するよう努める」としており、北海道、千葉県、愛知県、京都府なども同様です。文部科学省は健康教育の中でがんを重要な課題と位置づけ、がん教育に2500万円の予算を要求しました。来年度にがん教育の検討会を立ち上げ、全国22カ所で教材の作成、配布などモデル事業を実施する予定です。日本対がん協会 (11月18日 朝日新聞)
Dec 05, 2013 08:21

がんの授業
日本人ががんにかかるのは何人に1人だと思いますか。2人に1人、5人に1人、それとも10人に1人? 先月下旬、東京・暁星中で2年生人173人を対象にがんの授業をしました。先の質問に「2人に1人」と正解した生徒は、授業前は31%でしたが、授業後は全員が正解を得ました。日本対がん協会と朝日新聞社が今年、中高校で実施したがんの授業「ドクタービジット」は全国で9校。暁星中や長野清泉女学院高、奈良・大淀高についてはその授業の模様を来月中旬から随時、朝日新聞誌面で紹介します。日本対がん協会より (11月18日 朝日新聞)
Dec 04, 2013 09:01

難治がんの「原因」探し出す 2
肺腺がんの患者の過半数が持つ遺伝子と、その「手先」として働く遺伝子をヒトの組織から見つけた。さらに、この「手先」の働きを抑えると、耐性ができて薬が効かなくなったがん細胞の増殖が止まることも確認した。肺がん治療薬イレッサは、特定の遺伝子変異がある腺がん患者によく効くが、やがて耐性ができて効かなくなる。「手先」を標的にした治療薬はこうした課題を解決できる可能性があり、開発を目指している。名古屋大大学院教授 高橋隆さん (11月18日 朝日新聞)
Dec 02, 2013 08:45

難治がんの「原因」探し出す
なぜ、がんになるのか。どうして転移、再発するのか。肺腺がんや膵臓がん、悪性中皮腫などの治りにくいがんを対象に、その原因遺伝子や「診断マーカー」を探し出す。がんに進む可能性を診断し、再発リスクを予測して術後の治療に生かす。「たとえばリスクの高い治療は、効果のある人だけが受けられるようにする。診断から治療まで、個々にあう有用な治療法を見つけていきたい」。名古屋大大学院教授 高橋隆さん。 (11月18日 朝日新聞)
Dec 01, 2013 09:36

がん患者への化粧法
資生堂は10月から、銀座の本社ビル内の個室で、がん治療の副作用で肌が変化した患者に90分間、無料で化粧法などを教えている。事前予約(03-3289-2262)が必要だ。同社は2年前から本格的にがん患者支援を始めた。東京共済病院の患者約30人を対象にした研究では、化粧後は抑うつ傾向が下がり、治療への取り組み意欲が上がるなどの確認ができた。担当の桜井奈緒美さんによると、抗がん剤の副作用によるはだのくすみや、眉やまつ毛の脱毛に悩む人が多いという。くすみが強い人には専用に開発したオレンジ色のファンデーションを塗り、肌の透明度を上げる。手を使い眉頭や眉山の位置を確認する方法や、アイライナーを太めに引くなどのノウハウも伝える。「ファンデを塗るだけで顔が輝く。明るい表情で帰っていかれます」。(11月18日 朝日新聞)
Nov 30, 2013 08:49

がん後遺症も原爆症
長崎市で被曝し、原爆症の認定申請を却下された女性が、国に却下処分の取り消しを求めた訴訟の判決が26日、長崎地裁であった。井田宏裁判長は処分を取り消す判決を言い渡した。原告は、6歳の時に爆心地の南東約3.3キロの長崎市伊良林町で被曝した三浦広子さん(74)。判決によると、三浦さんは1996年、胃がんの治療で胃を全て摘出。その後、食後すぐに腹痛などが起きるダンピング症候群などを患い、2008年に原爆症の認定申請をしたが、2010年に却下された。現行の認定制度では、3.5キロ以内で被曝して胃がんを煩った場合、積極的に認定することになっている。だが国は、申請時に胃が全摘出されていたことから、「現在、治療が必要」の要件を満たしていないとして申請を却下。手術後の症状は放射線との因果関係が不明だと主張していた。判決は、三浦さんの症状の一部が、放射線による胃がんの後遺症だと因果関係を認め、後遺症は治療が必要で、認定の要件を満たすと判断した。(11月27日 朝日新聞)
Nov 29, 2013 08:31

企業も支援に力注ぐ
がん患者の外見の悩みにこたえる取り組みは、民間企業が先行してきた。池山メディカルジャパン(名古屋市)は、シリコーン製の人工乳房をオーダーメードで作製し、販売している。血管やほくろの模様など、本物と見分けがつかないほど精巧だ。乳がん手術後に乳房が大きく変形した場合には、再建手術という選択肢がある。「でも『もう痛い思いはしたくない』と、あきらめる人も少なくない」と社長の池山紀之さん。(11月18日 朝日新聞)
Nov 26, 2013 08:20

拡大・養成が課題 
取り組みを進める病院もある。国立病院機構九州がんセンター(福岡市)は昨年から月に2回、乳腺科の看護師らがウイッグや化粧の相談に応じている。乳がんや婦人科がんの患者が対象だが、いずれは男性や他の部位にも広げたいという。野沢さんは拠点病院の支援実態や患者の意見を聞き取り、3年後をめどに医療機関による支援の指針をつくる。「院内の他職種との連携や、業者との関係のあり方も含めた内容にしたい」と話している。(11月18日 朝日新聞)
Nov 25, 2013 08:49

それぞれに合ったケア
がん患者は治療で外見が変り、男女を問わず生活に支障を来たすことが多い。その一方で、解決法を知って前向きになれる患者も多く、それぞれに合ったケアが重要だという。厚生労働省研究班の2012年の報告によると、全国のがん診療連携拠点病院のほとんどが「情報提供などの支援をする」と回答。だが、本格的にはこれからだ。支援センターが拠点病院を対象に12月に開く研修会は定員80人に170人の応募があった。知識や技術のあるスタッフの養成が課題だ。(11月18日 朝日新聞)
Nov 24, 2013 08:54

支援センター
千葉県の60代自営業男性。6月、小鼻にできた基底細胞がんを取る手術を中央病院で受け、ももの肉をほおに移植した。膨らみや色に違和感があった。「クリームを塗れば自然に見えそう」と期待する。支援センターは5月に開設された。専従者を置く取り組みは、医療機関として全国初だ。同病院の調査では、仕事のときに従来の姿を装うことが「重要」「かなり重要」と回答したのは働く人の8割。無職の人でも6割を超えた。野沢さんは「手や爪が黒いことで名刺を出せない人もいる」と話す。(11月18日 朝日新聞)
Nov 23, 2013 08:58

明るい気持に
臨床心理士の野澤桂子センター長から皮膚荒れや爪の手入れの説明を聞き、その後、オレンジ色のマニキュアを塗ってもらった。黒ずみが目立たなくなり、笑みがこぼれた。爪が割れた人が使いやすいメッシュの手袋も紹介してもらった。正しいケアの情報を知りたくてインターネットで探したが、正しいかどうか不安だ。治療を受ける別の病院は対応できるスタッフがいない。「外見で世の中との関わりが変ってしまうのは不本意。医療機関のサポートは安心できるし、明るい気持になりました」。(11月18日 朝日新聞)
Nov 22, 2013 08:27

外見ケア 病院本腰 2
関東地方に住む40代の女性。3月に大腸がんが見つかり、通院で3種類の抗がん剤治療を始めた。飲む薬ゼローダの副作用で指先や指の関節が黒ずんだ。手が気になり、外出がいやになった。今後は爪が割れることもあるようだ。家事ができるか心配だった。10月下旬、外見の変化に悩む患者向けセミナーに夫と参加した。国立がん研究センター中央病院(東京都)のアピアランス支援センターが開いた。(11月18日 朝日新聞)
Nov 21, 2013 08:34

外見ケア 病院本腰
がん治療に伴う脱毛や皮膚のくすみ、乳房切除など、外見の変化に悩む患者は少なくない。国立がん研究センターは今年度、こんした患者を支援する取り組みを始め、全国の病院にも広げることを目指す。人工乳房や化粧法など、民間企業の支援も広がつつつある。(11月18日 朝日新聞)
Nov 20, 2013 08:49

検査法
子宮体がんは超音波検査のほか、内膜の細胞も採取しますが、痛みや出血も伴います。子宮体がん検診も1988年に正式にがん検診システムに導入されましたが、普及は進んでいません。卵巣がんは超音波や血中腫瘍マーカーなどで診断します。但し、いずれも内診という産婦人科の基本診察が条件です。治療法はがんにより異なります。以前は手術による全摘除でしたが、今は極力、機能温存する方向で検討され、化学療法や放射線療法など治療の選択肢も増えています。(11月8日 朝日新聞 広告)
Nov 18, 2013 07:55

多様な発症リスク 2
卵巣がんも出産経験のない女性に多く発症します。毎月の排卵の過程では卵巣表面に小さな傷がつくことになりますが、妊娠せず排卵回数が多ければそれだけリスクが増える。昔のように4~5人出産していた時代には卵巣がんは稀ながんでした。卵巣がんは自覚症状がほとんどない「沈黙の疾患」、進行して発見される例が多いです。(11月8日 朝日新聞 広告)
Nov 16, 2013 08:26

子の甲状腺がん 計59人に
東京電力福島第一原発事故の発生当時に18歳以下だった子どもの甲状腺検査で、福島県は12日、検査を受けた約22.6万人のうち、計59人で甲状腺がんやその疑いありと発表した。8月時点より、検査人数は約3.3万人、患者は疑いも含め15人増えた。これまでのがん統計より発生率は高いが、検査の性質が異なることなどから県は「被曝の影響とは考えられない」としている。県は来春から、住民の不安に応えるため、自己当時、胎児だった約2万5千人の甲状腺検査も始める。新たに甲状腺がんと診断されたのは8人、疑いありとされたのは7人。(11月13日 朝日新聞)
Nov 14, 2013 08:14

若い世代に急増する婦人科がん
近年深刻な問題になっているのが、がん発症の若年化、特に20~30歳代で子宮頸がんが急増していること。30年くらい前までは、婦人科がんは妊娠・出産を終えた中高年女性に多い疾患でした。それが性交渉の低年齢化などを背景に子宮頸がんが増え、さらに晩婚化、初産年齢の上昇、小子化、出産経験のない女性の増加、食生活の欧米化などで子宮体がんや卵巣がんの発症も増加しています。30~40歳代での妊娠・出産は増えている今、妊娠・出産前の20~30歳代で婦人科がんを発症したら、日常生活に問題がなくてもそれは一生に関わる重大な問題になるのです。(11月8日 朝日新聞 広告)
Nov 13, 2013 08:24

婦人科3大悪性腫瘍
婦人科の3大悪性腫瘍とは「子宮頸がん」、「子宮体がん」、「卵巣がん」で、婦人科がんの年間発症数の内訳は子宮頸がん約1万5千人、子宮体がんと卵巣がんはそれぞれ約8千人にも達しています。婦人科がんとその他の臓器に発症するがんの大きな違いは、消化器や呼吸器などの"生活臓器"にがんが発症すれば日常生活に支障をきたすのに対し、子宮などの"生殖臓器"は、たとえ摘除しても基本的に日常生活に問題はないということです。(11月8日 朝日新聞 広告)
Nov 12, 2013 08:11

G47Δ
G47Δは、米国で開発中のウイルスより一歩先を行く。効果が強く、副作用はほとんどないという。脳腫瘍の中で最も治療が難しい膠芽腫の患者を対象に2009年から臨床研究が進む。今年5月から前立腺がん、8月からは嗅神経芽細胞腫での研究が始まった。医学部を卒業後、脳神経外科医として治療に携わりつつ、研究を続けてきた。悪性脳腫瘍は正常な組織との境目がはっきりせず、手術では取り切れない。抗がん剤や放射線治療でも完治は難しく、救えぬ患者を前に悔しい思いをしてきた。今年度中に医師主導による治験を始め、早ければ3年後には製品化を目指したいという。「G47Δは繰り返し投与ができる上、あらゆるがんに効果が期待できる。他に治療法がない患者さんのもとに、一日でも早く届けたい」。東大医科学研究所 先端医療研究センター教授 藤堂具紀さん (9月24日 朝日新聞)
Oct 21, 2013 07:58

万能なウイルス療法 研究
手術、抗がん剤、放射線治療に次ぐ「第4の治療法」になるかもしれない。ウイルスでがんをやっつける「ウイルス療法」の実用化に向け、研究と治療を続ける。治療に用いるのは、2001年に開発した「G47Δ」と呼ばれるウイルスだ。口唇の周りに水ぶくれなどを起こす「単純ヘルペスウイルスⅠ型」の約80個の遺伝子のうち、3個に改変を加えた。「このウイルスを患部に注入すれば、がん細胞の中だけで増殖し、がん細胞を破壊できる」。遺伝子改変ウイルスによる治療法は、1990年代から世界で研究開発が進められている。米国ではまもなく皮膚がんの一種、進行黒色腫患者への臨床試験が終わる。米食品医薬品局に承認されれば、本格的な実用化第1号となる。 東大医科学研究所 先端医療研究センター教授 藤堂 具紀さん(52)。 (9月24日 朝日新聞)
Oct 20, 2013 17:41

対策予算2億円
厚労省研究班の2003年の調査によると、がんと診断された後、31%が依願退職し、4%が解雇されていた。2012年の別の調査では、診断後に24%が退職、13%が違う部署に異動していた。退職した経緯は、52%が自分の希望、40%が会社からの指示。全体の45%が診断時より収入が減っていた。国は昨年度まとめた「がん対策推進基本計画」で、がん患者の就労支援対策について初めて盛り込んだ。今年度は、がん診療連携拠点病院で社会保険労務士の雇用を進めるほか、治療のために退職した人の再就職を支援する専任のナビゲーターを全国5カ所のハローワークに配置。計約2億円の予算を盛り込んだ。定年の延長に伴い、社員にがん患者が増えることが予想される。国立がん研究センターの高橋都・がんサバイバーシップ支援研究部長は「がん患者の就労力は多くの場合回復する。がんだから働けないと決めつけるのは企業にとって損失。個々に応じて配慮することで、その就労力を活用することが可能」と指摘する。(9月24日 朝日新聞)
Oct 19, 2013 08:01

経験生かし助言
CSRの藤田久子理事は「いつ、誰に伝えるのか。就業規則がどうなっているのか。何から手をつけていいのかわからない。悩みを打ち明け、助言を得て、問題をクリアしていく人が多い」と話す。パソナは働き方のモデルを提唱することも検討している。「会社の規模や文化が違うので問題も複雑」と同グループの大森秀夫パソナライフケア副社長。「もう少し皆さんの声を集め、短時間勤務や在宅勤務のあり方など、治療を続けながら働き方を選択できるような仕組みを模索したい」。(9月24日 朝日新聞)
Oct 18, 2013 07:45

サバイバーシップ・ラウンジ
人材派遣大手パソナグループ(東京都)は昨年3月から、治療と仕事の両立に悩むがん患者が語り合う場として、「サバイバーシップ・ラウンジ」を開いている。勤め人が参加しやすいようにと月1回平日の夜、JR東京駅近くのオフィスを使う。今年9月までに延べ186人が参加した。担当の本橋恵里加さんは「がんと診断された人の3割が退職している事実に驚いた。がん経験者同士が話し合い、悩みの解決のつながればと始めた」と話す。ラウンジは、がん患者の就労問題を支援する民間団体「CSRプロジェクト」との共催。「復職のタイミングを会社にどう伝えれば」などの悩みに、各自が経験を話したり、社会保険労務士が助言したりする。(9月24日 朝日新聞)
Oct 17, 2013 07:30

復職・通院を支援 2
江戸川病院(東京都)放射線科は2009年5月、仕事を終えた後に通院できるようにと午後6時~10時の「夜間外来」を開設した。1日約80人の患者の4分の1は、夜間に通院する。放射線照射自体は1回数分で終わるが、通院回数が多い。乳がんの手術を受けた東京都葛飾区の仙波紀子さん(61)は今年7~8月、保育園でフルタイム働いた後、午後7時半からの治療を30回続けた。「園を休むことなく治療を続けられ本当に助かりました」。放射線科部長の浜幸寛さん(41)は28歳のときに脳腫瘍が見つかり、手術後に1カ月ほど休んだ経験がある。復職直後には勤務を軽減して周囲に迷惑をかけたという思いがあり、夜間外来に踏み切ったという。ただ、夜間の外来は診療報酬上は昼間と変らないにもかかわらず、スタッフの人件費は割り増しとなり、病院経営上は厳しい。浜さんは「がん患者の就労を支援するなら、こうした取り組みをする病院の負担が増えない仕組みも必要ではないか」と指摘する。(9月24日 朝日新聞)
Oct 16, 2013 07:50

復職・通院を支援
帝京大病院(東京都)乳腺科では、NPO法人キャンサーリボンズが作成した「『がんと働く』リワークノート」を患者に配布している。職場復帰に向けたチェックリストや治療と仕事の年間見通しを書き込むページがある。1冊300円で同団体のウエブサイト(http://www.ribbonz.jp/)から購入できる。「がんになったら仕事は続けられないと思う人は多い」と看護師の小野智恵美さん。「患者さんの不安を探り、社会復帰が可能だと伝えることが重要です」。(9月24日 朝日新聞)
Oct 15, 2013 07:50

就労リング 2
「ずっと働いてきたので、辞めた当初は心にぽっかり穴があいてしまった。育児も楽しいけど、『仕事って面白い』という姿を子どもにも見せたい」。就労リングは厚生労働省科学研究の一環として始まった。参加者18人にアンケートしたところ、知識が増えただけでなく情緒面も改善したことがわかった。今年6月にあった進行役の養成講座には全国25病院から50人が参加。今後、全国に広がると期待されている。主任研究者の同病院乳腺外科部長・山内英子さんは「これまでは仕事に対する患者の不安が見え隠れしても、どこにボールを投げればいいのか悩んできた。医療者も知識を持つことで、患者と仕事について話題にできる」と話す。(9月24日 朝日新聞)
Oct 14, 2013 07:31

治療と仕事の両立
がん患者の2人に1人は、20~60代の働く世代だ。経済的な理由だけでなく、生きがいのためにも、治療中やその後も働きたいと考える人は多い。こうした声に応えようと、医療現場や企業で就労を支援する取り組みが始まりつつある。国もようやく、重い腰を上げた。(9月24日 朝日新聞)
Oct 12, 2013 07:53

専門家育成し、全国へ
がんのリハビリは、食道がんなどの手術前から準備して障害を防ぐものから、がんが再発・転移した場合の機能維持、緩和ケアまで様々ながん患者に役立つ。辻さんによると、米国では1970年代からがんのリハビリの専門家を育て、患者教育も積極的に行われてきた。しかし、日本では専門家も少なく、取り組みは遅れていたという。どんなリハビリが、日本人に効果的か、本格的な研究はこれからだ。(9月17日 朝日新聞)
Sep 28, 2013 07:40

がんにリハビリ 効果的 2
駿河湾を望む静岡県立静岡がんセンター(静岡県長泉町)のリハビリ室は窓から木々や海が見える。肺がん、胃がん、乳がんなどの患者が訓練に励む。並行棒を使い歩いたり、自転車こぎをしたりして体力を回復。腕を上下左右に動かして機能を維持する。患者が少ない種類のがんや、小児がんなどのリハビリにも対応している。たとえば、がんが骨に転移した患者では、痛みが激しく、骨折も起きやすい。かといって体を動かさないと、体全体が弱っていく。整形外科と協力し、骨折のリスクから判断して、どれくらい力をくわえても大丈夫か評価する。それからベッド上で体を動かしたり、歩いたりとリハビリを始める。(9月17日 朝日新聞)
Sep 27, 2013 07:37

呼吸リハビリ
呼吸リハビリでは、息を吹き込む特殊な呼吸訓練器などで、深く息を吸い込む練習をする。手術前から始めて呼吸するコツをつかんでおく。手術後、食事を始めても大丈夫か判定するには、飲み込みがうまくできるか、口から食道にかけて、X線で透視する嚥下造影検査をする。(9月17日 朝日新聞)
Sep 26, 2013 07:44

がんのリハビリ
日本リハビリテーション医学会は、国内外の医学論文をもとに、どんな患者にどんなリハビリ法が効果的か調べて、「がんのリハビリテーションガイドライン」をまとめた。根拠や有効性が十分な方法は「勧める」とし、食道がんや乳がんなどがんの種類に応じたリハビリ法や、進行がん患者が体力を回復するための運動療法も紹介している。たとえば、食道がんでは手術前から呼吸リハビリをすると、手術後の入院期間は短くなる。食道がんは、呼吸する筋肉に影響する大がかりな手術になることが多い。呼吸の働きが落ち、肺にたんがたまり、肺炎などの合併症も起きやすい。(9月17日 朝日新聞)
Sep 25, 2013 07:43

訓練で入院期間短く
食道がんの手術を受けた東京都の宮原邦之さん(69)は、慶応大学病院でリハビリを続けていた。手術かた1カ月。平日は毎日、体力回復に努めている。理学療法士の指導で、腰掛けて足を上げ下げする運動を10回。次に、室内をぐるぐる歩き回る。自転車こぎのトレーニングを7分間。「今はきつくないです。早く体力を戻したいですね」。辻哲也准教授(リハビリテーション医学)によると、慶応大学病院では、脳卒中や心臓病など様々な病気の患者がリハビリを受けるが、がん患者は3割を占める。胸から腹にかけて大きな手術になる食道がん患者は全員リハビリを受ける。(9月17日 朝日新聞)
Sep 24, 2013 07:42

がんにリハビリ 効果的
がん患者が手術後に早く社会復帰したり、筋肉の衰えを防いだりするには、リハビリテーションが有効だ。米国などに比べて日本では取り組みが送れているとの指摘があったが、今春、日本で始めて効果的なリナビリ法を紹介する指針ができた。国内でも少しずつ、広がっている。(9月17日 朝日新聞)
Sep 23, 2013 07:54

病理医の目、遺伝子見逃さぬ
2種類の遺伝子が途中でちぎれ、入れ替わってつながる「融合遺伝子」。中には、がんの原因となるものがある。細胞や組織を見てがんを診断する病理医としての腕を生かし、次々に新たな融合遺伝子を発見。国内外の研究をリードする。きっかけは、自治医大の間野博行教授が2007年に肺がんで発見した「EML4-ALK」という融合遺伝子だった。症例提供をきっかけに、本格的な探索が始まる。ALK遺伝子の働きを阻害する薬は従来の抗がん剤に比べ効果が高く、発見から5年で日本でも使えるようになった。この分野は、研究者間の激しい競争が続く。昨年2月、英科学誌ネイチャーの姉妹誌に別の肺がん融合遺伝子を発表した際は、国立がん研究センターや米国の研究チームと同着だった。これまでに発見した遺伝子は乳がんや腎臓がんなど16種類に上る。ユニークなのは、その見つけ方だ。普通は次世代シーケンサーと呼ばれる装置で、遺伝子を網羅的に解析する。いわば機械任せだが、竹内さんは病理医としての「目」を生かす。遺伝子の両端に蛍光色で目印をつけた検体を片っ端から顕微鏡でのぞき、ちぎれている遺伝子に注目。特徴を明らかにしていく。198個の検体が載ったプレパラートも、20分もあれば、選別できるという。がん研究所 分子標的病理プロジェクトリーダー 竹内賢吾さん(43) (5月13日 朝日新聞)

Aug 26, 2013 07:50

新薬の効果に期待
3月には、オピオイドの新薬メサドンが発売された。海外では広く使われている。薬の働き方から、ほかのオピオイドで強い痛みを抑えられなかった人にも効果が期待されている。ただ、臨床試験(治験)では、「QT延長」といわれる不整脈が15.4%の人にみられた。眠気や嘔吐、便秘などの副作用も報告された。十分な知識を持つ医師のもとで、痛みの治療が難しいがんの患者に限って使うこと、不整脈や呼吸機能に障害がある人などには慎重に使うとこが添付文書に明記された。米国のホスピス緩和医療専門医の資格を持つ亀田総合病院(千葉県)の疼痛・緩和ケア科の関根龍一部長は「ほかの薬ではとれなかった痛みが、とれた人も少なからずいた。選択肢が増えた意味は大きい」と話す。(6月4日 朝日新聞)
Aug 14, 2013 06:58

早く使い生活に余裕
すべてのがん患者は痛みから解放されるべきだとして、世界保健機構(WHO)は、がんの早期から鎮痛薬を使うことを勧める。痛みのレベルに応じてオピオイドも使っていくべきだ、としている。オピオイドは医療用麻薬や向精神薬を含み、がんの痛みに強い効果を発揮する。医療用麻薬の指定を受けず、頭痛などの痛みにも使われる一般的な鎮痛薬とは異なる。経験のある医師に従えば、薬をやめられなくなる依存の問題は起きないことが世界的に知られているが、日本では十分に浸透していないとの声も多い。埼玉県立がんセンター緩和ケア科の余宮きのみ科長は「傷みを我慢すると、治療に立ち向かう体力や気力もなくなる。痛みがあれば遠慮せずに医師に相談してほしい」という。(6月4日 朝日新聞)
Aug 13, 2013 07:12

がんの痛み 新しいケア
がんや腰痛、関節痛などの痛みを抑える薬が増え、治療の選択肢が広がっている。がんに伴う痛みでは、我慢せずになるべく早く使い、生活の質(QOL)を保っていくのが世界の流れだが、国内ではまだ十分ではない。一方、がん以外の長期間続く痛みには、依存性の問題もあり、慎重に使うべきだとの声も出ている。埼玉県に住む女性(50)は2011年11月、オキシコドンを飲み始めた。強オピオイドと呼ばれる鎮痛薬で、医療用麻薬に指定されている。乳がんから骨への転移があり、体に痛みが出たためだ。飲むと痛みが和らいだ。買い物にも行けるようになった。いまも家で生活を続けながら、毎日服用している。「痛みがなくなり、自分が病気だと忘れて趣味を楽しむ時間ができた。精神面でも助かっている」と女性は言う。(6月4日 朝日新聞)
Aug 12, 2013 07:21

夫が家を離れて3年
「自分の病気がきっかけで、今までのように生活できなくなってしまった」。京子さんは夫に申し訳ない思いだった。康雄さんはもう話かけても反応は乏しく、胸の内を聞くことができない。でも京子さんはこう考える。「お父さんが元気だったら、私の手術に付き添い、毎日のように病院に来てくれたはず。それができなくてお父さんも申し訳ないと思っているでしょう。これで、おあいこね」。京子さんは抗がん剤治療がない時は車いすでホームに行く。去年までは2人でドライブもした。車内で米国のロックバンド「グランド・ファンク・レイルロード」の「ハートブレイカー」をかけると、康雄さんは指でリズムをとり、顔がほころぶ。若き日の2人の思い出の曲でもある。夫が家を離れて3年。「お互いを思う気持があれば、在宅にこだわる必要はない」今、心からそう思う。(8月6日 朝日新聞)
Aug 09, 2013 07:18

申し訳なさ きっとあなたも
康雄さんは市内のグループホーム「たまだいら」に入居することになった。仕事が忙しい長男は、同居していると自分の食事や家事が闘病中の母親の負担になってしまうと気遣い、市内に部屋を借りた。19年間住み、思い出のつまった自宅は売却し、一部は康雄さんの入居費用にあてた。京子さんと長女はマンションに引っ越した。京子さんと康雄さんの出会いは高校2年。康雄さんはロックバンドでドラムとベースをやり、京子さんは文化祭でライブを手伝った。23歳で結婚。康雄さんが家業を継いでからは苦労もあったが、支えあって乗り越えてきた。京子さんはがんの告知を初めて受けた後も約2年間、定期的にショートステイを利用して夫の介護を続けた。自宅で支えようと思っていた。それなのに・・・。(8月6日 朝日新聞)
Aug 08, 2013 07:11

妻がん治療のため夫入居
2010年の春。家族は岐路に立っていた。東京都日野市の仙波京子さん(58)は、長女(33)、長男(309と居間で向き合った。若年性認知症の夫、康雄さん(58)の今後の住まいについて伝えるためだった。康雄さんが49歳で認知症と診断され、京子さんは乳がんと子宮体がんの治療を受けながら介護してきた。だが、がんは骨に転移した。医師は「治療が厳しくなり、歩けなくなるかもしれない」と言った。京子さんが介護できなくなれば、夫が自宅で暮らすのは難しい。京子さんは康雄さんのケアマネージャーに相談し、グループホームに入居せざるを得ないと決断した。子どもたちに伝えると、2人は黙ってうなずいた。「母ちゃんが元気じゃないと父ちゃんに会えないんだから。治療に専念してね」。長男が言った。「そうだよね」。長女も言った。京子さんの目から涙があふれた。(8月6日 朝日新聞)
Aug 07, 2013 07:59

就業不能カバー
貯蓄やがん保険で備えていても、働き盛りが病気をきっかけに仕事を失うと、ただちに経済的に困窮してしまう可能性がある。厚生労働省研究班の調査では、がんをきっかけに、3人に1人が仕事を辞めたり解雇されたりしていた。最近注目されているのが、「就業不能保険」と呼ばれるタイプの保険だ。がんだけでなく、病気やけがをきっかけに全く仕事ができない状態が長期間続いた場合、決まった額が支払われる保険だ。プランにもよるが、最長65歳まで月数十万円を受け取れるものが多い。大手生命保険会社での勤務経験がある保険コンサルタントの後田亨さんは、「住宅ローンを抱えている人や貯蓄がない人、一家の大黒柱の場合は加入の検討対象になる」と話す。ただ、実際にがんで働けなくなる確率や、給付金を受け取る期間などの情報を、各社はほとんど開示しておらず、メリットがどれほどあるのかの評価が難しい。後田さんは「現状では保険料を払い続けるリスクの方が高いかもしれない」と指摘する。(7月16日 朝日新聞)

Jul 24, 2013 07:00

プラン様々 がん保険 2
また、がん保険の広告でよく見かける「先進医療特約」も、落とし穴になりがちだ。先進医療に指定されている重粒子線や陽子線という放射線でがんを狙い撃ちする治療は、公的医療保険が使えず、自己負担額は300万円近くに上る。特約は、その負担をカバーしてくれるが、これらの治療を行う医療機関は全国に9カ所しかなく、治療の対象となるがんも限られる。治療を受けた人は年間約2700人で、新たにがんと診断された人の0.4%に過ぎない。ほかの治療法を受けた人もかなり少ない。とはいえ、冒頭の女性のように、長期間にわたり治療が続く例も増えてきた。「がん保険の多くは、診断された時点でまとまった給付金が支払われる。1回だけでなく、治療が続く限り複数回支払われる商品や、自由診療も含め実際にかかった費用を支払う実損補填型の商品もある。自分がどんな保険に入っているのか、人に説明できるシンプルな保険を検討すべきだ」と岩瀬さんは話す。(7月16日 朝日新聞)
Jul 23, 2013 06:59

若いうちメリットも
「がん保険のからくり」の著書があるライフネット生命社長の岩瀬大輔さんは、「がん保険の仕組みを理解し、納得した上で、入るか入らないかを検討すべきだ」と指摘する。日本の手厚い公的医療保険制度を「1階部分」とすると、民間医療保険はその上に載る2階部分、がん保険は3階部分に相当する。民間医療保険はすべてのけがや病気に対応しているのに対し、がん保険は「がん」にしか使えない。また、「がんにならない可能性」も考えたほうがいい。日本人の2人に1人は生涯にうちにがんになるが、多くの場合、がんと診断されるのは高齢になってからだ。がんと診断される確率が低い若いうちは保険料も安く、「万が一」に備えるがん保険は、加入するメリットがある。だが年をとるとがんになる確率が高くなり、それに応じて保険料も上がる。保険会社の利ざやも含むコストから計算される保険料を支払って備えるメリットは少なく、普通に貯蓄して備えるほうが得になることが多そうだ。)7月16日 朝日新聞)
Jul 22, 2013 07:33

申請要る場合も
認定証を使わないケースでは払い戻しを受けるが、保険組合によっては支給漏れがないよう自動振込みをしてくれる。厚生労働省の2012年の調べでは、大企業が入る健康保険組合では7割に上る。だが、中小企業の社員や自営業者らは、自分で申請しなければ給付されない。転院や退院、外来通院が混じる場合、病院別、入院・外来別の金額がそれぞれ月2万1千円以上でないと合算できないとか、負担が上限に達したかどうかの計算も複雑だ。高額療養費は、受診した翌月から2年間以内なら申請できる。樋口さんは「領収証は捨てずに必ず残しておいて。申請や計算方法がわからなければ、加入する保険組合や、医療機関の相談支援センターなどで確認を」と話す。(6月17日 朝日新聞)
Jul 17, 2013 07:33

「認定証」が便利
高額療養費制度を使っていても、本来は窓口で3割分を支払う。免除分をいったん立替え、約3カ月後に払い戻しを受ける仕組みだ。だが上限を示す「認定証」を入院前に提示すると、立替えの必要はなく、上限額だけ支払えばいい。昨年4月からは外来でも使えるようになった。名古屋市の男性も、病院からこの制度があることを教えてもらい、加入している国民健康保険組合から認定証を送ってもらった。国立がん研究センター中央病院(東京)の相談支援センターで対応する医療ソーシャルワーカーの樋口由起子さんは「実際の支払額を10割や3割と勘違いしている患者さんもいます。でも、高額療養費制度を知って安心して治療に臨める場合も多い」と話す。全日本病院協会が、各地の24病院で2012年10月~12月に退院した患者の入院医療費を調べたところ、胃がんは平均約99万円、肺がんが同約81万円、乳がんが同約72万円だった。3割の窓口負担だと20万~30万円前後になるが、高額療養費の給付を受ければさらに少なくなる。(6月17日 朝日新聞)
Jul 16, 2013 07:24

お金の不安 2
入退院の繰り返しで、正社員から嘱託になったこともあって800万円ほどだった年収が半減しただけに、この差は大きかった。男性は言う。「持ち出しが最小限に抑えられて良かった。制度のことは何も知らず、病院で教えてくれて助かった」。高額療養費制度は、診療や薬のために、病院の窓口で1カ月間に支払う金額が一定の上限を超えると、その負担が実質的に、「免除」される仕組みだ。公的医療保険を使って治療を受けると、多くの場合、総医療費のうち7割は保険から支給され、残り3割だけを窓口で支払うことになる。総額が100万円なら、支払いは30万円だ。だが70歳未満で月収が53万円未満の人(一般所得者)がこの制度を使うと、実際の支払いは8万7430円で済む。免除された分は保険支給が増える形で補われる。患者の年齢や所得で異なる月々の負担の上限を証明する「限度額適用」という制度も便利だ。(6月17日 朝日新聞)
Jul 15, 2013 07:24

お金の不安
がんになったら、治療がうまくいくかどうかに加え、金銭的負担が心配になる。負担を減らすいろいろな制度が用意されているが、知っていなければそのメリットも生かせない。専門の相談窓口もあるので、情報を集めて最大限活用したい。名古屋市中区に住む男性(62)は、建設会社に勤めていた2009年秋に舌がんが見つかった。0月に自宅で2週間、「TS-1」という抗がん剤を飲み、11月にがんの切除手術を愛知県がんセンター中央病院で受けた。入院前、病院の受付で「高額療養費制度」の説明を受けた。聞いたことはなかったが、高額の治療を受けても、金銭的負担が抑えられる制度だという。結果的には、これを使って大正解だった。翌年8月、胃がんが別に見つかり、胃の3分の2を切った。2011年6月には舌がんがリンパ節に転移して切除し、2011年12月までに7回も入院した。だが、この制度のおかげで、窓口で支払うはずの医療費132万円は、90万円ほどで済んだ。(6月17日 朝日新聞)
Jul 14, 2013 07:35

「心配ない」だけでは・・・
3年ほど前に受けた人間ドックで、食道の粘膜が変質し「パレット食道」になっていると言われました。医師から「病気でもないし体質みたいなもの。心配しなくてもよい」と言われたので、気にせず特に食生活を改めることもありませんでした。ところが昨年、生命保険の切り替えの際、保険会社へ告知する際、「パレット食道」を調べていて、がんの前段状態とされていることを知りました。大変ショックでした。ただ、よく調べてみると、必ずがんにつながるわけでなく、確率が高くなるだけということがわかりました。今後は定期的な内視鏡検査を欠かさずに受けようと思いました。残念に思ったのは、人間ドックの医師に「全く心配ない」の一言で片付けられてしまったことです。リスクや生活習慣上の留意点など、きちんと説明してくれれば、いらぬ心配をしなくて済んだように思います。山梨県 男性 46歳。(6月27日 朝日新聞 患者を生きる 消化器 読者編より)
Jul 01, 2013 07:41

抗がん剤、3種に増える
日本膵臓学界は、改訂作業中の13年版「診療ガイドライン」で、できるだけ病理診断することを求めている。しかし、膵臓の組織を散るのは難しく、もっぱらCTなどの画像で診断することが多い。画像をもとに手術した「病変部」の5~10%は、結果的に良好だったという。切除できないがんに対しては、抗がん剤と放射線療法を組み合わせた方法などをとる。肝臓などに転移していると、抗がん剤単独の治療となる。新ガイドラインでは勧められる抗がん剤が1種類から3種類になる。山口幸二・産業医科大教授は「選択肢が増えた。ほかにも有力な化学療法が2つあり、国内で治験が進んでいる」と期待する。ただ抗がん剤での根治は一般的に望めない。モルヒネなどで痛みを和らげたり、カウンセリングで精神面をケアしたりする支持療法が、どの段階の患者にも必要だとしている。膵がんの撲滅を目指し、患者を支援するNPO法人「パンキャンジャパン」のウエブサイト(http://pancan.jp/)には、全国の専門病院などが掲載されている。(6月16日 朝日新聞 患者を生きる 消化器 膵がん より)
Jun 27, 2013 07:42

難治がんの代表 膵がん
膵がんで亡くなる人は年間2万8千人(2011年)。がんの部位別では5番目だが、5年生存率では約6%で最低。「難治がんの代表」と言われる。リスクが高いのは、「家族に膵がんになった人がいる」「糖尿病や慢性膵炎など膵臓の病気がある」「喫煙や大量飲酒の嗜好がある」などが複数当てはまる人という。どんながんでも早く見つかれば、切除で治る可能性が高まる。だが、膵臓は腹部の奥深くにあり、症状が出にくい。2センチ以下の初期がんでは、約2割が無症状という報告もある。国立がん研究センター中央病院の奥坂拓志・肝胆膵内科科長は「腫瘍マーカーや超音波など、血液や画像の検査を定期的に受けてもらいたい」と話す。腹痛や黄疸、背中の痛み、全身の倦怠、嘔吐などの症状は、膵がんに特徴的なものとは言えない。加えて膵臓の周りには「防波堤」となる筋肉の層がなく、がんが広がりやすい。患者の約8割が切除が困難な状態になって見つかる。(6月16日 朝日新聞 患者を生きる 消化器 膵がん より)
Jun 26, 2013 07:35

胆管がん 3人労災 大阪以外で初認定
印刷工場で働いていて胆管がんになった人や遺族から労災請求が相次いでいる問題で、厚生労働省は13日、新たに宮城県の2人と、愛知県で働いていた1人の計3人を労災認定することを決めた。大阪以外での労災認定は初めて。認定者は合計20人になった。宮城の2人は同じ事業場で印刷機の洗浄作業をしていた30代と40代の男性。勤務先は東日本大震災で失われたが、この日の専門家検討会が、洗浄液に含まれる薬品「1,2ジクロロプロパン」に長時間、高濃度でさらされたことが発症原因になったと認めた。愛知で働いていた40代の男性も、洗浄液に含まれる薬品「ジクロロメタン」に長時間、高濃度でさらされたことが原因だと認定した。ジクロロメタンの原因認定は初めて。(6月14日 朝日新聞)
Jun 17, 2013 07:45

がん切除 胸焼け消えた
手術直後は水を飲むのも止められ、点滴と氷をなめることで過ごした。少しずつおかゆやバナナなどを口にするようになった。25日に退院。その日、長男と病院16階のレストランで食事をした。おかゆだったが、ベッドの上ではない食事に満足だった。ずっと悩まされてきた胸焼けは、すっかりなくなっていた。退院から1週間ほど経つと、近所を散歩できるようになった。家族があれこれ気をつかってくれたが、掃除や洗濯、料理といった家事のほとんども自分でできるようになった。「軌道に乗ってきた」と前向きになれた。ただ、手術以降は体重が激減した。50キロ前後だったのが37キロまで減った。げっそりとして、肌のシワも前より気になる。「あばあさんの顔」に見えて、ショックだった。(5月10日 朝日新聞 患者を生きる 消化器 逆流性食道炎 より)
Jun 06, 2013 07:46

食道がんの手術
それでもなかなか決断できなかった。「食道の手術後は食事も大変」。テレビ番組で誰かが言っていたことが頭をよぎった。7月、セカンドオピニオンとして他の病院に電話で相談すると、「手術するのが良いですね」との意見。ようやく決心した。手術は8月8日に決まった。がんの部分だけなら内視鏡で切除できた。しかし、胃液の逆流は日常生活もままならないほどの状態。それを解決するためには、食道の炎症を起こしている部分も全て取ったほうがいい・・・・。河野さんの判断だった。手術では、首とおなかを切開し、食道を15センチほど切除した。手術は3時間ほどで終わった。(5月10日 朝日新聞 患者を生きる 消化器 逆流性食道炎 より)
Jun 05, 2013 07:27

逆流性食道炎
埼玉県上尾市の石戸幸子さん(81)は2006年4月、長く続く逆流性食道炎の影響で食道がんになった。がんの長さは3センチほど。幸い、早期がんだった。大きなショックはなかった。8年前に手術した乳がんは再発もなく、根治している。「がんは命を奪うかもしれない」との危機感は薄れていた。「もう年だし」という気持もあった。5月、都内に住む長男(50)と東京医科歯科大病院の主治医、河野辰幸さん(61)を訪ね、受診した。すると、その場で手術を勧められた。「手術ですか・・・・。夏と冬、どっちがいいですかね」そう尋ねると、「そんな事を言っていられない。待てる状態ではありません」と河野さんは語気を強めた。(5月10日 朝日新聞 患者を生きる 消化器 逆流性食道炎 より)
Jun 04, 2013 08:05

胆管がん初の労災認定
大阪市中央区の印刷会社「SANYO-CYP」で働いて胆管がんになった16人(うち8人死亡)に対し、厚生労働省は27日、労災と認定した。同日午前、決定通知書を家族や患者に送った。胆管がんでの労災認定は初めて。長男浩さんを46歳で亡くした岡田俊子さん(82)は昨年3月、最初に労災を請求した3人のうちの1人。「認定内容がどのようなものか、早く自分の目で確かめたい」と話した。SANYO社を退社して6年たった昨年、胆管がんが見つかり手術した本田真吾さん(31)は「今後の治療費が心配だったので安心した。でも自分の体は元に戻らない。素直には喜べません」。精神的なショックも大きいのに、SANYO社からは謝罪の言葉もない。「会社は補償を考えてほしい」と話す。労災認定を待ちながら亡くなった人もいる。2000年まで10年余り同社で働き、2009年に胆管がんを発症した男性は、手術でがんを取り除いたものの、肝不全を発症。肝移植を待っていたが、今年1月に43歳で亡くなった。ほぼ同じ時期に働き、2007年に発症した別の男性(43)は昨年12月、入院中のこの男性を見舞った際、「死ぬつもりはない」と多額の費用がかかる移植に望みをつないでいた。「本人も家族も早く労災認定してほしいと待っていた。間に合わなかったのが残念だ」と悔しがった。(3月28日 朝日新聞)
Mar 31, 2013 09:07

鳥栖のがん施設 補助削除案可決
佐賀県鳥栖市議会は25日の本会議で、市内で5月に開業する九州国際重粒子線がん治療センター(サガハイマット)を運営する財団法人への補助金4億5千万円を新年度一般会計当初予算案から削除する修正案を賛成多数で可決した。一方、県医師会とともにハイマットを運営する佐賀県は「初期投資費用はめどが立っており、開業に影響はない」としている。鳥栖市によると、サガハイマット誘致の際、初期費用150億円のうち25億円程度を市が用意するよう佐賀県から求められた。市は企業の寄付など民間主体で資金集めを進めたが、景気低迷などのため、約10億5千万円にとどまった。このため市は、県や県医師会が設立した佐賀国際重粒子線がん治療財団に対する税の減免分の一部を市の負担分として計算。残る4億5千万円は2年かけて財団に補助する予定だった。しかし、市は昨年3月の市議会に税の減免条例案を出した際、「現時点ではこれ以上の支援はない」と説明。このため「さらなる公金負担は市民の理解が得られない」として、議員が21日の委員会に補助削除案を提案、可決された。橋本康志市長は再提案する考えを示している。(3月26日 朝日新聞)
Mar 30, 2013 08:52

がん再発抑制
がんを生み出す根源となる「がん幹細胞」にある特定のたんぱく質の動きを抑えると、がんの再発率が大きく下がることを、九州大のチームが確認した。このたんぱく質を壊す薬を開発すれば、有効な新治療法になると期待される。がん組織の「親」であるがん幹細胞は「子孫」のがん細胞を増殖させる。抗がん剤でがん細胞を取り除いたつもりでも、がん幹細胞が残ることで再発・転移してしまう。これががん治療の難しさだ。九州大生体防御医学研究所の中山敬一主幹教授らは、分裂を活発に繰り返す「増殖期」のがん細胞に抗がん剤が効くのに、がん幹細胞が冬眠状態にある「静止期」には効かないことに注目。この休眠には「Fbxw7」というたんぱく質が関わっていることを突き止めた。中山さんはこのたんぱく質を壊せば、がん幹細胞が静止期から追い出され、がん細胞と同じように抗がん剤が効くようになると考えた。中山さんは、このたんぱく質の働きを抑える薬を開発中で、5~10年後の臨床応用を目指す。この成果は18日付米専門誌キャンサーセルに発表する。(3月19日 朝日新聞)
Mar 29, 2013 08:41

胆管がん問題 今後の課題
規制のない化学物質で被害が出たときの、事業主の責任の明確化だ。印刷業界では毒性が確かめられていない未規制のものを安易に使う傾向がある。毒性情報がない化学物質を使う場合は作業環境測定を一度実施するなどの対策が必要だ。福岡も2人が申請した。さらに広がりそうか。それは分からない。発症者が職場でたまたま1人だったとすると、一般の胆管がん患者に埋もれてしまう場合もある。業務と有機溶剤が同じ人たちを集めて、全体で解析しないといけない。(3月15日 朝日新聞)
Mar 28, 2013 08:49

職業がん 時効なくすべき
印刷会社での胆管がん問題を始めて調べた産業医科大(北九州市)の熊谷信二・准教授(60)に、国の報告書などについて聞いた。大阪の16人について労災認定が決まった。これだけ患者が出ているのだから当然だ。報告書で、私が原因物質と指摘した有機溶剤「1,2ジクロロプロパン」「ジクロロメタン」を原因と推定するとしたのは評価したい。大阪以外のケースでも長期間、高濃度にさらされていると判断されれば労災認定されることになる。一方、時効が残ったのは不満。職業がんは潜伏期間が長く、時効そのものをなくすべきだ。(3月15日 朝日新聞)
Mar 27, 2013 08:19

「助かった命あったはず」 2
元従業員として初めて実名を公表し、会社の劣悪な業務実態を告発した。そのわずか数ヵ月後、「胆管に腫瘍がある。悪性になる恐れが高い」と医師に告げられた。「助からへん」と恐怖に襲われた。SANYO社では17人が発症、うち8人が亡くなっている。13時間に及ぶ手術で肝臓を半分切除。術後は40度の高熱で再入院した。抗がん剤で治療を続けながら、車酔いに似た副作用に悩む。治療費が心配だったが、ようやく労災と認められることになった。「ほっとした。がんとは長い付き合いになる」。(3月15日 朝日新聞)
Mar 26, 2013 08:32

「助かった命あったはず」
「会社がもっと早く動いていたら、助かった命もあるのではないか」。14日、大阪市内であった会見の席で、胆管がんを発症した元従業員の本田真吾さん(31)は怒りを隠せなかった。大阪市中央区の印刷会社「SANYO-CYP」に入社したのは2000年のこと。6年後、健康診断で肝機能の異常を指摘され、会社に「有機溶剤が原因と考えられる」との診断書を提出した。だが、とりあってもらえず、退社した。昨夏、会社で胆管がんの発症者が相次いでいることを知った。「遺族や発症者の力になりたい」。(3月15日 朝日新聞)

Mar 25, 2013 08:01

胆管がん 福岡の遺族に希望
昨春、13回忌を迎えた。夫はつらい治療中も「退院したら釣りに行く」と、釣ざおを病室に持ち込んで手入れをしていた。夫のケースが認定されるかはまだわからない。でも、「主人は生きたい、生きたいと最期まで願っていた。労災が認められたら、その思いに少しでも報いることができると思うんです」。女性の夫が勤めていた印刷会社社長の男性(47)は12日、取材に対し、労災請求について「個人情報にかかわることで今はお答えできない」と話した。ジクロロメタン入りの洗浄剤は昨年初めまで使っていたが、胆管がん問題を知り、含まないものに変更したという。「国、メーカー、販売会社から危ないという警告はなかった。もし知っていたら、社員の健康を守るために対策をとったのに」と話している。(3月15日 朝日新聞)
Mar 24, 2013 08:41

労災申請「夫に報いたい」 2
1998年春、胃痛を訴えて病院に検査入院した夫は胆管がんと診断された。化学療法で吐き気がひどくてやせていき、摘出手術も受けたが「まだ、がんは残っている」と医者に言われた。しばらくして、女性は看病のために会社を退職。夫も会社を辞め、2000年3月、県内のホスピスで最期を迎えた。「印刷会社にいたけん、胆管がんになったんじゃなかろうか」。夫は入院中、見舞客にそんなことを語っていた。女性は結婚前に作業場を一度訪ねたことがある。外にいても、ツンとした強い匂いを感じた。夫は「入らんほうがいいよ」と女性を中に入れなかった。校正印刷では、色が残らないよう印刷機を洗浄剤で何度も拭き取る。それに入った有機溶剤「ジクロロメタン」などが胆管がんの原因物質と指摘されていると知り、労災請求前の7月、会社にその名称を問い合わせた。「使っていましたよ」と言われた。「やっぱり」と思い、病院に急いでカルテを提示してもらい、労災請求に踏み切った。(3月15日 朝日新聞)
Mar 23, 2013 08:38

労災申請「夫に報いたい」
印刷会社で働き、胆管がんになったのは労災・・・・。国が大阪の会社に勤めていた16人を労災と認定する。国の専門家検討会の報告書は原因物質にも踏み込み、これまでに労災申請している全国の事業所の47人も認定される可能性が出てきた。福岡にも認定を待つ遺族がいる。13年前に夫を胆管がんで亡くした福岡市近郊に住むアルバイトの女性(66)は昨年8月、福岡県内の労働基準監督署に労災を申請した。認定されるか不安な日々を過ごしてきたが、14日示された国の方針に「認定に向けて動き出した。少し安心した」と話した。女性の夫は県内の印刷会社で約30年働いた2000年、49歳のときに胆管がんで亡くなった。真面目な職人気質。校正印刷を任され、色合わせなど精度の高い仕事ぶりは「神業」と職場で言われたと聞いた。その手のひらはいつも皮がむけ、水泡がぽつぽつとできていた。(3月15日 朝日新聞)
Mar 22, 2013 08:03

進まぬ危険情報集約 2
しかし、9月にまとめられた中間報告は当初の目標から後退。「体系的・一元的な危険有害性情報の収集」「サプライチェーン全般にわたる化学物質の危険有害性情報などの伝達・提供」を検討課題とすることにとどまった。その後、検討会は開かれていない。今回の問題は、医療体制にも課題を残した。「改めて過去のカルテを見返すと、該当する胆管がん患者がいた」。問題を受けて専門外来を設置した大阪市立大病院の久保正二医師は、診断時に気づけなかったことを悔やむ。カルテは問診で得た簡単な職歴は記入されるが、どんな環境で働いていたかまでは把握する仕組みがない。職場が原因だと疑うのは難しかったのが実情だ。発症していなくても、将来のリスクを抱える人の健康診断をどうするのかといった点も未解決だ。圓藤吟二・大阪市立大教授は「がんを早期に見つけて治療につなげる体制づくりも急ぐ必要がある」と話す。(3月15日 朝日新聞)

Mar 21, 2013 08:31

進まぬ危険情報集約
厚労省は「1,2ジクロロプロパン」の規制を強化する。しかし、有機溶剤の販売業者は「規制のあるジクロロメタンの代用品として1,2ジクロロプロパンが広がった。客は法規制のある物は欲しがらない」という。被害と規制のいたちごっこを避ける抜本策が必要だ。熊本学園大の中地重晴教授(環境化学)は「化学物質の有害性を一元的にチェックするため、総合的な法律を作るべきだ」と話す。厚生労働省の中にも「犠牲者が出てから行政が動く仕組みでは、第二の胆管がんが出かねない」という声がある。昨年4月には関係する厚労、経済産業、環境の3省が「今後の化学物質管理政策に関する合同検討会」を発足させた。参考にしたのは欧州連合(EU)が2007年に導入した化学物質管理規制「REACH」。EU内では年間1トン以上の化学物質を製造、輸入する企業は必ず安全性を評価し、その情報を登録しなければならない。情報は一元的に管理されている。(3月15日 朝日新聞)
Mar 20, 2013 08:20

労災認定 吸引量カギ 2
SANYO社以外でこれまでに請求している47人(32人死亡)も、二つの化学物質を吸い込んだ濃度や期間が大阪と同程度にあれば労災に認定される可能性が高い。ただ、実際に働いていた場所の濃度を明らかにするには時間がかかる。取引先や管理者などから聞いて使用量を確認し、その会社の換気能力と照らし合わせて濃度を推定する必要があるからだ。調査は各労働局で行い、終わった人の分から厚労省の専門家検討会で審議することになる。(3月15日 朝日新聞)
Mar 19, 2013 08:35

労災認定 吸引量カギ
大阪市中央区の印刷会社「SANYO-CYP」の16人は、胆管がんを発症する年齢としては若い420~40代で、同じ事業所で16人もいあたことも考慮された。しかし、「それだけを根拠に労災を認めることは難しかった」(厚労省の担当者)。海外も含め、これまでの研究が限られていたため、よく似た構造の物質を高濃度で吸い込んだときに体内で分解する仕組みなども参考にした。推測を重ねて疑わしい原因物質を導き出したという。(3月15日 朝日新聞)
Mar 18, 2013 08:29

胆管がん 原因2物質と推定
胆管がんになった印刷会社の従業員らから労災請求が相次いでいる問題で、厚生労働省の専門家検討会が14日まとめた報告書は、二つの化学物質が原因である可能性を指摘した。大阪の会社の申請者16人が認定される。今後の認定を検討する場合でも、二つの物質をどの程度吸い込んだかが焦点になる。報告書が原因としたのは、印刷機のインクをふき取る洗浄剤に含まれる「1,2ジクロロrプロパン」と「ジクロロメタン」。長期間、高濃度の環境下で作業させられた場合に、胆管がんになる可能性があるとした。濃度が高くなると、化学物質を分解する体内の仕組みが変り、発がん性物質ができてしまうと考えられるという。(3月15日 朝日新聞)
Mar 17, 2013 08:35

職場や周囲にがんをどう伝える?
治療のためにできなくなる仕事への協力を頼む人には、感情を交えず状況を冷静に伝えた。伝えるべき範囲は、決まっていない。言わなければと自分が納得できる人に伝える。伝えるメリットやデメリットをまず考えて。自身がゆとりを持てるまで待ってからで良い。(2月26日 朝日新聞)
Mar 09, 2013 08:07

「良い家族」こだわらず本音で
患者の家族、周囲への助言を。小川:毎日少しでも自分の時間をもって。生活あってこその治療。暮らしを第一に考えてほしい。周りは、家族がこうあるべきだと決めつけないで。黒田:再発予防の治療法を巡り、夫と意見の違いが出た。よく話し合い、解決することが大事だ。野澤:患者は気持ちが揺れ、わがままに見える時もあると知って対処してほしい。家族は「良い家族」であることにこだわらず、本音で患者に接して。(2月26日 朝日新聞)
Mar 08, 2013 08:57

早期発見 治療費安く 3
(がんに)どう備えるか。基本は国民皆保険制度による公的保障だ。高額療養費制度を使えば、治療費の支払いは一定額ですむ。ただ、公的制度は、セルフサービスが原則とも知ってほしい。どの制度を使え、どれに適応するか。自分で調べ、申請しないともらえない。差額ベッド代など通常の医療費以外にお金をかけたい場合は、私的保障が必要。200万~300万円の預貯金に、医療保険やがん保険で上乗せして、両方で備えるのが大事だと考える。がんの治療期間は始まってからが長い。仮に100万や200万円の保険の給付金をもらっても使い切らず、その後に備えておいてほしい。最新の情報が必要な時に、入手できる相談先を知っておくことも重要だ。(2月26日 朝日新聞)
Mar 07, 2013 08:39

早期発見 治療費安く 2
がんの種類や進行度で治療費の額は大きく違う。早期に見つかり治療すれば、治療費は抑えられ、再発のリスクも低い。一方、進行して見つかると、効果のある治療をその都度やるため、かかるお金についての見通しは立てにくい。がんになり収入が減少する人は4割。職を失う人は3人に1人いる。女性の場合、子育てや仕事に忙しい30代からがんになりやすい。貯蓄や収入の少ない若い世代でがんになると、収入が減り支出が増え、経済的影響が大きい。(2月26日 朝日新聞)
Mar 06, 2013 08:44

早期発見 治療費安く
がんにかかるお金の現状と、どんな経済的備えをすべきかについて、今日は話をしていく。かかるお金は①病院に支払う治療費 ②差額ベッド代や食事代などその他の病院に支払うお金 ③交通費や日用品など病院以外に支払うお金 の3つに分類できる。それぞれ「かかる費用」なのか「かける費用」なのかを考えてほしい。ある団体(日本医療政策機構)の調査では、1年間にかかる費用の平均は115万円。ただ、50万円未満の人が4分の1、500万円以上の人は3%いる。かかるお金はケース・バイ・ケースと知ってほしい。(2月26日 朝日新聞)
Mar 05, 2013 09:23

サポーター増やして
がん治療はマラソンのようなもの。(ランナーでもある患者の)伴走や応援をしてくれるサポーターを増やすことが大事。家族にも、自分を助けてくれる人を見つけてほしい。全国約400のがん診療連携拠点病院には、相談支援センターがあり、無料で様々な相談に応えている。痛みなど体の症状については緩和ケアチームに相談できる。一部の拠点病院には私のように心を専門とする精神腫瘍医もいる。ニーズに合わせて使ってほしい。国立がん研究センター東病院・精神腫瘍科科長 小川朝生さん。(2月26日 朝日新聞)
Mar 04, 2013 08:55

情報を集めること
「つらいのはつらいけれど、自分はどのようにしていこうか」と少しずつ考え、歩み始める。自分が置かれている状況を理解し、情報を集めていってほしい。眠れないから、と寝酒をすると気持ちが落ち込むことがあるのでやめたほうがいい。家族や友人らは、助言や善悪の判断をせずに、患者の話を聞いてほしい。動揺し、不安になるのはもっともなことだが、患者のそばにいて、情報を集める手伝いをしてほしい。共に考える姿勢が大切だ。(2月26日 朝日新聞)
Mar 03, 2013 08:45

がんになっても自分らしく
がんは今や、2人に1人がかかる。社会全体、皆で考えていかなければならない病気になっている。患者さんの困り事で一番関心が高いのが、患者や家族が自分でできることは何か、普段の生活でどんなことに気をつけたら良いかということだ。眠れないとか、食欲がないとか。だがこうした生活に関することは、医師に聞きにくい問題ともわかっている。がんと告げられると、患者は強い衝撃を受ける。頭の中が真っ白になるとか、主治医に言われたことを何も覚えていないとか。次に「病院がおかしい」などの怒りや、「仕事をしすぎた」と自分を責めるなど様々な思いがめぐる。10人が告知を受ければ、9人ほどがどこかでこうした経験をする。一方、こうした強い感情が続くのは、2週間くらいのことが多いと知ってほしい。この間、いかに体を大事にして過ごしてもらうかが重要だ。2週間の動揺の時期が過ぎれば考える余裕が出てくる。(2月26日 朝日新聞)
Mar 02, 2013 08:38

外見をケアする効能 2
外見ケアは、美しさを求めることではない。ゼロからプラスにすることが一般の美容ならば、がん患者へのケアは、マイナスからゼロにするもの。その人らしい生活を取り戻すため、外見のために何かをあきらめることがないようにお手伝いをしていく。患者にケアを実践すると、怒りや混乱の感情が減った。「私はすてきになった」と思うことが効果を上げるポイントの一つだ。研究ベースの講習会では、ウイッグ(かつら)の選び方や身近な物でできる帽子の作り方、具合が悪い時でも元気に見えやすいメークのポイントなどを紹介している。一番高いウイッグはどれかをあてるクイズをしても、正解者はめったにいない。ウイッグをつけたら、自分ほど似合う人はいないと思っていただくのが一番。自分を肯定し、「良い患者」でなければならないといった思い込みから自分を解放することが大事だ。(2月26日 朝日新聞)
Mar 01, 2013 08:36

外見をケアする効能
がんの治療を始めると、髪や爪など患者の外見に大きな変化が現れる。これらのケアは注目されてこなかったが近年、重要と考えられるようになった。背景には、長期生存できるようになり、どのように生きるかに目を向けられるようになったことや、入院日数が短くなり通院患者が増えたことなどがある。乳がん患者に2009年、治療による苦痛を聞くと、脱毛がトップで、乳房切除が2位。むくみやしこりなどを含め、ワースト20位までのなんと6割までが、外見の症状だった。外見の問題は、実は社会との接点の悩み。魅力的でなくなった、他人から評価が下がるのではと不安になる。外見を整え、相手から肯定的な反応があると、不安は消える。(2月26日 朝日新聞)
Feb 28, 2013 09:03

終末期医療
終末期医療について、積極的に発信しています。今の医師や患者は、穏やかに自然に死が訪れる「平穏死」が可能だと信じていません。延命にばかり力を入れています。ですが、実際には可能なのです。僕は何人もそうやってみとってきました。先日、麻生太郎副総理が「(終末期の患者が)さっと死ねるようにして」といって非難を浴びました。基本的にこの発言の通りだと私は思います。ただし、この話を、医療費と結びつけようとするのは問題です。長尾クリニック院長・長尾和宏さん。(2月9日 朝日新聞)
Feb 27, 2013 08:25

診療にあたり心がけていること
診療で心がけていることは。当たり前のことを普通に一人ひとりに実践するだけです。勤務医時代、ひどい医師をたくさん見てきました。いまの医療は患者のためになっていないと実感。検査の数値ばかりみて、それを改善するために薬を飲ませたり、無理やり栄養を取らせたりして患者を苦しめています。(2月9日 朝日新聞)
Feb 26, 2013 08:51

自宅での「平穏死」は可能 2
在宅診療に力を入れています。開業したのは阪神大震災のあった1995年。商店街の一角で場所は良かったのに、1年目は患者が誰も来ない日が続きました。気をつかって診療に通ってくれていた大家さんの容態が悪化して通院できなくなり、在宅1号の患者さんになりました。自宅でみとりをした最初の患者さんでした。いまでは在宅患者だけで350人。広い建物に移り、医師もスタッフも増やしました。土日祝日も外来診療をしています。ベッドはないけれど、350床の患者さんといる病院と同じ。急変の知らせも、すべて僕の携帯にかかってくる。毎日当直医をしているようなものです。(2月9日 朝日新聞)
Feb 25, 2013 08:44

自宅での「平穏死」は可能
尊厳死以上に「平穏死」を。抗がん剤には「やめどき」がある・・・・・。こんな主張を続ける兵庫県尼崎市の「長尾クリニック」院長の長尾和宏医師のコラム「町医者だから言いたい!」が千回を超えた。コラムは朝日新聞の医療サイト「アピタル」で連載されている。在宅で350人の診療を受け持ち、これまでに500人以上の患者をみとった。「現場から見える、僕だけにしか発信できないことを、これからも書いていきます」と語る長尾さんに聞いた。(2月9日 朝日新聞)
Feb 24, 2013 08:39

胆管がん 労災初認定 2
大阪以外の46人についても、同じ考え方で4月以降に議論する。ただ、状況が違うため、同じ結論になるかどうかはわからない。労災保険の給付には時効があり、死亡した場合は5年。厚労省はほとんどの労災請求について時効を数え始める起点を死亡翌日として運用している。今回の問題では、請求時点で死亡後5年を過ぎている事例が複数あるが、胆管がんが労災になる可能性が知られていなかったため、「権利を行使することができる時から進行する」という民法の原則に従って認定する方針だ。(2月20日 朝日新聞)
Feb 23, 2013 09:15

胆管がん
肝臓でつくられた胆汁を十二指腸まで運ぶ8センチほどの細い管(胆管)にできる。多くの場合、周りの組織に染み込むように広がり、腫瘍が目立たないため、発見が難しい。SANYO社での事例を調査した熊谷信二・産業医科大准教授(労働環境学)のグループは、印刷機の洗浄剤に含まれていた「1,2ジクロロプロパン」「ジクロロメタン」が原因でなる可能性を指摘している。2010年に胆管がんで死亡した人は約1万3千人で、その8割は70歳以上。若い人の発症が多いSANYO社は際立っている。作業場の状況を再現して実験した結果、換気が不十分で、汚れた空気の56%が室内に戻る劣悪な環境だったこともわかった。こうしたことから、(働いていた)16人全員について仕事との関係があると判断したとみられる。(2月20日 朝日新聞)
Feb 22, 2013 08:48

胆管がん 労災初認定
印刷会社で働いていて胆管がんになった人や遺族から労災請求が相次いでいる問題で、厚生労働省は、大阪市の印刷会社で働いていた16人(うち7人死亡)の請求を認める方針を固めた。仕事との因果関係があるとして、時効を柔軟に運用する。胆管がんの労災認定は初めて。この会社は「SANYO
-CYP」。これまで20代1人、30代7人、40代8人の計16人が請求している。3月中旬に開く専門家検討会で認定を判断する基本的な考え方をまとめ、労働基準監督署が順次認定する。この問題は昨年5月、研究者らの調査で表面化。その後、全国の印刷会社で発症例があることがわかった。2月12日までの労災請求は計62人(死亡38人)。

Feb 21, 2013 09:37

甲状腺がん 疑い含め10人
福島県は13日、東京電力福島第一原発事故の発生当時に18歳以下だった3人が甲状腺がんと診断され、7人に疑いがあると発表した。チェルノブイリ事故では、被曝から最低4~5年後に甲状腺がんが発生しており、県は「総合的に判断して被曝の影響は考えにくい」と説明している。県は事故当時、18歳以下だった約18万人のうち、約3万8千人の甲状腺の超音波検査結果をまとめた。計10人の平均年齢は15歳、男性は3人で、女性は7人。腫瘍の直径は平均15ミリ。確定診断された3人は全員、進行がゆっくりしたタイプの早期だった。今回の調査対象は、飯館村や浪江など避難区域の子どもたちだ。3人は手術でがんを摘出、通常の日常生活を送っているという。甲状腺がんの大半は進行が遅く、生存率も高い。これまで子どもの甲状腺がんの発生頻度は100万人に1~2人程度とみられていた。今回それより高い頻度で見つかった。(2月14日 朝日新聞)
Feb 15, 2013 08:49

外見ケアのポイント
ウイッグ:既製品は5千~40万円と幅がある。似合うかどうか、つけ心地が良いかどうかで選ぶ。つけたら「私ほど似合う人はいない」と思うが、つけたことを忘れるといい。 眉:治療前に写真を撮っておくと、顔がむくんでも描きやすい。自然に見せるには粉タイプがお勧め。 爪:痛んでいる場合、爪切りよりやすりを。手袋や保湿クリームの活用も。 *野澤さんによる。詳細は若年乳がんのサイト(http://www.jakunen.com)の頁へ。(1月15日 朝日新聞)
Feb 12, 2013 08:24

治療中でもおいしく食べて 2
かつては、抗がん剤治療中に食べやすい、とカップ麺を買い置きする患者がいたが、「私たちが作る」と宣言。濃い味や気分転換になるレシピを充実させた。膳には「良い一日になりますよう」などと書いたカードや花を添える。器は小さく、軽く。フタの代わりにラップをかけて視覚に訴えることも。食を促す工夫は味だけではない。73の食事レシピや、それにまつわるエピソードをまとめた本が一昨年、医学書院から出版された。「食べる喜びをあきらめないで。食の問題は、私たち栄養士が解決するので、安心して治療を受けて」。管理栄養士 川口美喜子さん。(1月15日 朝日新聞)
Feb 11, 2013 08:46

治療中でもおいしく食べて
抗がん剤や放射線などの治療中でも、「おいしい」と感じてほしい。患者の声をもとに薬の副作用などからにおいに敏感になっても、ご飯のにおいが気にならない焼きおにぎりや、食後にゆっくり食べられるよう溶けにくいアイスクリームなどを提供する。病棟を回り始めた8年前、患者にどう声をかければ良いか、わからなかった。毎日通い、少しずつ食事の話ができるように。「ゆずこしょう、懐かしいな」。食欲がなかった患者が、テレビを見てつぶやけば、ゆずこしょうを使った一品を出した。「患者さんに寄り添い、信頼関係を築くことがスタートです」。入院患者の約4割は、がんの治療を受けている。味覚の変化、吐き気、口内炎など様々なトラブルが生じる。がん専任の栄養士二人を含む10人の栄養士らを束ね、細かな希望を実現していく。食べてみようかと患者が思う食事を提案し、全身状態を改善していくことが目標だ。管理栄養士 川口美喜子さん。(1月15日 朝日新聞 )
Feb 10, 2013 09:05

外見ケア 高まる意識 2
2009年以降、厚生労働省や文部科学省の研究班は、患者がどのようなケアを必要としているかを調査し、医療スタッフ向けの講習プログラムを作ってきた。全国のがん診療連携拠点病院に外見支援への取り組みの有無を聞くと、94%が脱毛への対応などを実施していた。ただ、質に差があり、情報不足や知識に自身がないと訴える病院が多かった。研究をもとにした講習は国立がん研究センター中央病院が2007年に、九州がんセンターが2011年に始めた。四国がんセンター(松山市)は1月、地元の患者会と共同で、松山市内のがんサロンで開いた。国立がん研究センター中央病院の清水千佳子・乳腺・腫瘍内科医長は「治療中やその後に、その人らしい生き方ができるよう、患者さん自身による決断のお手伝いをしていきたい」。同センターの野澤さんは「思い込みからの回復が第一。プログラムを全国に広げたい」と言う。(1月15日 朝日新聞)
Feb 09, 2013 08:48

外見ケア 高まる意識
がんの治療で、患者の外見の問題は重視されてこなかった。だが医療技術の進歩や入院日数の短縮などにより、社会生活を送りながら治療を続ける患者が増え、意識が高まってきた。外見ケアを希望する米国発の運動「Look Good,Feel Better」(見た目が良くなると、気分も良くなる)は、20カ国以上に広がっている。国内ではこの運動自体は始まっていないが、ケアは広がりつつある。北里大病院(相模原市)の患者への調査で、ケアを受けると、怒りや混乱がおさまる傾向がみられた。(1月15日 朝日新聞)
Feb 08, 2013 08:45

自分らしく元気に
外出する機会が減り、化粧もしなくなったという山口県美祢市の薬局勤務の女性(43)はショートのウイッグをつけて、短い髪も似合うを気づいた。「情報はインターネット上などにあるけど、多すぎる。身近な看護師さんから直接聞くと、安心できます」。福岡県福津市の女性(63)は「患者同士で同じ悩みがあると共感しあえた。たくさん笑って気分がよくなりました」と話した。(1月15日 朝日新聞)
Feb 07, 2013 08:40

メークも一つの手段
九州がんセンター(福岡市)で12月下旬にあった、外見ケアの講習。看護師の野中ひろみさんらは、乳がん患者に語りかけた。がん細胞をやっつける抗がん剤は、細胞分裂が盛んなものを認識して攻撃するので、髪や爪などに副作用が現れてしまいます。肌は紫外線の影響を受けやすく、しみもできやすくなります。体調が悪いことはあるでしょうが「顔色悪い」と言われたら、「放っといて」となりがちです。チークを少しつけるだけで顔色がよくなります。治療のために生きているわけではないですよね。長い治療期間を、自分らしく元気に過ごしてほしい。自分の生活を第一に。メークはそのための手段です。(1月15日 朝日新聞)
Feb 06, 2013 08:16

外見ケア
がんの治療が始まると、副作用で髪が抜けたり、爪が黒ずんだり。見た目に変化が起きると、気分もふさぎがちです。でも治療を受けている間も、生活は続きます。見た目をちょっと整えて、外出しませんか・・・・。気分が前向きになる「外見ケア」がいま、注目されています。(1月15日 朝日新聞)
Feb 02, 2013 08:36

先進医療の多彩な可能性 2
患者さんのお腹に大きな傷をつけなくて済み、短期間での退院を可能にする腹腔鏡手術の試みもすでにいくつかの施設で行われています。また、遠隔操作で腹腔鏡の施術ができるロボット支援手術も実用段階に入っています。保険収戴の問題など課題は多いですが、遠くない将来にこうした先進医療が婦人科医療の現場に浸透するものと思われます。放射線治療の分野で注目されているのが、、ピンポイントに照射し、副作用も少ないといわれる重粒子線治療です。もうすぐ佐賀県鳥栖市に九州初の重粒子線治療施設も完成しますし、大いに期待しています。(12月15日 朝日新聞 広告)
Jan 15, 2013 08:46

先進医療の多彩な可能性
外科手術を軸に、放射線治療や抗がん剤による化学療法を個々の症例に応じてどう組み合わせていくか。こうした集学的治療に関して、進行した子宮頸がんと抗がん剤治療を同時に併用して効果を高めること、また進行した子宮頸がんや卵巣がんにも手術に加えて、種々の抗がん剤を併用するなど、年々研究が進んでいます。さらにQOL重視の観点から、がんと診断された段階から患者さんとご家族に対する心身両面のケア、地域支援まで視野に入れた緩和医療にも積極的に取り組んでいます。(12月15日 朝日新聞 広告)
Jan 14, 2013 09:23

婦人科腫瘍の治療の課題 2
若年層の子宮体がんであればホルモン療法で実際に赤ちゃんを得られた方もおられますし、卵巣がんでも極めて初期の段階であればもう一方の卵巣と子宮を残して妊娠に至るケースも見られます。ですが、がん治療においてはあくまで生命を救うことが第一義。婦人科医療に関わる者なら誰でも、女性ががんになって新しい命を授かる希望を失う痛みは、それこそ痛いほどわかっています。再発リスクなどを慎重に検討し、現時点で安全と考えられる条件に合うケースに関して妊孕性温存に尽力するというのが、私たちのスタンスです。(12月15日 朝日新聞 広告)
Jan 13, 2013 09:19

ホームドクターの存在
産婦人科の医師は、胎児の時から小児、思春期、成熟期を経て壮年、さらに老年に至るまで、女性の生涯に寄り添って診断や治療を行う立場です。例えば卵巣がんには、胚細胞腫瘍という若年者にも見られるものがありますが、生まれた時からずっと診ている医師なら気づく可能性があります。早期発見の観点から、若い頃から、一貫して診断にあたるホームドクターを持つことが非常に重要だと思います。(12月15日 朝日新聞 広告)
Jan 11, 2013 09:20

婦人科腫瘍の特徴
婦人科で扱う悪性腫瘍のうち、3大がんといわれる子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんについてお話します。子宮頸がんはHPV(ヒトパピローマウイルス)によるがんで、近年では若い世代の罹患率が増え、25歳~35歳の婦人科悪性腫瘍では最多の割合を占めています。特に子育て世代の30代の死亡率が高く、「マザーキラー」とも呼ばれます。子宮体がんは女性ホルモンの一つであるエストロゲンが深く関与するもので、近年急激に患者数が増えています。年齢的には閉経後に罹患する方が多いのですが、若年層の罹患も少なくありません。次に卵巣がんは年間に約8千人が罹患し、4千5百人の方が死にいたる、産婦人科領域では最も死亡率の高いがんです。(12月15日 朝日新聞 広告)
Jan 08, 2013 08:59

がん医療の今後の課題 2
患者さんの側でも、医療というのは授けられるものではなく、主人公は自分だという認識を持っていただきたい。がんを見つけにいくのも自分、予防するのも自分、どんな治療をするか選ぶのも自分。そしてそれが、どういう生き様をするかということに全部つながっていくのです。結局、日本の医療がいいから長寿国になって、長寿国になるからがんが増える。これはもう覚悟しなければ仕方がないのです。大事なのは、一人ひとりが自分の人生観や死生観を持ってどう行きたいかを考えること。自分の健康を守りたいと思うなら、人任せではだめなのです。(12月24日 朝日新聞 広告)
Jan 03, 2013 09:05

がん医療の今後の課題
5年前に基本計画が始まったとき、正直「なにもできないのでは」と思いました。でも、5年たったらいろいろ工夫してずいぶん良くなりました。5年後にはもっと良くなるでしょう。今後の課題は役割分担ですね。どこもかしこも同じことをするのではなく、高度先進医療を担当するところ、緩和ケアを担当するところなどでネットワークを作る。地域によってはネットワークがきちんとできているところもありますが、東京などの大都市ではなかなか難しいのが現状です。今後は在宅医療も重要になってきます。がん患者さんが在宅に移行した際には、専門医とかかりつけ医の連携がとても大切になります。ですから、かかりつけ医の先生方にもがんに関する基本的な知識を持っていただかなければいけないし、医師会としてもそうした情報を発信していく必要があると考えています。(12月24日 朝日新聞 広告)
Jan 02, 2013 20:37

社会復帰に必要な支援策
がん患者さんが治療を終えて仕事に復帰するケースも増えており、社会的なバックアップが必要です。どちらかというと皆さん、支えるとか支援するとかいう目で見ていると思うんです。私はその考えを変える必要があると思っています。というのは、今は2人に1人はがんになりますから、ひょっとすると自分がその立場になるかもしれない。ですから、患者さんを支えるというよりも、患者さん、あるいはほかの病気の方も含めて、働きやすい勤務体制や社会構成を作っていくことのほうがずっと重要だと思っています。(12月24日 朝日新聞 広告)
Jan 01, 2013 09:13

緩和ケア
若いドクターがいきなり告知して、患者さんがパニックになってしまうことがあります。個々人が自分の死生観を持って、どういう生き方をして、どう死にたいかを考えていないから、突然がんと宣告されるとびっくりしてしまうわけです。それをどうやって慰め、あるいは力づけるかというのが緩和ケアの仕事です。昔は痛み止めを使うだけで、緩和ケアに入ったら終末期という感じでしたが、今はもっと早い時期からやりましょうというのが新しい考え方です。日本はまだ緩和ケアの専門家が少ないですが、臨床心理士などが手伝ってくれます。患者さんは不安に思っていることを全部吐露すれば気が楽になることがあるのですが、そうするための時間と人が必要なのです。米国にあるがん専門のMDアンダーソン病院では、治癒したキャンサーサバイバーがボランティアで同じ病気にかかった人の相談にのっています。それも非常に良い方法だと思います。(12月24日 朝日新聞 広告)
Dec 31, 2012 09:22

がんと告知されてもあわてないために
臨床の医師はみんな経験していると思いますが、がんにかかった患者さんが来ると「どうして私ががんにかかるのだ」ということから始まります。これだけ多くの人ががんになっていることを知りながら、自分だけは別だと思っている。次の段階になると、がんになってしまったことは仕方ないが何とか助かろうと、急いで知識を身につけようとする。正しく理解が進めばいいのですが、ほとんどの場合、物事を正しく判断できません。治療法が自分の願望と違うとヤブ医者扱いになったり、高額な民間療法に走ったりすることもあります。あなたにはなにができて、どういうことをやれば自分にとってプラスの医療になるのか、もう少し落ち着いてじっくり考える必要があります。ところがそれがなかなかできない。健康なときからがんについて考えてもらうことが必要なのです。(12月24日 朝日新聞 広告)
Dec 30, 2012 08:20

早期発見で治る病気に
死亡率の減少で、がんは治る病気になってきたのでしょうか。あくまでも早く見つけての話です。早期発見が可能な臓器のがんと、それが非常に難しいがんとはっきり分かれます。早期発見が有効なのは、検診が推奨されている胃がん、大腸がん、乳がん、子宮頸がん、肺がんです。これらのがんは早く見つければほとんど治ります。特に大腸がんはほぼ100%治ります。ですから検診を受けることが非常に重要です。女性の死亡率は大腸がんが1位ですが、結局、検診をきちんと受けていないのだと思います。自分の命は自分で守る、そのためには検診しかないということを子どもの時から教育する必要があると思います。(12月24日 朝日新聞 広告)
Dec 29, 2012 08:41

がん対策基本法
基本計画ができる前の2006年に「がん対策基本法」が成立しました。がんの診断や治療が進歩し、治る人治らない人がでてきて、2000年頃から患者さんたちの間で治療における地域格差が問題にされるようになりました。そうした動きを受けて、2006年に基本法が成立しました。がん対策推進基本計画は、がん対策基本法に基づき、政府が策定したものです。5年前は「どこでも同じように治療が受けられれるようにすべきだ」という「均てん化」に主眼がおかれ、全体目標も、がん死亡者数の減少と、患者とその家族の苦痛を減らす緩和ケアの二つが入っていました。今回は三つ目の全体目標として「がんになっても安心して暮らせる社会の構築」が加わりました。がんが治る人が増えてくると、就労の問題などもっと幅広い対策が必要になってきたからです。(12月24日 朝日新聞 広告)
Dec 28, 2012 09:47

みんなでがんを考えよう 2
今はがんにかかる人も、がんで亡くなる人も、高齢化に伴ってすごい勢いで増えています。でも、高齢社会で高齢者が増えているという要素を差し引くと、死亡率は1996年頃からすでに低下傾向になります。5年前の議論でも、今のままでも自然に10%くらい下がるのではないかという計算があり、残り10%は検診を含めて努力するといことで、死亡率20%減少という目標を立てたわけです。(12月24日 朝日新聞)
Dec 27, 2012 08:58

みんなでがんを考えよう
がんと診断されると、「なぜ私ががんになるのか」と医師に疑問を投げかける人が多いそうです。ほとんどの人は「自分だけはがんにならない」と思い込んでいるようなのです。いまは、国民の2人に1人ががんになり、3人に1人はがんで亡くなる時代です。にもかかわらす、がんを「自分のこと」として考えている人はまだ少ないというのが現状です。2007年度に「がん対策推進基本計画」が策定され、それから5年たった今年、新たな基本計画が打ち出されました。その中で「死亡率20%減少」という目標が掲げられています。(12月24日 朝日新聞 広告)
Dec 26, 2012 08:47

財源不足が大きな壁
長期の治療の負担軽減は、政権交代で期待が高まった。民主党は高額療養費制度の負担軽減を2009年のマニュフェストに明記していた。だが、改革の規模はしぼむばかりで抜本的な見直しには至っていない。財源を巡る議論がまとまらず、迷走したのが原因だ。2011年6月。政権は「税と社会保障の一体改革」の原案をまとめた。高額療養費制度について、長期の治療や低所得者の負担軽減の見直しに1300億円程度必要と試算。病院を受診した人に幅広く100円の負担を求めることで財源を捻出しようとした。しかし、反発を受け断念。消費増税と抱き合わせの改革でありながら、新たに別の負担を求めるやり方だったからだ。「荒唐無稽なやり方だった。党内でもまともに議論していなかった」。民主党の厚労関係議員は振り返る。(12月4日 朝日新聞)
Dec 22, 2012 09:07

高額な新薬が悩み
田村さんが代表を務める患者会「いずみの会」の調査では、311人のうち93%が高額な新薬を使っており、1回の受診料は平均16万円だった。家庭生活で感じる困難をたずねると74%が医療費を挙げ、他項目を引き離した。治療が長期にわたる患者にとって毎月の負担は大きい。線維筋痛症友の会理事長の橋本裕子さん(58)も「職に就けない患者も多く月1万、2万円の治療代でも非常に苦しい」と訴える。全身が激しく痛む病気で根本的な治療はなく医療費がかかり続ける。新しい治療薬「リリカ」が保険適用になったが、すべての患者に使えるわけではなく、負担は小さくない。一方で厚生労働省は現在56の病気に限っている難病の医療費助成の対象を広げる方針。ただし拡大後も患者数の少ない病気が条件で線維筋痛症は対象外のままの見通し。橋本さんは「誰でも使える高額療養費制度の充実にまずは力を注いで欲しい」と話す。(12月4日 朝日新聞)
Dec 21, 2012 08:50

長引く闘病 治療費重く
4錠1万1千円。神奈川県の自営業田村英人さん(62)は慢性骨髄性白血病(CML)の症状を抑えるため、毎日この薬を飲み続けている。53歳で発症し、薬は承認されたばかりだった。「薬局で処方箋を渡したら代金が十数万円。最初は耳を疑いました」。CMLは一部の白血球が異常に増殖する血液のがんの一種だ。患者は推定で10万人に1、2人。新薬の登場で、骨髄移植をしなくても多くの人が日常生活を送れるようになった。「症状が安定すれば仕事も問題ない」と田村さん。田村さんの暮らしを支えているのが高額療養費制度。所得や年齢に応じて1カ月の上限額が決まっており、超えた分が戻ってくる。1カ月で約10万円の自己負担は実質4万4400円になる。それでも薬は生涯飲み続けなければならず、「負担は決して軽くない」。(12月4日 朝日新聞)
Dec 20, 2012 08:34

がん・難病の支援進める政党は?
がんや難病など長期間、治療が続く人にとって、毎月支払い続ける医療費は切実な問題になる。負担軽減を求める声は根強いが、国の検討は足踏みを続けたまま、衆議院解散を迎えた。取り残された課題に、政治は目を向けてくれるのか。高額療養費制度は、月初めから月末までの1カ月間に医療機関や薬局で支払った自己負担額が上限額を超えた場合、超過分が戻ってくる制度。暦の月をまたぐ自己負担額を足し合わせることはできない。上限額は年齢や所得、医療費の総額で決まり、過去1年に3回以上利用していれば、4回目から上限額が下がる。支給総額は過去10年で倍増しており、2010年度は1兆9789億円。(12月4日 朝日新聞)
Dec 19, 2012 08:37

学校でがんの授業
学校でがんの授業を実施しませんか。授業を希望する学校を募集します。「がんになる最大の原因は?」という問いに、授業前では正解の「たばこ」と答えた生徒は半分以下で、「遺伝」や「お酒」などの誤答が目立ちました。それが授業後には全員が正解に。2時間ほどの授業の前後で生徒のがんに関する知識は大きく変化します。2人に1人ががんになり、3人に1人ががんで亡くなる国なのに、日本人はがんについてほとんど知りません。学校で教えられた記憶もないでしょう。そのまま大人になるので、がんの予防や検診についての正しい知識に乏しく、死亡率は上がり続けています。日本対がん協会と朝日新聞社は、医師が学校を訪ねがんについて授業する「ドクタービジット」を実施しています。(11月14日 朝日新聞)
Dec 03, 2012 08:56

患者を支える家族が注意すること
・がん情報を集める。 ・自分にどういう援助ができるか考える。 ・患者の要望をよく聞く。 ・家族も自分の生活を大切にする。 *国立がんセンターがん情報サービス「家族ががんになったとき」から抜粋。
【家族・遺族向けの情報】●外来:・埼玉医科大国際医療センター⇒保険がきくが紹介状がないと別途3150円必要。042-984-0475 ・国立がん研究センター中央病院⇒40分1万500円。03-3547-5130 ●家族の会 ・NPO法人がんサポートコミュニティー ⇒毎月第2水曜 登録費用が必要 03-6809-1825 ●ウエブサイト ・国立がん研究センターがん情報サービス ⇒もしも、がんが再発したら 患者必携 本人と家族に伝えたいこと(http://gan.joho.jp/public/qa_links/hikkei/saihatsu.html) ・日本サイコオンコロジー学会⇒がん患者さんとご家族のこころのサポートチーム(http://support.jpos-society.org) (11月14日 朝日新聞)


Dec 02, 2012 09:18

患者の心身の変化見逃さぬ 2
治験の期間、患者との付き合い方はある意味、看護師として病棟にいたときよりも濃密だ。診察には必ず同席。わずかでも体調に変化はないか、検査や薬の服用は計画通りできているか、聞き取り、メモにして医師に渡す。要点をうまく整理できない患者と、限られた時間に要点を把握したい医師をつなぐのが、役割だ。予約の時間に患者の姿が見えないと、電話を入れる。治験が終わる頃、「寂しくなる」と、何人もの患者から言われた。膨大な書類作成や、院内調整にも忙しい。集めたデータは、計画通りにやらないと無駄になる。特別な検査のため臨床検査技師に研修を受けてもらったり、薬剤師に薬の間隔を調節してもらったり・・・・。患者と触れ合う時間は、ごく一部だからこそ、大切にしている。「治験のスケジュールを終えた患者さんに『よくなったよ』と言われた時や、関わった薬が世に出た時が、やっぱりうれしいです」。治験コーディネーター鈴木克子さん。(11月14日 朝日新聞)
Dec 01, 2012 08:48

患者の心身の変化見逃さぬ
新薬の候補や新しい治療法が、人に対して安全か、有効かを確かめる臨床試験(治験)。参加するがん患者らの体調に変化がないか。予想外の副作用はないか。チェックし、綿密に練られた計画通りに実施できるよう、患者のそばでサポートするのが仕事だ。治験って何?どんな副作用があるの?内心そう思っても、医師の前ではわかったふりをしてしまう。そんな変化を見逃さない。「この部分、理解できましたか」「これはどういうことだと思いますか」などと確かめる。「患者さんがどこを心配して、どこがわからないのか。聞き出すことが第一です」。治験コーディネーター鈴木克子さん。(11月14日 朝日新聞)
Nov 30, 2012 08:13

自分のための時間つくろう 2
「モルヒネを使ったから早く亡くなった」「看病が不十分だったので、患者が精神的に追い詰められてしまった」などと誤解し、悔いている家族も少なくない。専門家が「違う」と修正することで不要な後悔が消えていく。命日や年末年始など、家族がいないことを実感する時期に、気持ちがひどく落ち込む「記念日反応」も出やすい。遺族が回復するには、周囲の協力も欠かせない。「大往生でしたね」「まだ悲しんでいるの」といった周囲の何げない言葉によって、良くなりかけていた遺族の気持ちも落ち込んでしまいがちだ。石田さんは「気遣うというマナーが社会全体に広まってほしい」と話す。(11月14日 朝日新聞)
Nov 29, 2012 08:40

自分のための時間つくろう
米国の研究では、配偶者を亡くした13カ月後、その16%がうつ病になった。発症率は配偶者が生きている群の約4倍と高い。家族や遺族向けの外来をする埼玉医科大国際医療センターの大西秀樹教授(精神腫瘍科)は「うつ病であれば治療が必要。早くからの介入(治療や支援)が大事だ」と話す。臨床心理士の石田真弓助教が遺族外来を受診した61人を分析すると、「近くにいたのに気づけなかった」「治療法を探しきれなかった」といった後悔を感じて苦悩する人が多い。(11月14日 朝日新聞)
Nov 28, 2012 08:30

「しっかり」の声かけは重荷
では、患者の家族はどう過ごせばいいのか。がん患者の家族・遺族らで作るNPO法人愛媛がんサポートおれんじの会は2009年、家族向けの冊子「あなたの大切な人を支えるために」を6千部作った。「できるだけ普段の生活に近い睡眠時間を」「その時のどを通る食べ物を食べる」「自分のための時間をつくる」などをあげている。父を胃がんで亡くし、自身も子宮頸がんを経験した松本陽子理事長は「家族の心の支えとなり、ほっとしてもらいたいと作った。周りの人たちは家族に『しっかりね』と言って追う詰めないでほしい」という。現在、第2版の作製を計画中だ。(11月14日 朝日新聞)
Nov 27, 2012 08:41

罪悪感から うつ病に
「絶対うちに帰る。大丈夫」。医師から、もう回復の見込みがないと告げられた後も、夫は女性を気遣い、弱音をはかなかった。「一番つらかった時に受け止められなくて、ごめんなさい」。女性は家で泣いてばかりいた。散歩をすると、夫の不在を実感して涙があふれた。息ができないほどのパニック状態になったこともある。外食に誘われて出かけると「夫に食べさせてあげたい。私だけ食べるなんて」と罪悪感をおぼえた。うつ病の診断を受け、薬を飲み始めた。2010年から集団カウンセリングに参加し、自分と似たような経験をした人がいると知り、少しずつ、つらさを口に出せるようになった。悲しみはずっとなくならないが、楽しいことは楽しいと感じていい、と思えるようになった。今は1人で住むマンションの管理組合の理事が来夏より回ってくる。自分には絶対できないと思っていたが、「やってみるか」と考えている。(11月14日 朝日新聞)
Nov 26, 2012 08:42

愛する人失い
愛する人を失ったつらさが、長く続くこともある。東京都世田谷区に住む女性(45)の二つ年上の夫に2007年春、血液のがんがわかった。抗がん剤が効かず、骨髄移植に踏み切った。夫を支えたいのに、体がいうことをきかない。「あなたがしっかりしないと」「ご主人の前で泣いちゃだめよ」。見舞いに訪れる知人から言われるたび苦しかった。37.5度の微熱が続き、じんましんが出た。食事がとれない、眠れない。体重は、10キロ減った。自分の気持ちを落ち着ける方法がないか。本などを探したが、良い者が見つからなかった。骨髄移植の合併症で夫の肺の機能は低下し、2008年に亡くなった。(11月14日 朝日新聞)
Nov 25, 2012 08:47

つらさ言えぬ患者の家族 2
治療に付き添えないことが多く、妻は「付いてきてくれる旦那さんもいる」「もっと優しい言葉をかけてほしい」と言う。副作用に苦しむ妻から「抗がん剤の治療をやめたい」と訴えられるのが何よりつらい。「どうしたらいい?この先どうなる?」できることはやっているつもりだ。でもまだまだ足りないとも思っている。副作用の少ない薬が開発され、妻のがんが治ること。それを願い、家事にも仕事にも手を抜けない日々を過ごしている。(11月14日 朝日新聞)
Nov 24, 2012 09:01

車で一人 大声で歌
妻に代わり、朝6時前に起きて洗濯機を回し、衣類を干す毎日が始まった。料理はしたこともなかったが、妻が起きられない日には朝ご飯を作り、娘に食べさせて送り出す。「どうして俺が?」。慣れるまでは感じた。30代後半。責任ある仕事を任されていた。夜の会議や週末の仕事があっても、家のことが気になって仕方がない。帰宅後には毎日、重くてだるいと言う妻の足を約30分、マッサージする。早退して娘の学校の教諭との面談に出かけたり、帰宅後に娘の塾の送り迎えをしたり、一方で医療費もかかる。収入を減らすわけにはいかない。ストレスは車の中で一人、大声で歌を歌って発散する。(11月14日 朝日新聞)
Nov 23, 2012 08:10

仕事も家事も
愛媛県内の男性公務員(45)の妻(47)に2004年、乳がんがわかった。手術に放射線、ホルモン療法と治療が続いた。妻は「なんで私だけ病気になるの?」と嘆いた。小学生だった娘の世話などを男性は担うことになった。退職したら行こう。そう言っていた、四国霊場八十八カ所を夫婦で回り、治るよう祈った。手術から約2年。肝臓などにがんが転移した。抗がん剤治療が始まり、吐き気や頭痛などの副作用が出た。妻は長い時間伏せるようになった。何もやる気がおきない。落ち込みが激しい。うつ病と診断された。(11月14日 朝日新聞)
Nov 22, 2012 08:23

つらさ言えぬ患者の家族
家族ががんになったら。患者を支える家族の心にも変化が生まれます。つらい思いを抱えながら、家庭内で新たな役割を担ったり、身の回りの世話をする必要が出たり・・・・。「第二の患者」とも言われる家族も、悩み過ぎることなく病に向き合う必要があります。周囲の理解や協力も求められます。(11月14日 朝日新聞)
Nov 21, 2012 08:10

予防接種 先行投資と考えて
予防接種を受ければ、得なのか。社会全体で考えてみた。国際医療福祉大学の池田俊也教授らは昨年3月、子宮頸がんや小児用肺炎球菌などの7ワクチンについて、予防接種にかかる経費と、接種により削減できるとみられる医療費などを比べた。ワクチンの開発費や値段と、治療費や看病でかかる費用、社会生産性の損失などから推計した。この結果、接種した方が「得」と出たのは、5種類。例えば、水痘ワクチンでは、接種した方が年間362億円も費用が少なくて済むと出た。一方、インフルエンザ菌b型(ヒブ)とB型肝炎ワクチンは思わぬ結果に。ヒブは、医療費などに比べ、接種費用が年間238億円4千万円も多くなる。ワクチンの値段などが影響したようだ。ただ、お金だけで無駄と言い切れるだろうか。ヒブは子どもが感染すると髄膜炎を起こして死亡することもある。池田教授は「ワクチンは先行投資。結果的に節約にならなくても『子どもを救ううために払う』と考えたらどうだろう。お金の損得だけでは語れません」と話す。(11月13日
朝日新聞)
Nov 20, 2012 08:44

症状に適した方法を 3
聖マリアンナ医科大の鈴木直教授(婦人科)は「子どもが欲しくても、がん治療の開始を遅らせたり、治療法を変えたりすべきではない。年齢などを考慮し、卵巣の働きがどれくらい残っているのか、採取、凍結する価値があるのか、がん治療の主治医と生殖専門の産婦人科医によく相談して判断を」と話す。病気と不妊という二重の不安を抱える患者への精神的なサポートも必要だという。(11月13日 朝日新聞)

Nov 19, 2012 08:30

症状に適した方法を 2
がん治療の卵巣への影響は、抗がん剤の種類や量、放射線をあてる場所、患者の年齢によって大きく異なる。個人差があることや、がんの種類などから、卵子や卵巣の凍結保存が適さない場合もある。20代など若いうちに発病することが多い白血病では、年齢的に妊娠する力が強く、卵子の凍結が有効な場合がある。一方、乳がん患者は35歳以上から増え、卵巣の働きが下がっている場合がある。(11月13日 朝日新聞)
Nov 18, 2012 09:00

症状に適した方法を
がん患者の凍結卵子からの出産例は、国内ではまだ数人だが、卵子の凍結保存は、少なくとも50ほどの医療機関が行っている。慶応大の久慈直昭・専任講師(産婦人科)によると、主に未婚の成人女性が対象で、卵巣にがん転移の可能性がある場合に行われる。細い注射器で採卵するため、傷はほとんど残らない。将来的には卵巣の凍結も有効な手段になる可能性がある。卵巣の場合、含まれる卵子の数が多い。▽卵管の近くに移植すると排卵した卵子が取り込まれて自然妊娠が可能 ▽排卵周期に合わせる必要がなく、採卵のためにがん治療を長く止める必要がない、などの利点もある。ただ、技術は未確立で、卵巣を戻す際に、がん細胞も一緒に戻してしまうリスクもある。内視鏡を使うため、おなかに穴をあけることにもなる。実施機関も限られる。(11月13日 朝日新聞)
Nov 17, 2012 08:33

将来見据え六つ採取 2 
独身でパートナーもいなかったが、「将来のために打てる手は打っておこう」と思った。2003年3月から半年間、東京のクリニックに通い、卵子を六つ凍結した。女性の場合は採取に約25万円、凍結保存は初期費用が3年間で約12万円。その後は毎年2万4千円かかった。その後、仕事に復帰。2010年5月に1歳年下の男性と結婚した。40代という年齢を考えてすぐに体外受精に踏み切った。凍結していた卵子で顕微授精をすると、2回目の挑戦で妊娠した。再発もなく、長女はすくすく育っている。「あの時ネットで卵子凍結の情報にたどり着いていなかったら、この子に出会えなかったかもしれない。治療前に卵子を残しておけば、それだけで心強く、治療に対する向き合い方も変わってくる」。(11月13日 朝日新聞)
Nov 16, 2012 08:41

将来見据え六つ採取
関西地方に住む女性(45)は昨年7月、長女を出産した。白血病の治療中に卵子を凍結保存して、希望をつないだ。2002年初め、急性骨髄性白血病と診断された。すぐに入院し、心の準備もないままに抗がん剤治療が始まった。1カ月後、少し心に余裕ができて、病室にパソコンを持ち込み、闘病記などを読んでいた。その時、治療で不妊になる可能性があることや、卵子の凍結保存をする施設があることを知った。半年後に退院。卵子の凍結保存をしているクリニックにメールを送った。病気が悪化して骨髄移植が必要になれば、大量の抗がん剤を使い、卵巣に大きなダメージを与えることが心配だった。(11月13日 朝日新聞)
Nov 15, 2012 08:32

卵子凍結 出会えた命
若い女性ががんになると、妊娠や出産が難しくなることがある。抗がん剤や放射線の治療で卵子や卵巣がダメージを受けるからだ。最近は、治療前に卵子を凍結保存しておく方法が広がりつつある。ただ、がんの状態や患者の年齢などにより、卵子の凍結保存が適さない場合もあり、医師とも相談の上、冷静に判断することが大切だ。(11月13日 朝日新聞)
Nov 14, 2012 08:22

がん患者サロン
「患者さんが本音で語れる場を」と2009年、和歌山県の病院で初めてがん患者サロンをつくり、月2回開催する。この他、立ち上げたNPO法人でも、月1回のサロンを開く。手術後、ふさぎ込みがちだった患者がサロンに通ううちに表情が明るくなった。そんな姿に力をもらう。マラソンに一緒に出たり、ビアガーデンに行ったり。「各地にサロンを」と講演会を企画してきた。今では県内のがん診療連携拠点病院全てにサロンができた。患者の声は放射線治療にも生かされている。治療中、室内でクラシックや演歌などの音楽を流す、治療後に身だしなみを整えるための鏡を置く・・・・・。いずれもサロンでの会話がきっかけだ。サロンを始めてから、より患者目線の治療を意識するようになった。「患者さんが少しでも快適に治療が受けられる環境をつくっていきたい」。公立那賀病院・診療放射線技師・野上哲也さん(42) (10月23日 朝日新聞)
Nov 03, 2012 09:19

サロンで声聞き患者目線に
「ゆうべは眠れましたか」「ご飯は食べられていますか」。放射線治療が終わると、患者に必ず声をかける。年間約1千人の患者を3人の技師で担当する。そのほとんどががん患者だ。治療は1回数分ほどだが、1カ月以上ほぼ毎日続く。「毎日病院に通うのは想像以上にしんどいはず。会話を通して少しでも病院や放射線治療への抵抗感がなくなってくれれば」。5年ほど前、担当した乳がんの40代女性から手紙をもらった。「初めての治療後、『思ったより痛くないでしょ』と声をかけてもらい、以降、恐怖心が消えました」と書かれていた。何げない一言が、患者には大きな一言になる。うれしさと同時にコミュニケーションの大切さを実感した。公立那賀病院・診療放射線技師・野上哲也さん(42) (10月23日 朝日新聞)
Nov 02, 2012 08:34

サポート態勢は不十分
昭和大乳腺外科の看護師、渡辺知映さん(保健学博士)が、大量の抗がん剤を使う造血幹細胞移植に携わる血液内科医500人に実施した調査では、5割が不妊について「忙しくて患者と十分話す時間がない」と答えた。渡辺さんは「医師や看護師らときちんと話し合い、ともに考えることが大事。問題を共有するプロセスがその後の生き方にも大きく影響する」と指摘する。子どもを持つことを諦めざるを得ないケースでは、精神的なケアも不可欠だ。聖マリアンナ医科大の鈴木直教授(婦人科)は「がんという病と、子どもができないという二つの事実に直面するつらさは大変なもの」と話す。生殖やがん、心のケアの専門科らが連携して患者をサポートするため、近く研究会を立ち上げる。(10月23日 朝日新聞)
Oct 30, 2012 08:25

卵子・精子凍結も選択肢
女性の場合、抗がん剤治療後も、卵子に残る影響を考慮して、半年ほどは妊娠を避けたほうがいい。ホルモン療法は5年ほど続く、終わるころには年齢的に妊娠が難しくなることもある。将来の出産のために、卵子や受精卵を凍結保存することもできる。凍結卵子からの出産例は国内でも報告されている。採卵のために使う薬の副作用や、がんの治療開始の遅れなどデメリットもあるが、子どもを望む女性の選択肢になっている。これまでは治療が優先され、治療後の妊娠や性の問題まで語られることは少なかった。不妊のリクスの説明やフォロー態勢は不十分だ。(10月23日 朝日新聞)
Oct 29, 2012 08:37

「産めない」焦り募る 2
抗がん剤治療が始まると月経が止まった。手術と放射線治療を終え昨年8月、ホルモン治療が始まった。だが月経は戻らず、子どもをもてるのかどうか、心配になった。婦人科を受診すると卵巣機能の低下がわかり、「子どもは難しい」と言われた。抗がん剤治療を始めたときら、性交痛に悩んでもいた。痛みの記憶が消えず、性欲も低下した。抗がん剤治療が終わってもそれは続いた。彼には、言い出せなかった。ホルモン治療の副作用で、さらに気分の激しい落ち込みが重なった。がん治療が始まってから、病気になっても、おしゃれをして女性らしくいたいと努力してきた前向きな自分が、戻ってこない。「子どもを生めないかもしれない。もう女性として何の魅力もないんじゃないか」「そんな女性と付き合ってくれる人なんているんだろうか」部屋で一人、声を上げて泣いた。年を重ねるほど、妊娠・出産が難しくなるとわかっている。卵巣へのダメージも知っている。「でも1%でも可能性があるなら・・・・」。ホルモン治療の錠剤が減っていくのを見て思う。妊娠の可能性があるなら、飲むのをやめたい。だが、それは再発のリスクを高める。心の整理はつかないままだ。(10月23日 朝日新聞)
Oct 28, 2012 08:40

「産めない」焦り募る
がんがわかり、抗がん剤や放射線などによる治療が始まると、子どもをつくる機能や、性生活に影響が出ることがあります。医師から十分な情報を得られず、自身の変化に驚いたり、パートナーとの関係がぎくしゃくしたりすることも少なくありません。治療が始まったらすぐ、対策を考えることが大切です。東京都内の会社員の女性(42)は2010年初夏、炎症性乳がんが見つかった。結婚を前提に交際中の彼がいた。将来、子を持つもとを考え、卵巣機能を調べる検査で「問題ない」とわかった直後のことでショックだった。抗がん剤や放射線治療をすれば、卵巣機能が低下して排卵しにくくなり、妊娠が難しくなることがある。治療前に採卵して凍結保存し、治療後に受精させることを望んだ。だが、検査の結果、進行が早く転移しやすいタイプのがんとわかり、治療を始めることになった。がんを進行させる排卵誘発剤は使えず、自然周期にに合わせた採卵をタイミングが合わず、できなかった。「卵巣の機能が低下しやすい抗がん剤はやめてほしい」と主治医に頼んだ。主治医は聞き入れてくれ、抗がん剤の種類や量、体重などから「大丈夫でしょう」と言った。(10月23日 朝日新聞)
Oct 27, 2012 08:46

全がん協、中核的28病院
生存率は早期にがんが見つかるか、がんが進行しているかで変わる。このため、最も早期の1期と最も進行した4期の患者数の比「1期/4期比」も示した。値が大きいほど早期の患者が多い病院となる。病院ごとの差が肺がんで大きいのは、肺がんは様々な種類があるからだ。種類によっては早期に見つけにくかったり、治療した後の予後が悪かったりする。このため、病院がどのような患者を受け入れているかで大きく変わる。研究班は「治療が難しい患者を多く受け入れている病院もあり、生存率だけで病院を選ぶべきでない。病院の特徴を知り、治療について医師らと話し合う資料にしてほしい」と話す。全がん協が病院ごとの生存率を公表したのは2007、08年に次いで3回目。今年新たに1997年~04年の全31病院24万人のデータを集め、部位やがんの進行度示す病期、性別、年齢などを入力すると、5年生存率がわかるウエブサイトも作った。30種類以上のがんについて調べることができる。データは(http://www.zengankyo.ncc.go.jp)へ。(10月23日 朝日新聞)
Oct 26, 2012 08:23

がん生存率公表
がん診療の中核的な役割を担う全国31の病院でつくる「全国がん(成人病)センター協議会(全がん協)」は22日、患者のがんがわかってから5年後に生存している割合「5年生存率」を病院別に公表した。公表した五つの部位のうち、病院によって生存率の差が最も大きいのは肺がんで、33.3ポントの差があった。2001~03年に各病院でがんと診断されたり治療を受けたりした10万人以上を、国立がん研究センター研究開発費研究班が分析。部位ごとに患者が50人以上、9割以上の患者を追跡できた28病院を対象にした。国立がん研究センター中央病院などは当時登録のシステムが不十分で、手術した患者のみで一部の部位に限って公表した。(10月23日 朝日新聞)
Oct 25, 2012 09:23

「入らない」のも一案
生命保険文化センターが今春、2人以上で暮らす約4千世帯を調べたところ、直近に加入した生保の加入方法は「生命保険会社の営業職員」が7割を占めた。商品の比較経験は、約66%が「特に比較しなかった」。年間払込保険料は平均41万6千円で、思ったより多くを支払っていると言えそうだ。生命保険を見直すには、どうすればいいのか。ファイナンシャルプランナーの山田聡さんは「そもそも保険に入る必要があるのかという点から、考えて」と勧める。医療費なら、高額療養費制度に加え、会社の健康保険組合からの付加給付があり、自己負担がさらに抑えられている人もいるという。高齢になれば子どもは独立し、一定の預貯金もあることが多い。「それでも生命保険に入りたいなら、加入目的をはっきりさせることが必要」と山田さん。(10月4日 朝日新聞)
Oct 12, 2012 08:12

支払額・保障 比べて選ぶ
「保険料の払込総額は、こちらになります」。東京都文京区にある来店型の保険代理店「保険クリニック」本店。結婚したばかりの主婦(29)は、スタッフの女性に示された数字を見て苦笑した。1500万円以上。「マンションが買えてしまうかもしれませんね」。主婦は、夫(30)の定期特約付き終身保険の証券を持ち込み、チェックしてもらった。2500万円の死亡保障などがつき、保険料は月1万2千円。だが、このまま更新を続ければ、64歳で保険料が月9万円にもなる。この保険の代わりに、保険クリニックのスタッフは、300万円の死亡保障がある終身保険、夫が死亡すると月10万円が受け取れる収入保障保険などへの見直しを提案。数社の商品を示し、主婦の意見を聞きながら、選んでいった。「保険は難しくてわからないと思っていたけど、思ったより簡単だった。保険料もかなり安くなりそう」と主婦。夫と相談して新しい保険を検討したいという。(10月4日 朝日新聞)
Oct 11, 2012 08:22

死亡保障重視なら掛捨て 3
生命保険文化センターによると、40歳男性が月1万円づつ20年間、保険料を払い込むと、受け取れる死亡時の保険金の額は定期保険が最多。定期保険は、満期保険金はないが、少ない保険料で保障が大きい。保険相談室の後田さんは「多額のお金が急に必要になった場合に備えるのが保険。本当に必要なのは、子どもが幼い間の親の死亡保障。死亡保障中心に考えるなら、定期保険一つでいい」と話す。(10月3日 朝日新聞)
Oct 10, 2012 08:16

死亡保障重視なら掛捨て 2
一定期間内に死亡した場合に保険金を受け取れる「定期保険」や入院費などをカバーする「医療保険」では、保険料は戻ってこない。貯蓄に似た商品も。契約から満期までに死亡しなくても満期保険金がたまる「養老保険」、何歳で死亡しても保険金が出る「終身保険」(途中解約すればお金が戻る)などだ。ただ養老保険も保険料から人件費など手数料を差し引いて運用するため、全額が積み立てられるわけではない。満期保険金は、払込総額を下回ることもある。現在、生命保険を運用している標準利率は1.5%。来年4月以降の契約から1%になる予定で、貯蓄性は薄れる。(10月3日 朝日新聞)

Oct 09, 2012 08:15

死亡保障重視なら掛捨て
横浜市の主婦(53)は8月、夫が契約していた生命保険の解約手続きをした。更新で保険料が月2万円から倍増することを知ったからだ。解約後に戻ってくるお金は約44万円だった。夫が若い頃に契約した終身保険を保険会社に勧められた新しい商品に転換した。保障を手厚くしたつもりだったが、契約内容は変わっており、利率も悪くなっていた。「35年掛けたのに大損した」。保険の仕組みが理解されておらず、生命保険の情報を発信する生命保険文化センターには、こうした苦情が寄せられる。保険は、あらかじめ出し合った保険料で、死亡時などに加入者を支える助け合い。何もおこらなければ、原則として保険料は掛捨てだ。(10月3日 朝日新聞)
Oct 08, 2012 07:56

実は使える国の保障
山形県の男性(68)も、高額療養費制度を知らなかった。8年前、職場に来た保険会社の営業職員から、がん保険を勧められ加入。同僚ががんで亡くなったばかりでショックが大きく、他社の保険料や保障内容と比較もしなかった。これまで計60万円近くの保険料を払い込んだ。昨年、友人から制度を教えてもらい、保険解約を考え始めているという。「生命保険のウラ側」などの著書があり、保険相談室(横浜市)代表の後田亨さんは「万一の備えは、まず公的保険をベースに考えるのが大前提」と強調する。「公的保険は、税金も投入し、保険料で集めたお金以上の保障ができる。民間の保険は、加入者の保険料で人件費や維持費などをまかなうので、集めた保険料を超える保障はできません」。相談室の中には、家族3人で民間の生命保険九つに加入、国民年金の保険料を滞納している男性もいた。国民年金は、生きている限り受給でき、お金の価値が下がるインフレになると支給額も上がる。亡くなった場合は遺族年金、自身が障害になった場合は障害年金も出る。勤め先によっては、手厚い死亡退職金や弔慰金もある。「安心料として、内容を理解せず多額の保険料を払っている人は多い」と後田さん。(10月3日 朝日新聞)
Oct 07, 2012 08:01

高額療養費制度 知ってる?
「そんな制度、知らなかったわよ」。数年前、医療費の節約を特集したテレビ番組。ゲストとして出演していたタレントの山田邦子さん(52)は、驚きの声を上げた。「知っていたら、使ったのに」。その制度とは、国の高額療養費制度。医療費が一定額を超えた場合、超えた金額が健康保険組合など公的保険から支給される。例えば、医療費が100万円で、窓口負担が30万円(3割)かかる場合でも、手続きをすれば、自己負担額は、70歳未満の一般所得者で約9万円で済む。山田さんは、2007年に乳がんがわかり、手術や入院などで支払った医療費は数百万円にのぼる。幸い、母の知人に勧誘されて加入していた「がん保険」から保険金がおりた。乳がんの講演に行くと「医療費がかかるから、治療をあきらめた」という女性もいる。「国が守ってくれる制度がある。困ったら、役所の窓口で相談してみて」と山田さん。(10月3日 朝日新聞)
Oct 06, 2012 08:35

「プロジェクト未来」基金 2
選考は8月下旬、がん医療の学識経験者のほかに、リレー実行委員からも代表3人が参加しました。皆、がん経験者で患者の立場から見た望ましい医療について活発に発言し、仲間たちの熱い思いを伝えました。こうした経緯から、他の研究助成ではなかなか採用されにくい「小児がん」に関する研究も3件が選ばれました。小児患者と家族の精神心理的苦痛の緩和や、子どもの学校生活への支援に関する研究などが助成対象になり、基金の特徴になっていくと思われます。<日本対がん協会> (9月18日 朝日新聞)
Oct 03, 2012 07:57

「プロジェクト未来」基金
今年設けられた「プロジェクト未来」基金の初の研究助成に、安永正浩さん(国立がん研究センター東病院)、清水重臣さん(東京医科歯科大学)、片桐豊雅さん(徳島大学)ら7件の研究が採択されました。いずれも将来有望な研究で、がん医療に大きな希望をもたらすものとして期待されています。この基金はがん患者や家族、支援者らが交代で24時間歩いてがんについて啓発しつつ、征圧に向けて寄付を募る「リレー・フォー・ライフ」(日本対がん協会、各地実行委員会主催)への募金から生まれたもの。慢性骨髄性白血病の治療薬として注目される「グリベック」は米国の同イベントの募金から研究開発されたと言われており、私たちもそれにならって一歩を踏み出しました。<日本対がん協会より> (9月18日 朝日新聞)
Oct 02, 2012 08:15

食べる・話す 患者と目標共有 2
「『食べる』『しゃべる』は生活の質(QOL)の最たる部分。患者が希望する状態に近づけるよう頭をひねります」。月に一度、声のリハビリをする患者が集う「発声の会」を開く。患者仲間の回復の様子を見て刺激を受け、リハビリへの意欲を高めてもらうのが狙い。「たんの取り方は?」「こっちの機器の方が声を出しやすいよ」といった情報交換の場にもなっている。「努力をしても良くならない」「治療が不安」といった本音も聞き逃さない。解決できる方法を一緒に探したり、主治医に伝えたりしている。自身を含め、4人の言語聴覚士にリハビリを受ける患者は年に約650人。5年前の2倍近くに増えた。「言語聴覚士を必要とする人が増え、期待もされている。応えられるよう、若手の育成にも力を入れています」。大垣市民病院・言語聴覚士 管田隆弘さん(35) (9月18日 朝日新聞)

Oct 01, 2012 08:20

食べる・話す 患者と目標共有
舌やのどのがんの手術の後、口に入れた食べ物をうまく飲み込めなくなったり、声が出しにくくなったり。そんながん患者のリハビリを年間30人ほど担当する。リハビリは、手術の前から始まる。ゴールは普通食なのか、かゆなのか。どこを目指すかを患者と話しておく。「事前に決めておくと、患者に心構えができ、取り組む姿勢が違う」。がんで下あごを摘出した一人暮らしの80歳代女性がいた。術後はかむことができず、胃ろうが検討されたが、女性は「口から食べられないなら死にたい」と言う。口腔外科医と一緒に、かゆを入れても垂れることがなく飲み込める補助器具を作った。必死に練習を重ねた女性は食べられるようになり、笑顔で自宅に帰った。大垣市民病院・言語聴覚士 管田隆弘さん(35) (9月18日 朝日新聞)
Sep 30, 2012 08:28

がん患者の緩和ケア拠点 全国に
がん患者の痛みや不安を軽くする「緩和ケアセンター」が、各都道府県に1カ所づつできることになった。専門の医療スタッフを配置し、適切な薬選びやカウンセリングを通じて、患者の生活の質を高めることを目指す。26日の厚生労働省の緩和ケア推進検討会で整備案がまとまった。都道府県のがん診療の拠点となっている病院に置き、地域の医療機関と連携していく。激しい痛みが出た患者の緊急入院に対応できるよう、緩和ケア専用のベッドを確保。通院患者だけでなく、地域の在宅患者などへの対応も目指す。専門医や看護師、薬剤師、臨床心理士などのチームが、外来や入院患者のケアをしたり相談にのったりする。院内や地域の医療スタッフへの研修もしていく。厚生労働省は来年度予算の概算要求で、センター整備事業に3.5億円を盛り込んだ。将来的には、全国に397あるがん診療拠点病院すべてに整備していきたいという。(9月27日)
Sep 29, 2012 08:18

胆管がん死者 平均の2900倍
印刷会社の従業員に胆管がんが多発している問題で、大阪市中央区の「SANYO-CYP(サンヨーシーワイーピー)」の死亡者の割合が、平均の約2900倍になるという調査結果がまとまった。調査をしていた熊谷信二・産業医科大准教授が21日の日本胆管学界で発表する。熊谷准教授によると、SANYO社の校正印刷部門で1991~2006年に男性62人が1年以上働き、そのうち6人が胆管がんで亡くなったことが死亡診断書で裏付けられた。胆管がんによる日本人男性の死亡者数を、年齢も考慮して62人あたり0.00204人と算出。62人中6人が死亡したSANYO社は平均の約2900倍になった。2900倍という結果について熊谷准教授は「極めて異常な数字だ。仕事が原因で発症したと考えるのが普通で、労災を認定するべきだ」と話している。厚生労働省によると、胆管がんで労災認定を申請した人は4日時点で34人(死亡23人)。(9月21日 朝日新聞)

Sep 23, 2012 08:08

「第2の意見」私は聞いた
がんの治療方針を決めるとき、自分がかかっている医師ではない別の医師の意見を聞くセカンドオピニオン。最適の治療を選ぶために役立ちますが、主治医の了解を得るのに苦労したり、意見が食い違って迷うこともあります。患者の経験を聞きました。(9月18日 朝日新聞)
Sep 19, 2012 08:05

超音波あて早期発見
胆管がんの治療法は手術だ。ただ、がんの場所により肝臓を半分以上とる必要があり、がん細胞をとりきるのも難しい。抗がん剤や放射線治療は術後か、切除できない場合に限られる。黄疸などの自覚症状が出る場合には、リンパ節や他の臓器に転移していることも多いという。腹部の超音波検査では、がんによって胆汁の流れが滞って、胆管が太くなり、異変が見つかることもある。血液検査で、ALP(アルカリホスファターゼ)という酵素の値が高ければ、胆汁の流れの滞りを疑うてがかりにもなる。千葉大病院は、がんが広がった患者でも、抗がん剤で小さくしてから手術を試みている。患者22人のうち8人でがんの縮小が見られ、切除できたという。宮崎さんは「これまで治療をあきらめざるを得なかった患者さんにも手術ができるよう、研究を進めたい」と話す。(9月11日 朝日新聞)
Sep 15, 2012 08:04

高齢者多く 原因様々 2
東京都内に住む女性(77)は2002年秋、発熱と食欲がない日々が続き、しばらくすると、黄疸が出た。胆管がんと診断され、「手術はできません。長くて1年です」と言われた。放射線治療も効果はなく、吐き気などの副作用が続いた。90キロ近くあった体重は20キロも減った。家族の勧めで、胆管がん治療の実績がある宮崎勝・千葉大病院長にみてもらった。肝臓内の胆管にも広がっていたが、宮崎さんが手術で、がん細胞を取り除いた。女性は約1カ月後には自宅で普通の食事をし、自営の仕事を座ってできるまで回復。家族は「みな、もうダメだと思っていたので、本当に驚きました」。(9月11日 朝日新聞)
Sep 14, 2012 07:44

高齢者多く 原因様々
今年5月、大阪市の印刷会社に勤めていた20~40代の元従業員らが胆管がんを発症していたことが発覚した。発症率がかなり高く、印刷機器の洗浄剤に含まれる2種類の化学物質による発がんの疑いが浮上。厚生労働省によると、これまでに14人が発症し、7人が死亡していた。宮城県などでも確認され、9月4日までに全国で34人(死亡23人)が労災認定を申請した。国の統計では、肝臓内の胆管にできるがんを含めた胆管がんの死亡者は2010年に約1万3千人。藤田保健衛生大の堀口明彦教授(胆膵外科)によると、膵管と胆管の奇形を伴った先天性胆道拡張症や、肝臓内の胆管に結石ができる肝内結石症などの患者が発症しやすいという。患者の多くは60代以上だ。化学物質による影響はこれまで知られていなかった。(9月11日 朝日新聞)
Sep 13, 2012 07:57

胆管がん治療 まずは手術
大阪市の印刷会社の元従業員らが発症したことで、注目を浴びた胆管がん。原因とみられる化学物質だけでなく、胆管の炎症など様々な原因で発症し、年に約1万3千人が亡くなっている。治療法が限られるため、腹部の超音波検査や血液検査で早期発見することが重要だ。(9月11日 朝日新聞) 
Sep 12, 2012 07:58

テーラーメード医療
たとえば、進行した下咽頭がんで咽頭、喉頭、頚部食道の全摘手術を行った場合は、食べ物が通る道を作らないと食事ができません。そのため外科と連携し再建手術を行います。また、甲状腺手術の患者さんで、術後に反回神経が麻痺して声が出にくくなるという方がいます。今は音声改善手術により音声を取り戻すことができますので、あきらめずに一度受診していただきたいと思います。失った声を取り戻せる喜びは大きく、表情まで変わってきます。医療技術の進歩により、随分機能を温存できるようになってきましたが、がんが進行すれば治療方法が限られ、再建手術も必要になってきます。頭頚部がんは外見やQOLに関わる病気ですので、多くの方にまず病気のことを知っていただきたい。それが早期発見・早期治療、QOLの維持につながります。(8月28日  朝日新聞 広告)
Sep 03, 2012 08:22

QOLを低下させない治療法
治療に関しては、(頭頚部がんは)他のがんと同様、外科的療法(手術)、放射線療法、化学療法(抗がん剤)が基本となります。ただし、頭頚部は「声を出す」「食べる」「聞く」などQOLに深く関わるところなので、がんを治すことはもちろんですが、機能を維持する、あるいは元に戻す、再建するということも考慮する必要があります。さらに、上頚がんなど外見に大きく影響を及ぼすがんの場合は、顔面や表情の形成など整容姓にも考慮して治療を行う必要があります。発生部位やがんの進行度によっては、がんの治療そのものより機能の再建に時間がかかることも少なくありません。(8月28日 朝日新聞 広告)
Sep 02, 2012 08:00

小さながんも発見可能に
診断には、視診や触診、CTやMRI、超音波などの画像診断、病変の組織の一部を切り取って検査する病理検査などを行います。今は医療器具や診断技術が進み、非常に小さながんを発見することも可能になってきました。ほとんど痛みを伴うことなく、短時間で検査することができますので、思いあたる病状があったり、少しでも「変だな」と感じたりしたら、早めに耳鼻咽喉科や頭頚部外科を受診することをおすすめします。(8月28日 朝日新聞 広告)
Sep 01, 2012 07:40

気になる症状
初期症状は早期発見の手掛かりとなるので見逃さないことが大切です。舌がんの場合は白い斑点が現れたり、痛みや腫れを感じたりする人が多いですね。喉頭がんや咽頭がんの場合は顔がかすれたり、喉に違和感を覚えたり、食べ物が飲みにくかったりすることです。がんが進行すると、つばに血液が混じることもあります。首に痛みのない腫れものやしこりができたりする場合も、注意が必要です。痛みがないので、放っておく人が多いですが、どんどん大きくなり、痛みや出血といった症状が出てきます。がんの場合、そういった症状が出た時はかなり進行していることが多く、根治が困難になるだけでなく、その器官が機能を失う恐れもあります。(8月28日 朝日新聞 広告)
Aug 31, 2012 07:47

喫煙や常習的な飲酒でリスク
「頭頚部がん」が全体のがんに占める割合は5%程度ですが、種類が非常に多く、発生部位によってがんの性質が異なり、症状や治療法も異なります。危険因子としては、喉頭がんや咽頭がんの場合、喫煙や飲酒が関係していると言われています。飲酒の場合は、アルコール濃度の高いお酒を常習的に多量に飲む習慣があるとリスクが高くなると言われています。口腔がんに関しては、口腔内の不衛生な環境が危険因子となります。上咽頭がんのように、ウイルス感染の可能性が指摘されているがんもあります。甲状腺がんは女性の患者さんに多いですが、それ以外の「頭頚部がん」は女性より男性にはるかに多く発生しています。(8月28日 朝日新聞 広告)
Aug 30, 2012 07:52

がんを防げる食べ物
なんといっても野菜や果物ですね。長年の疫学研究でも野菜や果物には、がんを防ぐ働きがあることがわかっています。野菜の何ががんを防ぐかと言えば、植物が作る化学物質のファイトケミカルに、がんを抑える効果があるためです。ファイトケミカルは、ギリシャ語で「植物」を表す「ファイト」と英語の「ケミカル」を組み合わせた造語ですが、その多くは、色素や香り、苦味などの成分で、これまでに数千種類の成分が判明しています。この中で、がんを抑制する代表的なファイトケミカルと言えば、ポリフェノール、カロテノイド、イオウ化合物、テルペン類、βーグルカンなどが挙げられますね。(2011年9月28日 朝日新聞 広告)
Aug 28, 2012 10:03

酒も適量なら百薬の長
お酒は「百薬の長」と言われる半面、飲み過ぎると肝臓がんになるともよく言われます。やはりお酒を飲み過ぎると、がんになるのでしょうか。確かに適量であれば、一日の疲れを癒したり、がん細胞をやっつけてくれるNK(ナチュラルキラー)細胞の働きを活発にしてくれます。その点では確かに、「百薬の長」と言えるのですが、飲みすぎれば、口腔、咽頭、喉頭、食道の各がんやアルコール性肝硬変による肝臓がんのリスクを高めることは間違いありません。例えば、毎日一合以上のお酒を30年以上飲み続けた人の食道がんになる確率は、飲まない人の8.2倍にもなる、とのデータがあるほどです。まして、お酒を飲みながらたばこを吸えば、たばこに含まれる発がん物質の多くがアルコールに溶けて吸収されやすくなり、がんのリスクをさらに高めるでしょう。(2011年9月28日 朝日新聞 広告)
Aug 27, 2012 08:05

人間の尊厳 リハビリで守る 2
4年前、同い年の妻が太もものがんを患い、手術後のリハビリは自分が担当した。「がんは身近な病気。がんそのものの治療が進歩しても、身体的な後遺症でやりたいことができずに悩んでいる人がいて、リハビリを必要とする人も多い」と感じた。がんのリハビリは情報も少ない。退院し、自宅に戻る患者は増えたが、在宅患者のケアに携わる関係者から「どんなリハビリをしたらいいかわからない」と相談も多い。そこで、2年前から埼玉県内で、医療者の研究会を開催し、実践的なリハビリの方法を伝え始めた。厚労省の研究班で、プログラム作りにも携わる。患者から聞く最も多い願いは「最後まで歩いてトイレに行きたい」だという。「どんな状態でも、その人が満足した生活を送れるようにするのが私たちの役目。リハビリで、その人の尊厳を最期まで支えたい」。埼玉県立がんセンター理学療法士 吉原広和さん(39) (7月17日 朝日新聞)
Aug 15, 2012 08:23

人間の尊厳 リハビリで守る
(埼玉県立がんセンター理学療法士・吉原広和さんは)がん患者の緩和ケアや、終末期のリハビリテーションに約10年前から取り組んできた。患者の筋力や痛みの程度を見ながら、杖などの補助具を利用してその時に残っている力で動作ができるよう練習する。「できることが増えれば、精神的にも前向きになれる」と話す。担当する患者は、20~90歳代と幅広い。肺がんが骨に転移したりして、麻薬を使っても歩いたときの痛みが取れない50代の男性がいた。それでも「仕事の整理がついていない」と職場へ行きたいというので、杖を作り、痛みのある股関節に負担がかからない歩き方を教えた。その人は亡くなる直前まで、1時間以上の電車通勤を続けることができた。(7月17日 朝日新聞)
Aug 14, 2012 08:33

医療費に関する公的制度や情報
◆高額療養費制度の詳細・・・厚生労働省のウエブサイト(http://bit.1y/LQobbL)へ。 ◆他の主な公的制度・・・●高額医療・高額介護合算療養費(同じ世帯で年間の医療保険と介護保険の自己負担額が一定額を越すと差額を支給)市区町村の介護保険担当窓口へ。 ●医療費控除・・・(1年間に一定額以上の医療費を払うと収めた税金の一部が戻る)税務署へ。 ●障害年金・・・(仕事ができないほど障害が残った場合に支給される)年金事務所や市区町村の年金担当窓口へ。 ◆かかる医療費を知りたい NPO法人「Team NET」のサイト、がん治療費.com(http://www.ganchiryohi.com)へ。 (7月17日 朝日新聞)
Aug 13, 2012 08:00

公的制度で負担を軽減 2
ただ、(高額療養費制度は)月初めから月末までの合計なので、月をまたぐ計算はできない。また同じ医療機関でも入院と外来は別々に計算されるので、合算して限度額を越す場合などは申請が必要だ。医療保険と介護保険の自己負担の合計額が一定額を超えると差額が戻ってくる仕組みもあるし、確定申告で医療費が戻ってくる場合もある。「がんとお金の本」の著者でファイナンシャルプランナーの黒田尚子さんは「制度は複雑で、自分で申請しないと戻ってこないことも多い。自分が使える制度を探して」と話す。(7月17日 朝日新聞)
Aug 12, 2012 08:31

公的制度で負担を軽減
ひと月に窓口で支払う医療費の自己負担が一定額を越す場合、「高額療養費制度」を活用すると、自己負担は一定の上限までで済む。計算式は、年齢や所得に応じて異なる。限度額を超えた分は払い戻される仕組みだったが、事前に申請すれば、2007年度からは入院分、今年度からは外来(通院)分も立て替える必要がなくなった。会社員であれば健保組合、自営業など国保であれば市区町村の窓口に申請すると、「限度額適用認定証」がもらえる。認定証を病院の窓口に出すと制度が適用される。(7月17日 朝日新聞)
Aug 11, 2012 08:38

情報集め心の準備を 3
濃沼さん(東北大学・医療管理学教授)が大腸がん患者249人を対象に2010年、11年に行った調査で医療費の支払い状況を聞くと、62%が預貯金を取り崩した、10%は借金をしたと答えた。負担を軽くするには、医療機関側でできることもある。入院日数の短縮化や、余分な検査を減らすためデータを相互利用することと濃沼さん。患者自身でできることは「治療のコストはいくらか、情報を集めて心の準備をしておくと『負担感』が減ります」と話す。がん患者会のNPO法人オレンジティの河村裕美理事長は「かつらやリンパ浮腫など後遺症のケア、病院への交通費など、がんになった後、生きていくには様々なお金が必要。保険などで一時金がおりても、安易に使わず備えておいたほうがいい」と助言する。(7月17日 朝日新聞)
Aug 10, 2012 07:36

情報集め心の準備を 2
東北大学の濃沼信夫教授(医療管理学)らが2004~11年、がん患者約6600人の家計簿などをもとに調べると、年間の平均自己負担額は約101万円(月額8万4千円)。公的制度や民間保険の保険料などで戻った計63万円を差し引いた38万円(同・3.2万円)が実質的な負担額だった。抗がん剤や、分子標的薬による治療を受けると実質的負担はさらに重く、月額5万円近くになる。(7月17日 朝日新聞)

Aug 09, 2012 07:51

情報集め心の準備を
2000~09年度の10年間に、国民全体のがん医療費は、4割も増えた。治療費の自己負担は、公的な制度で一定額に抑えられているが、多くの患者は以前のように働けなくなって収入が減り、経済的に追い込まれてしまう。NPO法人日本医療政策機構が10年11、12月、がん患者やその家族1446人に実施した調査では、7割が「(医療費の)負担が大きい」。経済的な負担が原因で治療を変更した経験を聞くと、2.6%が「断念や中断をした」、3%が「受けたい治療をあきらめ別の治療を選んだ」と答えた。(7月17日 朝日新聞)

Aug 08, 2012 07:44

増える出費 減る稼ぎ 2
「金がなければ逝ってくれ、と言われているようだ」と思う。長時間体を起こしているだけでもしんどい。腎機能も落ち、全身の倦怠感にも悩まされているという。「病気のことよりむしろ、店や生活のことが気になる。働いて蓄えも持ちたいのですが・・・・」と焦りを感じている。埼玉県に住む女性(43)は乳がんの手術の後、ハーセプチンという分子標的薬の点滴を1年間、受けた。検査で、この薬が再発予防に有効だという結果が出た。だが費用を調べると、自己負担は月額5万円前後。「高すぎる」。すぐに始めようとは思えなかった。3カ月悩んだ末、周囲の強い勧めで、受けることをやっと決めた。以前は月に4万円、アルバイトで稼いでいたが、病気になり、辞めた。がん保険に入っておらず、夫の収入だけが頼りだ。稼ぎがないのに治療費ばかりかかることに負い目を感じた。ガソリン代を節約しようと、大好きなドライブを控えた。自分ががんになった後、実父や養父にもがんが見つかった。銀行から借金し、きょうだいと何とか治療費を捻出した。「いまもし再発、転移が見つかったらどうしよう、と不安です」。(7月17日 朝日新聞)
Aug 07, 2012 07:26

増える出費 減る稼ぎ
沖縄県うるま市の當銘由則さん(57)は5年ほど前大腸がんがわかり、手術を受けた。その後再発し、手術や抗がん剤治療のために入退院を繰り返す。抗がん剤治療の費用は高い。オキサラプラチンなどを使うFOLFOX療法にかかる医療費は1カ月で30万円近く。今年3月には、リンパ節を切除する手術を受け、この月の医療費は147万円を越した。本来は3割を自己負担しなければならないが、限度額までを払えばよい高額療養費制度を使うと、非課税世帯の當銘さんの実際の負担は、月2万4600円。これに入院中のパジャマ代、食事代がプラスされ、その月は4万140円を病院に支払った。20年ほど前から夫婦で青果店を営む。がんになる前は、朝4時に起きて仕入れから宅配までこなしていた。30キロの荷物も平気で持ち上げられたが、発病後は10キロでも苦しい。やむなく従業員を雇っている。その人件費が月3万円。手術の後に受け取った保険金を治療費や店の赤字分に充てている。(7月17日 朝日新聞)

Aug 06, 2012 07:36

お金の悩みに直面
がんになると、以前のように仕事ができなくなって収入が減るだけでなく、医療費などの出費が増えます。患者は経済的な悩みとも闘わねばなりません。再発などすると、終りの見えない負担がかかります。公的な制度を使えば、窓口で払う自己負担が一定額で済むなど、負担が軽くなります。(7月17日 朝日新聞)

Aug 04, 2012 07:28

企業は検診結果を公表せよ
化学物質のリスク評価に詳しい産総研フェローの中西準子さんに、現時点での評価と今後の対策について聞いた。1,2ジクロロプロパンは有害性の評価に関する研究が少なく、マウスで発がん性を示す報告があるくらいだ。ジクロロメタンは人間の疫学データが蓄積されていて、吸入量が少なければ健康に影響はないとみられることがわかっている。今回は胆管がんの発症率が高いことから、高濃度の状態に長時間さらされたと考えられる。厚労省の再現実験では、米国の学会による基準の約2.6~20.6倍の濃度が計測された。だが、当時の換気状況を推定すると、実際の濃度はさらに数倍高かったのではないか。今回のことでジクロロメタンの使用が禁止されるか、手控える動きが広がって科学的知見の少ない別の化学物質が代用されることを恐れている。ジクロロメタンは適正に使えばリスクが低いことは明らかで、知見の少ない物質に乗り換える方がリスクは高い。ジクロロメタンでさえ、職場での暴露に関する疫学調査は国内にはない。海外と違って企業が濃度や暴露量、検診の結果を公表しないからだ。リスク評価の精度を高める上でこうした情報の公開が欠かせない。(7月26日 朝日新聞)
Aug 03, 2012 07:45

ジクロロメタン因果関係、解明へ
どれくらいの量が体内に入れば、発がん物質を生む経路が動き始めるのか。動物実験の結果などから、「空気中の濃度が約500PPM(PPMは100万分の1)以上と推定される」と井上さんは説明する。1千PPM以上では、がんの発生率は1割との推定もあるという。厚労省は大阪市の印刷会社で実施した再現実験で、約130~360PPMを検出。この数値は、米国産業衛生学術会議の許容濃度(1日8時間労働の場合)の約2.6~7.2倍だった。一方、1,2ジクロロプロパンは洗浄剤に含まれていたことが確認されているものの健康への影響はあまり研究が進んでいない。マウス実験では発がん性が報告されているが、人間でははっきりしない。ただ人間が空気といっしょに吸い込むと、嘔吐や腹痛、肝臓や腎臓の機能が低下するとの報告はある。厚労省は今後、患者調査や動物実験を実施し、両物質と発がんとの因果関係を詳しく調査する方針だ。(7月26日 朝日新聞)
Aug 02, 2012 07:10

印刷会社の胆管がん 洗浄剤が原因か
ただ、産業技術総合研究所(産総研、茨城県つくば市)の井上和也研究員(環境工学)は「はっきりしていないが、高濃度のジクロロメタンが人間の体内に入れば、発がん物質生まれる可能性は十分にある」と指摘する。井上さんによると、空気吸入や皮膚接触を通じて体内に入ったジクロロメタンは、血液を通じて肝臓に運ばれて分解される。吸入量によって処理される経路が異なり、少量なら通常の経路で二酸化炭素などに分解される。だが、多量になると通常の経路で処理しきれずに別の経路で分解され、その過程で発がん物質が生まれる。その発がん物質が胆管に運ばれて細胞をがん化させた可能性があるとみられている。この経路は、一般的に肝臓にあるとされるが、胆管にも存在するとの研究報告もある。(7月26日 朝日新聞)
Aug 01, 2012 07:46

多量吸入 発がんの恐れ
印刷会社で働いていた人が相次いで胆管がんになった問題は、インクを拭き取る洗浄剤に含まれる二つの化学物質が原因とみられている。まだ未解明の部分が多いが、どんな仕組みでがんになるか探った。問題の発端となった大阪市の印刷会社では、患者の元従業員は見本を刷る校正印刷という作業を担当していた。印刷機のインクを頻繁に洗浄剤で落とす必要があった。厚生労働省の調査によると、洗浄剤には「1,2ジクロロプロパン」が含まれていたことが確認された。また「ジクロロメタン」も含まれていた可能性が高いという。いずれも洗浄効果に優れるが、労働安全衛生法に基づく厚労省の指針で、発がん性の恐れがあるとされる科学物質だ。ジクロロメタンは国内外で健康影響に関する研究報告があり、マウスを使った実験では、肝臓や肺での発がん性が確認されている。人間については、米国でジクロロメタンを使う繊維工場の従業員約1300人を調べた論文が1990年に発表され、胆管がん・肝がんの発症率が高いと報告した。だが、さらに長期入院した93年の調査で、当初の結論は否定された。(7月26日 朝日新聞 )
Jul 31, 2012 08:13

胆管がん死 労災請求
大阪市中央区の校正印刷会社で13人が胆管がんを発症、7人が亡くなっている問題で、死後5年を経過し、国の運用の上で労災請求の時効を過ぎた元従業員の4家族が19日、大阪中央労働基準監督署に労災認定の請求をした。厚生労働省は受理したが、認定するかは「検討中」という。遺族らは記者会見に臨み、時効を適用しないよう訴えた。請求したのは27歳、31歳、37歳、41歳で亡くなった元弾性従業員の遺族。1985~2006年の間に従業員約100人のこの会社で働き、2人は在職中に死亡した。労災の遺族給付の時効について厚労省は通常、死亡の翌日から5年という運用で対応している。しかし産業医科大(北九州市)の熊谷信二准教授の調査により、印刷機の洗浄剤に使われていた化学物質が原因の可能性があるとわかったのは今春。4人は2006年以前に亡くなっており、事実上、請求できない状況だった。遺族の1人は「亡くなったとき、会社に原因があるのではないかと疑いもしなかった」と話す。厚労省は専門家による疫学調査を行う方針で、胆管がんと業務の因果関係が明らかになれば、その結果にもとづいて時効の起算点を決めることにしている。(7月20日 朝日新聞)
Jul 22, 2012 08:03

胆管がん患者の救済策は
胆管がんの発症者は、患者の支援団体「関西労働者安全センター」が大阪市の印刷所で独自に把握している1人(死亡)もふくめ、5都府県の5事業所で18人(うち9人が死亡)となった。救済策が課題となる。「今後の焦点は、労災認定をどうするかだ」。厚労省幹部はそう話す。問題は、労災認定の時効の起算点だ。労災保険法では労働者が死亡した場合、遺族が年金を請求できる時効を5年と定めている。大阪では死亡した7人のうち、5人は2006年以前に亡くなっている。運用では死亡した時点から5年を数えることになっており、5人は時効が成立していることになる。ただ実は、労災保険法には、どの時点から時効を数えるのかを定めた規定はない。「消滅時効は、権利を行使することができる時点から進行する」という民法の一般原則があるだけだ。今回のようなケースで、死亡してから5年が過ぎているのに労災申請があった場合、どう対応するのか。厚生労働省の担当者は「因果関係が分からない段階では判断できない」という。これまで胆管がんが労災に認定される可能性があることは知られていなかった。労災の時効の起算点を死亡時に限ることには批判もあり、今後の疫学調査などで業務との因果関係が明らかになれば、その時点をもとに時効を考える可能性が出てくる。全国労働安全衛生センター連絡会議の古谷杉郎事務局長は「裁判や法改正がなくても、労災に認められるよう運用すべきだ」と話す。(7月11日 朝日新聞)
Jul 17, 2012 07:48

職業がんの恐れ 2
奈良県立医大の車谷典男教授(産業疫学)は「物質の特定は今後の調査を待つことになるが、業務に関連した新しい職業がんと言える。問題の物質の使われ方や作業環境なども詳しく調べ、全容を明らかにする必要がある」と指摘する。胆管がんの主な自覚症状は黄疸。尿の色が濃くなったり、目の白目部分が黄色くなったりする。ただ、がんのタイプによっては黄疸は出ないこともある。疑われる場合、診断にまず使われるのが超音波検査だ。体の外から、胆管が大きくなっていないかといった点を見る。受診先は消化器内科などだが、人間ドックでの検査をきっかけに見つかることもある。胆管がんに詳しい跡見裕・杏林大学長は「胆管がんは進行するほど治療が難しくなる。自覚症状が出にくい場合もあるので、発症が心配される職場では、従業員や退職者への検査を早めにしたほうがいい」と話している。(7月11日 朝日新聞)
Jul 16, 2012 08:43

職業がんの恐れ
原因物質の疑いが高まった1,2ジクロロプロパンが、健康への影響をめぐる研究があまり進んでおらず、人の発がん性との関係も分からないことが多い。ジクロロメタンについては、動物実験でがんを起こす仕組みが徐々に分かってきた。産業技術総合研究所(茨城県つくば市)の井上和也研究員(環境工学)によると、ジクロロメタンを大量に吸い込んだ場合、肝臓で通常とは違うルートで分解され、その過程で発がん物質が生まれるという。ただ、人の胆管がん発症との関連を示すはっきりしたデータはない。米国で1990年に、この物質を使った繊維工場で発症率が高いと報告されたが、93年、追跡調査で当初の結論は否定された。(7月11日 朝日新聞)
Jul 15, 2012 07:35

排気・検診義務なし
(胆管がんの)原因物質の可能性が高まった1,2ジクロロプロパンは今も、労働安全衛生法に基づく有機溶剤中毒予防規制の対象ではなく、大阪の事業所で使われた洗浄剤に含まれている可能性のあるジクロロメタンと違い、局所排気装置や特別な健康診断などの対策が義務化されていない。厚労省は今回の問題を受けて、このほかの化学物質についても発がん性などの有害性がないか調べる方針だ。化学物質の管理に詳しい城内博・日本大学大学院理工学研究科教授(産業衛生)によると、欧州では、化学物質の有害性を利用者や消費者に伝えなければ市場に商品が出回らない仕組みになっているという。「有害性を従業員に必ず伝える仕組みを作るべきだ」と話す。(7月11日 朝日新聞)
Jul 14, 2012 08:22

印刷所の胆管がん 化学物質対策に穴
厚生労働省が10日公表した印刷事業所での胆管がん発症調査。大阪市や宮城県のように複数の発症者がいた印刷事業所はなかったが、3事業所で3人の発症者が新たに判明した。発症者が大量に増える可能性は低くなったが、実態解明はまだ途上だ。厚労省はこの日、13人が発症した大阪市中央区の印刷会社での再現実験の結果を公表。校正印刷の担当者が大量に使うインク洗浄剤に含まれていた「1,2ジクロロプロパン」の空気中の濃度は、米国で示されている許容濃度の最大20倍、「ジクロロメタン」は最大7.2倍に達していた。2人が発症している宮城の事業所との共通点は、地下室や通風が不十分な屋内で、ジクロロプロパンを大量に使っていた可能性があることだと明らかにした。一方で、石川、東京、静岡の3都県の3事業所で計3人の発症者が新たに見つかったが、発症者は複数ではなかった。大阪や宮城のように密閉された環境は9事業所にとどまった。(7月11日 朝日新聞)
Jul 13, 2012 08:14

「印刷会社は無責任」
胆管がんの発症が相次ぎ、7人の死者が出ている大阪市の印刷会社の作業環境の劣悪さが厚生労働省の調査で明らかになった。使った洗浄剤の資料も保存されておらず、原因解明のハードルは高い。大阪市中央区の印刷会社では、使用していた洗浄剤の資料が残っていないため、原因究明の障害となっている。胆管がんの原因物質として、ジクロロメタンと1、2ジクロロプロパンが疑われているが、厚労省の説明では、1991~2006年の洗浄剤の納品書が残っていなかった。一方、納品業者から伝票を入手することで、1997年以降に使われた洗浄剤について、少なくとも1、2ジクロロプロパンが含まれていたことが特定できたという。胆管がん問題に取り組む関西労働者安全センターは「会社は非常に無責任。社長や管理職がきちんと説明をするべきだ」と批判した。また、厚労省は今回、会社の地下の作業場の空気に混じる有機溶剤がどれほどの濃度だったかを調べる再現実験をした。実験時の作業場の床面の排気能力は、6月上旬の立ち入り調査時と比べ高くなっていた。厚労省関係者によると、会社側は同省に対し「換気設備は変えていない」と説明していた。これに対して同センターは「会社の作為を示唆する内容」と指摘した。(7月11日 朝日新聞)
Jul 12, 2012 08:01

小児がんフォローアップ外来がある主な病院
小児がん体験者の長期ケア、フォローアップ外来がある主な病院(他の病院で治療を受けた小児がん体験者も受診できる) ▽国立生育医療研究センター(東京都) ▽日本大学医学部付属板橋病院(同)▽日本医科大学付属病院(同) ▽聖路加国際病院(同) ▽札幌北楡病院(北海道) ▽東北大学病院(宮城県) ▽神奈川県立こども医療センター ▽静岡県立こども病院 ▽名古屋医療センター ▽三重大学病院 ▽新潟県立がんセンター ▽京都大学医学部付属病院 ▽大阪府立母子保健総合医療センター ▽広島大学病院 ▽久留米大学病院(福岡県) ▽九州がんセンター(同)
(6月26日 朝日新聞)
Jul 11, 2012 07:46

在宅で その人らしさ尊重 2
初心を貫こう。覚悟を決めた。利用者は今、約100人。傷の手当や床ずれの処置、食事のケアなどをする。どんな医療をうけどう過ごしたいか。家族らと何度も話し合い、決めていく。昨年度からは、NPO法人の緩和ケアサポートグループと協力し「ふらっとカフェ」を2カ月に1度、開く。がんと診断され混乱している。再発が不安。余命を告げられ受け止められない・・・・。さまざまな悩みに答える場だ。「病状が重い時でも、その人らしさを尊重したい」。レシピを話して娘に伝える。車いすで夫と散歩、家族で温泉旅行へ。ケアをしながら、在宅患者の願いをかなえてきた。「生活の様子や気持ちを丁寧に聞いて、その人にあったお手伝いの仕方を見つけていく。それが私の役割だと思っています」。緩和ケア認定看護師 中島朋子さん(47) (6月26日 朝日新聞)
Jul 10, 2012 08:28

在宅で その人らしく尊重
明け方や夜中も、携帯電話は鳴る。「あなかが張ってきた」「息苦しそう」。自宅で暮らす、がん患者やその家族からだ。駆けつけて処置をしたり、電話で方法を教えたりする。病になっても、住み慣れた家や地域で暮らせるよう応援したい。ほっと一息できる場を提供できたらと、訪問看護しになった。だが病院などに勤めるのと違い、一人で患者宅に行かねばならず、しんどさも知った。「もうやめよう」と決めたが、ある患者との出会いで思い直した。12年間のことだ。入院中は本音を周囲に話さなかったという、膵臓がんの50代女性は、在宅療養を始めると悩みを打ち明けた。「私を一番分かってくれるのは中島さん。出会えてよかった」と胸の内を語り、亡くなった。続く・・・。緩和ケア認定看護師 中島朋子さん(47) (6月26日 朝日新聞)
Jul 09, 2012 08:49

発症メカニズム解明へ向けて
厚生労働省によると過去に胆管がんでの労災認定はなく、認定基準もない。同省は、全国約500の印刷事業所を調査中だ。宮城県内の別の印刷事業所でも2人が発症し、労災を申請したほか、宮城と東京では別の二人の遺族らが労働局に相談している。発症者の広がりを受け、大阪府内5大学病院の臨床医らは胆管がん患者の実態調査を始める。中心になっている大阪市立大肝胆膵外科の久保正二・病院教授は東北大の医師らとも連携。発症メカニズム解明のためにネットワークを作り、全国的な調査を目指す。(7月3日 朝日新聞)
Jul 08, 2012 07:37

労災、時効の壁
24時間勤務もある厳しい労働環境だったが、男性は「頑張っていけ!」と笑顔を絶やさず周囲を励ました。若手に仕事を教える立場で「何か分からないことはあるか?」と気に掛けていたという。男性は10年以上前に亡くなった。だが、労災を申請する権利は死後5年で消滅してしまう。この男性も含めて亡くなった人のうち、5人は2006年以前に亡くなっており、形式的には時効が成立している。いま労災申請しているのは、亡くなった他の2人の遺族と治療中の4人だ。患者を支援している民間団体「関西労働者安全センター」事務局次長の片岡明彦さんは「国も被害者も、客観的に誰も原因がわからなかった事例に一律に時効を適用するのは誤りだ」と疑問を投げかける。(7月3日 朝日新聞)

Jul 07, 2012 09:17

発症12人 うち7人死亡
大阪市内の印刷会社で働く人に胆管がんが多発している問題で、発症者は12人に上り、7人が亡くなっていたことが朝日新聞の調べでわかった。うち5人は亡くなって5年が過ぎ、労災申請しようとする遺族に時効の壁がたちふさがる。この印刷会社では、これまで男性10人が20~40代で胆管がんを発症したことが明らかになっていた。新たに判明した2人は1980~90年代に働いていた元従業員で、いずれも30代で発症していた。「ムードメーカー。いつも笑顔で職場を引っぱっていた」。このうち1人の男性について、別の元従業員が証言する。男性は、印刷見本を刷る「校正印刷」という仕事に携わっていた。インクを落とす作業で、胆管がんの原因とも指摘されている化学物質「ジクロロメタン」「1、2ジクロロプロパン」を含む洗浄剤を頻繁に使用。作業場は地下で、揮発しやすい洗浄剤はふたをあけたままの容器に入っていた。(7月3日 朝日新聞)
Jul 06, 2012 08:18

洗浄剤原因か 国は究明を
ーーどんな化学物質が原因と考えられるのか。洗浄剤の製造元に確認すると、ジクロロメタンと1、2ジクロロクロパンという物質が含まれていた。ーーがんを起こすのか。米国でのマウス実験ではいずれも肝腫瘍が増えた。両物質は体内に取り込まれると代謝するための酵素が働く。この過程で発がんに関わる物質が生じると考えられている。この酵素はヒトの肝細胞には少ないので、肝腫瘍を発生させないと言われてきた。今回、ヒトの場合は胆管細胞の中にあるという論文の存在を知った。ヒトで胆管がんが発症している状況を説明できると考えた。--今後の広がりは? 調べた5人の発症者の金属年数は8~11年。何年間、どの位吸ったら発症するのか、詳しいことはわからないが、まずは労災認定をすべきだ。私の見立てが正しければ、これらの物質を含む洗浄剤を頻繁に使っている校正印刷などの現場、それも、換気状況の悪い環境で作業している人への影響は十分に考えられる。厚生労働省は、因果関係を明らかにし、どのくらい吸い込んだら胆管がん発症のあそれがあるのか、データを示すべきだ。(7月3日 朝日新聞)
Jul 05, 2012 07:53

胆管がん 印刷会社で頻発
印刷会社で働く人に胆管がんが相次いでいる。大阪でまず明らかになり、印刷機の洗浄剤に含まれる化学物質が原因との見方があがっている。実態を最初に調べた産業医科大学(北九州市八幡西区)の熊谷信二准教授(59)=労働環境学=に問題点を聞いた。--調査をした経緯は。昨春、民間団体「関西労働者安全センター」(大阪市)から、大阪の印刷会社で胆管がんや肝臓がんが多いので調べてほしいと依頼があった。年齢などを考慮して計算すると、胆管と周辺でがんを発症する日本人男性の平均に比べ約600倍。異常だった。1991~2003年に働いていた男性33人のうち5人の胆管がん発症がわかり、4人は亡くなっていた。--印刷機の洗浄剤に注目したのはなぜか。患者さんは校正印刷という作業にかかわった人だけだ。作業の特徴は、印刷見本を刷るたびに洗浄剤でインクを拭くこと。元作業員は「いつもどこかの機械で洗浄していた」と証言している。洗浄剤はインクよりも蒸発し、吸い込みやすい。6台の機械があり、全体では1日300~1千回の洗浄と推定された。(7月3日 朝日新聞)

Jul 04, 2012 07:28

拠点は10カ所 院内学級も
小児がんは患者数が少なく、診断が難しいことも多い。治療で肉体的、精神的な成長や、学習が妨げられる恐れもあるため、治療以外に成長や発達、学習への配慮も必要だ。新しいがん対策推進基本計画では、小児がん対策を重点課題に挙げた。「小児がん拠点病院(仮称)」が全国10カ所ほど指定される。治療の質を上げるだけでなく、保育士が常駐し、院内学級や家族の宿泊施設なども備えたものになる。拠点病院のほか、とりまとめ役の中核施設も1カ所指定される。脳腫瘍など小児がんの中でも患者が少なく、診断が難しかったり治療成績が良くなかったりするがんの体験者や家族には、集約化を歓迎する声が多い。小児脳腫瘍の会副代表の馬上祐子さんは「診断がつくまでに病院を何カ所も回ったという方が大勢います。通常では説明できない症状のときに、ここに行けば、がんかどうか診断してもらえるという、よりどころになる拠点病院をぜひ作ってもらいたい」と言う。一方、小児がんの過半数を占める血液がんが専門の小児科医からは、慎重な意見も出る。現在、日本小児血液・がん学会が、専門医を目指す若手医師の研修を担う能力のある医療機関約80カ所の認定を進めている。その中で、拠点病院が10カ所しか指定されないと、約80病院の中に格差が生じかねない。厚労省はこういった声も考慮し、各地の小児がん拠点病院の「連携病院」を決め、地域ネットワークを構築するよう提案している。(6月26日 朝日新聞)
Jul 03, 2012 07:29

成人向け外来すくなく
高校卒業後、病院で入院患者の食事などを介助する仕事に就いた。充実感があった。ところが、脱水で入院。排尿を調節するホルモンを自分で量を調節して補っていたが、量が多すぎて体外に水分が出すぎた。入院が長引き、仕事を辞めざるを得ず、絶望した。自殺も考えた。母の勧めで「がんの子どもを守る会」の交流会に行き、初めて自分以外の小児がん体験者に会った。通ううちに絶望感が和らいでいった。今も女性ホルモンなど数種類の薬が欠かせない。これまで、小児がんがわかる医師がいなくなるたびに大学病院の小児科や内分泌科、近所の産婦人科などを転々とさせられた。現在は小児科クリニックに通う。「周りが小さな子どもばかりなので少し気が引けます。成人の小児がん経験者がどこで診てもらえるかよくわからず困ります」と女性は言う。小児がん体験者を長期的にケアする「フォローアップ外来」を開設する医療機関はまだ少ない。聖路加国際病院の石田也寸志小児科医長は「小児がん経験者がまずどこに相談すればいいのか、窓口をわかりやすくするべきです。その上で、フォローアップ外来と、専門医のいる院内の他科や他の病院との連携をスムーズにするための仕組み作りも必要です」と話す。(6月26日 朝日新聞)
Jul 02, 2012 08:00

克服したが薬が欠かせない
毎年約3千人の子どもががんになり、年2千人以上の「小児がん経験者」が誕生する。治療の影響で生涯にわたり薬を飲む人や、治療後10年以上たって出る「晩期合併症」に向き合う人も少なくない。千葉県に住む女性団体職員(38)は小学5年生のときに脳腫瘍と診断された。近くの総合病院の脳外科で手術を受けた。自分以外の入院患者は全員、大人だった。約1年後に復学。同級生のいじめが始まった。手術で、体の働きを調節するさまざまなホルモンの分泌に欠かせない「下垂体」を切除したため、成長ホルモンなどを補う必要があった。その影響で顔がむくみ、体重が増えた。それを同級生たちがからかった。中学校でもいじめは続いた。(6月26日 朝日新聞)
Jul 01, 2012 08:57

「血腫」「肉腫」「余命3カ月」・・・ 診断・治療が定まらず
大学病院を受診すると、すぐに手術をすると言われた。血腫と診断された2カ月後のことだ。筋肉などにできるがん、「肉腫」だと説明された。しかし、どの種類の肉腫なのか、1カ月のうちに診断が二転三転。どんどん悪性度の高いものになり、「余命3カ月」とまで言われた。治療方針も毎回変わり、放射線治療や強い抗がん剤が加わった。「ユーイング肉腫家族の会」に相談すると、国立がん研究センターの「肉腫ホットラインを紹介された。セカンドオピニオン(別の専門家の意見)を聞いたらどうかと助言された。大学病院では嫌がられたが、不安でがんセンターを受診。最終的に、中年以降の成人に多く、子どもではきわめてまれな「脂肪肉腫」と診断された。幸い悪性度は低かった。再手術をしたが、放射線治療は不要になった。治療後の経過は順調だ。左足も右足と同じように成長している。長男は今年4月、小学校に入学。「学校大好き」と、元気に通学している。女性は看護師として働いた経験がある。「知識が多少あったので脂肪肉腫という診断にたどり着きましたが、そうでなければたどりつけなかった可能性もあります。小児がんは珍しい種類が多いので、もっと専門家同士が情報を共有し、正しく診断できる仕組みを作ってほしい」と話す。(6月26日 朝日新聞)
Jun 30, 2012 08:03

小児がんで病院転々
今月始まった新しい「がん対策推進基本計画」。重点的に取り組む課題の一つが小児がんです。治療技術が進み、7~8割の子どもはがんを克服できるようになりました。しかし、診断がつくまでに時間がかかったり、生涯にわたる長期ケアが不十分だったりと、課題はたくさんあります。神奈川県に住む女性会社員(35)の長男(6)の左足の太ももがこぶしのように腫れたのは2009年だった。近所の小児科に行くと、「ぶつけたのか、お友だちにけられたんでしょう」と、しばらく様子を見るように言われた。本人は痛くもかゆくもないようだったが、何週間しても腫れはひかず、近所の総合病院で腫れに注射針を刺すと血液が採取でき、「血腫」と診断された。やはり様子をみるように言われたが、腫れはどんどん大きくなり、ズボンがはけなくなった。(6月26日 朝日新聞)
Jun 28, 2012 07:53

命守る ワクチン接種
教育現場で「がん」について学んでもらおうと、学校に医師を派遣する「ドクタービジット」が5月1日、武庫川女子大学(兵庫県西宮市)で、同付属高校の生徒を対象に開かれました。中川恵一・東京大准教授(52)が、がんの基礎知識について授業をした後、子宮頸がんを体験したシンガー・ソングライターの松田陽子さん(40)が登場、自らの闘病生活や啓発活動について語りました。1年から3年までの高校生約1300人が熱心に耳を傾けました。(5月26日 朝日新聞)
Jun 15, 2012 08:36

親と子の「がんと遺伝子」夏の講習会
九州がんセンターは、夏休み期間中に親子のための「がんと遺伝子」講習会を実施する。近年、ゲノム計画、クローン技術、遺伝子治療など、生物学の進歩が社会の大きな関心を集める中、がん研究も、「遺伝子」をキーワードに、最新の知見が注目を集めている。しかし、わたしたちにとって、「遺伝子」や「ゲノム」は、まだまだイメージしにくい、現実ばなれした存在ではないだろうか。九州がんセンターは、がんへの理解を一層普及させる目的から、がんを遺伝子とゲノムまでさかのぼって考える講習会を開催する。がん細胞や遺伝子の実態であるDNAを実際に目で見、手で触れてみる講習会は国内外でもめずらしい。がんの専門病院ならではの、この講習会に親子で参加してみてはいかがだろうか。お問い合わせ/九州がんセンター相談支援・情報センター・TEL092-541-8100 講習会日時/7月28日(土)・29日(日)
(6月9日 朝日新聞)

Jun 10, 2012 07:32

がん細胞 親子で学ぶ
夏休みに親子でがん細胞の解析にチャレンジしませんか・・・・。国立病院機構九州がんセンター(福岡市南区)が7月、小中学生と保護者を対象に、がんを遺伝子レベルから読み解く講習会を開く。がん細胞を実際に観察しながら、死因トップの「国民病」について考える試みだ。22日まで参加者を募集している。小学校高学年から中学生までの子どもと保護者計8組16人を募る。7月28、29日両日、がんセンターの研究施設で、人間の正常な細胞とがん細胞を比較したり、取り出したDNAの塩基配列を分析したりする。細胞をヘラのような器具で削り出す作業もあり、分子遺伝学の入門編とも言えるプログラムという。参加無料。がんがテーマの講演会やセミナーは多いが、「がんとは何か」という根源的な問題を考えてもらおうと昨年初めて開催。中には長崎県や熊本県から泊りがけで参加する熱心な親子もいたという。担当する織田信弥・腫瘍遺伝学研究室長は「透明な液体に糸状のDNAが現れると子どもたちからワーっと歓声があがる。普段できない体験をして医療に興味を持ってもらえれば」と話す。(6月6日 朝日新聞)
Jun 09, 2012 07:51

日本対がん協会から
日本対がん協会に昨年度寄せられた寄付金は4億3千万円を超えました。前年より40%近い伸びとなり、がん征圧活動を一段と拡大させることができました。協会が実施する事業の活動費は個人、企業からの寄付でまかなっています。ピンクリボンフェスティバルやリレー・フォー・ライフなど、がん征圧イベントを全国で展開し、乳がんや子宮頸がんなど部位別の啓発セミナーも開催できました。優秀ながん専門医を育てる目的で奨学金を支給したり、患者のために医師、看護師などによる無料相談を設けています。東日本大震災の被災地のがん患者に医療用かつらなどお届けできました。最近の試みとして中学生を対象にがんの啓発DVDを作り無償で配布、希望する学校には医師が訪ねてがんの授業を実施しました。こうした活動に共感し協力したいという人が増えてきました。米ペンシルベニア州在住の三輪啓子さんの1億円をはじめ、個人でも1千万円単位で寄付する方が多くなりました。大震災をきっかけに社会貢献したいという思いが強くなったと口をそろえています。日本人は寄付が苦手と言われますが、大震災の前後ではその姿勢が大きく変化したという調査もあります。日本人本来の思いやりの心、助け合いの心に期待しています。(5月24日 朝日新聞)
Jun 03, 2012 08:20

がん治療と仕事 両立支援を 2
患者・家族への提言
●早まって辞めないほうがいい
●就業規則を調べ自分の権利を知る
●治療の見通しや副作用の情報を職場に伝える
●病を打ち明ける範囲は上司に伝えて共有する
●配慮を求める時は、できることのアピールも
(高橋都さんによる)
患者からの提言
雇用者側へ
●治療に合わせた柔軟な就業規則や働く環境づくり
●活用しやすい病気休暇制度の整備
国や自治体へ
●休職者を雇い続ける企業への助成金の支給や表彰
●休職中の社員の社会保険料の免除を
(桜井なおみさんによる)
(5月24日 朝日新聞)

Jun 02, 2012 08:27

ガイドブック作成へ
厚労省「がんと就労」研究班は今年度、本人・家族や企業、相談員など対象別のガイドブックを作る予定だ。主任研究者の高橋都・独協医科大准教授は「正確な情報を過不足なく伝えるためのノウハウを盛り込む。今後は相談窓口を充実させ、みんなで支える仕組みを作っていく必要がある」と言う。「がん患者や家族らの仕事と治療の両立を支援する」。今年度からのがん対策推進基本計画の厚労省案に、初めて就労の目標が書かれた。具体策はこれから検討する。事業者の役割として「働きながら治療できる環境の整備」と盛り込む自治体のがん対策推進条例も増えており、支援の広がりが期待される。(5月24日 朝日新聞)
Jun 01, 2012 08:05

3割が依願退職 中小企業に課題
厚生労働省研究班の2003年の調査では、診断時に働いていた人の31%が依願退職、4%が解雇された。2011年の民間のネット調査でも転職や休職など就労状況が変わった人は多く、小規模なほど勤務先が変った割合が高かった。休職中でも、前年の所得に応じて会社側と個人が半分づつ支払う社会保険料は、免除されない。企業の規模が小さいほど、休職者分の負担は重くのしかかる。がん患者の就労を支援するCSR(Cancer Survivors Recruiting)プロジェクト(東京)は月1回、対面相談会を開く。「時給が下がった」「ひまな部署に異動になった」などの訴えに社会保険労務士らが「転職はいつでもできる。今の職場を大事にして」などと助言。人事に病状をどう伝えるべきかも示す。桜井なおみ代表理事は「長く休むと職場に戻りにくくなり不安も増す。1日単位でとれる休暇制度などを設け、働き続けられる職場が増えてほしい」と話す。(5月24日 朝日新聞)
May 31, 2012 07:52

「だめ」減らす正確な情報 2
脱毛する抗がん剤を使う前は、抜ける時期や量、再び生える時期を説明し、ウイッグの店も紹介する。しびれも軽視できない副作用。字が書きにくくなるなど身体的な症状を説明する。活動は院外にも広がる。年数回開くNPO法人の一般向け講座には、寄せられる40以上の質問への回答を医師や看護師らと練り、すべてに答える。「『担当の先生に聞いてください』とは言わず、逃げずに答える」と決めている。「専門家として医療者の教育も大事な使命」。調剤薬局の薬剤師との勉強会も始めた。最新の薬の知識も共有し、無駄な薬を出すなどで患者の負担を増やすことがないようにしたい。最初に薬を出す時だけ患者に接するのではなく、体調の変化を繰り返し尋ね、深く関わりたいと思っている。患者と向き合う時、ひざをつくのがくせだ。「目標を低くすると、話を受け止めてもらいやすいんです」。(がん専門薬剤師 宮本康敬さん(38) 5月24日 朝日新聞)
May 30, 2012 07:46

「だめ」減らす正確な情報
「食べたい物を食べ、行きたいところに行き、したいことをしてください。ただ、無理のない程度にね」。外来で抗がん剤治療を受ける患者には、そう伝えている。生ものを食べてはだめ、外出もだめ、乳がんなら白いものも食べてはだめ・・・・。根拠の乏しい情報を信じたり、やってはいけないことばかりになると思い込んだりする人が少なくない。過剰に制限しては、その人らしい生活が送れない。だから、「情報は、事前に、正確に伝える」が信条だ。「やってもいいこともしっかり伝えます。わからないことは気兼ねなく聞き、頼ってほしい」。(がん専門薬剤師 宮本 康敬さん(38)・5月24日 朝日新聞)
May 29, 2012 07:18

治療と仕事 両立支援を
今や不治の病とは言えなくなったがん。働く世代への対策も重要になってきています。副作用などに悩む中、仕事と治療を両立させるのは大変です。理解が乏しい周囲に、どう説明すれば良いのでしょうか。国もようやく、難しい問題の解決に取り組もうとしています。
【主な相談窓口】 ●「総合労働相談コーナー」をキーワードにしてネット検索をすると、相談にのってくれる全国の窓口の住所や連絡先がわかる。 ●全国社会保険労務士会連合会の仕事応援ダイヤル(0120-07-4864)は平日午後5時~8時、土曜午前10時~午後6時。 ●CSRプロジェクトは毎月第2火曜にラウンジ、月に2回は予約制の無料電話相談をする。詳細は(http://workingsurvivors.org/)へ。(5月24日 朝日新聞)
May 24, 2012 07:35

代替医療に高まる関心
最近、西洋医学に基づかない代替医療への関心が高まっている、と言われています。治療の柱にはならないものの、通常の医療をカバーする「補完代替医療」のことですが、とりわけ、がんの患者さんの間ではよく使われているようです。代替医療には漢方やヨガ、鍼・灸、健康食品などいろいろありますが、厚生労働省研究班の調査では、がん患者の45%が代替医療を経験したことがあると答え、そのうちの96%が健康食品を挙げた、と新聞に載っていました。医師から「治療法がない」などと、言われた患者さんたちが、ワラにもすがる思いで、利用しているのでしょうか。そうでしょうね。がんの中でも進行がんや再発・転移したがんは治療が難しくなります。こうした人たちが何とか「がんを治したい」「再発・転移を防ぎたい」との思いで利用されているのでしょう。がんも早期に発見し、早期に治療をすれば、9割以上が治るようになりました。かつてのように極度に恐れる病気ではなくなったとはいえ、依然怖い病気であることには変わりはなく、がんにならないように予防することが一番です。幸いにも、がんを予防できる生き方が分かってきましたので、例えばタバコを止め、賢い食品選びをするなど予防のための生活習慣が何よりも大切です。(2011年10月27日 朝日新聞 広告特集より)
May 23, 2012 08:12

保険適用外の先進医療 2
そうかも知れませんが、例えば、先進医療の重粒子線治療がもし保険適用になり、1人の患者さんがその治療を受けた場合、国などの医療費支出も増え、その結果、多くのおじいちゃん、おばあちゃんたちが風邪薬さえもらえなくなる事態だってないとは言えません。ましてや、糖尿病や高血圧などの生活習慣病の人に影響が出るとしたら、公平性や社会正義の観点からいっても問題になるでしょう。実に難しい問題ですね。治療に費用がかかり過ぎれば、医療費を稼ぐためにも働かなければなりません。しかし、現実はがんに罹ったために解雇されたり、減収に追い込まれるケースもあると聞きました。働くことが好きで、仕事が生きがいの人も多いでしょう。がんは、その人の持っている個性の一つと考えることもできるのではないでしょうか。(2011年10月27日 朝日新聞 広告特集より)
May 22, 2012 07:20

保険適用外の先進医療
医療保険に入っていなければ、難しいでしょうね。それと、治療費や入院費以外の、例えば差額ベッド代や通院のための交通費、宿泊代などの治療費外出費もばかになりません。このため、途中で治療の中断に追い込まれる人も珍しくない、と聞きました。さらに、がん細胞だけを狙い打ちにする重粒子線治療や分子標的薬などの先進医療を受けるとなると、保険は適用されませんから、びっくりするような金額を請求されるようです。がんになって心身とも辛い思いをしているのに、治療費の問題で悩むのは、本当にお気の毒です。(2011年10月27日 朝日新聞 広告特集より)
May 21, 2012 08:20

がんは通院して治す時代 2
入院して治療するか、通院しながら外来で治すかは、人によって意見の分かれるところですが、私は、働き過ぎだった人には、1~2週間の入院期間は体を休める格好の機会であり、仕事や人間関係などの煩わしさなどを忘れて、しばらくの間、入院しながらじっくり治療に努めるのもよいと思いますよ。がんになる人が増える一方で、治癒する人の確率が上がれば、ふつうの日常生活を送りながら、がんを抱えて生きる人も増えることになります。治療を続けるうえで、やっかいな問題が、お金と働くこと。ある団体の調査によれば、がんになった場合、「心配なこと」として、「治療費」を挙げた人が72%と最も多かったという記事が新聞に出ていました。がんになれば、がんの種類、進行度、治療方法にもよりますが、手術、入院費だけでも数十万円かかり、高額療養費制度があるにしても治療が長引けば、抗がん剤などを含め相当の額になってしまいます。(2011年 10月27日 朝日新聞 広告特集より)
May 20, 2012 08:21

がんは通院して治す時代
がんも早期に発見し、治療を開始すれば、治る確率もかなり上がってきました。治療も、かつてのように手術の後遺症や副作用が強い抗がん剤などの影響で長期入院を余儀なくされるケースが減り、内視鏡や腹腔鏡を使った新しい治療法で体への負担も軽くなって、社会復帰も早まったと聞きました。今、がんは入院して治療する時代から、通院して治す時代に移りつつある、とも言われています。確かに、手術でも、縮小手術や内視鏡、腹腔鏡手術が一般化し、かつてのように病変部とその周りのリンパ節などを広範囲に切除するケースが減りました。放射線治療でも患部を狙い撃ちにして周囲の正常な細胞を傷つけない治療法が浸透しつつあります。抗がん剤も分子標的薬などの登場で、以前のような嘔吐や脱毛などの副作用が少なくなり、働きながら通院して治療することも可能になったでしょう。(2011年 10月27日 朝日新聞 広告特集より)
May 19, 2012 08:39

5年ごとの節目検診を
検査方法には、食生活と関係が深い胃、大腸、肺、食道、肝臓、子宮、乳房などは、X線撮影や内視鏡検査、超音波検査のほか、病変部の細胞を採取して顕微鏡で調べる細胞診検査などが一般的でしょう。大腸がんでは更に混じる血液を試薬を使って調べる便鮮血検査もよく行われています。最近ではX線を使って身体の断面を撮影するCT(コンピューター断層撮影)検査や小さながんまで発見できるPET(陽電子放射断層撮影)検査のほか、内視鏡検査では、従来のようにチューブを鼻や口から挿入する方法に代わって、カプセルを飲むだけで胃がんの検査ができる「カプセル内視鏡」も実用化されています。がんは年齢の倍数の4乗に比例して発症すると言われています。男性は40歳頃から増え始め、60歳を境に罹患率が急上昇します。だから、検診にかかるコストや医療費も考えて男性は50,55,60,65,70歳、女性の場合はホルモンの影響で乳がんや子宮がん、卵巣がんは40代から50代にかけて発症しやすいので、30,35,40,45,50・・・という具合に70歳まで5年ごとに検診を受け、70歳以降は自然に任せるのがよいのではないでしょうか。(2011年10月27日 朝日新聞)
May 18, 2012 12:11

がん早期発見が最善の道
早期がんは、治療の難しい進行がんに比べ、早めに発見し治療すれば治る確率は、非常に高いでしょう。その意味からいっても検診は、とても重要です。がん検診には、市区町村や企業の健康保険組合が実施する集団検診と、人間ドックなど個人が医療機関で受ける個別検診があります。集団検診で受けられるのは、原則として胃がん、肺がん、大腸がん、乳がん、子宮がんの5つですが、最近は、PSA(前立腺特異抗原)検査による前立腺がんなどの検査を追加する市区町村も出てきました。集団検診の場合は、無料か一部の自己負担で受けられますが、人間ドックは、費用が割高です。でも自治体の検査と違い、5つのがん以外にも前立腺がんや食道がん、肝臓がんなどの検査を行っている所が多いようです。(2011年 10月27日 朝日新聞 広告特集より)
May 17, 2012 08:04

がんと向き合い がんと生きる
がんに罹る人が増える一方で、早期がんなら90%以上治るとも言われています。これまでのように、治療のために長期入院しなければならないケースが減り、通院しながら治す時代へと移りつつあるようです。がんは、もはや特別の疾患ではなく、高血圧や糖尿病などと同様に長期間付き合っていく、慢性疾患と指摘する人もいます。がんは罹らないのが一番ですが、不運にも罹ってしまった場合には早期発見、早期治療で治療を目指すのがなによりも重要でしょう。元国立がんセンター研究所疫学部長で、(社)生命科学振興会理事長の医師、渡邊昌さん(70)と山田英生・山田養蜂場代表(54)が、早期発見につながる検診や、がんとの上手な付き合い方などについて語り合いました。(2011年 朝日新聞 広告特集より)
May 16, 2012 08:08

分子標的薬による皮膚障害
●ニキビのような皮疹や爪に異常が出やすい分子標的薬
一般名(商品名)
エルロチニブ(タリセバ)⇒肺がん、すい臓がん セツキシマブ(アービタックス)⇒大腸がん パニツムマブ(ベクティビックス)⇒大腸がん ゲフィチニブ(イレッサ)⇒肺がん ラパチニブ(タイケルブ)⇒乳がん
●自分でできる皮膚の主なケア
①清潔に保ち、細菌感染を予防する。 ②洗う時は、こすらずやさしく。 ③日焼け止めを塗るなど紫外線から守る。(山崎直也さんによる) (5月8日 朝日新聞)
May 15, 2012 10:54

保湿やステロイドを 2
また分子標的薬による皮膚症状への主な治療薬を聞くと、開業医では、ニキビ治第の第一選択である抗菌薬が最も多く、副作用治療に使うステロイドの塗り薬を上回っていた。日本皮膚科学会理事でもある川島さんは「通常のニキビと、副作用のニキビに似た皮膚障害では治療法が違うことが十分に伝わっていない。皮膚科医への啓発やがん治療医への連携をもっと進めたい」と話す。日本皮膚科学会中部支部学術大会は昨年、適切な対処法を広めようと、「分子標的薬皮膚障害対策マニュアル」を5千部つくった。大会長だった水谷仁・三重大教授(皮膚科)は「テーピングの仕方などセルフケアにも役立つので参考にしてほしい」と言う。同学会中部支部学術大会のホームページ(http://www/.jdac2011jp/d1.html)からダウンロードできる。(5月8日 朝日新聞)
May 14, 2012 08:42

保湿やステロイドを
通常のニキビは、主に毛穴の中のニキビ菌によって炎症が起きる。薬の副作用では、毛穴に皮脂が詰まり炎症を起こして、ニキビそっくりの状態になる。副作用による無菌性の皮疹には保湿剤のほか、炎症を抑えるステロイド、細菌感染を防ぐ抗生物質が有効だ。殺菌効果のあるニキビ向け抗菌薬は、細菌感染を起こした場合に使われる。国立がん研究センター東病院の吉野孝之消化管内科医長は「保湿剤とステロイドの塗り薬、抗炎症作用のある飲み薬の3種をセットで処方する。それでも眠れないほどかゆいなど、生活に支障が出れば、皮膚科医が診る」と話す。だが、がん治療医と皮膚科医との連携がうまくいかないことも多い。川島眞東京女子医大教授(皮膚科)は2011年12月、全国の皮膚科医を対象にしたインターネット調査をした。勤務医の場合、分子標的薬が原因の皮膚障害のある患者の87%は、がん治療医からの紹介だった。一方、開業医では68%が患者の自発的な受診で、がん治療医からの紹介は多くなかった。(5月8日 朝日新聞)
May 13, 2012 08:33

分子標的薬 治療効果高いほど副作用も
なぜ、皮膚に異常が出るのか。分子標的薬は、がん細胞を増やす役割の分子、上皮成長因子受容体を標的にして、がん細胞を攻撃する。ただ、毛穴などにも、この標的と同じものがあり、皮膚がダメージを受けてしまう。国立がん研究センター中央病院の山崎直也・皮膚腫瘍科長によると、個人差はあるが、薬を始めて約2週間でニキビのような皮疹が出るという。3週間~1カ月で乾燥とかゆみ、6週間で爪の周りがはれて肉が盛り上がるなど「爪囲炎」の症状がでることが多い。一方で、皮膚の副作用がひどいほど、がんの治療効果が高いという報告も出ている。米国臨床腫瘍学会で発表された研究では、パニツマブを使って重い皮膚障害が出た大腸がん患者の生存期間の中央の値は27.7カ月で、軽かった患者の2.4倍だったという。山崎さんは「セルフケアや適切な治療で、皮膚の副作用を軽くし、がんを治すことが目標だ。早めに担当医に伝えてほしい」と話す。(5月8日 朝日新聞)

May 12, 2012 08:21

毛穴も攻撃 発疹に
昨年8月中旬、千葉県柏市の男性(62)は、大腸癌の手術を受けた。腫瘍は取りきれず、退院後にさらに大きくなった。今年1月、紹介先の国立がん研究センター東病院で、分子標的薬、セツキシマブの点滴による治療を始めた。2月に、ほおにニキビのようなぶつぶつができ始めた。手の指先は乾燥し、爪の周りがはれ、ひび割れた。ぶつぶつや乾燥は首や胸、背中へも広がった。3月、足の指も炎症を起こし、靴がはけずにサンダル履きの日々が続いた。炎症を抑える薬ミノサイクリンを飲み、寝る前には軟膏や保湿ローションを手足に塗る。脚の指にテーピングをすると楽になるという。腫瘍の大きさは半分になった。「想像以上の痛みですが、治療効果が出ていると聞き、うれしい。なんとか続けたい」と男性は言う。
(5月8日 朝日新聞)
May 11, 2012 08:30

がん新薬で皮膚障害
がん細胞をねらって攻撃する新しいタイプの抗がん剤「分子標的薬」。従来の抗がん剤より副作用が少ないと考えられてきたが、ニキビのような発疹や乾燥、爪の周りが炎症を起こすなどの皮膚障害が出やすいことが分かってきた。がんの効果的な治療をするためには、副作用のコントロールが課題になっている。(5月8日 朝日新聞)
May 10, 2012 08:17

検査にもリスクが
約15ミリシーベルト・・・。この値は、全身のがんを一度に調べられる検査として、人間ドックで導入が進む「PET/CT検査」を受けた場合、男性が被曝する平均線量だという。集団検診の胃のX線検査と比べると25倍の被曝量に当たるが、がんが心配ならこの検査を受けるべきだろうか。PET検査は、放射性物質を含んだ薬剤を注射し、そこから出る放射線を装置で検出して、がんの有無を判定する。X線を照射するCTと組み合わせることで、がんの形もわかる。国立国際医療研究センターなどは、PET/CT検査を受けた場合に、がんが早期発見されて平均余命が伸びる利益と、放射線被曝による発がんの不利益を比較した。検査を受けるメリットがあると考えられるのは、男性は50代以上、女性が50~60代以上との結果が出た。同センターの窪田和雄放射線科核医学医長は「とても効果のある検査だが、がんは中高年からリスクが高くなるので、若い人にとっては不利益のほうが大きいと考えられる。利益と不利益を理解した上で検査を受けることが必要」と話している。(5月8日 朝日新聞 1分で知る豆医学 より)

May 09, 2012 08:11

リレー・フォー・ライフ
「参加者の数、寄付の金額とも日本一を目指しましょう。楽しさも一番で」。リレー・フォー・ライフ横浜(9月15~16日、山下公園)の実行委員長に就任した歌手のアグネス・チャンさん(日本対がん協会ほほえみ大使)は委員会で力強く呼びかけました。リレー・フォー・ライフとは、がん患者や家族、支援者らがリレー方式で24時間歩き語らいながら、がん征圧のための寄付を集めるイベント(日本対がん協会、各地実行委主催)です。7年目の今年は、全国40カ所近い会場で開催予定です。昨年までに集められた寄付総額は8千万円を超え、がん検診や無料がん相談、若手専門医の育成などに使わせていただきました。今年からは新たに、がん医療の優れた研究に助成する「プロジェクト未来」企画をスタートさせます。今年の初参加は一関、長野、松本、栃木、貝塚、但馬、延岡、鹿児島など10カ所以上。どなてでも参加でき、新たな開催も可能です。詳しくは日本対がん協会リレー・フォー・ライフ担当(03-52318-4771)、またはhttp://relayforlife/jp へ。日本対がん協会。(4月24日 朝日新聞)
May 08, 2012 08:47

必要な準備 分かりやすく 2
「いつでもこここに寄ってください」と送り出し、継続して相談にのる。仕事との両立、再発・転移が分かったときのショック・・・・。自宅で終末期を過ごす場合の手続きや、緩和ケア病棟などへの転院まで内容は様々だ。自身も患者。年2003年に乳がんがわかり、「同年代の人がみんな元気に見え、孤独でした」。患者会に顔を出すと、仲間ができたようで心強かった。2007年、がん専門のMSWになり、2008年から院内で乳がん患者向けのサロンを開いている。院内に限らず、がんと診断された親を持つ子どもをサポートする活動も始めた。ポイントは三つ。がんという病名、だれのせいでもないこと、うつる病気ではないときちんと伝えることという。「本人も家族も、現実を受け止めて向き合っていく力を持っている。その力を引き出していきたい。一人で抱え込まないで」。医療ソーシャルワーカー 大沢かおり さん(45) (4月24日 朝日新聞)
May 07, 2012 08:13

必要な準備 分かりやすく
「びっくりしますよね。でもずっと今のような気持ちが続くわけじゃないですから」。がんと診断され、間もなくの患者さんとの面談ではまず、こう声をかける。患者の様々な相談ににる医療ソーシャルワーカー(MSW)。病院10階の相談室には、年に約500人が訪れる。治療の流れや起こりうる副作用、どんな準備がいるのかを相談者が理解できるように説明する。信頼できる本やインターネットのサイトなども教える。相談室に備えたウイッグや下着は、試着もできる。抗がん剤の副作用や手術後に必要になるグッズは「現物を見て触って、参考にしてほしいから」。医療ソーシャルワーカー 大沢かおり さん(45)
(4月24日 朝日新聞)
May 06, 2012 09:52

課題は「治療と並行」
「診断された時から緩和ケアが提供されると共に、在宅医療など様々な場面で切れ目なく実施される」。今年度からのがん対策推進基本計画の厚生労働省案にこう盛り込まれた。2007年にできた第1期の基本計画の目標は「早期から」。がん診療に関わる医師全員が基本知識を習得することを目指した。この5年で約3万人の医師が基本教育プログラム(PEACE)の研修を終えた。だがいまだに「治療中だから緩和ケアは不要」という医師らがいる。診断時から緩和ケアをする余裕はないという声も上がる。厚労省委託の事業で10年度、緩和ケアについて患者らに聞くと「終末期の患者だけが対象と思っていた」人が39%。「ケアに満足」としたのは13%だけだった。PEACEプロジェクトリーダー、木澤義之筑波大講師は、緩和ケアを3つに大別。「アプローチは全ての医療従事者が提供すべきだ。理想は、緩和ケアを受けていると時間せずに患者が受けること」と言う。日本緩和医療学会理事長の恒藤暁・大阪大教授は「治療に並行して緩和ケアを提供する体制づくりが課題。治療医が両方を担うのが理想だが、医療ソーシャルワーカーやカウンセラーらの活動も重要」と話す。(4月24日 朝日新聞)
May 05, 2012 08:18

図書館で読書・町内会参加
退院後、日赤の医師の紹介で訪問看護も受け始めた。看護師は、いつでも相談にのってくれる。男性は「年とってがんになったら、よう付き合うていけばええ。痛みだけとってもらったら、生きてる間は好きなことをやりたい」。図書館で好きな本を読み、町内会の作業に顔を出して友だちに会う。いざという時のため、納屋の物を友人にあげ、税金の納め方を妻に教えた。看護師の岡藤美智子さんは「早い時間から関わると生活の変化が見え、家族の悩みもわかる」と話す。緩和ケアを担当する山口日赤の末永和之副院長は初診の時に、患者や家族に訪問看護や緩和ケア病棟を紹介。どのように療養したいかも尋ね、選んでもらっている。「できることは全てしながら、揺らぐ気持ちをくみとり、伴走するのが緩和ケアだ」と言う。(4月24日 朝日新聞)
May 04, 2012 08:57

在宅で 自分らしく
緩和ケア外来や在宅医療を活用すれば、病気の進行度に関わらず、家で自分らしく暮らすことができる。山口市の男性(84)は、2009年の暮れに耳下腺がんの手術を受けた。抗がん剤治療の副作用で、食欲が落ち、だるさをおぼえた。抗がん剤治療をやめ、昨年7月から山口赤十字病院の緩和ケア外来に通い始めた。せき止めや鎮痛剤をもらい、持病の高血圧を診るかかりつけ医にも通う。今年1月に体調を崩し、山口日赤の緩和ケア病棟に入院したが、寝てばかりで足腰が衰えてしまうと心配に。自宅が良いと医師に訴え、2週間で退院した。(4月24日 朝日新聞)
May 03, 2012 08:23

がんと診断された時の注意点
●1~2週間は不安や動揺があっても当然。自分を責めない。睡眠と食事をきちんと取る。 ●すべて終わる、何もかも失うということではないと知る。 ●相談ができる人を見つけておく。家族に話しづらい時は、全国のがん診療連携拠点病院の相談支援センターなど医療機関の窓口の活用を。 ●全く眠れない、食事が取れない、仕事が手につかない時などは医師や看護師に相談を。(*小川朝生さんによる)
<相談窓口>不安や痛みの相談も、近くのがん拠点病院の相談支援センターを利用できる。リストは、国立がん研究センターがん情報サービスのウエブサイト(http://ganjoho.jp)の「病院を探す」にある。 ●三重県がん相談支援センター(059-223-1616)や、がん相談センターこうち(088-854-8762)、千葉県柏市にあるがん患者・家族総合支援センター(04-7137-0800)などは病院外のセンター。住民のがん相談を受けている。(4月24日 朝日新聞)
May 02, 2012 08:19

がん施設 14億円支援
佐賀県が主導し、九州初の先進医療施設として、同県鳥栖市に来春開業予定の「九州国際重粒子線がん治療センター」(サガハイマット)について、鳥栖市議会は23日、建物や設備にかかる固定資産税などを20年間免除する条例案を賛成多数で可決した。市の試算では、免除額は総額14億6千万円にのぼる見通し。条例によると、センターの建物や治療装置などにかかる固定資産税や都市計画税を2013年度から32年度まで免除する。開設初期に必要な事業費のうち、市は地元企業を中心に25億円を集める目標を掲げ、約8億3千万円のめどが立っている。建設地(7億5千万円相当)の無償貸与もするが、これらとは別に税制上の支援も必要と判断した。23日の審議では、「追加支援もあり得るなら(条例案に)同意できない」と、ない崩し的な公的支援の拡大にクギを刺す意見が出た。閉会後、橋本康志市長は取材に対し「来春のスムーズな立ち上げに向けて何ができるか。支援企業を含めて協調していきたい」と追加支援に含みを持たせた。(4月24日 朝日新聞)
Apr 27, 2012 08:04

がん再発解明へ一歩
放射腺治療後にがんが再発するしくみの一部が京都大チームの研究でわかった。腫瘍内部の血管からやや離れた特定のがん細胞が生き残って増殖していた。17日付の英科学誌ネイチャーコミュニケーションズで報告した。胃がんや大腸がんといった固形タイプのがんは、内部にできた血管から酸素や栄養を受け取って増殖している。血管に近く活発ながん細胞は、放射線により敏感で死滅しやすい。一方、血管からやや離れ、十分な酸素を得られない環境に適応したがん細胞は生き残りやすい。今回の研究で、血管から離れて不活発ながん細胞は、放射線を受けるとHIF-1という遺伝子を活性化させて血管近くに移動し、がん再発の原因となっていることがマウスの実験で分かった、人のがん細胞を移植したマウスにこの遺伝子の働きを抑える薬を投与して放射線治療をすると、一定期間再発しない割合が6倍になったという。京大チームの原田浩講師(放射線腫瘍生物学)は「再発しにくい放射線治療を人でも応用できるようにしたい」と話す。(4月18日 朝日新聞)
Apr 19, 2012 08:34

塩分摂取は控えめに
国立がん研究センターの別の研究では、がんの発生頻度と、漬物、塩ザケなどの干物、みそ汁の摂取量とにはっきりした関係は見られなかった。今回の研究チームの笹月静予防研究部室長は「疫学研究では、因果関係が出やすいものと、出にくいものがある。健康に良いという意味では、塩分摂取全体を控えめにした方がいいだろう」と話す。減塩は高血圧予防にもつながる。厚生労働省の高血圧ホームページでは、減塩を中心にした食事を紹介している。太りすぎだけでなく、やせすぎも免疫力の低下などを招き、よくない。運動や食事で、適度な体重を維持しよう。散歩が楽しい季節。まずは、歩く時間を増やすことから始めてみよう。(3月18日 朝日新聞)
Mar 27, 2012 09:31

がんを防ぐ生活習慣
お酒は、完全に禁酒する必要はないものの、エタノール換算で週150グラム未満に抑えよう。日本酒1合やビール大瓶1本、ワインのボトル3分の1本、ウイスキーやブランデーのダブル1杯分がエタノール換算で約23グラム。ほぼ連日、お酒をたしなむ人は、日々の飲酒量をこの程度にして、週1回、休肝日を作れば、週138グラムのエタノール量になる。がんセンターの研究チームは、たらこや筋子など塩蔵した魚卵の摂取量と、がんの発生率との関係も調べた。たらこを月4分の1腹(約20グラム)以上食べる人は、食べない人より、有意にがんの発生が多かった。(3月18日 朝日新聞)

Mar 26, 2012 09:26

禁煙
とはいえ、実践が難しいのも禁煙。大阪府立健康科学センター健康生活推進部の中村正和部長は「健康診断や薬局に行った機会を利用して、医師や看護師、薬剤師らに禁煙について、相談して欲しい。自力でやめることにこだわらずに、禁煙補助薬も上手に使えば成功率が上がります」とアドバイスする。原則として禁煙治療には医療保険が使える。また、禁煙治療薬が受けられる医療機関は全国で1万4千箇所程度だが、日本禁煙学会のサイトで、医療保険の使える医療機関が検索できる(http://www.nosmoke55.jp/)。(3月18日 朝日新聞)
Mar 25, 2012 09:42

がんの発生と生活習慣の関係
追跡調査の対象者は、岩手県や大阪府、新潟県などに住む45~74歳の男女。国立がん研究センターのチームが、がんの発生と、様々な生活習慣との関係を調べた。この結果、男女で平均すると、①禁煙
②節酒 ③減塩 ④適度な運動 ⑤適切な体重の維持、という五つの良い生活習慣の一つを実践するごとに1割ほどがんリスクが減り、五つすべて実践するとリスクがほぼ半減することがわかった。良い生活習慣の筆頭は「禁煙」だろう。喫煙はがんに限らず、心臓など循環器の病気のリスクも高める。東京大のチームは、2007年の死亡者のうち約13万人が喫煙が原因で死亡したと推計している。(3月18日 朝日新聞)
Mar 24, 2012 09:04

がん予防 まず禁煙・減塩
禁煙、節酒、減塩、適度な運動、適切な体重の維持。こんな五つの生活習慣を一つ実践するごとに、がんのリスクが平均して1割減るという。国立がん研究センターが約8万人を約10年追跡して分析した。どのようにしたら、健康に良い生活習慣は実践できるのか探った。(3月18日 朝日新聞)
Mar 23, 2012 08:55

福島の子ども「検査し見守る」
甲状腺がんは、放射性ヨウ素の被曝でも起こるため、東京電力福島第一原発事故で、福島県は子どもの甲状腺検査を行っている。被曝で甲状腺がんが発生するのは4~5年後からだ。今の検査は、被曝前の現状を把握するためのものだ。県の中間報告では、福島県立医大で検査した3765人中1086人に2センチ以下の液体の入った袋(のう胞)、82人にしこり(結節)があった。しこりが5.1ミリ以上の26人は血液検査などを追加で受ける。結節やのう胞は甲状腺の組織が変化して起こる。甲状腺の働きには、影響せず、良性のものが多い。「現時点では福島県民の甲状腺への被曝線量はチェルノブイリよりずっと少ないと見られる。ただ、事故直後の放射性ヨウ素の影響は不明なので、子ども36万人は生涯、甲状腺を検査して見守っていく」と鈴木さんは言う。(3月13日 朝日新聞)
Mar 22, 2012 09:44

手術の不利益 考慮を
ただし、甲状腺がんの1~2%は「未分化がん」と呼ばれ、急激に悪化し、治療成績もよくない。「他のがんは若いほど進行が早く、悪性度が高くなるが、甲状腺がんは違う。高齢になるほど悪性度が高くなる。未分化がんにあんるのは50歳以上」と、甲状腺専門の伊藤公一・伊藤病院長。治療の基本は手術で、がんの場所や大きさにより、甲状腺をすべて摘出したり、部分を切除したりする。周囲のリンパ節も同時に取ることが多い。「ただし、甲状腺がんは、手術で得られる利益と、手術に伴う不利益をよく考慮して、手術の実施や時期を判断する必要がある」と福島県立医大の鈴木真一教授(甲状腺外科)は話す。一般的にがんは早期発見、早期治療が基本だが、甲状腺がんは事情が違う。手術で甲状腺の近くにある発声に関係する神経を傷つけるなどの合併症が起こる可能性はゼロではなく、甲状腺を全摘すれば、定期的な甲状腺ホルモンの補充も必要になるからだ。(3月13日 朝日新聞)
Mar 21, 2012 09:35

甲状腺のしこり
甲状腺がんの診断は超音波検査が基本だ。しこりの形などの特徴を見れば、悪性の疑いがあるか、ほぼ診断がつくという。甲状腺がんの家族がいる人や、しこりが急に大きくなった場合には、悪性の恐れがあり、詳細な検査が必要になる。日本内分泌外科学会と日本甲状腺外科学会によると、集団検診などの触診や超音波検査で見つかったしこりのうち悪性の割合は約4~16%だった。虎の門病院の宮川めぐみ内分泌代謝科・健康管理室長は「甲状腺のしこりは、たとえ悪性が疑われても、進行が非常にゆっくりな例も多い」と言う。甲状腺がんの9割を占める乳頭がんで、診断10年後の生存率も約95%と高い。(3月13日 朝日新聞)
Mar 20, 2012 11:37

症状 20年間変らず
埼玉県在住の女性(46)は20歳のころ、のど仏の下にゴロゴロするしこりがあるのに気付いた。病院を4カ所回り、最後の病院で、甲状腺がんと診断された。23歳で2センチ弱のがんがある甲状腺の右側を切除した。左側にも1センチのしこりがあった。針を刺して細胞を取って調べる「細胞診」では、良性と悪性の判断が難しいタイプだった。約10年前までは半年に一度ほど超音波検査を受け、年に一回は細胞診も受けた。しこりの大きさに変化はなく、悪性度の診断も「灰色」の状態が続いた。この10年ほどは超音波検査だけ受けている。結局、20年以上ほとんど変化がない。甲状腺がんは、亡くなった後に解剖をして初めて、甲状腺とわかるケースもあり、高齢女性では2~3割で見つかるとの報告もある。患者は女性が男性の3~5倍も多い。危険因子は肥満と被曝で、それ以外ははっきりしていない。(3月13日 朝日新聞)
Mar 19, 2012 09:33

甲状腺がん 長期間様子見も
9割は進行緩やか 高い生存率
年に8千人以上が発症する甲状腺がん。大半は進行がゆっくりで、診断10年後の生存率は9割以上と高い。がんは一般的に早期発見、早期治療が基本だが、甲状腺がんは、長期間、様子を見ることも少なくない。被曝も原因となるため、東京電力福島第一原発事故による影響も心配されている。(3月13日 朝日新聞)
Mar 18, 2012 09:18

がん 支える一冊
がんと診断された時に役立ちそうなのが、「患者必携 がんになったら手にとるガイド」(国立がん研究センターがん対策情報センター編著、学研、税別1200円)だ。「こんな情報あったらいいね」という視点で編集されている。病気に関する情報のほか、療養生活を支える制度やヒントが盛り込まれている。編著者の渡邊清高・同センター医療情報コンテンツ研究室長は「患者だけでなく、支える人にとっても情報は大切」と話す。同センターのホームページの「患者必携」は毎月8万~10万ページビューある。上位8項目は、①抗がん剤の副作用情報や化学療法 ②医療費 ③自分らしい病気への向き合い方や治療までの準備。 ①は治療する前に、②は他人に聞きにくい情報、③は診断後から治療まで病気をどう受け止めるか、それぞれ参考になる。命にかかわる病気や闘病生活が長いと、誰でも不安になる。「患者必携」は、60人の患者や家族、遺族が企画に加わり、必要な情報の選択や、読みやすさ、わかりやすさをチェックしていったという。いい療養のためのガイド本づくりも共同作業が始まっている。 3月13日朝日新聞・「1分で知る豆医学」より 
Mar 17, 2012 09:16

似合うカットで笑顔戻せる 2
2008年に受けた検診で直腸がんが判明。手術後は食べ物が腸に詰まりやすくなり、いつもおなかの具合が気になる、不自由な生活を送ってきた。「がん患者のために、自分ができることは何か」と、考え始めたのはそれ以来のことだ。美容師がカットの練習台として使うマネキンの頭部を、ウイッグが形崩れしないように置くための台として利用してもらおうと、患者に贈る活動をする「こんいろリボンの会」も立ち上げた。医療用ウイッグは、人毛や人工毛など種類や性質もまちまちで、プロの美容師でも経験がないとカットすることは難しい。そこで、ウイッグをその人に似合うようにカットしたり、抗がん剤の副作用で眉毛やまつげが抜けた人のメークを手がけられたりする美容師を増やそうと、社団法人「RAMBS」を2010年8月に設立。技術に応じて認定する制度も作った。現在、関西を中心に約150人の美容師が参加している。「髪が抜けたことで、今まで何十年も通っていた美容室に、行きたくても行けない人がたくさんいる。だから、全国のどこの美容室でも、ウイッグがカットできるようにするのが私の夢です」。医療用かつら専門美容室を経営 豊 秀之さん(49) (2月22日 朝日新聞「伝えたい」より)
Mar 16, 2012 09:16

似合うカットで笑顔戻せる
「髪の毛が抜けるくらいなら抗がん剤はやらない」。がん患者の若い女性がブログに書き込んだ言葉が、胸に突き刺さった。「もし医療用ウイッグ(かつら)を似合うようにカットできれば、生きる希望を持ってもらえるのかもしれない」。2010年、6店目の美容室として神戸市にウイッグのカット専門の店「リップス」をオープンさせた。ある日、肩まで掛かったブラウンの髪が光る30代の女性が、不安そうな表情で店のドアを開けた。「乳がんの抗がん剤の治療をこれから受ける。心配で髪が抜け始めたが、病院内で売っているウイッグはどれも自分には似合わなかった」と女性は言ったという。「任せてください。必ず似合うようにしてみせます」と言うと、女性は涙をポロポロこぼした。ウイッグを選び、頭の形や髪質に合わせて丁寧にハサミを入れる。カットが終わると、鏡の中の表情は満面の笑みに変った。《医療用かつら専門美容室を経営・豊 秀之さん(49)》 2月22日 朝日新聞 「伝えたい」より
Mar 15, 2012 20:22

次期のがん対策推進基本計画・日本対がん協会
今後5年間の国のがん対策の指針となる、次期のがん対策推進基本計画の素案が今月、厚生労働省のがん対策推進協議会(会長・門田守人がん研有明病院長)で示されました。前計画を見直し新しい視点での対策も盛り込まれました。施設が限られ適切な医療が受けられない小児がんについては「小児がん拠点病院」を整備し、患者と家族が安心できる環境をつくるとしています。がん患者の30%が依願退職し、4%が解雇されるという就労の現状に対しては、治療と仕事の両立を支援する仕組みを検討し、経済面の不安や悩みを軽減することを目標としました。がん死亡が多い国なのに、がんについてよく知らされていない現実から、「がん教育」の普及に努めることも加えられました。がんの原因の3割を占めると言われるたばこについては、初めて喫煙率の数値目標が設けられたそうです。現在19.5%の喫煙率を今後10年で12.2%に下げ、家庭や職場、飲食店の受動喫煙にも目標を掲げます。検診受診率はこれまで一律に50%以上を目指してきましたが、女性のがんで向上が見られたものの全体ではほど遠い数値です。次期はがんの部位や対象年齢を細かく設定し集中することで、着実に達成するとしています。威勢のいい掛け声よりきめ細かで実質的な施策を望みます。(協会事務局長・塩見知司) 2月22日 朝日新聞
Mar 14, 2012 09:33

他のがんに使うには
適応外薬について厚労省が取り組みの中心と位置付けるのは、2009年に立ち上げた検討会議だ。学会などがら適応拡大が必要な薬を公募。治験なしで承認申請する「公知申請」ができるか、治験が必要かなどと分類し、企業に申請や治験などを依頼する。がん患者が積極的な活用を求めるのは、いわゆる「55年通知」と呼ばれる当時の厚生省保険局長が昭和55年(1980)に社会保険診療報酬支払基金宛に出した通知だ。承認から一定期間経った医薬品の一部に薬事承認がなくても医療保険を適用するよう求めている。通知に基づき2~3年に一度、対象となる医薬品が公表される。一方、厚労省保険局の吉田易範・薬剤管理官は「医療保険の適用は広くあまねくが前提。日本人でどんな量をどう使うと効果があるのか、科学的根拠による担保が必須です。海外の論文などだけでは、日本人のデータが十分に得られない恐れもあります」と言う。現行の枠組みで、日本人に関する用量や使用法のデータを得るには、「薬事承認を受けるプロセスを経るのが王道。『55年通知』はそれが不明瞭なままの例外措置で、抗がん剤などリスクも高い薬については必ずしも患者さんのためにならないと思います」と話す。(2月22日 朝日新聞)
Mar 12, 2012 09:23

審査期間は縮まる
「未承認薬のドラッグラグで一番大きいのは真性時期や審査期間ではなく、治験の着手時期が欧米より約2年遅いという問題です」と厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」の座長を務める堀田知光・名古屋医療センター院長は指摘する。世界の薬市場で日本が占める割合は1割程度。言語の壁などもあり、治験を日本で早く実施する必要性を海外の製薬企業が感じないという背景がある。「根本的な解決策は、国際共同治験に日本の医療機関なども参加することと、日本発の新薬の開発を進めることです。そのためには国際水準の治験ができる施設の整備や、治験コーディネーターの育成などが必要で、時間とお金がかかります」と堀田さんは言う。PMDAに届け出のあった治験のうち、2007年度に約7%だった国際共同治験は2010年度には21%に。それがドラッグラグの解消に結びつくには数年以上かかると見られている。(2月22日 朝日新聞)
Mar 11, 2012 11:34

手続き改善された?
ドラッグラグには大きく分けて2種類ある。海外では承認されているのに、日本ではされていない「未承認薬」と、国内でも一部のがんや疾患では承認されているが、海外では使える他の種類のがんで承認されておらず、医療保険が使えない「適応外薬」の問題だ。がん対策基本法成立の原動力となった患者の声は当初、未承認薬の早期承認を求めるものが主体だった。当時、承認が遅い主な原因は、臨床試験(治験)や審査に時間がかかるためだとされていた。厚労省によると2006年度には、治験が終わって薬の商人申請がされる時期が日本は米国より1.2年遅く(申請ラグ)、審査期間も1.2年長く(審査ラグ)、全体のドラッグラグは2.4年だった。2009年度には申請ラグは1.5年と長くなったが、審査ラグは0.5年になり、全体のラグが0.4年縮まった。薬の審査を担う医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査官が増員されるなどして審査はある程度、早くなったからだ。(2月22日 朝日新聞)
Mar 10, 2012 17:34

海外で使える薬の承認 早くなった?
海外で使える薬が日本で使えるようになるまでの時差「ドラッグラグ」。解消を求めるがん患者の声が、2007年のがん対策基本法やがん対策推進基本計画づくりの原動力だった。大詰めを迎えている基本計画の改定議論でも、この問題がやはり患者の最大の要望だ。5年間で時差はどれだけ縮まり、まだどんな壁が残っているのだろうか。厚生労働省のがん対策推進協議会で、会長代理を務める天野慎介さん(38)が血液がんの仲間のリンパ腫の一種と診断されたのは2000年のことだった。治療は複数の薬を組み合わせる化学療法が中心だ。診断の3年前、米国ではリツキサン(一般名リツキシマブ)がリンパ腫で承認されていた。診断5年後の生存率を従来より約2割上げる画期的な薬だが、日本では承認されておらず、天野さんは使えなかった。別の薬で何とか安定状態になったのもつかの間、2002年に再発した。リツキサンは2001年に日本でも一部のリンパ腫で承認されたが、天野さんのタイプのリンパ腫への承認はまだで医療保険がきかない。使うなら原則、全額自己負担だった。当時、主治医が海外の文献などをそろえて社会保険事務所に申請し、医療保険が使えた患者も一部にはいた。しかし、全額自分で負担するか、医者に処方を断られた患者が大半だった。天野さんは「例外的に保険が使えることがありますが、医師や病院、地方によって格差があるのが問題です」と指摘する。国内で天野さんのタイプのリンパ腫でもリツキサンが承認され、医療保険が適用になったのは2003年のことだ。天野さんは「私が最初の治療でリツキサンを使えていたら、再発しなかったかも知れません。ドラッグラグの解消は、命がかかった切実な問題です」と言う。(2月22日 朝日新聞)
Mar 09, 2012 16:14

在宅ホスピスケア
(ファイナルステージを考える)会の代表世話人の岩崎瑞枝さんは「イベントや食事を楽しんだり、誰かにじっくりと話を聞いてもらったりすることは終末期医療の中で、とても重要。でも制度にするのは難しい部分でもある。ここに重点を置いた活動を今後も続けたい」と話す。在宅ホスピスケアに関心を持つ医療関係者らで作る日本在宅ホスピス協会の会長で、医師の小笠原文雄さんは「緩和ケアの基本は心と心がつながり、生きる希望がわいてくること」と指摘。「日本でも意識の高い医師が在宅緩和ケア普及の柱となるべきデイホスピスに注目し始めたところ。そんな中、福岡でボランティアの手によってイホスピスが運営されているのはすばらしいし、うらやましい限り」と高く評価している。(2月20日 朝日新聞)
Mar 08, 2012 09:09

食事・会話・趣味 存分に
食後、休憩をはさんで、レクレーションが始まる。絵手紙や書道、折り紙などの日もあるが、この日は地元のソプラノ歌手、永渕くにかさんのミニリサイタルがあった。キーボードの伴奏で約1時間、おしゃべりを交えて、オペレッタや童謡を歌う。永渕さんが「赤とんぼ」を歌い出すと、みんなが口ずさんだ。歌のあとはお茶を飲みながら、またおしゃべり。南区の女性(68)に病気のことを尋ねると、卵巣がんで1泊2日の短期入院を繰り返しながら抗がん剤治療をしている、と詳しく教えてくれた。付き添う夫(71)も、そばでおだやかな表情でうなずいていた。がんセンターで看護師として働いた経験があるスタッフの川崎暁美峰さんは、がんの告知を受けないまま家族や医者に不信感を抱いて、不安の中で孤独に死んでいく患者を多く見て来たという。「ここでは患者同士、気兼ねなく自分の病気について話せる。悩みを分かち合い、気持ちが楽になっていくのが分かる」。(朝日新聞)
Mar 07, 2012 09:13

ボランティア運営「デイホスピス」
その1日はこんな感じだ。午前10時半頃、利用者たちがやってくる。中央のテーブルを囲み、おしゃべりが始まる。話題は孫の成長ぶりや、正月におとそを飲みすぎた話、庭に実った晩白柚・・・・。時折、わっと笑い声があがる。スタッフの一人で、自らも食道がんを経験した山本和子さんは、利用者と病気や死の話をすることはあまりない。「医療相談の場所ではないので、不満や不安を寄り添って聞いてあげるくらい。楽しく過ごしてもらうことに重点を置いている」と言う。昼ご飯には専任スタッフが作る旬の食材を生かした料理が並ぶ。ぶり大根、ミツバのかぶら蒸しあんかけ、鶏と冬瓜の吸い物など6品。消化の良い、さっぱりとした献立。食欲に応じて楽しめるよう、セルフサービス形式だ。「毎回食事が楽しみ」。そう話すのは昨年夏から通う、博多区の子宮がんを患う女性(69)。「来るたびに元気になる。家でじっとしているのはいや。食事とおしゃべりで心が開く感じ」と言う。(朝日新聞)
Mar 06, 2012 09:20

在宅末期がん心を支え
孤独になりがちな在宅療養中の末期がん患者同士がリラックスして時間を過ごす「デイホスピス」を福岡市のボランティア団体が開いている。会話をしながら食事をしたり、絵や手芸を楽しんだり・・・・・。病院や行政のサービスではカバーしきれない、患者の心に寄り添う活動だ。「ファイナルステージを考える会」が2007年に開設した。在宅の末期がん患者へのケアは、介護保険制度の中では看護師が常駐して医療ケアをする療養通所介護施設があるが、このデイホスピスはボランティアが運営。医療サービスはしない。患者に心豊かな時間を過ごしてもらうことが目的だ。毎週水曜日、清水クリニック(同市南区横手2丁目)2階で開かれる。スタッフは5、6人。利用料は1日500円。取材で訪れた1月のある日には2組3人が利用した。(朝日新聞)
Mar 05, 2012 14:21

「在宅」担い手と専門医が連携
在宅医療の現場で困ったことがあれば、病院が手助けする。その一つが、市内の5病院と地域の医療・福祉従事者をつなぐ「緩和ケアホットライン」だ。痛みを取る薬の組み合わせについて相談メールが届くと、病院の専門医、看護師が答える。「顔が見える関係だと、聞きやすく、答えやすい」と聖隷三方原病院の森田達也医師(緩和支持治療科)は話す。今回の改定では、浜松市のような連携が、各地に広がるためのきっかけづくりを支援している。病院にいる専門の医師や看護師が、地域の診療所の医師や訪問看護ステーションの看護師と一緒に患者宅を訪問すると、同行した側に報酬がつくようになる。(朝日新聞)
Feb 28, 2012 16:53

在宅で療養するがん患者
在宅で療養するがん患者への緩和ケアの普及も求められる。自宅で緩和ケアをしてくれる診療所や訪問看護ステーションは少ない。緩和ケア病棟も足りず、入院するには長期間待たねばならない。浜松市の聖隷三方原病院と市医師会は協力し、在宅緩和ケアの担い手を増やす取り組みをした。病院の専門医や看護師が在宅診療に同行し、在宅を担う医師や看護師、薬剤師らに医療用麻薬などの投与時期などを助言した。この結果、いまは市内の約60診療所が互いに支えあい、在宅のがん患者らを診療するネットワークが働いている。(朝日新聞)
Feb 27, 2012 09:15

患者の悩み みんなに訴える
MNプロジェクトは、晩期障害も含めた小児がんの問題を、出前講演などで外に向かって訴える活動が中心だ。そこが、同じ境遇の仲間同士で悩みを語り合う、経験者だけの会と違う。「経験者だけの会は、もちろん大切です。ただ、誰かが表に出て社会に訴えないと、いつまでも制度は変わらず、問題が解決しないと思います」。昨年は厚生労働省のがん対策推進協議会小児がん専門委員会のメンバーとして、小児がん対策を提言する報告書作成にかかわった。拠点病院の整備など、報告書の提言を実現するのに必要な予算がついた。近く、拠点病院の詳細を議論する会議ができる。厚労省がん対策推進室長に「私もメンバーにして」と直訴している。成人のがんも治るようになってきており、経験者の就労が問題になるなど小児がんと似た問題が出てきている。「最近は、小児がん対策が変われば成人がん対策も変わる、と信じて活動しています」。ウエブサイトhttp://www.accl.jp/mnproject/news/ (朝日新聞)
Feb 23, 2012 21:26

小児がんネットワーク
「MNプロジェクト」のMNは「みんなはなかま」。2005年に小児がん経験者のネットワークとして発足した後、仲間の輪が広がり、いまは経験者でない画家や弁護士ら支持者が大勢参加する。初対面でも臆せず声をかけ、協力を依頼してきた「成果」だ。同プロジェクト代表の小俣智子さん(42)は、13歳で急性リンパ性白血病を発症した。19歳で寛解状態になるまでに入院は17回。大学院終了後、医療ソーシャルワーカー(MSW)として病院に就職した。現在は非常勤のMWSとして働くと同時に、武蔵野大准教授として福祉の道を志す学生の指導もする。小児がんの治療成績は上がり、7~8割の患者が助かる。ただし、経験者が直面する問題はたくさんある。進学や就職、頭痛や難聴、何年もたって発生する二次がんなど様々な治療の後遺症・・・・・。自らも寛解の数年後に足の裏に悪性黒色腫、7年前には乳がんを体験した。どちらも10代で受けた治療の晩期障害だ。(朝日新聞)
Feb 22, 2012 09:35

iPS細胞のがん化防ぐ
フランスではこのウイルスを使い遺伝子治療を受けた患者2人が白血病になったことがある。このウイルスで白血病になったマウスの白血球を見たら、ウイルスの遺伝子は細胞の特定の3カ所を狙って入り込んでいた。ここは、フランスの遺伝子治療で起きた白血病での場所とよく似ていた。白血球以外の細胞では、3カ所を狙うのは難しく、iPS細胞づくりに使われる皮膚細胞などではがん化が起きにくいという。3カ所を調べて入り込んでいる細胞を除けば、安全性が高まる。(朝日新聞)
Feb 07, 2012 09:28

iPS細胞がん化防ぐ仕組みを発見
iPS細胞づくりでウイルスを使うとき、心配されていた細胞のがん化を防ぐ方法を京都大のグループが見つけ、米科学誌で報告する。ウイルスは特定の場所に組み込まれたときにがん化するので、その場所を見張っておけばいいのだという。iPS細胞は皮膚などの細胞に特殊な遺伝子を入れて作る。ウイルスは、その遺伝子の運び屋として使っている。ウイルスが持つ余計な遺伝子まで細胞に組み込まれて、がんになると考えられてきた。京大の鶴山竜昭准教授(病理学)らはマウスの白血球をがん化させて白血病にすることが知られるMLVというウイルスを調べた。他の方法に比べて遺伝子を運ぶ効率が高く、よく使われている。(朝日新聞)

Feb 06, 2012 20:26

がんピアサポーター
がん経験者として同じ立場で患者の話しを聞いてあげたい・・・例えば医師との上手な付き合い方、抗がん剤で苦しい時の食事法、治療にかかる費用など。患者には疑問や心配ごとが次々に浮かんできます。これを経験者の立場で受け止め、患者の相談相手になる方々を、がんのピアサポーターと呼んでいます。医師や看護師ら医療者ではないので、医療そのものには触れるわけにはいきません。しかし、がんにかかったときの生活や真理について、患者にしか分からない側面から体験を共有し、ともに考えることで悩みの解決に向かう、そうした力強い味方です。(朝日新聞・日本対がん協会から)
Jan 12, 2012 09:32

緩和ケア
患者や家族の心身の痛みを和らげ、患者が自分らしい人生を全うするためのサポート役となる「緩和ケア」。医療従事者だけでなく患者や家族、将来患者になるかもしれない健康な人にももっと知ってもらいたい。「自分らしい人生は一人ひとり異なります。本人が自覚していないと、周囲は何を支援すればいいのかわかりません。健康なうちにぜひ一度、死と向き合ったときに何を優先したいのか考えてほしい」。「緩和ケアはがん医療で取り上げられることが多いですが、本来、あらゆる医療の基礎。がんとは無縁だと思っている人も関心を持ってください」。岡山大漢和医療学講座教授・松岡順治さん。(朝日新聞・伝えたい より)
Jan 11, 2012 09:26

なぜ死の前日まで詠み続けたのか
なぜ人は死の直前まで自分を見つめ、表現し、記録しようとするのだろうか。実は私の妻、歌人の河野裕子は乳がんで昨年死去したが、彼女は死の前日まで歌を作り続けた。鉛筆を持つ力が無くなると、口述筆記で家族の誰かが歌を記録した。それらの歌は彼女の最終歌集『蝉声』(青磁社)にまとめられた。なぜそうしてまで歌を作り続けるのか。解けない謎ではあったが、最近になって、、それは最期の瞬間まで、いかにしたらもっとも自分らしく生きれるかを本気で考えた末の行為だったのだろうと思うようになった。戸塚洋二の場合も河野裕子の場合も、もっとも自分らしい最期を全うするために、他の誰のためにでもなく、一方は科学者として、一方は歌人としての短歌を残していったのだろうと思うのである。(朝日新聞)
Jan 09, 2012 09:38

がんと闘った科学者の記録
立花隆がまとめた戸塚洋二の『がんと闘った科学者の記録』(文芸春秋)は、素粒子ニュートリノに質量があることを発見し、ノーベル賞は確実と言われていた戸塚に、突如大腸がんが見つかった後の11カ月の自己観察の記録である。戸塚が最期の最期まで、科学者として自分のがんを(冷静すぎるほど)冷静に観察し、記録していたことに驚かされる。悔しさはどうしようもないだろうに、それは極力抑え、CT画像から自分のがんのサイズをグラフ化し、治療法との相関を求めるなど、その物理学者魂には圧倒されるばかりだ。(朝日新聞)
Jan 08, 2012 10:13

「あなたのがんは あなたそのもの」
「がんは自分の外にいる敵ではない。/ 自分の中にいる敵だ。/ あなたのがんはあなたそのものである。/ がんには、生命の歴史がこめられている。/ がんの強さは、あなた自身の生命システムの強さでもある。/ だからこそがんという病気の治療は一筋縄ではいかない。/ がんをやっつけることに熱中しすぎると、実は自分自身をやっつけることになりかねない。/ そこにがん治療の大きなパラドックスがある。」 この箴言風な、あるいは詩的な立花の言葉は、正しくがんの本質に届いている。(朝日新聞)
Jan 07, 2012 09:10

がん研究 最前線の記録
『がん 生と死の謎に挑む』(文芸春秋)は立花隆がNHKの特別取材班と一緒に記録した、がん研究の最前線の記録である。自らの膀胱がんの経験から出発し、文献を読み、世界の研究者にインタビューしてなした一大ドキュメンタリーとして、NHKスペシャルなどの番組ができた。立花は膨大な情報の咀嚼力とともに、個々の情報からがんの正体を見破ろうとする視線の射程と広さにおいて、現場の科学者以上の展開を見せることも多い。何より本書において頻出する「まだ分かっていない」という言葉に私は大きな信頼を抱く。それこそががん研究の最前線なのである。(朝日新聞)
Jan 06, 2012 16:20

妻恋いの書
川本三郎『いまも、君を想う』(新潮社)も、妻を看取った記録であるが、タイトルの叙情性が全編に揺曳する妻恋いの書といったほうがいいだろう。妻に食道がんが見つかり、その後の3年という時間の短さを妻と共有する。子供がいなかったゆえに2人だけの濃い時間を共有してきた川本が、その時間を再現しつつ語る妻の思い出はほのぼのと明るい。津村節子は、舌がんと膵臓がんで逝った夫吉村昭との最後の日々を、小説として『紅梅』(文芸春秋)に綴った。お互いの感情の描写は、登場人物の思い出として冷静に客観化され、かえって痛々しい。日常のリアルな時間が書きとめられながら、言葉のひとつひとつからは日常の埃がきれいに洗い流されている。裸になった感情の核が、風に揺れる蔓科植物の蔓のように、お互いに相手を求めて揺れつつ絡みあっているようだ。しんと静かな死後という時間が、現在計で津村のなかに続いていることを知る。(朝日新聞)
Jan 05, 2012 11:47

がんセンター総長、がんの妻を看取る
『妻を看取る日』(新潮社)は、国立がん研究センター名誉総長、垣添忠生が妻の死までも見つめた記録である。医学部を出たばかりの若い研修医が、アルバイト先の病院で、12歳も年上の女性と恋に落ちた。家族の反対にあい、駆け落ちをする。はるか後年、夫はがんセンター総長となり、あろうことかその妻が肺がんにかかる。物語の始まりである。がんを専門とする医師が、自分の妻の病気に気づかなかった自責の念。しかも専門であるがゆえに、現在のがん治療の限界は誰よりもよく分かっている。もっとも印象的なのは、いかに学会の権威といえども、その妻の最期にあっては、研究者・医師という立場を捨て、ひとりの夫として妻の時間に寄り添わざるを得ないという姿であった。(朝日新聞)
Jan 04, 2012 09:20

がんと向きあう6冊
自分ががんになった。最愛の家族をがんで失った。そんな日々を綴った文学がある。なぜ人は死を表現したり、記録したりしようとするのか。昨年、妻をがんで亡くした歌人の永田和宏・京都産業大総合生命科学部長に、がんに関する読書案内を寄稿してもらった。日本人の死因のトップはがんである。3人に1人はがんで死ぬという時代。がんという病気の特徴は、その時間性にあると私は思っている。手術などで第一の危機を乗り切った後は、再発という不安に耐える時間が残される。再発となると、現在決定的な治療法はなく、家族も本人も、死を否応なく見つめながら、ゆっくりとした歩みを刻むことになる。がんは不意打ちの死ではない。時間とどう昵懇になり、どう折り合いをつけるか。患者にも家族にも課せられる重い問いとなる。(朝日新聞)
Jan 03, 2012 10:52

がん対策 どう変わる?
第2期では、どんな点が変わるの?小児がん対策が追加される見通しだ。これまでは成人患者が大半を占める胃や肺、大腸、乳、肝臓のがんを対象とした対策がほとんどだった。患者会代表の天野慎介・同協議会会長代理は「患者の『社会的痛み』と呼ばれる就労の問題や治療費の経済的負担の問題などへの対策も盛り込みたい」という。焦点の一つは、たばこ対策がどう盛り込まれるか。確実にがんの原因になっているにもかかわらず、政府内で調整がつかず、現行の計画は、成人のたばこ対策が抜け落ちている。今後の予定は?来年2月頃に基本計画の改定について一般からの意見を募り、今年度内に閣議決定する。(朝日新聞)
Nov 20, 2011 08:30

がん対策 何が変わった?
厚生労働省健康局の鷲見学がん対策推進室長は「がん診療連携拠点病院や相談支援センターなど対策を推進していく基盤と枠組みができた。必要な予算を確保する上の柱ができた点も大きい」と言う。一方、同省の外山千也・健康局長は「他の疾病対策にもたらした影響も少なくない」と評価する。がん対策基本法が施行されるまで、結核予防法を廃して感染症方に統合するなど、個別の疾患名を冠した法律から大きな枠組みの法律への転換が進んでいた。がん対策基本法はそういた傾向に一石を投じ、昨年1月に施行された肝炎対策基本法につながったという。基本計画の改定に関わるがん対策推進協議会の委員20人のうち5人が患者。これも画期的なことと言う。(朝日新聞)
Nov 19, 2011 08:42

がん対策推進基本計画の成果
目標の達成度は?相談支援センターの設置や、放射線治療や化学療法部門の設置などは目標を達成したが、検診の受診率など達成が絶望的な目標もある。基本計画づくりの根拠となっているがん対策基本法は」どんな法律?2007年12月に胸腺がんのため58歳で亡くなった山本孝史・参院議員らの尽力でできた。がん対策の基本理念や基本施策を記した法律だ。がんの克服を目指して基本計画をつくり、がん医療の地域格差をなくすことなどを定めている。基本法ができた背景には、海外で承認されている抗がん剤が国内では未承認という「ドラッグラグ」や、希望する治療が受けられる施設を探して病院を転々とする「がん難民」の解消などを求める声の高まりがあった。(朝日新聞)
Nov 18, 2011 08:13

がん対策推進基本計画
がん対策推進基本計画ってどんな計画?2007年4月に施行された「がん対策基本法」に基づくもので、国や都道府県などのがん対策の基本的な方向を示す。対策を実施する上での基本方針は①がん患者を含む国民の視点に立つ。②重点課題を定め、総合的かつ計画的に、という2点だ。10年以内に75歳未満のがん死亡率を20%減らし、すべてのがん患者・家族の苦痛を軽減して療養生活の質を向上させることを全体目標として掲げる。具体的な対策は?重点課題は3つ。①放射線療法(治療)と抗がん剤による化学療法の推進と、それぞれの専門医の育成。②患者と家族が質の高い療養生活を送れるように治療の初期段階から痛みを和らげる緩和ケアを導入し、在宅療養を充実。③治療や生存率などを分析できるようにするための「がん登録」の推進の3点だ。(朝日新聞)
Nov 17, 2011 08:06

肺がんの新しい原因遺伝子
新しい肺がん遺伝子「EML4-ALK」は、62歳の男性肺がん患者の細胞から見つかった。2種類の遺伝子「ELM4」と「ALK」が何らかの理由でそれぞれ途中でちぎれ、くっついてできていた。EMLは細胞の骨格を作るたんぱく質、ALKはたんぱく質の活性化などの役割を担う「リン酸化酵素」の遺伝子だ。発見者の間野博行・自治医科大教授(東京大特任教授)は2006年、初めてこの遺伝子を見たとき、信じられなかった。ちぎれた二つの遺伝子がくっついた融合遺伝子は、間野さんの本来の専門分野、血液がんではよく知られている。しかし教科書には、肺がんや胃がんなど、「固形がん」には融合遺伝子はない、と書かれていた。「血液がんと固形がんは別の仕組でできると考えられていた。教科書を覆す発見に驚いた」と間野さんは振り返る。(朝日新聞)
May 12, 2011 08:51

がん化リスク低下も
皮膚などの細胞を iPS細胞(人工多能性肝細胞)にせず、直接、必要な細胞に作り替える「ダイレクト・リプログラミング」の研究が活発化している。九州大の鈴木敦史准教授は、肝臓細胞の直接作製に取り組む。鈴木さんは「この手法は、患者の細胞から作れるという、iPS細胞と同じ利点がある。さらに移植すればがん化するiPS細胞を作らないことで、リクスも下がって有利と思う」と話す。
May 10, 2011 08:56

被災者対象「がん電話無料相談」
東日本大震災で被災された人を対象に、「がん無料電話相談」を設けています。主治医と連絡が取れなくなった、通院できず抗がん剤などの治療を中断せざるを得なくなったなど、被災して困っている問題について、専門医が電話で可能な限りお答えします。がんの種類は問いません。土日祝日を除く毎日。午前10時から正午まで。フリーダイヤル0120-822-355 日本対がん協会 (朝日新聞)
May 09, 2011 09:00

余命と死亡率
余命はどうやってわかるの。患者の年齢や体力などで個人差が大きく、正確に知ることはできない。一般論として、5年生存率の曲線などから推測するしかない。死亡率というのもあるが生存率と違うの。死亡率を計算する時の分母はその地域の人口全体。生存率は分母が患者だけなので、まったく違う。国民全体の人口を分母にして出した死亡率の比較が日本人の死亡原因の順位だ。がんが1位、2位が心臓病、3位が脳卒中だ。(朝日新聞)
May 08, 2011 09:38

がん「5年生存率」
どうして5年で区切るの。がんになった人は最初は100%生存しているが、時間が経つにつれ減ってくる、グラフにすると右肩下がりの曲線を描く。ところが多くのがんでは5年を過ぎると曲線が平らに近くなり、がんによる死亡がほぼ無くなる。だから5年で区切ることが多い。(朝日新聞)
May 07, 2011 09:38

がんの生存率
がんの「生存率」はどのように計算するの。生存率でよく使われるのが「5年生存率」。がんと診断された人のうちどれくらいの人が5年後も生存しているかを表す。全国的な統計はなく、病院や学会がそれぞれ集計している。「がんの種類や進行度、治療法によって生存率は異なる。生存率を参照するときは注意が必要だ」と国立がん研究センターの祖父江友孝がん統計研究部長は話す。(朝日新聞)
May 06, 2011 08:43

がんになる要因
がんになるのは、ほかにどんな要因があるの。米ハーバード大ががんで死亡した人を分析したところ、最も大きい要因は喫煙(30%)と食事・肥満(30%)だった。塩分は胃がんのリスクを高めることが分かっている。日本人の場合、食事・肥満が占める割合はもう少し低くなるとみられている。(朝日新聞)
May 05, 2011 09:55

遺伝性のがん体質
血液を約10CC採り、原因となる遺伝子に異常がないか調べる。「遺伝子診断」と呼ばれ遺伝子外来などで相談できる。がん研有明病院遺伝子診療センターの新井正美医師は「遺伝子の変化が分かれば、がんを早く発見して治療するため、計画的に検診するなど予防を心がけ生涯にわたりケアする」という。(朝日新聞)
May 04, 2011 19:21

がんと遺伝子
がんになりやすい体質になる遺伝子とは。細胞の増殖を調節するブレーキ役の遺伝子や増殖を促進させるアクセル役の遺伝子に変異があると、がんを抑えられなかったり、がんが増え続けたりする。このような遺伝子の変異があるとがんになりやすい体質と考えられる。遺伝性で多いがんは。遺伝性の乳がんと大腸がんだ。遺伝性のがんは家系に同じがんの患者が複数いたり、何回もがんにかかっている人がいたり、若いうちから発症している人がいたりするのが特徴だ。(朝日新聞)
May 03, 2011 09:24

がん家系はある?
「うちはがん家系」と言う人がいるけれど、がんは遺伝する病気なの? がんの原因は、喫煙や食べ物の偏りなどさまざまだが、遺伝の影響は5%ほど。一種類の遺伝子に異常があるとほぼ確実にがんになるリスクの高い要因から、複数の遺伝子と生活習慣などが複合的に影響してがんになりやすくなるという弱い要因まである。(朝日新聞)
May 02, 2011 09:48

がんの罹患状況
国立がん研究センターのまとめでは、2005年にがんと診断された男性では、一番多かったのは胃がんで、肺がん、前立腺がんが続いた。女性は乳がんが一番多く、胃がん、結腸がんが続いた。死亡者数では、男女合わせると、肺がんが一番多く、次いで胃がん、肝臓がんが多い。(朝日新聞)
May 01, 2011 09:20

心臓がんは治る?
良性の腫瘍は手術で取れる。でも、がんは進行が早くほとんど手術ができない。放射線治療や化学療法もほとんど効かない。どうして心臓のがんは少ないんだろう。一般に人の体は細胞が分裂して増殖を繰り返している。この過程で遺伝子が傷ついて変異が起き、増殖が制御できなくなると、がんになるものがある。心臓の細胞は、生まれてすぐに分裂が終わっているので、細胞に異常がおこりにくく、がんになりにくいと考えられている。(朝日新聞)
Apr 30, 2011 09:35

心臓にがんは発症する?

いろんながんがあるけど「心臓がん」という言葉は聞かないね。ごくまれに見つかる。亡くなった後に解剖する例のなかで、心臓に腫瘍が見つかるのはわずか0.1%。このうち多くは良性で、がんは3割しかない。腫瘍はどこにできるの。多くは心臓の壁の内側にできる。多いのは粘膜腫と呼ばれるゼリー状でおできのようなものだ。腫瘍ができると、胸が痛くなったり、苦しくなったりするの。症状がないこともあるが、心臓の筋肉がきちんと動かなくなったり、脈が乱れたりする場合もある。腫瘍が心臓の弁をふさぎ、血液がスムースに流れなくなることもある。(朝日新聞)

 

Apr 29, 2011 13:52

がん診療連携拠点病院
都道府県がん診療拠点病院の役割は、がん医療体制の充実や人材育成などに向けた様々な取り組みの、地域における「核」となること。例えば、佐賀県ではこれまで、4カ所のがん拠点病院が個別にプログラムを組み、がん検診の啓発活動や公開講座を実施していましたが、内容が重複したり地域差が生じることもありました。そこで、佐賀大学医学部付属病院が中心となって協議会を発足し、効率的な活動が推進できるよう調整しています。また心材育成についても、院内に「がんセンター」を正式発足させ、専門医教育はもちろん、開業医やメディカルスタッフを対象とした研修会などを実施中です。(朝日新聞)
Apr 19, 2011 09:36

近年のがん発症傾向

以前は第一位だった胃がんによる死亡者数が減少に転じる一方で、肺がん、大腸がんによる死亡者数

が増えています。また罹患率を見ると、男性は前立腺がん、女性は乳がん、子宮がんの患者数増加が顕著です。「血液のがん」である悪性リンパ腫も、高齢者に多い疾患であるため、高齢者比率の高まりに伴って患者数が増えています。高齢者の白血病も、同様の理由で増えていますね。胃がんの死亡率が下がっているのは、消化器内視鏡検査などによる早期発見が高まったこと、ピロリ菌除菌治療が普及し始めていることによるものと思われます。(朝日新聞)

Apr 14, 2011 09:11

がん患者に口腔ケア 7
がん患者の口腔ケアの要望は現場では高いものの、公的医療保険が認められているのはごくわずか。今年4月に頭頚部の一部のがんについて、手術した後で2カ月以内に、月1回のケアが認められた程度だ。利益を見込めずに十分な数の歯科スタッフをおけない病院や、患者の要望を受けて手弁当でケアをしている病院もあるという。保険の適用が限られているのには、口腔ケアと治療成績の関係を裏付ける科学的なデータが乏しいことが背景にある。このため大学病院など複数の医療機関では共同で大がかりな臨床研究を計画している。(朝日新聞)
Apr 08, 2011 11:03

がん患者に口腔ケア 6
静岡がんセンターの大田医師によると、具体的なケアは看護士に尋ねるといいという。かかりつけの歯科医がいるなら、自分ががん治療に入ることを伝え、虫歯や歯周病の治療を頼む。かかりつけがなければ、病院か地域の医師会に相談する。がんの治療中は、状態を見ながら自分でケアすることになる。口の中の粘膜が敏感になり刺激に弱くなるため、専用の軟らかい歯ブラシや刺激の少ない歯磨き剤、保湿剤が開発されている。病院の売店やインターネットで買うことができる。(朝日新聞)
Apr 07, 2011 09:00

がん患者に口腔ケア 5
口腔内のトラブルは、治療が終われば、体力の回復とともにほとんどの症状が改善することもあり、がん治療での口腔ケアの大切さが余り語られてこなかった。しかし、いまは、患者を常に見ている看護師らが質の高い治療を求めて病院や医師、歯科医師側に対して対策に取り組むよう働きかける例が出てきているという。ただし、まだ医師と歯科医師との連携に限られる。連携の取り組みが無い病院で自分や家族ががんと診断されたらどうすればよいのだろう。(朝日新聞)
Apr 06, 2011 09:51

がん患者に口腔ケア 4
国立がん研究センター(東京都)も年明けから口腔ケアを始める方針。対象は初めて全身麻酔での手術を受ける患者(年間約4千人)のうち東京都と周辺の住む人だ。日本歯科医師会と連携、ケアを地域の歯科医に依頼して合併症の予防をはかる。先行する静岡県では最初、がん治療を受ける患者を診るのに慣れている歯科医が限られ、態勢を整えるまでに時間がかかったという。がんの告知直後で患者は口腔ケアを考える余裕がなくなりがちだ。意思疎通も重要で歯科医への講習には臨床心理士らの講義も組み込まれている。(朝日新聞)
Apr 05, 2011 09:26

がん患者に口腔ケア 3
ガン患者への口腔ケアが進む米国での調査では、抗がん剤治療を行う患者の4割に口内炎が起きた。その半分が重症の口内炎で、抗がん剤の量を減らしたり、治療を中断したりしなくてなならなかった。口周りに放射線を当てる治療では口内炎などのトラブルが起きる確率は100%だった。大田医師によると、頭頚部進行がん患者へのがん切除後の再建手術では、口腔ケアをした病院としない病院では、合併症の発症に差が出た。口の中の細菌を抑え、切除した部位を補うため移植した皮膚の壊死や肺炎のリスクを減らすという。(朝日新聞)
Apr 04, 2011 09:10

がん患者に口腔ケア 2
鈴木さんは入院前の1カ月、センターの紹介で近所の歯科医に4、5回通い、歯石を取り除いて歯磨きの指導も受けた、大田医師は「このケアの効果があった」という。口の中には無数の最近がいる。歯石の除去や歯磨きは細菌が増殖する場所を少なくするためだ。抗がん剤治療は正常な細胞にもダメージを与え、細菌を抑える免疫力が落ちる。放射線治療で唾液腺の働きが衰えて口の中を洗浄する力が弱まる。これらの理由で細菌が異常に増えて口内炎などが起きる。口やのどなどにできたがんへの外科治療でも傷口が感染しやすく、高い確率で合併症が起こる。(朝日新聞)
Apr 03, 2011 10:00

がん治療で口内炎

静岡県立静岡がんセンター(長泉町)は、2002年の開院のときから、一部の患者に口腔ケアをしている。食べるときにチクチクとした痛みを感じ、今夏、食道がんと診断された同県掛川市の左官業・鈴木由男さん(60)は10月下旬からセンターに入院、放射線治療を選んだ。約1週間後、鈴木さんは歯科口腔外科を受診し、大田洋二郎部長に「口内炎はないし、これといったトラブルはありません」と伝えた。静岡がんセンターでは、のどや上あご、甲状腺などの頭頚部がん、食道がんの患者を中心に口の中をケアしている。4年前からは地域の医師会との連携も始めた。

Apr 02, 2011 16:15

がん患者に口腔ケア
痛くて不快な口内炎、異常な口の中の乾き、食べ物がかめないほどの腫れ・・・・・。がん治療に入ると患者の口の中はトラブルが起きやすくなる。こんな合併症を防いで、さらに食べることを楽しめるようにと、がん治療医と歯科医らが連携を始めている。(朝日新聞)
Apr 01, 2011 09:18

病院に図書室やサロン
患者向けに「情報室」を設ける病院も増えている。東京女子医大病院(新宿区)には「からだ情報館」があり、病院を受診していない人も利用できる。病気に関する本や闘病記など約2000冊が置いてあり、「病気や治療法のことを知りい」といった相談に大学図書館の司書や元看護師らがのる。日に130人が利用するという。司書も医療技術などを1年間、学ぶ。担当の桑原文子さんと中西愛さんは「専門知識の無い人に対応するため、医師や看護師相手の図書館よりも大変」と口をそろえる。(朝日新聞)
Mar 25, 2011 09:48

がん難民をつくらない
「がん難民をつくらない」を合言葉に、様々な取り組みが広がってきた。国立がん研究センターは昨年7月、「がん対話相談外来」を開設した。事前の予約が必要で、医師だけでなく看護師が同席。26250円で患者や家族の相談に乗っている。電話による無料相談(平日午前10時~午後3時、0570-02-3410)も始めた。
Mar 24, 2011 11:19

がん教育基金
2人に1人ががんにかかり、3人に1人ががんで亡くなります。これほど身近な病気なのに、日本人はがんをよく知りません。保健の教科書にわずかな解説がありますが、学校で教えられた記憶はあるでしょうか。日本対がん協会はがん教育を実践するため1年前に「がん教育基金」を設け、個人や企業の皆様から寄付を募りました。それをもとに東大病院の中川恵一准教授が中心となり、子どもにもわかりやすいアニメ仕立てのDVDを制作しています。肉食を好みたばこを愛する中年男性「オッジさん」と友人のようにとりついたがん細胞「ガンちゃん」。共同生活を始めるうちにオッジさんはがんについて学び、検診を受けて早期発見に取り組みます。正しい生活習慣とがん検診、いかに大切かが理解できました。(日本対がん協会) 朝日新聞
Mar 22, 2011 09:17

からだ館がんステーション
山形県鶴岡市にある鶴岡タウンキャンパスには、慶応大の「からだ館がんステーション」がある。がんの予防、治療から死生観まで約1500冊が揃う。運営スタッフは地元の主婦ら。本探しを手伝うだけでなく、「治療後はどんな献立がいいのか」「主治医にうまく質問できない」といった相談にも応じている。当初はインターネットを使った情報提供を考えていたが、地域住民の要望で人を介した形での情報提供を目指した。来館したがん患者が月に1回ほど集まる「にこにこ倶楽部」もその一つ。乳がんの女性(65)は「からだ館のことをこどもが教えてくれた。患者の友達もできて元気をもらった」と話す。
Mar 21, 2011 18:04

最善求め2年 なお迷い 3
精密検査を受けたが、膵臓がんは見つからなかった。しかし、母親はみぞおち付近の痛みがひどく、寝ている時間が長くなった。抗がん剤治療を受けるか。受けるなら卵巣か膵臓か。あるいは緩和医療に切り替えるか。母親は最期のときに備え、自らホスピススに申し込んだ。男性は痛みのコントロールが最優先と考え、自宅で最期を迎えさせたいと考えた。男性が在宅医を訪ね歩くと「往診の範囲外」「今いる患者でいっぱい」。相次いで断られたが、何とか頼み込んだ。緩和医療は死を待つようで抵抗があるという父親も最終的には同意した。現在、母親は在宅医療チームによる痛みのコントロールを受けながら、自宅で過ごしている。
Mar 18, 2011 09:17

最善求め2年 なお迷い 2
その間、腫瘍マーカーの数値はじりじり上がり、卵巣がんの再発が疑われた。昨年夏、主治医は母親に2度目の抗がん剤治療を勧めた。副作用はもういやだと迷っていたところ、今度は定期検査で膵臓にかげが見つかった。慌てて同じ病院の消化器内科に行くと、若い医師はCT画像を見て「抗がん剤治療をやりましょう」。しかし、男性が自分で調べると、副作用は重いのに、1年生存率は高くない可能性が分かった。男性は膵臓がん患者団体の代表に連絡をとり、大学病院の医師を紹介された。その医師は「選択肢は三つ。内視鏡検査、様子をみる、何もしない」。別の病院の医師にも尋ねたが、同じ意見だった。続く・・・・。(朝日新聞)
Mar 17, 2011 09:01

最善求め2年 なお迷い
東京都内に住む男性(42)は、母親(77)が卵巣がんと診断された2年前から、最善の治療法が選択できるよう情報を求め歩いてきた。「常に先を考え、なるべく医師にも会うようにしてきた。それでも、納得のいく治療にたどりつくのは容易ではなかった」。主治医を選ぶ際は、病院ごとの手術件数が載る雑誌や、がんに関する本を読みあさった。その上でセカンドオピニオンを取り、実家に近い総合病院にかかることを決めた。卵巣がんは、腹膜や大腸にも広がっていた。術後の抗がん剤治療が始まると、母親は副作用の手足のしびれや食欲不振に悩まされた。体重も5キロ減り、途中で打ち切らざるをえなかった。何も治療しないことが不安で、母親は野菜中心の食事療法を試したり、免疫細胞療法を受けようとしたりした。気功や温熱療法も、20万円する「最新検査」も受けた。続く・・・。(朝日新聞)
Mar 16, 2011 10:37

がん難民にならないために
納得のいく治療法を選べなかったり、医師の説明に不満を抱いたり・・・・。がん患者の中には、情報や相談できる場を求めて、さまよう人たちも少なくない。こうした患者は「がん難民」とも呼ばれる。自分や家族ががんになったとき、どこに情報を求めればいいのか。続く・・・。(朝日新聞)
Mar 15, 2011 11:35

余命半年 がん治療拒否

「水戸黄門」「部長刑事」「銭型平次」などに出演し、名脇役として知られる俳優の入川保則さん(71)が、直腸がんのため余命半年を宣告されていることを明らかにした。抗がん剤による治療は拒否、残された時間で映画を1本作りたいという。「寿命ですから、喜んではいませんが、悲しんでもいません。冷静に受け止めています」。8日に都内であった記者会見。冗談も交えながら、しかし淡々と心境を語った。がんが見つかったのは沖縄での舞台公演中の昨年7月。ヘルニアで倒れ、病院で検査をしたところ、直腸がんがわかり、8月に摘出した。転移の可能性はあったが、4カ月続く舞台公演を優先。公演を終えて今年1月の再検査で、転移がわかった。「ふつうの方で、6カ月くらいで逝かれると言われました」。抗がん剤治療なども勧められたが、立ったり歩いたりできなくなり、芝居は無理かも知れない。「どっちにするか聞かれ、そのまま芝居をやらせてほしいから、一切の治療をお断りした。短くて元気な方をお願いしますと」。いまのところ、痛みはない。朝起きたらおなかがすいているし、夜になれば一杯飲みたい。「だいたい8月いっぱい」とされる余命の中で、まだ体の動く間に、以前から企画があった映画を1本作りたいという。「いままで関わりのあった俳優さんたちに一シーンでも出ていただいたらうれしい。思い出の作品になれば」。すでに沖縄に緩和ケア病棟のある病院を見つけていて、葬儀屋の手配も済ませた。人生にはいつかは死が訪れる。何年も前からそう考えてきたという。「死をはっきり納得し、自然体でいれば、そんなにあたふたして、怖がることはない。これがおれだったんだなと思えるはず。老醜をさらさないで去っていけるのを嬉しく思っています」。

 

Mar 11, 2011 19:23

食事療法でがんが消えた?
世の中では食事療法などでがんが消えたとの書籍が多く出ていますが、どのように考えますか。免疫力がどのくらい働いているのか、私どもが研究しなければならない課題です。残念ながら現時点では日本で、有効性が確立された免疫療法はありません。がんの免疫療法は研究途上と言わざるをえないんです。免疫という言葉が過剰に使われすぎている感じがします。(朝日新聞)
Feb 24, 2011 08:57

がんの告知
医師から家族にがんと伝えられたとき、患者本人に事実を伝えるべきですか。基本的にはがんの告知はすべきです。後でがんだとわかると、患者さんは後悔することが多いです。治療の段階ごとに、どの治療を選ぶか患者本人が決めるべきです。ですから、初めからうそをついてはいけません。(朝日新聞)
Feb 23, 2011 09:41

セカンドオピニオン
セカンドオピニオンの利用法と、主治医の気を悪くさせずに別の医師に治療法を聞く方法はありますか。セカンドオピニオンをちゅうちょしないでください。自分の病状や治療法を聞くのは、患者さんの権利です。それに怒る医師というのはおかしいです。むしろ質問したほうが医師との関係は良くなると思います。(朝日新聞)
Feb 22, 2011 09:04

がんは遺伝する?
がん自体が直接遺伝するとこは普通ありません。ただし、起きやすいような家系は存在します。がん細胞の増殖を抑えるブレーキの遺伝子の利きが悪い家系があります。家族にそういう方がいれば、まめにチェックするなどの対策ができます。(朝日新聞)
Feb 21, 2011 09:30

分子標的薬
分子標的薬には二つあります。一つは、実際にうそつきで、細胞をがんに導いているうそつき遺伝子を直接やっつけるタイプの薬。こちらは、劇的な治療効果をもたらします。ところが悪い点は、このうそつき遺伝子が無いがんにはまったく効かないわけです。つまり治療効果は大きいけれど、狭い範囲のがんにしか効かないのです。もう一つは細胞の精鋭部隊のメンバーのうち、直接発がんに関与していないものを抑えるタイプです。ことらは効果が弱いのですが、広い範囲のがんに役立ちます。その一つに、血管新生阻害剤があります。がんが増える際には、何とかして自分の腫瘍の中に血管を呼び込み、血流をたくさん引っ張ろうとします。血管を増やす成長因子ヲブロックすると多くのがんに効くのではないかということが予測され、大腸がんに効くベバシズマブ(商品名アバスチン)、腎臓がんに効くソラフェニブ(商品名ネクサバール)といった薬が出てきました。(朝日新聞)
Feb 16, 2011 11:11

なぜ、がんが起きる?
なぜ、がんが起きるのか。実はその精鋭部隊の一つがうそつき、オオカミ少年になってしまうんです。シグナルが来ていないのに、常に「シグナルが来たよ!」とうそをついて、恒常的に増殖システムをオンにしてしまう。これが、我々の体の中に起きるがんなのです。なぜうそつきになるかというと、その精鋭部隊の遺伝子上に様々な形で異常が生じるからです。分子標的治療薬というのは、細胞の増殖をつかさどる精鋭部隊の遺伝子の機能を抑える薬のことです。(朝日新聞)
Feb 15, 2011 10:41

なぜ、がんになる?
われわれの体の細胞は、なぜがんになるのでしょう。一つひとつの細胞は、細胞膜という脂でくるまれています。外から様々な刺激がきても、膜に入っていけません。細胞は、外からのシグナル(たんぱく質)を表面で受取るたんぱく質を持っています。このたんぱく質を受容体といいますが、細胞を増やす刺激「成長因子」を受取る受容体が細胞ごとに存在しています。これら受容体およびそのシグナルを細胞内で伝える(経路を作る)遺伝子群はいわば「遺伝子の精鋭部隊」で細胞が増えるメカニズムを専門的に調整しています。続く・・・。(朝日新聞)
Feb 14, 2011 09:42

地域におけるがん医療連携
かかりつけ医やコメディカルまで含めた多くの職種の医療スタッフが、地域のがん医療チームとして一丸となることで、がん医療体制の充実が図れるのです。もちろん患者さんやそのご家族の理解と協力も、がん医療のチーム力を強化する重要な要素の一つ。福岡県がん診療連携協議会の研修・教育事業の一環として、近日中に九州大学病院主催の市民公開講座を開催する予定です。関心のある方は是非ご参加いただきたいと思います。(朝日新聞)
Feb 12, 2011 09:47

がん診療連携拠点病院
がん医療体制の充実や環境の改善、がん医療に携わる人材の育成など、地域の実情に合わせた様々な取り組みの核となるのが、「都道府県がん診療連携拠点病院」です。福岡県を例にあげると、国立病院機構九州がんセンターと九州大学病院が連携拠点病院に指定されており、両病院の連携協力体制のもと、県内各地域にある拠点病院間の連携や調整、緩和ケアの推進、治療成績などのデータを把握するためのがん登録の推進、人材教育や研修の推進などに取り組んでいます。(朝日新聞)
Feb 11, 2011 09:56

重粒子線治療センター 13年春開業
がんを切らずに重粒子線で治療する「九州国際重粒子線がん治療センター」の新築工事安全祈願式が27日、佐賀県鳥栖市であり、同県の古川知事や橋本市長ら役50人が出席、工事の安全を祈願した。センターは11200平方メートルの敷地で、鉄筋コンクリート3階建て。2012年10月ごろ建物は完成し、2013年春に開業予定。施設建設や装置購入にかかる費用は約150億円。このうち企業、個人寄付などで119億円が集まったという。(朝日新聞)
Jan 28, 2011 10:52

ワクチン開発 政府は推進を
ワクチンの開発には時間もお金もかかります。政府の取り組みに対し、感染症学会はどう考えますか。ワクチンは開発されてから、安全性と効果が確認されるのに長い時間が要ります。C型肝炎やピロリ菌はまだ基礎研究の段階。ワクチンが必要だという国民の理解が欠かせません。政府も推進していくべきです。(朝日新聞)
Jan 27, 2011 17:27

感染症で起こるがん
本来違う病気である感染症とがんですが、「感染症で起こるがんがある」とわかってきました。感染症で慢性の炎症が続くと遺伝子にも障害が及びます。がんの第一歩は遺伝子の障害なので、感染症でがん化が起こることがわかってきたのです。胃がんにつながるピロリ菌、ウイルスでは成人T細胞白血病のHTLV-1、肝臓がんのB型肝炎ウイルスとC型肝炎ウイルス、子宮頸がんのヒトパピローマウイルス(HPV)などがあります。子宮頸がんは若者にも起こり、罹患割合が高い。原因となる感染症の予防・治療でがんが予防できれば、多くの人が苦しまずにすむはずです。(朝日新聞)
Jan 20, 2011 09:52

感染症 がんの第一歩
感染症とがんは、診療するうえでまったく縁がない病気ではありません。治療の仕方も似ています。抗がん剤として検討された薬が感染症のエイズの治療薬になったり、感染症に効かなかった薬が抗がん剤として効いたりという例もあります。しかし、一般的には体の外からかかる病気「感染症」と内側から起こる「がん」は、まったく違う病気と考えられています。18世紀に天然痘の予防接種が始まり、感染症は予防や治療の可能性が大きい病気になりました。1980年に天然痘の根絶宣言が出たように、予防接種には一つの病気をなくしてしまうくらいの力があります。(朝日新聞)
Jan 19, 2011 10:17

◆女性へ無料レンタルサロン
「髪は女の命。失うつらさは経験者にしか分からない」とゴランティアスタッフの満安諏美さん(64)。自身も30代で乳がんを患い、2回の再出発を乗り越えた。訪れた患者に「私も3回したけん」と切り出し、揺れる心に寄り添う。医療費や子の学費のためと、高額なかつらをあきらめ、自宅にこもりがちになる患者を数多く見て来た。「人目を避け、ふさぐばかりでは元気になれない」と言う。もう一人のスタッフも元がん患者だ。「克服した人の存在と、女性としての自信を、闘病の力にして欲しい」とウイッグリングジャパンの上田あい子代表(36)。サロンの予約やかつらの提供は事務局(092-725-6623)へ。(朝日新聞)
Nov 07, 2010 10:26

◆「髪は命」経験者ら提供・運営
女性はスキルス性胃がんの転移で、抗がん剤治療を始めたばかり。「髪がごっそり抜けたときは涙が出た。私だけは抜けずにすむかも・・・・と淡い期待もあったから」と話す。衣料用かつらは1着10万円以上と聞き、購入を迷っていた。「無料なのが本当にありがたい」と、選び抜いた1着をかぶって帰宅した。サロンは7月7日にオープンした。抜けた髪が再び生えるまで約8カ月かかることから、かつらは1年間無料で貸し出し、途中1回は変更もできる。予約制で、毎週月曜と水曜の2日間のみの運営だが、オープンから43人が利用した。(朝日新聞)
Nov 03, 2010 10:54

◆がん患者つなぐかつら
抗がん剤を使った治療で副作用の脱毛に悩む女性のため、かつらを無料で貸し出すサロンが福岡市・天神にある。女性患者の闘病支援をしている団体「ウイッグリングジャパン」(福岡市)が、元患者から不要になったものを集め、がんを克服したスタッフと7月から運営している。女性にとって大切な髪を通し、患者と元患者をつなぐ輪が広がっている。天井までの高さの棚に、約100個の「かつら」が並ぶマンションの一室。鏡に向かって試着を繰り返す50代の女性の周りで、スタッフや付き添いの親族が声を弾ませた。「すごく素敵」「つやが自然でいい感じ」。こわばっていた女性の顔に笑みが広がった。続く・・・・。(朝日新聞)
Nov 01, 2010 14:52

◆がん患者の経済負担重く
以前なら、再発すれば、もう打つ手がなかったがんでも、今は次々に新しい抗がん剤が使えるようになって、長生きできるようになりました。そtれはありがたいことですが、開発に莫大な費用がかかる新薬の薬価は、どれも半端でなく高額です。価格も知らないまま治療を受け、いざ会計をする段になって手持ちのお金では間に合わず、あわてて病院のATMに走ったという患者仲間も多いのです。人工透析は週3日通院し、1日当り6時間もベッドに縛りつけられる大変な治療ですが、患者の負担額は月1万円以下です。パーキンソン病などの神経難病も特定疾患として医療費は国庫負担です。ところが、がんの治療は、公的補助のはざまに置き去りにされています。治療費が払えないので抗がん剤を断る患者もいます。新しい治療法が開発されるにつれて、がん患者の経済的負担はますます深刻になり、命は続くけれど生活は続かないという追い詰められた事態になっています。どうすればいいのか。患者同士、顔を見合わせ、ため息をつくばかりです。(西日本新聞・波多江伸子の続楽しい患者ライフより)
Oct 23, 2010 10:48

◆がんワクチン 保険請求、違反か 東大医科研
東京大医科学研究所付属病院で2008年に行われたがんペプチドワクチンの臨床試験で被験者に消化管出血が起き、被験者を選ぶ基準を変えながら、医科研が同種のペプチドを提供する他施設に知らせていなかった問題で、清木元治所長らが15日、記者会見した。臨床試験の費用の一部を公的医療保険に請求し、原則禁止されている混合診療にあたる可能性を認識していたことを明らかにした。厚生労働省が認めた先進医療などは混合診療が認められているが、それ以外は原則禁止。未承認の薬や医療機器を使う診療をすると、未承認部分だけでなく、併用する薬や診察・検査費用も公的医療保険に請求できない。当時の病院長の山下直秀教授によると、同病院は臨床試験のすべての費用を研究費で賄えなかったため、未承認のペプチドと併用する既承認の抗がん剤の費用や再診療などを公的保険に請求していた。(朝日新聞)
Oct 17, 2010 10:02

◆がん克服・韓国人テノール歌手 ベーさんの歌声響く
「アジア最高のテノール」と呼ばれた歌声を甲状腺がんで一度失いながら、過酷なリハビリを経て奇跡の復活を遂げた韓国人歌手ベー・チェチョルさん(41)が、9月27日、志免町の栄光病院ホスピス病棟を訪問、患者ら約100人の前で歌声を響かせた。世界各地の歌劇場でオペラの主役を演じて活躍していたベーさんは2005年10月、甲状腺がんに襲われ、その摘出手術で声帯と横隔膜の神経を切断、声を失った。しかし日本のファンの支援により、翌年、京都市で声帯機能の回復手術を受けた。「歌声は自分の人生であり、命。それを捨てることはできない」 リハビリを続け、舞台で歌えるまでに回復した。ベーさんは「この声は、私が来日したとき親切にしてくれた日本の皆さんを通じて、天からいただいたものだと思う」と話し、「聴いた方の心の力に少しでもなればうれしい」と賛美歌など4曲を披露した。(西日本新聞)
Oct 16, 2010 17:44

◆リンパ浮腫を学ぶ会
17日午前10時、佐賀市兵庫町藤木のほほえみ館。佐賀大医学部付属病院産婦人科の医師中尾佳史氏らがリンパ浮腫について講演。セルフケア講習もある。無料。事前申込み必要。申込み、問い合わせは佐賀県武雄市の「リンパ浮腫を学ぶ会」 高田さん 0954-23-5680 まで。
Oct 15, 2010 12:42

◆がんを学ぶ 篠栗1泊セミナー
NPO法人・がんを学ぶ青葉の会「医と食を考える」篠栗1泊セミナー。16日午後1時~17日午前11時、福岡県篠栗町の同県立社会教育総合センター。①講話「病気になる近道」(刀坂成子・福岡自然食の会副会長) ②がん患者2人の体験発表「手術をしないで末期胃がんからの生還」「悪性リンパ腫を克服」 などがある。参加費2500円。(宿泊代と会場費) 日帰り参加も可。事前申込み必要。申込み・問い合わせは松尾さん、090-3193-9676まで。(西日本新聞)
Oct 14, 2010 21:46

◆「エコナ」販売中止1年 発がん性検証 道半ば

体内で発がん性物質に変わる恐れのある成分が含まれていることがわかり、花王が特定保健用食品(トクホ)の食用油「エコナ クッキングオイル」の製造販売を中止して、9月16日で1年になる。「グリシドール脂肪酸エステル」が一般の食用油より多く含まれることがわかったためだった。消費者庁はトクホの表示許可取り消しを検討しようとしたが、同社が表示許可を返上する失効届けを提出。食品の安全性を科学的に評価する食品安全委員会は、問題となった成分の危険性を検討するとし、消費者庁はトクホ制度の見直しを打ち出したが、今もはっきりした結論は出ていない。(朝日新聞)

Oct 08, 2010 20:37

◆各地で開催広がる。来年は熊本も
沖縄県では昨年から毎年3月に開催。今年は会場の北谷公園陸上競技場に約1200人が集まった。来年も3月の予定で、そのPRを兼ねたプレイベントを10月23日に開く。プレイベントは那覇市の奥武山陸上競技場で午前10時から午後8時まで歩く。問い合わせは事務局(098-968-5211)へ。熊本県では来年5月の初開催に向けて準備中。実行委員や参加者を募集している。問い合わせは事務局(096-384-1011)へ。(朝日新聞)
Sep 12, 2010 09:25

◆がんと向き合う24時間ウオーク
大分県では2008年10月、九州で初めて開催された。3回目の今年は大分市横尾の大分スポーツ公園で10月9日午後1時スタート、翌10日午後1時ゴール予定だ。実行委員長の平野登志雄さん(51)は「念に1回、元気で集まり、交流することで、また1年、がんと向き合っていこう、という希望につながる」と話す。大分大会の問い合わせは日本対がん協会大分支部(097-632-2167)へ。(朝日新聞)
Sep 11, 2010 21:12

◆リレー・フォー・ライフ
1985年に米国で始まったがん患者の交流イベント。患者やその家族、遺族らがリレー方式で24時間歩き、交流する一方、がんの予防や治療、研究を進めるための寄付を募る。現在は全米約5千カ所、世界20カ国以上で開催。日本では2006年9月、茨城県つくば市で初めて開催された。今年は18都道府県20会場。共に歩き、語らいながら勇気づけ合い、希望を見出そうという趣旨だ。会場では日本対がん協会の無料電話相談や検診促進、専門医育成などにあてる寄付を募るほか、亡くなった患者をしのんでキャンドルをともすルミナリエなども催される。(朝日新聞)
Sep 07, 2010 09:04

◆時にはすっきり身辺整理を
もう20年以上も前、がんの患者さんの意識調査をしたことがあります。「告知を受けた後、まず何をしましたか?」という質問に、女性の場合は「押入れや台所を片付けた」と答えた人が圧倒的多数でした。調査の相手がたまたま年配の女性たちだったせいか、その理由に「だらしない義母だとヨメに思われたくないから」とあったのが笑えました。男性たちの回答は「人に見られたくないものを捨てた」というものでした。裏ビデオとかあやしい領収証とか。「家族をがっかりさせたくないから」という理由だそうです。時に思い切って身辺整理をするのも悪くないですね。さて、がんを告知されたわけでなないのですが、私はこの夏、家中を整理しました。じっとしていてもたまらない猛暑。いっそ、とことん汗をかこうじゃないのと半ばやけっぱちの大掃除です。10年ほど前、両親が亡くなった後の実家に引っ越してきましたので、いまだに親の代からの本や荷物がいっぱい残っています。築45年の古家に積もりに積もったゴミや不用品を、自他ともに認める「片付けられない女」の私が、ひとりで思案しながら一週間かけて片付けたのですよ。若い頃住んでいたアパートで、私があまりにも整理下手なので、見かねたご近所さんが押入れの中をすっきり片付けてくれたのはいいのですが、その彼女が連れ合いの転勤で急に引っ越して行ったものですから、何がどこにあるか分からなくなりました。引越し先まで電話して「私の冬の靴下どこにあるの?」と聞かなくてはならないほど瀬いる整頓に関しては主体性がない人間なのです。その私が片付けの法則を発見しました。<新しくて高価なものは処分しやすく、思い出のこもった古いガラクタほど捨てられない>。例えば、台所の片隅で見つけた息子の幼稚園の頃の小さな弁当箱とか。<自分の持ち物は処分しやすいが、亡くなった家族のものは処分しにくい>。大事な「ガラクタ」は、しっかり記憶に焼き付けて心の倉庫に移し替え、現物はすべて処分するという大英断を下し、とりあえず、家の中はすっきりしました。(西日本新聞・波多江伸子の続・楽しい患者ライフ より)
Sep 05, 2010 08:46

◆圧倒される生き方がある
圧倒されたと言えば、今年4月に前立腺がんのために76歳で亡くなった免疫学者の多田富雄さん。遺作となった『残夢整理ー昭和の青春』(新潮社)を読んで私はびっくりしてしまいました。既に他界した若い日の友人たちを、多田さんが「切実に思い出すことによって私の死者たちを蘇らせた」という哀切な回想記で完成度の高い文学作品です。著書に接する少し前に、たまたまNHKのドキュメンタリー番組で、脳梗塞で倒れて何年も経つ多田さんのリハビリの様子を見たのですが、右半身不随、失語症で、おまけに前立腺がんも患い夫人の献身的な介護を受けておられました。よだれをふきながらパソコンを1本指で操作し、ゆっくりゆっくり文字を刻んでいく老学者の精神にこのようなみずみずしい想念と正確な記憶が宿っているとは想像もできなかったので驚嘆したのです。多田さんは高名な免疫学者であると同時に能の作者でもあり、病に倒れた後の9年間で能作品を含めて10冊以上の著書があり、リハビリに対する健康保険の制限に対しても批判を続けました。遺作の後書きに、前立腺がんの骨転移で左鎖骨を骨折し唯一動いていた左手が使えなくなり、これで執筆に終止符を打つことになったと書かれていました。その2カ月後に亡くなったのですが、見事に多田富雄を生き切った人生に感服します。多田さんの生き方に圧倒されて、これしきのことで仕事もできないと嘆く自分が恥ずかしくなりました。時々、すごい人に出会って圧倒されるのは茂樹になってよいものです。(西日本新聞・波多江伸子の続・楽しい患者ライフ より)
Sep 04, 2010 09:28

◆リレー・フォー・ライフ
がんと闘う患者、その家族と支援者を讃え、地域社会全体でがんと闘うための絆を育むための啓発サポートキャンペーン。それが我が国では2006年秋からスタートした「リレー・フォー・ライフ」だ。参加者がリレー方式で24時間歩きながら寄付を募るこのイベントは、国内20カ所近くで実施されており、福岡県でも今年9月18日から2日間、国営海の中道海浜公園で開催予定。(朝日新聞)
Aug 30, 2010 18:16

◆紫煙・冷房 私も苦しい
化学物質過敏症についても投稿があった。ある女性は勤め先のスーパーで、特定の商品の売り場に立つと、目がチカチカしたり、口の中が痛くなったりする症状が出た。化学物質を多用する製造方法に疑問を感じるという。自分も患者だという別の女性は、食べ物や化粧品の制約が多く、職場や家庭でなかなか理解されない苦しさをつづった。妊娠中に職場の受動喫煙や空調に苦しめられたという都内の元看護師(34)からはこんな意見が寄せられた。「職場で働くということは、みんなの支えあいで成り立っている。自分だけ良ければというのではなく、みんなにとってより良い職場環境を考えていくべきだ」。厚生労働省の調査によると、職場を禁煙か分煙にして受動喫煙を防いでいる事業所は全体の半数に満たない。(朝日新聞)
Aug 26, 2010 10:32

◆紫煙・冷房 私も苦しい
化学物質過敏症についても投稿があった。ある女性は勤め先のスーパーで、特定の商品の売り場に立つと、目がチカチカしたり、口の中が痛くなったりする症状が出た。化学物質を多用する製造方法に疑問を感じるという。自分も患者だという別の女性は、食べ物や化粧品の制約が多く、職場や家庭でなかなか理解されない苦しさをつづった。妊娠中に職場の受動喫煙や空調に苦しめられたという都内の元看護師(34)からはこんな意見が寄せられた。「職場で働くということは、みんなの支えあいで成り立っている。自分だけ良ければというのではなく、みんなにとってより良い職場環境を考えていくべきだ」。厚生労働省の調査によると、職場を禁煙か分煙にして受動喫煙を防いでいる事業所は全体の半数に満たない。(朝日新聞)
Aug 26, 2010 10:32

◆暑がりの人が22度に設定
神奈川県の女性(43)の職場では、暑がりの社員が空調の設定温度を22度に下げてしまう。指先のしびれやだるさ、吐き気に悩まされ、5月末には自律神経失調症と診断されて1週間ほど休まざるを得なかった。女性が座る席の背後と両脇をアクリル板で囲うなど、会社も配慮はしてくれている。だが冷風を完全に避けることはできず、体調も戻らない。女性は「空調の設定温度を高くしてくれないと、根本的な解決にはならない。『クールビズ』を掛け声だけに終わらせないでほしい」と訴える。「学校の教室に空調が設置され、一部の生徒が冷えて体調を崩している」 「電車の冷風がつらい」など、職場以外の問題を訴える声もあった。(朝日新聞)
Aug 25, 2010 10:24

◆暑がりの人が22度に設定
神奈川県の女性(43)の職場では、暑がりの社員が空調の設定温度を22度に下げてしまう。指先のしびれやだるさ、吐き気に悩まされ、5月末には自律神経失調症と診断されて1週間ほど休まざるを得なかった。女性が座る席の背後と両脇をアクリル板で囲うなど、会社も配慮はしてくれている。だが冷風を完全に避けることはできず、体調も戻らない。女性は「空調の設定温度を高くしてくれないと、根本的な解決にはならない。『クールビズ』を掛け声だけに終わらせないでほしい」と訴える。「学校の教室に空調が設置され、一部の生徒が冷えて体調を崩している」 「電車の冷風がつらい」など、職場以外の問題を訴える声もあった。(朝日新聞)
Aug 25, 2010 10:24

◆エアコンの温度設定
エアコンの温度設定についても、同じように悩む人がいた。滋賀県内の紡績工場で働いていた女性(47)は、業務用の大きなエアコンの前に席があり、強い冷風を浴び続けて体調を崩した。段ボールで囲いを作ってもらい、登山用の下着を重ね着し、帰宅後は熱いお風呂で体を温めたが震え止まらない。ひと夏は我慢して勤めたが、退職後も冷房を受け付けない体質になってしまったという。いまは外で植栽の仕事をしている。「冷房が障害になっては仕事を選べないし、買い物や外食、旅行にも支障がある。本当に苦しい」と言う。(朝日新聞)
Aug 24, 2010 10:31

◆職場で20年我慢 のどにがん

女性が勤めたことがある複数の外資系企業では、職場で禁煙することが当たり前だった。「不況の今は仕事があるだけでありがたいので、働く人の立場が弱くなっています。法律で職場は禁煙とし、違反したら厳しく罰してほしい」。東京都内に住む主婦(65)は医学系の出版社で20年間、編集に携わった。職場は喫煙に寛大で、雨の日は窓を開けても煙が室内にとどまった。頭や耳、鼻、のどが痛み、翌日は休むしかなかった。退職して2年後、のどにがんが見つかった。喫煙も飲酒もしない人の発症は珍しいと医師から言われた。「個人の嗜好のために他人に害を与える喫煙がなぜ放置されているのか不思議です。厳しい規制は喫煙者本人の健康のためにもなるはずです」。(朝日新聞)

Aug 23, 2010 09:04

◆耐えられない!
職場のたばこの煙で体調を崩し、上司に相談したら退職や休職に追い込まれたーーー。そんな経験をした2人を紹介したところ、「私も同じ目に遭った」というメールが多数寄せられた。生活雑貨を扱う関東地方の会社に勤めていた女性(42)は今春、入社からわずか半年で職を失った。社員は女性だけ。十数人の小さな職場だった。喫煙者が多く、自席でもたばこを吸っていた。マスクで自衛したものの、顔やのどの痛みに耐え切れなくなった。恐る恐る上司に相談したら、社長や同僚からなじられた。「煙が苦手なのを隠して入社したのが悪い」「煙で頭痛なんて聞いたことがない」「今すぐ辞めろ」その日のうちに解雇を言い渡された。後日、人事担当から「事故都合退職にした方が自分のためだ」と電話がきた。拒否したら、正社員で入社したはずなのに、契約社員の期間満了として処理された。(朝日新聞)
Aug 22, 2010 10:38

◆がんの原因、薬の候補を解析
「ゴオオオ・・・・・」。東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センターのスーパーコンピュータ室は大音響に包まれていた。ジェット機のエンジンの近くにいるようだ。パソコン6144台分にあたる機器が24時間動いている。ここでは、肝臓がん患者のゲノム(全遺伝情報)を解析して、がんの原因を探っている。1人のゲノムの解析量は約4テラバイト。市販の外付けハードディスク2台分、標準的なDVD(4.7ギガバイト)に保存するなら870枚が必要だ。共同研究をする理化学研究所ゲノム医科学研究センターの中川英刀さんは「今や遺伝子研究にスパコンは欠かせない」。(朝日新聞)
Aug 21, 2010 10:16

◆施設ごとの生存率比較
今春、独立行政法人化した神奈川県立がんセンターは最近、三つの市から「本人同意」を求められた。自治体直営でなくなり、公用請求にあたらないとされたという。同センター企画調査室の小池真紀子さんは「基礎データが収集できるよう国として対策を講じてほしい」と言う。国立がん研究センターの西本寛院内がん登録室長は「施設ごとの生存率を出して比較することは、がん治療の質を向上させるきっかけとなり最終的に国民の利益になる。個人情報保護に配慮しながら公的機関が一括して生死確認できるシステムの導入を検討すべきではないか」と話す。(朝日新聞)
Aug 20, 2010 08:49

◆「個人情報」理由 生死確認難しく
民間病院は調査がさらに難しい。住民票の写しの場合、法改正によって、本人や家族のほかは国や地方公共団体の機関による公用請求と、正当な理由がある第三者による請求に限られたからだ。財団法人癌研究会の癌研有明病院(東京都)は1978年から生死を確認している。本籍地の提示を求める入院患者は本籍地の自治体に照会。外来患者は住所地の自治体に住民票の写しを送ってもらう。今年の照会先は全都道府県の計677市区町村。戸籍抄本や住民票の交付手数料と郵便代で年に150万円かかる。住民票の写しの交付は昨年13の区市に断られた。理由は「本人同意が必要」などだ。同病院の田中正典調査課長は「外来患者が増えているので受診時に調査の同意書を取ることも検討課題だが、はたして患者さんの了解が得られるかどうか」という。(朝日新聞)
Aug 19, 2010 18:01

◆精度向上へ協力必要
調査で確認例が少なければ、生存率が正確な実態を反映しているとは言えない。厚生労働省研究班による生存率の公表指針(2004年度)では、生死を確認できる患者が90%未満の施設のデータは「公表しない」とされた。個人情報保護を目的に住民基本台帳法が2006、2007年に改正され、患者の情報提供を断る自治体が出てきた。1979年から調査している岩手県立中央病院(盛岡市)は過去10年間の受診患者の生死を毎年度確かめる。全患者の住所地の自治体に尋ねる。今年の対象は2008年までの10年間での10457人。3130人と対象が多い盛岡市は診療情報管理士が3日間かけて住民票を閲覧。そのたの148市区町村には患者のリストを郵送し確認を求めた。公立病院なのでほとんどの自治体は協力的で手数料もかからない。ただ今年始めて一つの市に情報提供を断られた。(朝日新聞)
Aug 18, 2010 10:35

◆患者の生存率
患者の生存率はがん診療の実力を表すデータになる。ただ施設ごとの事情の違いを踏まえなければならない。進行がんの患者を多く治療していれば生存率は低くなりがちだ。逆に早期がんの患者が多ければ高くなる。そうした違いに配慮した上で生存率が公表されれば患者が医療機関を選ぶ参考になる。厚生労働省が6月に発表したがん対策推進基本計画中間報告にも「院内がん登録の施設別データを公開し活用すべき」との意見が入れられた。拠点病院のがん登録データは昨年から国立がん研究センターに提出されている。昨年は2007年にがんと診断された32万7890人分。厚生労働省とセンターはこれらの患者の3年後の生存率を出すため、来年に患者の生死確認の調査をできるか検討している。(朝日新聞)
Aug 17, 2010 08:51

◆院内登録2007年32万件
琉球大学病院のがん登録は、特定の診療科が扱うがんについてはあったが、厚生労働大臣が指定するがん診療連携拠点病院(現在377)になるため、指定の要件である全患者のがん登録を始めた。2008年に拠点病院になってからは研修会などで、ほかの医療機関にがん登録を広めてきた。いま沖縄県内で院内がん登録をしている病院や診療所は14カ所ある。今年度内には17カ所に増えそうだ。統一の方式で集めたデータなら施設間で生存率などを調べることができる。同病院の増田昌人がんセンター長は「医療機関は自分たちの水準を認識し、診療内容の改善を図ることができる」と話す。(朝日新聞)
Aug 16, 2010 08:31

◆がん患者生存率調査に壁
がんの治療をする医療機関が患者一人ひとりの治療内容などを記録する「院内がん登録」。データを集めて分析すれば、よりよい治療や病院選びに活用できる。来年は患者の3年後に生存率を調べるため、初の全国調査が検討されているが、個人情報の保護が患者の追跡を難しくしている。沖縄県にある琉球大学病院のがんセンター。2人の診療情報管理士がパソコンにがん登録データを入力していた。登録する情報は、いったん医師が用紙に書き込み、それを診療情報管理士が点検している。標準的な項目は、がんが生じた場所、進み具合、治療の内容など49項目。毎月約100人分が登録される。診療情報管理士の仲本奈々さんは「病名は国際疾病分類で定められたルールに基づいてコード化する必要があるため、カルテ情報と照らし合わせながら正確に入力する」と説明した。登録を始めたのは2007年。この年にがん対策基本法が施行、政府のがん対策推進基本計画で院内がん登録に取り組む医療機関を増やすことが目標となった。
Aug 15, 2010 15:13

◆がん治療地域連携

協議会は、患者委員以外はがんセンターや大学病院の医師、県医師会、看護協会や薬剤師の代表など医療の専門家ばかりです。患者は、自分と家族の病気については一通りの知識はあるのですが、がん医療全般や政策には素人です。会議で議題になっている内容も専門的で難解ですし、専門家の中で発言するというのは気後れすることなのです。協議会は基本的に公開ですから、元気隊のみんなで傍聴しようということになりました。後ろに仲間が控えていると思うと患者委員さんも発言しやすいでしょうし、私たちも勉強になります。そうこうしているうちに県のがん対策担当者ともお近づきになり、このたび<「私のカルテ」が繋ぐがん治療~がん診療地域連携クリティカルパスの運用>という公開講座を共催することになりました。患者が自分のカルテを持ってがんの病診連携にかかるということはどういうことなのか、関心がおありの方は福岡県医師会館または福岡県健康増進課(092-643-3270まで)。(西日本新聞・波多江伸子の「新・楽しい患者ライフ」より)

Aug 14, 2010 09:30

◆患者の声を政策に届ける
がん対策基本法によれば、各都道府県は「がん対策推進計画」を策定しなければなりません。それを推進するための福岡県の協議会には当事者委員が2名参加しています。乳がん患者会「あけぼの福岡」代表の深野百合子さんと、小児がんの親や支援者でつくる「がんの子供を守る会」九州北支部代表の高橋和子さんです。この2人の委員さんが、ある日「がん・バッテン・元気隊」を訪ねてみえました。「元気隊」というのは、福岡のがん患者団体の有志でつくるネットワークで、代表は不肖わたくし。どんたくパレードに参加したり、がん患者大集会や患者団体の交流会を開いたり、九州・沖縄のがん患者団体ガイドブックを制作したり、議会を傍聴したり。力を合わせて頑張ってきました。2人の委員さんが言われるには「自分たちは、患者代表といっても乳がんと小児がんのことしか分かりません。ほかの部位のがん患者さんたちはどうお考えなのでしょうか」。そこで委員さんたちにも元気隊に参加してもらい、他のがん患者団体の活動状況などを見てもらうことになりました。(西日本新聞・波多江伸子の「新・楽しい患者ライフ」より)
Aug 13, 2010 08:55

◆ドラッグラグ

標準的治療の背景には、海外の医療現場で使われている抗がん剤などが日本では承認されていない「ドラッグラグ」の問題がある。国内でも、ある病気の治療で承認された薬が、患者数が少なく医薬品メーカーの採算が取りにくい病気では公的医療保険の適応外とされることも、患者を苦しめてきた。こうした情報は、患者が自ら調べて自費で使用することも多かったが、センターとしてホームページでの公開を始めた。(朝日新聞)

 

Jul 23, 2010 14:58

◆がん難民
「がん難民といっても、一人ひとりの状況は違う。丁寧に話を聞くことが重要です。よろず相談をしていくわけです」。がん難民を生んだのは、がんセンターが進めてきた「標準的治療」に主因があるとみる。「10年くらい前、地域や病院によってがんの治療に差があった。標準的治療を日本の病院に普及させることは大事な仕事でしたが、それだけに取り組んでしまい、がんセンターにしかできない世界トップレベルの仕事があろそかになった」。その結果、標準的治療で治らない患者は「うちでは治療法がありません」と宣告されがちだった。医師の一人も「がんセンターの医師は概して冷たいという評判がある」と認める。「1962年にできたがんセンターは世界的な活動を行ってきた。現在も職員一人ひとりの能力は高い。本当はもっと伸ばすことができる。易きに流れていたのかも知れません」。(朝日新聞)
Jul 22, 2010 10:43

◆すべては、がん患者のために
4月に、独立行政法人として生まれ変わった国立がん研究センターの理事長として、山形大医学部長から就任した嘉山孝正さん(60)。就任前から「がんセンターはこの10年以上、停滞してきた。がん難民はセンターが作ってきた」と公言している。着任して驚いたのが、組織体制だった。ほぼ全職員と話して6月に組織を刷新した。並行してスローガンを募集した。83人から応募があり、「職員のすべての活動はがん患者のために」に決めた。スローガンのもとになった4人には、ポケットマネーから計10万円の賞金を出した。7月には「がん難民救済窓口」を始める。予約制で、8人程度の医師と看護師が、他の病院で「もう治療法がない」と言われた患者の相談を受ける。(朝日新聞)
Jul 21, 2010 09:26

◆不妊対策 事前に卵子保存
がんの治療は性生活だけでなく、将来、子どもが持てるかどうかといった生殖機能にも影響する。東京慈恵会医大看護学科の渡邊知映講師らは「化学療法を受ける大切なあなたへ そしてあなたの大切な人へ」という20ページの小冊子を作り無料で配っている。治療薬のリスク一覧や、不妊対策、化学療法後の妊娠・出産の安全性などについて説明している。「化学療法が不妊に影響を及ぼすことは70年代から分かっていたが、90年代までは医療現場でも話題にならなかった。若い患者の生存率が伸びるにつれ、ようやく注目されてきた」と説明する。女性の場合、乳がんや白血病などの治療で使う抗がん剤や放射線照射で、卵細胞の破壊やホルモン分泌の低下が起こり、排卵や月経が止まることがある。抗がん剤の種類のほか、年齢や治療期間などにより影響は異なり、個人差も大きい。妊娠を希望する場合は、既婚の場合は治療前に受精卵を凍結保存、未婚の場合は、卵子の凍結保存という選択肢がある。しかし排卵の周期に合わせなければならず、その分治療が遅れる、採卵のために使う薬の副作用といったデメリットもある。続く・・・。(朝日新聞)
Jul 04, 2010 09:05

◆まずパートナーと相談を
ゴルフジャーナリストの舩越園子さん(46)は、3年前に子宮頸がんの手術を受けた。その経験を「がんと命とセックスと医者」(幻冬舎ルネッサンス)という本にまとめた。告知された瞬間、一番聞きたかった「女としての自分はどうなるのか」ということを、なかなか主治医に聞けなかった経験からだ。「命がかかわる病気なのに、セックスのことを考えているのは不謹慎ではないかと遠慮してしまった。専門的な相談ができる人が周囲にいて欲しかった」 がんと性について研究している独協医大の高橋都准教授(公衆衛生学)によると、がんの経験は性生活に大きな影響を与えるという。性欲かかわるホルモンを分泌する卵巣の切除や、抗がん剤によるホルモンバランスの変化などのほか、乳房切除や人工肛門による外見の変化など、心理的な影響も大きいという。膣が潤わないなら、潤滑ゼリーを買うといった対処法もある。「だがその前に、どんな性生活を送りたいのか、パートナーと話し合って欲しい」と高橋さん。治療後、性欲が戻らないのにパートナーの求めに無理に応じる女性は少なくない。逆に、そっとしておきたいというパートナーの配慮を「自分の魅力が落ちたため」と、誤解するケースもあるという。「医学的に心配なら、主治医や看護師に『いつから性生活を再開できますか』と聞いてください。医療者側も、聞かなければ話さないので」。 続く・・・・。(朝日新聞)
Jul 03, 2010 10:02

◆治療後 変わる感覚に戸惑い
東京や静岡県内で定期的に開く会合では20~30代を中心に、様々な話題が出る。だが、一番関心が集まるのは、性生活についてだという。40代のメンバーも、結婚後まもなく子宮頸がんが見つかり、広汎子宮全摘術を受けた。卵巣を切除したため膣が潤わず、挿入されると痛みを感じる。感覚も変わり、快感を得られなくなった。夫も完全に挿入できないため、満足感を得られていないように思える。排尿障害の後遺症で、行為中に尿が漏れてしまうこともあるという。「夫を性的に満足させられない上、子どもを生めないと負い目を感じてしまう」と悩む。河村さんは、「会合では体位の話から、膣を潤わせるゼリーの銘柄まで、何でも話す。術後をどう生きていくかについて情報交換することが、患者にとって一番必要なことだと思う」と話す。続く・・・。(朝日新聞)
Jul 02, 2010 10:51

◆がんと性生活~女性編

がん治療は性生活や生殖機能に大きく影響する。これまで治療が優先され、治療後の性の問題まで語られることは少なかった。しかし子宮頸がんや乳がんなどで若いがん患者が増えるにつれ、患者同士で体験を分かち合うようになってきた。医療者側からも、情報を提供する動きが出てきた。静岡県熱海市に住む河村裕美さん(43)は32歳のとき、子宮頸がんが見つかった。結婚から1週間後。披露宴を2カ月後に控えていた。がんは早期だったが、「広汎子宮全摘出術」を受けなければならなかった。子宮だけでなく、女性ホルモンをつかさどる卵巣、それに膣も数センチ切除し、短くなった。主治医が膣の絵を描きながら、術後の性生活の変化について説明したが、実感できなかった。しばらくは排尿障害のほか、卵巣切除の影響で、更年期障害のようなほてりやイライラ感に悩まされた。性生活について考えられるようになったのは、半年ほど経ってから。でも、しようとしても怖くてできなかった。「膣の先端は糸で結ぶ」と医師から説明を受けていた。でも挿入されると縫合した部分が破れるのではないかと、恐怖感が先に立ってしまった。医師にも相談できず、一人で悩む日が続いていた。2002年、東京の患者会に出席したのをきっかけに、自らも患者会「オレンジティ」(http:o-tea.org)を立ち上げた。そこで初めて経験者の話を聞き、「破れないんだ」と安心できた。夫の一史さん(39)は「できるだけ彼女の希望に添うように、と受け止めてきた。でも患者会で彼女の態度も変わった気がする」と話す。続く・・・・。(朝日新聞)

 

 

Jul 01, 2010 09:21

◆終末期の緩和ケア
終末期の緩和ケアが必要になった場合に、患者に余命は話すべきですか? 緩和ケアに入る方には自分の病気を知ってもらうのが前提ですが、必ずしも余命は当たらない。会社の経営者など社会的責任を持っている方には、求めに応じて話すことがあります。QOLは「快適性」と「意味のある」ことで得られます。苦痛を取り除いて快適性を確保し、帰属意識、自己実現など「意味のある」ことを満足すれば、中身の濃い人生と言えるでしょう。患者さんに「グッド・イナフ、これで十分」と受け入れていただけるように支えていこうというのが緩和医療です。(朝日新聞) 
Jun 23, 2010 08:59

◆セカンドオピニオン
セカンドオピニオンをすると主治医に嫌われることは本当にないのですか?セカンドオピニオンは大歓迎。説明に納得していないということなので、積極的にご紹介しています。別の医師が同じ意見だとすごく安心されるが、先生によって微妙に治療方針が違うことは多い。納得してもらうことが大事です。がんの免疫療法はどうでしょうか?細胞を使う療法やワクチンなどがありますが、標準医療として認められているものはありません。高額なお金を取って、科学的に検証していない医療を提供しているものもある。臨床試験をやりながら将来の新しい医療を開拓していこうという一群と、ビジネスとしてやっている一群とがあります。多くの書店に並んでいる本は、ほとんどビジネスです。(朝日新聞)
Jun 22, 2010 08:16

◆がん緩和ケア
これまでのがん治療は原因を取り除くことが最優先されました。患者は英語では「ペイシェント」と言います。これには我慢とか耐えるという意味もあります。我慢して耐えるのが患者だと私たちも、患者さんも思っていたわけです。今では、原因療法と対症療法の両輪がないと、患者さん中心の治療法にはならないのではないかというのが緩和ケアのコンセプトです。身体治療医だけでなく、精神科医やボランティアなど、多職種で支えることが緩和ケアには求められています。一方、人間の苦悩、苦痛は希望と現実の差にあります。QOLを良くするには、その差を縮めることです。治療の限界を知り、過大な希望は下げ、緩和ケアで痛みを取り除くなどして現実を上げることです。そのためには十分なコミュニケーションにより、納得してもらうことが重要です。(朝日新聞)
Jun 16, 2010 09:19

◆複雑な高額療養費制度
医療費の自己負担額が多い場合、医療費が払い戻される「高額療養費制度」が利用できる。1カ月の医療費が30万円だった場合、この制度を利用すれば、一般所得の人(おおむね年収600万円以下)では、約22万円が払い戻される。だが、制度は複雑で、使いこなすには、仕組をよく知る必要がある。払い戻しは通常、窓口で支払った約3カ月後。そこで、事前に保険組合に「健康保険限度額適用認定証」をもらい、医療機関に提出すれば、自己負担の限度額分だけ払えばよい。だが、これは、通院治療には適用されない。(朝日新聞)
Jun 05, 2010 10:49

◆「負担大きい」7割
NPO法人日本医療政策機構が昨年末、がん患者約1600人を対象に行ったアンケートでは、治療費について「とても負担が大きい」「やや大きい」との回答は71%に上った。経済的な負担を理由に、治療を断念したり変更したりした人も13%に上った。東京大医科学研究所のチームが昨年、566人のCML(慢性骨髄性白血病)患者に行ったアンケートでも、医療費を負担に感じる人は73%いた。経済的な負担から、治療を中断したこともある人も3%いた。チームによると、グリベック(病気の進行を止める分子標的薬)発売前の2000年に発症した患者約100人に限ると、当時、負担を感じていたという回答は42%だった。当時の患者の平均所得は533万円。今回の調査では389万円に減った。複数の患者団体がCMLを、人工透析を受ける慢性腎不全や血友病、エイズの3疾病と同じ長期高額疾病に指定するよう求めている。指定されれば、負担は原則月1万円になる。(朝日新聞)
Jun 02, 2010 08:42

◆お金との闘い 2
埼玉県に住む大学院生の女性(23)は、昨年5月に慢性骨髄性白血病(CML)を発症した。入院後、病気の進行を止める分子標的薬「グリベック」を1日4錠飲みながら、研究を続けている。グリベックが2001年に発売され、患者の生存率字は大幅に上がった。だが、1錠約2750円の薬を1日平均4錠、飲み続ける必要がある。治療費は両親が出している。昨年は薬代だけで約96万円。今年は約120万円になる見込みだ。昨年の自己負担額は約60万円だったが、母親は「とても、老後の蓄えどころではない」と話す。今のところ体調はいいが、将来への不安が頭を離れる日はない。就職すると親の扶養家族から外れるため、自分で高額な医療費を払っていくことになる。結婚もしたい。「でも、経済的に相手の負担になるかも知れない。子どもも、持てるかどうか」。そう話しながら、涙ぐんだ。(朝日新聞)
Jun 01, 2010 10:29

◆過剰に抗がん剤 重態 医師が誤指示
九州大学病院・別府先進医療センター(大分県別府市)は27日、食道がんの治療で入院していた70代男性に抗がん剤を過剰に投与し、意識不明の重態になる医療事故があったと発表した。久保千春院長や牧野直樹センター長らの説明によると、男性は県外在住で4月12日から入院していた。40代の男性医師が治療を担当し、4月15日~5月1日に放射線治療をし、4月19~23日と26日カら30日に2種類の抗がん剤を点滴で投与する治療をした。5月6日の血液検査で白血球や血小板の数が異常だったため、この医師が調べたところ、いずれも低い濃度で与えるべき抗がん剤を、誤って1.5倍と2.8倍の濃度で与えていたことが分かった。医師が思い違いで薬剤室への指示を誤ったという。男性は14日に腎障害やけいれん発作を伴う意識障害と多臓器不全を併発し、意識不明の重態となっている。同センターは医療事故が起きたことを男性の家族に謝罪した。(朝日新聞)
May 29, 2010 09:03

◆病名を隠したい方へ

お父さまがお母さまの病気を皆さんに言ったのは、お父さまがすごく不安だったからだと思います。大切な人のために少しでも情報が欲しいし、少しでも共有して欲しい、そんな思いだったと思います。私が乳がんになったとき、夫もそう言っていましたし、いろんな人に経験を聞いていたので、お父さまの気持ちがすごく分かるような気がします。私自身は、若いお母さんたちに気をつけてほしいという思いから、退院後、たくさんの人に自分の経験を話しました。入院中、病院にお見舞にくる小さな子どもたちの不安そうな顔が目に焼きついています。私も場合は子どもたちが成人してたので気分的にまったく違いました。しかし病気のことは病気になった人にしか分からないこともあり、デリケートな問題です。何げない言葉に傷つくこともありました。2年間いろいろ経験して心に決めたことは、病気は恥ずかしくないと自分自身が強く思うこと。役に立ちそうな情報は人に知らせていくこと。私の病気のことを分かろうとしてくれる人たちを大切にしていくこと、です。(福岡県筑紫野市、武井ミエコさん、55歳・異見/医見より、西日本新聞)

May 28, 2010 11:04

◆がん治療の進化で負担増す
がん患者は病だけでなく、「お金」の問題とも闘わなければならない。新しい薬や治療法の登場で生存率は上がったが、金銭的な負担は重くなった。転移・再発がんでは、高額な治療費を生涯、払い続けなければばならない場合もある。医療費が戻される国の制度もあるが、使いづらく、患者団体は見直しを求めている。(朝日新聞)
May 27, 2010 10:00

◆病名隠したい

母が乳がんになったとき、私は周囲の人々に「血圧が高くなって入院した」と言っていました。でも父は、母の病名をみんなに知らせていたのです。ショックでした。私は病名を隠したいです。知られて気分のよいものではありませんから。皆さんはいかがですか。(福岡県、37歳女性) 西日本新聞・異見/医見より

 

May 26, 2010 10:06

◆ヒト幹細胞指針改正案
ヒトの幹細胞を使った臨床研究に関する指針の改正案を、厚生労働省の専門委員会がまとめた。人工多脳性幹細胞(iPS細胞)を使った臨床研究を認める一方で、移植後にがん化する懸念もあることから、安全性への配慮を求めた。現在の指針は、骨髄中の造血幹細胞など、もともと体にあった幹細胞を利用する場合を想定している。しかし2006年にに山中伸弥京都大教授が世界で始めて体細胞からiPS細胞を作った。研究は急速に進んでいるが、指針はiPS細胞を使った臨床研究に対応しておらず、見直しが求められたいた。指針案では、目的の細胞に分化していないiPS細胞を移植すると、がん化の恐れがあるため、目的外の細胞の混入を防いだり、長期的に経過観察をしたりと安全性への配慮を求めた。(朝日新聞)
May 19, 2010 09:17

◆パーソナルゲノム がんなど病気解明に熱い期待
4月15日、理研、国立がん研究センターは、70代の肝臓がん患者2人のゲノムを解読し、遺伝子の異常計100カ所を見つけたと発表した。11カ国以上が参加して、50種のがんで遺伝子の異常を調べる共同研究「国際がんゲノムコンソーシアム」(ICGC)の成果の一つだ。がんは、ゲノムに異常が起こり、細胞が無秩序に増えてできる。正常な細胞とがん細胞のゲノム配列をすべて比較すれば、がんになる原因が突き止められるかも知れない。ICGCは、がん患者計2万5千人のゲノムを解析し、データベースを作る計画だ。個人のゲノムを大量に解読できるようになった背景には、読み取り装置「シークエンサー」の進歩がある。解析スピードは去年の10倍、2000年の1万倍以上だ。コストも大幅に下がった。ゲノムの解読が進めば、様々な病気の原因が分かるかも知れない。これまでゲノムの「点」を調べる研究が主流だったが、今後は「線」を読めるようになるからだ。(朝日新聞)
May 18, 2010 13:42

◆チェルノブイリ被曝者調査
遺伝情報を解析した結果、患者は9番目の染色体上の遺伝子に、特定のDNA配列のわずかな個人差(遺伝子多型)のある割合が多いことがわかった。この遺伝子多型は、被曝と関係ないアイスランドの患者集団についての研究でも甲状腺がんの発症のしやすさにかかわると報告されており、被曝の有無にかかわらず患者の多くに共通していることが裏付けられた。また、被曝したがん患者だけに関連する別の遺伝子多型を9番目と12番目の染色体上に見つけたという。これらの発見で、放射線の引き起こすがん発症のメカニズム解明につながることが期待される。(朝日新聞)
May 17, 2010 08:46

◆甲状腺がん関与 遺伝子発見
旧ソ連のチェルノブイリ原発事故で放射線を浴びた住民らの遺伝子情報を調べた長崎大や京都大などのチームが、甲状腺がんの発症に結びつきやすい遺伝子を見つけた。1986年4月26日の事故発生から24年がたつ今月、英国の科学雑誌の電子版に発表した。長崎大大学院医歯薬学総合研究科長の山下俊一教授らは京大の松田文彦教授(ゲノム医学)らと共同で、チェルノブイリ事故当時0~18歳で放射線を被曝した人のうち、甲状腺乳頭がんを発症した667人と発症していない620人の遺伝情報を解析した。続く・・・。(朝日新聞)
May 16, 2010 09:46

◆九州・沖縄の90団体紹介
がん患者同士が励まし合う活動は全国的に盛んになりつつあり、2007年には大手出版社から全国の患者団体のガイド本が出版されたが、小さな団体まで網羅したきめ細かな本はまだ少ない。波多江さんは「治療や闘病体験などを共有できれば、患者や家族の支えになる。患者の相談に乗る医療関係者にも利用してほしい」と話している。全国規模で活動するNPO「がん患者団体支援機構」(東京)の三浦秀昭副理事長は「地域ごとのガイド本があると、一から団体の情報を探す必要がなくなり、患者の気持ちや負担がものすごく楽になる」と評価する。「そばにいるね」は500円。問い合わせは「元気隊」事務局の十河紀子さん(090-8356-1751)へ。(朝日新聞)
May 15, 2010 11:30

◆がん 一緒に乗り切ろう
九州・沖縄8県のがん患者団体の情報を網羅したガイド本「そばにいるね」が話題になっている。命にかかわることもあるがん患者は、闘病でも孤立しがち。励ましあって病を盛りきろうと、福岡市の患者団体が1年がかりで調べ、約90団体を収めた。昨年10月に刷った初版1千部は売り切れ、さらに充実させた改訂版2千部を増刷した。本をまとめたのは福岡市の「がん・バッテン・元気隊」代表の波多江伸子さん(61)。自身も約30年前に甲状腺がんになり、手術やリハビリで乗り越えてきたがん患者。その経験を生かし、患者の相談に乗ったり、「死生学」を大学で教えたりする活動に取り組んできた。がん患者は再発や転移の不安、死の恐怖など深刻な問題に直面する。患者団体は医療機関ごとの小さな患者会や全国組織の支部など様々な形があるが、横のつながりが弱かった。波多江さんは2008年春、福岡市で開かれる「博多どんたく港まつり」のパレードに、がん患者の参加を呼びかけたのを機に「元気隊」を設立。毎年どんたくパレードに参加しながら、団体のネットワーク作りを進めてきた。(朝日新聞)
May 14, 2010 10:45

◆支援 民間が先行
厚生労働省研究班の2008年調査では、がんと診断された時点で働いていた約2600人のうち、31%が依願退職し、4%が解雇されたというデータがある。東大医療政策人材養成講座の研究班が2008年に行った調査でも、仕事の継続を希望していた人の31%が、診断後に仕事が変わっていた。だが、国が2007年から進める「がん対策推進基本計画」では、がん患者の就労支援については触れられていない。国の対策が進まない中、一部の民間企業が動き出した。医療事務大手の日本事務センターは5月、がん経験者らが設立した「キャンサー・ソリューションズ」(CANSOL 東京都)の取り組みに賛同し、ウエブを使った就業マッチングを始める。医学的知識を身につけたがん経験者を雇用したい企業と、社会とつながりたい経験者がお互い、条件を登録する。すでに企業側からは、薬の臨床試験を受ける患者への電話対応や、医師秘書などの依頼がある。乳がん経験者の桜井なおみ・CANSOL社長(43)は「薬や医療行為で多くのがん患者の命は助かる。でも仕事を奪われれば社会的な死に等しく、全国に広げたい」と話す。(朝日新聞)
May 03, 2010 11:26

◆前例ないと言われ
勤務先では、勤続10年以上の社員は、最長3年の休職が認められていた。休職から2年がたち、このまま休み続けるかどうか悩んでいた頃。患者仲間の友人から聞かれた。「今、一番したいことってなあに?」「仕事」と答えた。スーツ姿で歩いている人たちがかっこよく見え、自分が社会から取り残されたように感じていた。会社から1時間以上かかる親元の家を出て、会社にも病院にも近い都心のマンションで一人暮らしを始めた。復職時、産業医に時短勤務ができるか相談した。だが「あなたのようなケースで前例はない」と言われた。抗がん剤の治療の日は朝、病院に行き、採血や問診を受け、出勤。仕事を終えて夕方、病院に駆け込んできた。「会社は、一番、自分らしくいられる場所。やりたかった海外とかかわりを持つ仕事ができ幸せだなって思ってきた。でも病気になり、以前のようには働けない。同じように働き続けられなければ辞めるしかないのかな」 脳や骨にも転移している。治療のために入院が必要で今少し、会社を休んでいる。入院の前日は午前9時から午後11時半まで働いた。また、近く復職するつもりという。(朝日新聞)
May 02, 2010 18:39

◆がん診断後、依願退職3割
大手メーカーに勤める乳がん患者の女性(38)=東京都=は、2年の休職をはさみ働き続けている。がんと分かったのは2002年、30歳の頃。がんは小さく転移はなかった。当時、念願だった海外の客に商品を売り込む部署で実績を上げ始めていた。上司2人に病名は告げたが、「普通に働くから他の人には言わないでください」と懇願した。手術後、半年の抗がん剤治療は金曜夜に受け、副作用で土日は寝込んだが月曜からフルに働いた。年に4、5回は海外出張。残業もこなした。主任への昇格試験も通り「治ったと思い込んでいた」。だが2006年、首にしこりができ、はれてきた。リンパ節への転移だった。心膜にも転移し、心不全となり通勤途上に倒れた。休職し、抗がん剤治療の日々。病院に通う以外は、家で泣いてばかりいた。 続く・・・ (朝日新聞)
May 01, 2010 15:45

◆がん患者の就労
がん患者の4人に1人は、20~50代の働き盛りだ。一方で、がんをきっかけに仕事を辞めた人が3割を超えるというデータもある。治療法の進歩で生存率が上がり、がんと共に生きる人は年々増えている。だが患者の就労をめぐる国の支援態勢は手付かずのまま。一部の民間企業が、少しづつ動き出した。東京都内に住む40代男性は30年近く、飲食業界で働いてきた。専業主婦の妻と娘2人にも恵まれ、ローンでマンションも購入。残業や休日出勤もいとわず働いた。2008年の夏、仕事中に突然、肛門から大量出血した。少し前の健康診断で、便に血が混じっていることを指摘されたが、忙しさにかまけて精密検査を受けていなかった。近くの病院に行くと「早期の大腸がんです」。即、入院し、手術を受けた。がんができた場所が悪く、早期がんだったが開腹手術の対象となり、1カ月ほど入院。8月に退院した。続く・・・。(朝日新聞)
Apr 29, 2010 09:39

◆がん克服へNPO化
がん患者とその家族で作る福岡市の市民グループ「青葉の会」(松尾倶子会長)が11日、NPO法人化のための設立総会を開いた。夏ごろに県の承認を得る計画だ。青葉の会は、胃がんを克服した松尾さん(64)らの呼びかけで、2004年4月に発足した。現在約170人の会員がおり、1人年3千円の会費で運営しているが、事務所の家賃に充てる資金が不足し、交流行事や季刊誌の発行もギリギリの状況が続いていた。安定した活動を続けていくため、NPO法人化を目指すことにしたという。会は「1人で悩まず、楽しみながらがんを克服しよう」と、がん医療の勉強会、食生活を見直す研究会など4つのグループに分かれて活動してきた。会員は50~60代が中心だが、近年、乳がんや子宮頸がんを患った若い会員が増えてきたため、この春に40代以下の会員のグループを新設した。(朝日新聞」)
Apr 28, 2010 08:12

◆がん患者を守る仕組づくりを
厚生労働省の外郭団体「労働者健康福祉機構」は、今年度から5年の予定でがん患者の就労支援の研究に取り組む。その背景には自殺者が年間3万人を超える社会情勢がある。健康や経済の問題で悩む人も多い。雇用の形態が崩れ「がんのことを言ったら正社員でいられなくなる」「お金がなくて治療が受けられない」という声もあがる。2人に1人はがんになると言われる時代。病気を抱えて働く高齢者も珍しくない。がん患者が安心して働ける社会を目指し、医療関係者や研究機関、患者らが3月18日、初会合を開き意見を交換する。(朝日新聞)
Apr 13, 2010 09:06

◆がん患者 働ける社会を
関東地方にある公立高校の教師A男さん(61)は、肺がんの治療をしながら働いてきた。定年後も非常勤として活躍する。2008年秋の人間ドックをきっかけに、肺がんが見つかった。年末に手術を受け、その後約1年間、抗がん剤で治療した。校長や一部の同僚には、がんだと正直に話した。医師に説明された下痢や口内炎などの副作用がいつ起きるか、常に不安はあった。でも時間がかかる点滴の抗がん剤ではなく飲むタイプだったため仕事を休まずにすんだ。授業のカバーなど同僚にも支えられた。「がんに限らず、病気で休んだら助け合うのが当たり前の職場なので、プレッシャーがなかった。普通の会社だったらそうはいかないのかもしれません」 昨春から非常勤になり、職場も変わった。通勤時間は増えたが、受持ちの授業や残業は減り、ほどよいペースで働く。(朝日新聞)
Apr 12, 2010 08:35

◆口腔ケア
近年、がん治療の前後に歯科衛生士が口腔ケアをする病院が増えている。千葉県市川市の東京歯科大学市川総合病院歯科・口腔外科で、歯科衛生士として働く奥井沙織さん(27)は、昨年から食道がんチーム医療のメンバーになった。2年半余り、口腔がん(舌がん、歯肉がん、頬粘膜がんなど)を担当した経験を買われた。患者は治療方針が決まると、まず、歯科医師から虫歯や歯周病の治療を受ける。次に奥井さんが歯石除去や歯面研磨などの口腔清掃をする。手術や抗がん剤、放射線の治療を受けると、口の中の細菌による術後感染症や誤嚥性肺炎などが発症しやすくなるためだ。そのリスクを減らす。(朝日新聞)
Apr 01, 2010 13:37

◆高い医療費
C型肝炎ウイルスは血液を通して感染する。過去の輸血や血液製剤、注射器の使いまわしなど不適切な医療行為によって広がり、患者・感染者は全国に150万~200万人いるとみられる。長い年月のうちに慢性肝炎から肝硬変、肝がんに進行する。インターフェロン治療で進行を防ぐとこはできるが、医療費が高額になるのが壁になっていた。2008年から公費助成が始まり、自己負担の限度額が所得に応じて月1万~5万円になった。当初目標は年10万人がこの治療を受け、将来の肝がんを大幅に減らすはずだった。ところが厚労省によると、2008年にこの助成制度を使った人は約45000人と目標の半分だった。
Mar 27, 2010 08:48

◆保険適用が課題
がん免疫療法は、現在自由診療のため治療費が高額で、1クールの治療費は150万円~200万円になります。私たちは現在、保険診療の適用が可能となるよう、臨床データを蓄積しているところです。また実際の治療で併用する抗がん剤の相性についてもさらにデータを集め、トータルで治療成績が上がるよう、研究を進めていきます。多くの医療機関と連携しながら、一人でも多くの患者さんに先進的な医療をお届けしたいと思っています。(西日本新聞)
Mar 19, 2010 11:01

◆がん再発を抑えるか

私たちの体内には常にがんが存在しています。ですから、がんが顕在化した場合は、特定の部位だけではなく、体のあちこちにがんがあると想定しなければなりません。たとえがんを取り除いて一定期間再発がないとしても、それはたまたま自分の免疫力によって潜在がんが抑制されているだけかも知れないのです。免疫療法は特定の部位だけでなく、体全体のがんを排除する働きを高めることが期待されますから、従来の療法など、ほかの治療法と組み合わせて再発の不安を小さくすることにもつながると思います。(西日本新聞)

 

Mar 18, 2010 10:22

◆がん免疫療法の有効性
がんとは、体が自然に有している細胞が、何らかの理由で突然変異してしまったものです。がん細胞は自分自身の細胞なので、体がそれを異物として認識して排除することは難しく、免疫療法の成績はあまり上がりませんでした。しかし、近年の研究技術の進歩によって、リンパ球に個人のがんを認識させ、がん細胞を特異的に攻撃するリンパ球を誘導するワクチンが開発され、また安定して作れるようになりました。これによって腫瘍の振興が抑制、あるいは縮小するなどの有効性が得られるようになりました。(西日本新聞)
Mar 17, 2010 09:28

◆がんの免疫療法
そもそも人間の体は、病気やケガに対して自分で治そうとする自然治癒力(免疫力)を持っていて、細菌やウイルスなどの外敵に対して自分の体を防御するために、自らそれを排除しようとする能力があります。がんの免疫療法は、人間が持つそういった免疫力を高め、がん細胞だけを排除する治療です。分かりやすく例えると、インフルエンザウイルスに対してワクチンを投与するように、がんの特長を覚えさせたワクチンを投与し、がん細胞だけをリンパ球が攻撃していく、と想像していただければ理解しやすいと思います。(西日本新聞)
Mar 16, 2010 09:16

◆腸を使うのやめないで
胃ろうがない患者が抗がん剤や放射線治療などで食事が難しくなった場合、どうすればいいか尋ねてみた。比企さんは「少量で高カロリーの飲み物やゼリー、シャーベットなどを少しづつ口にするなど、腸を使うのをやめない工夫をしてください」と提案する。(朝日新聞)
Mar 14, 2010 17:40

◆静脈栄養と経腸栄養
胃がんで胃をすべて摘出したあと、食道と空腸を縫ってくっつけるが、とじ目が敗れる「縫合不全」が生じ、炎症がおきるなどして入院が長引くことがある。比企さんは縫合不全になった患者のうち、静脈への点滴で栄養を補給した約10人と、鼻から細い管を空腸まで通し、そこに栄養剤を入れて栄養補給をした約10人の入院期間を調べた。静脈栄養の患者は約35日間入院、経腸栄養の患者は約25日間だった。(朝日新聞)
Mar 13, 2010 09:23

◆栄養補給とがん治療完遂率
がんセンター東病院の化学放射線療法を受けた頭頸部がん患者の治療成績は、以前は治療3年後の生存率が4割程度だった。ほぼ全患者に胃ろうを作るようになった2003年以降、中間段階の分析で6割以上になったという。日本の多くの病院では、静脈に点滴して栄養を補給する静脈栄養を行っている。しかし、癌研有明病院(東京都)の比企直樹消化器外科医長は、点滴よりも胃ろうなどで腸から栄養を消化・吸収させたほうが、がん治療の完遂率が良くなる、と指摘する。腸の粘膜には免疫細胞が数多くある。比企さんは「静脈栄養に頼り腸を使わないと、1週間から10日で腸の粘膜が疲弊し、免疫機能が落ちます。経腸栄養なら、腸の免疫細胞の動きが保たれ、傷が早く治るなどすると考えられます」と指摘する。(朝日新聞)
Mar 12, 2010 11:49

◆大半の患者が治療を完遂
東病院で大半の患者が治療を完遂できるようになった最大の理由は、原則として化学放射線治療を受ける全患者に事前に「胃ろう」をつくり、栄養の不足分を栄養剤で補うようにしたことだという。欧米では、化学放射線療法は手術と並んで頭頸部がんの標準治療のひとつだ。日本では治療の完遂率が低く、治療成績は手術に比べると悪いとされてきた。東病院消化管内科の田原信医長らが欧米と日本の違いを調べると、治療前に胃ろうをつくる点と、痛みの緩和にモルヒネなどの医療用麻薬を使っている点だった。(朝日新聞)
Mar 11, 2010 13:08

◆つらい化学放射線療法

放射線と抗がん剤を組み合わせた化学放射線療法をつらく思うのはAさんだけでない。それでも東病院では、上咽頭がんなどの頭頚部がんでこの療法を受けるほとんどの患者は治療を完遂する。以前は途中で2週間ほど放射線治療を休んだり、照射回数や抗がん剤の量を減らしたりすることもよくあったという。放射線の副作用で味覚に異常が生じたり唾液が出なくなったり、口やのどの粘膜に炎症が起きて飲み込むのが痛くなったりする。抗がん剤の副作用で吐き気がすることもある。化学放射線療法を受ける人の8割は口から十分な栄養をとれなくなる。すると、衰弱して強い治療に耐えるのが難しくなる。(朝日新聞)

 

Mar 09, 2010 10:55

◆栄養補給 胃にチューブ
千葉県在住の医療事務職員の女性Aさん(49)は2008年3月、「上咽頭がん」と診断された。鼻腔の奥の部分で、脳に近く、耳などの神経もあるため手術は難しく、放射線主体の治療が標準的だ。国立がんセンター東病院(同県)で放射線と抗がん剤を同時に受けることになった。放射線の照射は33回。7週間にわたり、週末以外は毎日照射を受ける。治療を始めて2週間後に、食べ物の味が分からなくなっていた。放射線の影響で唾液腺が萎縮し、唾液が出にくくなったからだ。抗がん剤の副作用で吐き気もひどくなった。食事を口に運ぶ努力をしたが難しかった。栄養が足りない分、毎食、治療開始前に作った「胃ろう」から胃に直接、栄養剤を入れた。放射線照射で進んだ唾液腺の萎縮によって、鼻や口の中の乾燥が強まり、息苦しさもひどくなった。日増しに照射がつらくなった。32回目のとき、治療室の前に来ただけで涙があふれた。「もう限界。これ以上耐えられない」 Aさんの話を1時間半、別室で聞いてくれた看護師が、こう言った。「ここで治療をやめたら後悔するよ」。その一言で、残り2回の照射を受ける決意をした。Aさんは治療終了の2カ月後に職場復帰。最近は少しづつ、体重も戻ってきている。(朝日新聞)
Mar 08, 2010 10:58

◆胃ろう
腹部に局所麻酔をかけて穴を開け、栄養剤や流動食を胃に直接送り込むためのチューブを通す方法。所要時間は20分程度。使わないときは長さ約1.5センチのボタンでふたをして入浴もできる。服を着れば、胃ろうがあるのははからない。日本では、飲み込む機能が落ちた高齢者にはよく見かけるが、がん治療の現場ではまだ普及していない。(朝日新聞)
Mar 07, 2010 10:06

◆がん治療 副作用で食欲がない
抗がん剤や放射線などによるがんの治療中に、いろいろな副作用が起き、食欲がなくなって、食事ができなくなる人は少なくない。栄養不足に陥った患者に対して、従来のような点滴ではなく、胃にチューブを通すなど腸経由で栄養補給(経腸栄養)することにより乗り切る手法が広がっている。治療成績が上がったり入院期間が短縮したりすることも報告され、注目を集めている。(朝日新聞)
Mar 06, 2010 09:56

◆せん妄

話す言葉やふるまいに一時的に混乱が見られる状態。病気や入院による環境の変化などで脳がうまく働かなくなる。熱や薬が原因のこともある。(国立国語研究所の報告書から)進行したがん患者の多くが経験するとされる。(朝日新聞)

Mar 05, 2010 09:08

◆細胞診
がん検査の一つ「細胞診」では、子宮の入り口を器具でこすり採ったり、たんや尿などを採取したり、しこりに注射器の針を刺して吸い取ったりして細胞を集める。細胞検査士は、それらをスライドガラスに貼り付けて染色し、顕微鏡で見ながら「がん細胞」や「あやしい細胞(異型細胞)を探し出す。がん検診のほか、執刀医らの判断に生かせるよう、手術中に胸やおなかの細胞を短時間で見分けることもある。異常細胞が見つかったときは、細胞診専門医が最終的な判断を下す。さらに正常であっても、見落としを防ぐために全体の2割は細胞検査士同士でダブルチェックする。がん細胞かどうかは、正常な細胞の形態からどのくらい異なるかで判断だれる。例えば、がん細胞には一般的に、核が大きい、核の形がいびつで不規則に並んでいる、普通より細胞が濃く染まっている、などの特長が見られる。(朝日新聞)
Mar 04, 2010 10:09

◆十分な貯蓄があれば・・・
家計の見直し相談センター代表でFPの藤川太さんは「貯蓄が思うように伸びず定期保険の更新を続けると、かえって終身型のほうが得。病気はがんだけではないので、貯蓄など余分なものが付いてない衣料保険を薦めることが多い」と話す。厚生労働省研究班の調査では、がん患者が1年間に負担した費用は医療費に交通費や民間療法の費用、保険代などを入れて平均100.7万円。入院費と外来費だけだと、入院しなかった人も含めた全患者で平均すると約57万円。高額療養費の給付や税の控除では全患者で平均約17万円かえってきたので、純粋の医療関連の負担は念平均約40万円だ。(朝日新聞)
Mar 03, 2010 11:27

◆まずは公的保障で

「医療保険は入ってはいけない!」の著者・ファイナンシャルプランナーの内藤眞弓さんも、民間保険を全否定はしていない。「貯蓄がない資産形成中の人などには、勧められる」と話す。ただ、公的な保障を熟知した上での判断が必要だ。まず重要なのが高額療養費精度。公的保険制度で70歳未満の患者は医療機関の窓口に医療費の3割を払うが、これが基準を超すと払い戻される制度だ。一般的な所得(標準報酬月額53万円未満で住民税の課税対象)では、各月の窓口負担が8万100円を超すと、超過分の30分の29が戻る。差額ベッドなどは対象外だが、保険医療の範囲なら月額の医療費負担は8万円余りか、それ以下になる。(新聞朝日)

Mar 02, 2010 08:28

◆がん保険 いる?いらない? 2
厚生労働省研究班の調査では、患者がもらった民間保険金の平均は支払った経費を超えており、民間保険が患者に経済的な安心をもたらしていることがうかがえる。同班が2004年から続けている調査では、がん患者6600人(粒子線治療を受けた人を除く)がもらった民間保険や税の還付などの払戻金の平均は1人年間62.5万円。だが、民間保険を受取った44.8%の患者に限ると、この保険金だけでも平均101万8千円もらっている。公的保険と税の払い戻しを差し引いた実質経費の平均83.8万円を上回る。(朝日新聞)
Mar 01, 2010 11:34

◆がん保険 いる?いらない?

がんになると、治療に様々な支出が強いられる。備えとして、民間の医療保険やがん保険に加入しておくのも一つの手だ。「闘病に専念できたのは保険のおかげ」。3年前、夫を肺がんで亡くした四国の50代の女性は振り返る。がんの発見は2002年。夫は40代の働き盛りで、会社経営をしていた。「できるだけよい病院で」と、最初の3カ月の入院は自宅から遠い都市部の病院に。仕事と看病の両立のため、女性は毎日約5千円の交通費で病院を往復。その後も名医を求めて本州で入院するなど、手を尽くした。合計400万円を超す保険金が出たが、医療費や交通費などの全経費とほぼ同じ額だったという。すべての経費は貯蓄の範囲で十分収まり、保険がなくても同様の闘病はできた。それでも「先を見通せない中で貯金がどんどん減れば、不安だったと思う。保険でお金の不安は消えた」と女性は話す。(朝日新聞)

 

Feb 28, 2010 08:08

◆最後の痕跡
2カ月前、末期の肺がんとわかった父が選んだのが在宅での緩和ケア。時折、悲しみがあふれ、海に泣きに行った。「死臭がでてきているようなので、あと2、3日かもしれません」という告知の翌日、父の部屋に入ると、変化に気付いた。たばこ、本、コーヒーといった、今までしていたにおいとは違う。悪臭ではないが、気持ちを重くする。日ごと強まり、「そろそろなんだな」と覚悟した。3日後、息を引き取った。「お疲れ様」と拍手で送った。通夜、葬儀。部屋に満ちていたにおいは薄まり、父が生きた最後の痕跡は、いつのまにか消えた。(朝日新聞)
Feb 27, 2010 09:17

◆呼気でがんを見つける

「においでわかる。もう手遅れかもしれんぜ」 無免許の天才外科医ブラック・ジャックを描いた手塚治虫の漫画の一コマだ。においを実際に診察に役立てようという試みがある。並んで置かれた人の息が入った五つの袋。真っ黒なメスのラブラドルレトリバー、マリーンがかいで回り、一つの前に止まった。千葉県南房総市のセントシュガー犬舎で行われた呼気でがんを見つける実験だ。呼気は福岡歯科大医科歯科総合病院の外科医、園田英人さん(39)が提供した。165人分の実験でマリーンは90%を超える確率でがん患者の呼気を当てた。園田さんは昨年10月の学会で成果を発表。今、論文にまとめている。がんを専門にし10年。数百人の患者を診た。いつからか独特のにおいを感じるようになった。ほんのかすかな、海を思わせるにおい。調べると、海外では犬の鼻を使ったがんのにおいの研究事例があった。日本でも「がん探知犬」として訓練を受けるマリーンがいると知り、協力を申し出た。マリーンの能力を証明し、データを蓄積すれば、におい物質を特定できる。患者に負担の少ないがん検診ができるようになる。(朝日新聞)

 

Feb 25, 2010 10:31

◆がんの再発
手術が成功し無事に退院したが、3カ月ごとの定期検診で肺の末梢に小さな再発が発見された。手術はできるか。影がたくさんあれば、前のがんが転移・再発したと考えるので、全身の薬物療法がいいと思います。ただ、影が1個の場合は新たながんができた可能性もあるので、その場合は体力があれば手術してもよいのではと思います。再発と考えれば抗がん剤ですが、新しいがんと考えたら積極的に治療する意義があります。手術が可能なら手術、それが難しいなら定位放射線療法も選択肢になるでしょう。(朝日新聞)
Feb 01, 2010 11:32

◆肩痛の原因

肺のてっぺんなどにがんができると、周囲の神経などががんにむしばまれて、肩の痛みや腕のしびれが出てくることがあります。整形外科でX線写真を撮っても、がんがわかりづらいのです。この場合は化学放射線療法後に手術が一番良いと思われます。骨転移によって肩の痛みが出ていることも考えられます。その場合の標準的治療は、全身の化学療法です。痛みのコントロールが悪い場合は、原因となっている場所に放射線を当てて痛みを緩和する治療を抗がん剤治療よりも先に行うこともあります。すでに遠隔転移が認められる場合の基本的な治療方針は全身的な薬物療法です。痛みが我慢できないような場合は痛み止めであれ放射線であれ、痛みをとる治療を優先させることもあります。(朝日新聞)

Jan 31, 2010 10:54

◆すりガラス状の淡い影
すりガラス陰影はがんか炎症かを判断するのが難しいので、きちんと診断されているかどうか心配です。影の中に濃い部分が出てきたら肺がんの可能性が高くなります。基本的には経過観察ですが、放射線で治療するには肺がんという確定診断が必要です。ただ経過を見ているうちにだんだん大きくなる、あるいはがんの可能性が高いような場合は、患者さんにデメリットなどをよく説明した上で、放射線治療をすることはあります。(朝日新聞)
Jan 30, 2010 15:22

◆重粒子線治療
重粒子線は、体内に入るとある一定の深さで急激にエネルギーが高くなり、その後はそれ以上進まないという特徴があります。エネルギーが高くなるところにがん細胞がくるように調整すると、がん細胞に強い放射線が当たり、それより先はまったく放射線が当たらないという治療ができます。どちらも基本的にはがんがある程度小さく、リンパ節転移がないような人が対象です。全国的に定位放射線治療ができる施設は増えていますが、重粒子線治療ができるのは、日本ではまだ2カ所だけです。(朝日新聞)
Jan 28, 2010 08:44

◆ピンポイント照射
定位放射線治療は、がんのある部分を中心にして多方向から放射線を当てます。周囲の正常組織には強い放射線が当たらないので副作用が軽減でき、1回の照射量が増やせます。(朝日新聞)
Jan 27, 2010 20:52

◆放射線
放射線療法の進化はいかがでしょう。ここ10年のコンピュータ技術の進化に伴い、放射線を狭い範囲に当てる技術が進歩しています。ピンポイント照射といわれるもので、「定位放射線治療」と「重粒子線治療」があります。がんが少し進行した患者さんでは、抗がん剤と同時併用する「化学放射線療法」で成績がよくなることがわかってきました。(朝日新聞)
Jan 26, 2010 09:25

◆分子標的薬
今のところ、プラチナ製剤のシスプラチンとペメトレキセドを組み合わせて最初の治療に用いることが推奨されています。治療時間が短くて済むカルボプラチンとの組み合わせも世界中で臨床試験が行われています。分子標的薬が効くタイプの特徴が証明されました。(朝日新聞)
Jan 25, 2010 09:08

◆遺伝子変異
自分のがん細胞にEGFRの遺伝子変異があるかどうかはどうしたらわかりますか。肺がんと診断するときに採取した検体で調べることができます。遺伝子変異がある割合は腺がん患者の約4割なので、かなり多くの患者さんでゲフィチニブを最初から使うことが推奨されるようになったわけです。変異のない患者さんでは、従来通りの治療ですか。こちらにもペメトレキセドという新薬が、昨年5月から使えるようになりました。この薬の特長は副作用がマイルドなこと、点滴時間が10分間で終わること、扁平上皮がんには効かないことです。(朝日新聞)
Jan 24, 2010 10:41

◆抗がん剤
肺がんにおける抗がん剤の進化を教えてください。がんのタイプに合わせて治療法を選択する「個別化治療」が進んできたことです。例えば、EGFRという蛋白を標的にした分子標的薬のゲフィチニブは、よく効くタイプの遺伝子の特長が証明されました。ゲフィチニブの使い方も変わってきたのでしょうか。一般に、非小細胞肺がん(腺がん)は、最初の治療でプラチナ製剤と別の種類の抗がん剤を2つ組み合わせて使います。それが効かない、あるいは使った後で再発してきたときは、二次治療としてゲフィチニブが使われました。ところが最近、ゲフィチニブはEGFRの遺伝子変異を持つ人によく効くことがわかり、最初からゲフィチニブを使うことが選択肢となってきました。(朝日新聞)
Jan 23, 2010 10:52

◆進行がんの手術
進行したがんに対する手術は、例えば縦隔リンパ節に転移があるような場合は手術だけで治すのは難しかったのですが、最近は手術前に抗がん剤と放射線で治療するとよい成績が得られることがわかってきました。高齢の患者さんでも手術はできますか。今、肺がんの手術を受ける年齢で、一番多いのが70歳代で、80歳代もまれではありません。元気であれば、高齢でも安全に手術ができます。(朝日新聞)
Jan 22, 2010 09:01

◆がんの見分け方

最近はCTですりガラス状の淡い影がよく見つかるとのことですが、がんかどうか、どのように見分けるのですか。がんの場合は形が丸く、境界がはっきりしていることが特長です。ただ、がんか炎症か区別がつかないことも多いので、少し時間をおいて再度CTを撮り、影が消えたり小さくなったりすれば炎症と判断します。がんの場合は縮小手術ができます。ほとんど淡い影の場合は部分切除、淡い影の中に濃い部分ができた場合は区域切除を選びます。現在、こういった縮小手術の臨床試験が行われています。(朝日新聞)

 

Jan 21, 2010 10:47

◆がんの縮小手術
外科の進化は何でしょう。早期肺がんに対する縮小手術と、少し進行したがんに対して抗がん剤と放射線治療をしてから手術をする方法の2つがトピックスです。右肺は3つの肺葉、左肺は2つの肺葉でできています。標準的手術では肺葉を丸ごと取り、胸の真ん中にある縦隔リンパ節も取りますが、縮小手術ではもっと小さく取ります。胸の端にある小さながんで、リンパ節転移がないものが対象です。肺葉の一部分とリンパ節を取る「区域切除」と、リンパ節転移がないときにさらに小さく取る「部分切除」があります。(朝日新聞)
Jan 20, 2010 10:53

◆がんの外科手術

外科手術の今後の方向性はいかがでしょう。手術で切除した組織の遺伝子や蛋白質を調べると、その患者さんに抗がん剤が効くかどうかなどがわかるので、治療法を選択する上でも手術は大事です。将来はさらに洗練されたロボット手術によって、患者さんに負担にならない、より安全な手術ができるようになります。抗がん剤治療では、抗がん剤投与後のいい状態を維持するための「維持療法」の有効性も証明されつつあります。(朝日新聞)

 

Jan 19, 2010 08:50

◆がんの緩和ケア
痛みなどの苦痛を取りながら治療する「緩和ケア」についてはどうでしょう。最近は抗がん剤の副作用をできるだけ抑え、体に優しい方法で治療成績を向上させようという方向になっています。緩和ケアも以前は非常に進行した患者さんが対象と考えられていましたが、いまは治療初期から導入することが基本になりつつあります。(朝日新聞)
Jan 18, 2010 09:27

◆がんの集学的治療
最近は外科、内科、放射線科などが協力する「集学的治療」という言葉もよく耳にします。手術と放射線や抗がん剤を併用することで、治療成績が向上してきました。最近は外科医の片手間ではなく、抗がん剤の専門医が適切な量を投与することになったことも、抗がん剤の効果を高めています。(朝日新聞)
Jan 17, 2010 11:23

◆化学放射線療法
比較的初期の肺がんは手術が基本で、遠隔転移のある進行がんは抗がん剤治療の対象です。その中間の局所に限局して進行したⅢA期やⅢB期では、放射線治療と抗がん剤投与を同時にすると最も有効なことが分かっています。化学放射線療法は、肺気腫などで手術ができない患者さんにはよい治療法だと思いますが、副作用が強いのが問題です。(朝日新聞)
Jan 16, 2010 21:35

◆がんの標準的治療
いろいろな臨床試験を行い、肺がんの種類や進行に応じてもっとも優れた治療と証明されたものが標準的治療です。新しい治療法が開発されると、従来の治療法に比べて優れているかを検証し、また新しい標準的治療が生まれます。非小細胞がんの標準的治療を見ると、すべてのステージで、抗がん剤が使われています。そこが非常に重要な点です。今までは抗がん剤は進行して手術できない患者さんにのみ使われてきましたが、最近は手術後や放射線治療後に抗がん剤を加えると、生存期間が延びるだけでなく、治る人が増えてきました。分子標的薬の登場で、抗がん剤の適応も広がってきました。(朝日新聞)
Jan 14, 2010 11:03

◆がんの個別化治療
抗がん剤治療にも大きな変化がありますか。抗がん剤は1945年頃から作られ始め、1990年代からよく効く薬が出てきました。特に分子標的薬と呼ばれる薬の進歩が著しく、治療成績が向上しています。肺がんは大きく、非小細胞がんと小細胞がんとに分かれます。約9割と大多数を占める非小細胞がんは、個々の患者さんにどの治療法が最も効くかが分かってきて、「個別化治療」が現実的になっています。(朝日新聞)
Jan 13, 2010 12:23

◆がん検診受診率アップの工夫
各企業は自社の従業員にがん検診受診をすすめるほか、店舗や窓口での受診呼びかけ、パンフレットの配布、国のがん対策を先導する医師や地元のがん患者団体の代表者などを招いたセミナーの実施、さらには県と共同でキャッチフレーズを考えるなど、さまざまな工夫を凝らした仕掛けを計画中だ。「県民一人ひとりとじかに接する機会の多い企業の方々にご協力いただき、一緒に受診率を上げる方法を考えていきたい。今回の9企業の顧客には他の企業の福利厚生の担当者も多くいるはず、そこから効果がさらに広がる可能性を秘めている」と期待を寄せる。
Jan 10, 2010 11:02

◆民間の力を最大限に活用
また先月11日には、保険会社・銀行・信用金庫など9つの民間企業との間でがん啓発・受診率向上に向けた包括協定を結んだ。受診率を向上させるために、がんの啓発運動に長年取り組んでいる企業の力を活用しようという発想だ。(朝日新聞)
Jan 09, 2010 21:10

◆埼玉県のがん対策
埼玉県の取り組みの一つに、各市町村に具体的な数字をフィードバックする試みがある。部位別のがん検診受診率のほか、どれ位初期のがんを発見できたか、精密検査を受けた人の割合はどれ位かなど、日本対がん協会支部の協力を得て分析した細かいデータを市町村ごとに提供している。「担当者に自分のところは他の市町村と比べてどうなのかを認識してもらい、意欲的に検診をすすめてもらうことを狙っている」と石田部長は話す。さらには、地元医師会などと連携し、自治体や検診機関の担当者を集めた検診方法等に関するセミナーも実施している。(朝日新聞)
Jan 08, 2010 10:30

◆民間パワーを巻き込む埼玉県
埼玉県は2008年3月に「がん対策推進計画」を策定し、5年後のがん検診受診率50%以上を目指している。「平均年齢が若い県ということもあり、受診率は全国平均よりも低い状況にある」と石田義明・県保険医療部長は話す。大腸がん以外の胃・肺・乳・子宮がんの受診率は、いずれも全国で30位前後の数字だ。「受診しない理由を調査したところ、若い方は『健康には自信がある』『時間がない』などの理由が多く、がん検診をあまり積極的にとられていないようだ」と分析する。しかし「面倒だから」「受ける必要性が感じられない」「たまたま受けなかった」という回答も多かったという。「このような人たちには、自治体ががん検診の必要性をうまくPRし、受診しやすい環境を整えることで受診率向上につながるなはずだ。そのためにはまずがん検診を実施する自治体担当者の意識を変えることが必要になるのではないか」と石田部長。(朝日新聞)
Jan 07, 2010 09:34

◆がん検診は社会全体での取り組みがカギ
「自治体、企業、そして住民、この三者の意識が変わることが受診率向上の大きなカギとなる」と日本対がん協会。まずは自治体ががん検診を最も重要な施策ととらえること、企業が検診に対して積極的に取り組むことを提言する。「検診による早期発見が広まることで、自治体にとっては医療費の削減につながり、会社にとっては有用な人材を将来がんで失うことが避けられる。どちらも大きな効果が期待される。実現のためには首長や経営者などトップの理解が不可欠だ」と話す。企業の役割は国も重視し、厚生労働省は「がん検診企業アクション」というプロジェクトを立ち上げ、推進パートナー企業を募集している。さらに住民・従業員についても積極的なかかわりを期待する。「任せきりにするだけではいけない。がん検診をしっかり受診しようとする態度を示すことが自治体や企業を動かし、ひいては自分の命を守ることにつながるからだ」。(朝日新聞)
Jan 06, 2010 11:55

◆がん検診へ企業の理解と協力も必要

逆に、検診を個別に呼びかけている自治体は受診率が高い傾向にあった。特に受診率が40%を超えた自治体では、ボランティアが住民に直接検診を働きかけすることや、未受診者への再通知の徹底、複数のがん検診を同時に受診できるなどの効率化、出張検診・休日検診の実施など、受診をしやすくするような環境づくりを工夫していることがわかった。なかには住民に対し首長自ら検診を呼びかける直筆の手紙を書いたところや、受診率の県ナンバー1を目指して首長が先頭に立って取り組むところもあり、それぞれ結果が出ているという。しかし、これらの自治体からも課題は挙がった。その多くは「職場や企業の理解促進が必要」ということだった。未受診の理由を聞くと「仕事が忙しく、時間がない」という理由が挙げられるからだ。(朝日新聞)

 

Jan 05, 2010 09:10

◆がん検診の重要性を認知させたい
日本対がん協会は昨年9月から10月にかけて、全国1797の市区町村を対象にがん検診に関するアンケートを実施した。受診率50%に向けた全国的な動きを、現場の実務担当者がどうとらえ、何を期待しているのか。その実態を把握する狙いだ。「受診率向上のためには住民への働きかけが大事だ」そう考える自治体が約8割を占めた。しかし実際にがん検診を個別に呼びかけている自治体は半分以下だった。なぜやっていないのか?医療施設・機器の未整備、医師など医療従事者のマンパワー不足、予算が足りない、などさまざまな理由が挙げられた。「住民への啓発が大事だとわかってはいるけど、なかなか実行できていない」理想と現実の間で苦悶する自治体の現状が読み取れた。(朝日新聞)
Jan 04, 2010 10:01

◆がんに負けない これからの社会
34万3000人・・・・。これは昨年1年間にがんで死亡した人の数だ。いま、日本人の2人に1人ががんにかかり、3人に1人はがんで死亡する。がんを早期発見し、がんに負けない社会を作るためにはどうすればいいのか。 がんは発見が早ければ早いほど、適切な治療で治すことができる病気だ。特に乳がん、子宮がんなどは早期であれば、ほぼ完治することが可能となっている。そのような早期のがんを発見するためには、がん検診が極めて重要になる。しかしながら、日本のがん検診受診率は先進各国から比べると極めて低い。欧米諸国が80%程度なのに対し、約25%と低迷している。その状況を踏まえ、厚生労働省は2007年6月に「がん対策推進基本計画」を定めた。5年後の2012年までに、がん検診受診率50%を目指している。(朝日新聞)
Jan 03, 2010 10:04

◆リンパ浮腫のケア
大阪市に住む吉田清子さん(73)は2000年に子宮体がんの手術を受けた。3年後、右足にむくみが出たが、昨年までの6年間、どの病院でも診断がつかなかった。むくみが悪化し歩けなくなり、集中治療を受けたところ、2カ月後、太ももは8センチ細くなった。毎月、外来に通う。「治療後はひざの曲げのばしができるようになり動きやすい。足も軽くなる」と吉田さん。ケアと指導には90~120分かかる。「リンパ浮腫は、がんになったことよりつらいという人もいます。でも治療後には笑顔が戻る。一人で悩まず相談してほしい」とリンパドレナージセラピストの奥谷由里さん(40)は話す。(朝日新聞)
Jan 02, 2010 21:04

◆リンパの流れ促すマッサージ
大阪市立総合医療センターには、手術後などの起こるむくみを扱うリンパ浮腫外来がある。毎日、治療が受けられる。リンパ浮腫は、乳がんや子宮がん、前立腺がん、咽頭がんなど、さまざまながんの手術や放射線の治療による後遺症だ。体内のリンパ管の流れが障害を受けて、細菌や老廃物が処理されにくくなって発症する。こうした状態になることによってむくにが出て、慢性的な鈍痛、だるさ、不快感にも悩まされる。日常生活にも支障が出る。治療後すぐに発症する人もいれば、数年後、十数年後に症状が出る人もいる。リンパ浮腫によるむくみを起こしたまま、何円も経過すると、患部が鉄板のように厚く変形してしまう。治療では、リンパ管をやさしく刺激しながらリンパの流れを誘導する「リンパドレナージ」と呼ばれるマッサージをする。むくみを改善し、患部のやわらかさを取り戻す。治療後は「餅のようにポニョポニョになる」という。さらにその状態を維持するため、弾性包帯や弾性スリーブ・ストッキングを着用し圧迫する。運動療法でもリンパの流れを促す。(朝日新聞)
Jan 01, 2010 00:01

◆各県のがん条例
高知県の場合は、県独自の相談室が開設され、この事業の運営は年間約560万円で県から患者会に委託されたという。一方、神奈川県に住む「がん患者支援プロジェクト」代表の三浦秀昭さんは「神奈川の条例はがん対策を充実させる中身に立ち入っておらず、今後も条例だけに頼らず具体的な成果を求めていく必要がある」と指摘する。国の協議会の有識者委員、埴岡健一・がん政策情報センター長は「条例の制定は、がん政策に患者の視点を反映させることにつなげることができる。がん事業費をはじめ、都道府県にか格差があるが、その地域で必要ながん対策の施策を実現させるため、都道府県単位で、予算やアクションプランを充実させる必要がある」と話す。(朝日新聞)
Dec 31, 2009 15:52

◆がん条例
がん条例では、県の責務として、がん予防の普及啓発や緩和ケアの充実、医療情報の提供などを規定。「がん専門医の育成」(長崎県)を掲げているところもある。その上で、がん医療の体制整備や患者や家族の支援団体の援助などを掲げている。2006年に全国初の条例ができた島根県。県医療対策課の小豆澤さんは「行政が積極的にがん対策にかかわる起爆剤になった」と評価する。がん患者や家族が療養体験や治療方法などを話し合う「がんサロン」の普及については、条例で患者会などへの活動を支援することを明記したことが大きい、という。(朝日新聞)
Dec 30, 2009 11:35

◆がん対策基本法
患者が国会議員に働きかけてできた「がん対策基本法」が成立してから約3年半。法律には、国のがん対策を話し合う協議会の委員に患者や家族代表を加えることが明記された。都道府県単位でがん対策の取り組みを検討する協議会委員にも、患者やその家族が名を連ねている。「がん条例ができると、どんな意味があるのか」 NPO法人日本医療政策機構がん政策情報センター(事務局・東京)が今年10月に開いた「がん政策サミット」。全国の患者団体や家族ら約100人が集まった。先進事例をもとに、がん政策実現への課題を話し合う場だが、テーマの一つが、県や県民へがんへの取り組みを強めるよう促す「がん対策条例」だった。条例が制定されているのは、島根、高知、新潟、神奈川、長崎、奈良の計6県。愛媛や徳島両県などでも制定に向けた準備が進んでいる。(朝日新聞)
Dec 29, 2009 09:49

◆がん治療研究 継続メド
25日に閣議決定された来年度の政府予算案について、福岡県は26日、県関係の事業予算の状況を発表した。事業仕分けで廃止と判定された「地域科学技術振興・産学官連携事業」の3事業は一転して予算が付いた。逆転で認められた3事業のうちの一つ、「がんペプチドワクチン開発の技術研究を核にした久留米高度先端医療開発クラスター事業」がある。廃止判定後、科学技術振興の観点から、麻生知事は国に復活を働きかけてきた。今回は事業枠の総額のみで個別事業の予算額は示されなかったが、知事は「(前年度比)10%ぐらいの予算削減になるが、実質維持されるこになったと考えてよい」と歓迎した。(朝日新聞)
Dec 28, 2009 09:53

◆「当事者(がん患者)の声、反映して」

愛媛県の新事業は、ピアサポーター養成などまだわずか。それでも県議会の岡田志朗・議連会長は「条例は出発点に過ぎないが、(積極的にがん対策費を盛る)予算編成の根拠になる」と意欲を語る。市民運動や啓発運動とかかわりがない患者が行政に訴えるのは難しい。沖縄の患者会幹事・上原弘美さん(42)も初めて県庁を訪ねたときは「心臓がバクバクした」という。東京で看護師をしていた5年前、乳がんを患い帰郷。今年6月にたまたま、琉球大学が初めて開いた患者と家族の集い、「ゆんたく会」に参加したのが転機だった。「ゆんたく会」は地元でおしゃべりや井戸端会議のような意味だ。同じ立場の数十人が月に一度、つらさや悩みを分かち合うゆうたくは快かった。仲間と9月、患者会を設立した。その頃県はがん対策の基本的な計画「アクションオウラン」を策定していたが、「患者の声を反映して」と、会の仲間と県庁を直撃した。県医務課の大城班長も「当事者の話を聞く大事さを思い知った」という。県はプランに「対策推進のため患者と意見交換する」などの項目を加えた。(朝日新聞)

 

Dec 27, 2009 09:55

◆患者の輪 行政動かす

愛媛県で、がん対策を向上させる動きが加速している。「がん施策が充実」とは言い難く、がん拠点病院への県の2009年補助金は国が決めた標準額の3割以下。だが今、来年2月にがん対策条例を成立させようと全45人の県会議員のうち44人が加わる議連で模索する。原動力は松本さんらの活動だ。松本さんはNHK松山放送の局の元キャスター。高校時代、がんを告知されないまま世を去った父に「そんな態度でよかったのか」と悩み、医療問題を取材し続けた。1999年に自らも子宮頸がんに。2007年に取材先の推薦で患者代表として県のがん対策推進協議会委員になった。だが同年、全国の患者委員の集会でショックを受けた。自分以外の全員が、所属の患者会の名刺を持っていたからだ。「自分の主張は、患者を集約した意見だったろうか」翌春、仲間を募って会を立ち上げると真っ先に県庁に向かい協力を要請。患者にアンケートして、患者にとって何が問題なのかを伝えるなどの行動に入った。いまでは定期的に県などと会合を開く。(朝日新聞)

Dec 26, 2009 10:26

◆がん治療研究ストップ

「廃止」「縮減」と多くの事業を次々に判定していった行政刷新会議の事業仕分け。廃止とされた「地域科学技術振興・産学官連携事業」には久留米大や県、久留米市、民間企業が共同でがんペプチドワクチンを中心とした研究を行う「知的クラスター創成事業」が含まれる。今年度から5年間、念3億円が交付される予定だった。がんペプチドワクチン療法は患者自身の免疫力を活用してがん細胞を攻撃し、副作用が少ないとされる。同大が全国初のがんワクチン外来を4月に設けると、診察予約に必要な資料請求が殺到。同外来で治療を受けた患者は200人を超える。11月からは九大、熊本大など11機関と共同で計300人の患者にワクチン接種を始める予定だったが、先行きが不透明になり保留している。「廃止の評価がなければワクチン接種を始められた患者さんがいた。ぜひ継続させてほしい」と久留米大先端癌治療研究センターの山田所長。(朝日新聞)

 

Dec 25, 2009 09:22

◆「がん条例」制定めざせ
がん患者や家族が、がん対策を行政に働きかける動きが本格化してきた。都道府県の会議に委員として加わるだけでなく、予防や早期発見を推進させる条例づくりにつなげる例も出ている。「患者の力」をさらに生かす施策が今後の課題だ。 「仲間になりませんか。一緒にやりましょう」愛媛県今治市の病院の会議室。約30人のがん患者や家族に、患者団体「おれんじの会」副理事長の宮内美奈子さん(62)が呼びかけた。宮内さんも夫をがんで亡くした。がん患者や家族に助言や援助をする「ピアサポーター」養成講座。県が会に委託して11月に開いた1回目。理事長の松本洋陽子さん(44)は「私たち患者が動き出し、県も動き始めてくれた」という。(朝日新聞)
Dec 24, 2009 09:16

◆がん教育基金
「がん」について学校ではほとんど教えていません。いまや半数近くの人がかかるリクスがあるのに教科書の記述はわずか。がんを知ることなく大人になってしまいます。学校や家庭でがん教育が施されている欧米と比べて、検診の受診率が極端に低い理由の一つ。対がん協会では子どもたちにがんを教えるため「がん教育基金」を設けることにしました。東大病院の中川恵一准教授が中心となって教材を作り、まずは全国の中学3年生全員に無償配布しようと考えています。(日本対がん協会・朝日新聞)
Dec 22, 2009 10:46

◆がんと共に歩む 「たんぽぽの会」

12日午後2時、福岡市城南区七隈の福岡大学文系センター15階。がんになった人や家族が病気や治療の疑問を医師に尋ねたり、悩みを語り合ったりする。100円。申込み不要。池亀チエさん080-5206-1694 (西日本新聞)

 

Dec 16, 2009 22:29

◆患者と同じ歩幅で歩こう
患者も「内緒だけど、もうちょっと入院したいって言った理由はね・・・」などと胸のうちを語ってkyれるようになった。そういうときに、ふと、気付いてのだった。外出はだめですよ、先生のいうことをちゃんと聞いてくださいー。がんになる前の古賀さんは、病む人への接し方が「一方的で、強くて、突っ走っていた」のではないかと・・・。でも今は「患者さんと同じ歩幅で、同じ方向に歩ける」と感じている。抗がん剤の投与は3週間に一度。出勤はその4日目からで、前夜には30分のウオーキングで体を温めておく。自分の不調のために他の看護師の士気をを下げてはいけない、という思いからだ。勤務中に吐き気に襲われると、我慢するか物陰に隠れる。飲んだ水が鼻へと逆流するので、水分は極力控える。8月に定年を迎えたとき、夫の義博さん(62)は「もう十分やったじゃないか」と退職をすすめたが、古賀さんは嘱託として病院に残った。それでも秋になり急激に体力が低下したことから、12月中旬での引退を決意した。あと十数日。「やれることはまだある」と古賀さんは言う。37年間の経験や知識とともに、自身の姿を後輩に伝えたいのだという。(西日本新聞)
Dec 15, 2009 16:36

◆がんの看護師 現場で共に闘い もうすぐ引退
自らもがんと闘いながら病院に勤めてきた古賀まち子さん(60)=福岡県春日市=が今月、37年の看護師生活を終える。がんになっての3年間は、患者のいわば同志として医療の現場に立ってきた。福岡市南区の那珂川病院で働く古賀さんが患者に「頑張ろう」と言わなくなったのは、胃がんが見つかった2006年からだ。「頑張って生きようとしている人に、わざわざ言うことないなって・・・」 胃の摘出、腹膜転移、吐き気やだるさを伴う抗がん剤、腹水がたまって腫れるおなか・・・。頑張るのは言うほど簡単ではなかった。抗がん剤を投与して3週間で髪が抜け始め、患者を不安にさせないように、かつらを買った。今もニット帽で出勤し、ロッカー室でかつらをナーシキャップのように手際よくかぶる。脱毛は目立たなくできても、妊婦ほどに大きくなったおなかは気付かれることがある。尋ねられれば「がんなのよ。腹水がたまって」と素直に答えることにしている。それが患者と看護師という隔てを壊して、共に闘う仲間にする。「病気なって、病院に勤めて、よかったなと思います」 (西日本新聞)
Dec 14, 2009 10:09

◆なぜ死を恐れるのか

私はがんを患ってから「今を大切に」という気持ちで生きている。とはいえ、死への不安、恐怖が全くないのかと言われればそうではない。そういった思いに押しつぶされそうになることは、たぶたびある。いつも考えているわけではなく、ふとした瞬間に。例えば、子どもたちの溢れんばかりの笑顔をみたときなどに。しかし冷静に考えれば、がんにならなくても死は必ず訪れる。命あるものに決められた、いわばシステムのようなものだ。思うに私が恐れているのは、死そのものよりも、自分がいなくなったとしても日常は何事もなかったかのように繰り返され、冬の澄んだ空気も、やがて訪れる春の香りも、水面を照らす夕日の美しさも、何ら変わらず、ただ自分が存在していたというところだけがぽっかりと消滅する・・・。愛おしい子どもたちの成長をみることができない・・・。このことに尽きる。けれども、と思う。恐怖は精神を損ない、そこからは何一つ生まれない。なぜ死を恐れるのか?それはやはり、私はどう生きたらいいのかをまだ知らないのだ。探求し続けなければ・・・。私が今を生きるには、つまり恐怖心から開放されて自由に生きなければならない。求めてはいけない・・・と思う。検挙にそれでいて鋭敏に、そして聡明に生きたい・・・生きていたい、と思う。西富貴子 西日本新聞「生きてる・・・」より。

 

Dec 13, 2009 10:53

◆告知のあり方
私の父は主治医からいきなり「がんです」と告げられ、大変なショックを受け、何日も眠れない夜があったといいます。まず家族に相談して、本人に告知すべきかどうかを確認してから言うべきではないでしょうか。末期で治る見込みのない場合など、医師は特に慎重であるべきだと思います。父は永眠しましたが、超高齢社会を生きる私たちにとって人ごとではありません。皮肉にも私は「細胞検査士」という、がん細胞を発見する仕事をしています。多くの患者の細胞診断をしてきましたが、あらためて臨床検査の結果が患者に与える影響の大きさを肌で感じずにはいられませんでした。告知のあり方を考えていただきたいと思います。(北九州市八幡東区、53歳男性) 西日本新聞より
Dec 12, 2009 10:36

◆発見できるのに受診2割
ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を防ぐワクチンが、年内にも国内で販売が始まるが、販売元によると、海外の大規模な治験では、接種から4年後のがん抑制効果はほぼ100%。千人を対象にした国内でも、2年後の段階でほぼ100%という。ただ接種は自由診療で、数万円かかる。日本産科婦人科科学会などは公費負担を国に求めているが、めどは立っていない。嘉村教授は「必ず検診を受け、ワクチンも利用する。二重の予防を行ってほしい」と話す。私も先週、久留米大医療センターで検診を受けた。恥ずかしさは観念するしかないが、痛みはなし。1分ほどで終わった上、「見たところすべて良し」と太鼓判を押されて気分良く帰った次第・・・・。支払いは無料クーポン券を利用した。厚労省の予算で本年度初めて配られ、4月までの1年間に20,25,30,35,40歳になった女性は頸がん、40,45,50,55,60歳は乳がん検診が年度内は無料で受けられる。来年度も続けるという。自治体が指定する医療機関での検診も、多くは2千円以内だ。(西日本新聞)
Dec 11, 2009 09:14

◆子宮がん検診

頸がんの検診は、一般に「子宮がん検診」と呼ばれているものだ。子宮の入り口を眼で確認し、小さなブラシや綿棒でこすり、採った細胞を顕微鏡で調べる。異型細胞の段階から見つけることができる。近年、細胞が採りにくい部位にできるがんも増えているが「発見精度は8割を超す」という。さらに今後は"予防の時代"が到来する。ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を防ぐワクチンが、年内にも国内で販売が始まるためだ。そもそも頸がんは、性行為によって細胞がHPVに感染することで起こる。このHPVは身近なウイルスで、人に感染するもので100種以上ある。うち15種に発がん性があり、大半の女性は一生に一度は感染すると言われている。ただほとんどの場合、ウイルスは自然に体外へ排除され、感染が続いたごく一部の女性が異型細胞やがんに進む危険がある。そこで感染そのものを予防接種で防ごうというわけだ。(西日本新聞)

Dec 10, 2009 10:35

◆子宮頸がん

毎年1万人以上が新たにかかり、3千人が命を落としているとされる女性のがん、子宮頸がん。検診を受ければ、がん細胞になる前の病変から見つけることができるのに、受診率は低く、若い女性に急増している。子宮がんには、入り口にできる「頸がん」と赤ちゃんをはぐくむ部分にできる「体がん」とがある。およそ7対3の割合だ。頸がんが問題なのは、20~30代で顕著に増えていること。最近の20年間で、この世代の罹患率、死亡率はともに倍増した。以前は50~70代が最も高かったのが様変わりし、結婚、出産世代を脅かしている。さらに久留米大医学部の嘉村敏治教授(婦人科腫瘍学)によると、若に世代に進行した「浸潤がん」の割合が増えてきた。がんになる前の病変である、形が正常でない「異型細胞」が浸潤がんになるには数年~十数年かかる。性行為が低年齢化し、若いほど進行は早い。一方、微小な浸潤がんの段階までは自覚できる症状がない。2,007年の厚生労働省の調査では検診を受けた女性は21.3%にとどまっている。(西日本新聞)

Dec 09, 2009 12:26

◆自分の病気を知り明日に向かおう

アメリカではがん患者さんの半数以上が治療のどこかで放射線治療を受けていますが、日本では約2割。多くの人は、受けることによってがんが治ったり、症状が和らいだりする可能性があります。骨転移による痛みは8割が和らぐといわれているので、主治医の先生にたずねてみてください。小西さんとは少し違って、自分の病気を知ることはやはり大事です。医者任せにしないで、でも決して一人ではありません。家族も、私たちもいます。そういうことを忘れないで、がんと向き合ってほしいと思います。知れば知るほど怖くなる人もいるので、あえて「闘うな」と。もちろん、がんをよく知ることも大切ですね。今日何より嬉しかったのは江口先生が今後は患者さんに「治った後の夢」を聞いてくださるとおっしゃったこと。みなさん、治った後の夢のために、そして人を勇気づけるために、がんの治療と向き合ってください。(朝日新聞)

Dec 07, 2009 09:22

◆背負い過ぎずに自然体が一番
その人らしく生きることが大切なんですね。家族の方からも質問が寄せられています・「肺がんで不安がっている人たちにどのように接したらいいでしょうか」 とても大きな問題ですね。いろいろな接し方があると感じていますが、基本は平常通り接するのが一番だと思います。苦痛を自分のことのように思いやり、共感するのは家族にしかできないこと。家族の方も苦しいと思いますので、緩和ケア科などで相談してほしいですね。私(小西)の家族は病室を出たあとに泣いていたそうです。患者さんと接するときは本当に自然体でいいと思います。無理するのがお互い一番しんどい。泣きたいときは一緒に泣いたらいい。家族だからといって背負い過ぎないで、困ったら先生に相談することだと思います。(朝日新聞
Dec 06, 2009 21:29

◆がんの緩和ケア
痛みの緩和と、患者さんとその家族の精神的な治療を指して「緩和ケア」といいます。最近では緩和ケア病棟や緩和ケアチームがある病院も多く、内科医、看護師、薬剤師たちがチームを組んであらゆる方面から患者さんをケアしながら、必要な治療を行っています。がんの末期ではなく初期からということですか?以前は積極的な治療ができなくなった場合に始まるのが緩和ケアでしたが、最近は初期でも通常の治療に合わせて行います。精神的なケアについては小西さん、いかがですか。病気を治すのがゴールではないですからね。病気を治した後に何をするか、ゴールはまだ先。そこを考えることだと思います。小西さんがおっしゃるように、仕事ができるなら仕事をする、家事をするなどは非常に大事です。病気だけに意識を集中させず、日常の生活を取り戻すことが大切ですね。(朝日新聞)
Dec 05, 2009 10:42

◆思い込みで何とでもなる!
実はこれは、私の師匠である欽ちゃん、萩本欽一さんが教えてくれたことの一つなんです。人生で大切なのは「思い込み」、これで何とでもなるっていうね。末期の腎臓がんだと、手術から5年後の生存率は10%を切ります。でも、48時間にも及ぶ大手術から4年半が経ち、転移も再発もありません。脳は体をだますことができる。治ると思い込むことが、大切なんです。私は今、「がんになってよかった」と心から思っています。なぜなら、だからこそ、みなさんにお話ができるから。思えば、がんが見つかったのは12月25日。クリスマスプレゼントだったんですよ。「がんで苦しむ人たちの役に立ちなさい」という、役目が与えられたんです。今治療中の皆さんも、がんが治ったら、同じ病気で苦しむ人たちに話をしてあげてください。次にがんの患者さんの心のケアをするのは、みなさんです。勝手にあきらめたらアカンで!(笑) (俳優・小西博之) 朝日新聞
Dec 04, 2009 10:39

◆末期がんからの生還

私は2004年の12月27日、腎臓がんの告知を受けました。大きさはソフトボールくらいで、余命3カ月。医者が告知を迷うほどの、末期のがんでした。でも誤解を恐れずに言えば、そんな私が今日、みなさんにお話したいのは、「がんと闘おうとか、立ち向かおうとか考えなくていい!」ということです。患者にとって、がんについて知るのはとても怖いことです。絶望的な気持ちになることもあります。がんを乗り越える?そんなことはお医者さんに任せておけばいい。なにより大切なのは、「治ったら何をしようかと、前向きに考えること!具体的に計画して、毎日楽しみにそのことだけを考える。私はまず思いました、「よし治ったらあの《徹子の部屋》に出て、この体験を語ろう」って。(笑) それからは、あの番組に出ると勝手に決め込んで、そのつもりで過ごしました。(俳優・小西博之さん) 朝日新聞

 

Dec 03, 2009 10:42

◆正しい診断で最善の治療を
肺がんと診断されたら、「病期診断のための検査」に入ります。CT検査やMRI検査、PET検査などで全身検査を行い、原発巣の大きさや広がり、リンパ節転移はないか、遠隔転移はないかを調べます。この三つの因子によりがんの進行をⅠ~Ⅳ期に分類し、この結果から治療方針の決定を行っていきます。さらに最近では、「EGFR遺伝子変異の検索」が注目されています。これはがんの増殖や転移などにかかわる上皮成長因子受容体(EGFR)の遺伝子に変異があるかどうかを調べる検査で、EGFRチロシンキナーゼ阻害剤(分子標的薬)の効果を予測することが可能です。特定の部位に変異がある場合にEGFRチロシンキナーゼ阻害剤が効きやすく、日本人の約30%にこの変異があるので、治療方針を決める上で非常に有利な検査と言えるでしょう。(朝日新聞)
Dec 02, 2009 09:40

◆標準的治療と今後の展望
放射線療法は、X線や他の高エネルギーの放射線を照射するもので、肺がんの治療だけでなく骨転移や脳転移の症状緩和にも有効です。コンピュター制御による「定位放射線療法」は、Ⅰ期の肺がんに有効で手術に近い成績も報告されています。がんの部分のみを正確に照射することで副作用を軽減する、照射精度向上のための技術研究が進められています。化学療法は、転移などでがんが広がっている場合に有効で、従来の抗がん剤と分子標的治療薬の二つがあります。最近研究が進んでいる分子標的治療薬に、EGFRチロシンキナーゼ阻害剤があります。この薬剤は、EGFR遺伝子のある人では高い効果を、変異のない人には効果が低いというデータが報告されており、今後は可能な限り、EGFR遺伝子変異の結果に基づいて使用を検討することになるでしょう。これからは、患者さん個々のがんの性質などに基づいて薬を選択する個別化治療の時代がやってくると思います。(朝日新聞)
Nov 30, 2009 09:33

◆がんと正しく向き合う
アメリカで社会的に禁煙対策がなされて約20年。増え続けていた肺がん患者数が急激に減っています。肺がん対策は何より予防が一番ですが、禁煙が効果的な肺がんの予防法であることは間違いないでしょう。日本においては、2,007年4月に「がん対策基本法」が施行されました。この法律は制定にがん患者さんが加わった今までにない事例です。内容としては、「がんの予防や検診」「放射線療法や薬物療法の専門医を増やす」「初期段階からの緩和ケアの推進」「がん医療に関する相談支援や情報提供」があります。そして、最終的には「がんの死亡者を減らすこと」「すべてのがん患者さんやその家族のQOL(生活の質)を向上させること」を目標としています。WJOG(西日本がん研究機構)も、セミナーや講演会など、がんを知ってもらうための活動を続けてきました。このような場が「がんと正しく向き合う」きっかけになればと思っています。(朝日新聞)
Nov 28, 2009 10:52

◆肺がんは21世紀の国民的課題
日本人の肺がんの患者数は近年急激に増加しており、肺がんは私たちにとって「21世紀における健康上の大きな課題」といっても過言ではありません。その大きな原因の一つがたばこです。イギリスでの長期にわたる追跡調査では、1日20本以上たばこを吸うヘビースモーカーは、吸わない人の約20倍がんにかかりやすいことが報告されました。日本における喫煙率は、男性は1965年以降下がってきていますが、それでも2005年現在での日本人の喫煙率は男性46.3%、女性13.3%。アメリカの25.7%、21.5%、イギリスの270%26.0%と比べると、禁煙対策が進む先進各国にあっては、禁煙にたいする意識が低いことがうかがえます。日本人女性の喫煙率は高くはないものの、20代で増えており、若い女性の喫煙は、子どもを生む際の影響が懸念されます。(朝日新聞)
Nov 27, 2009 15:15

◆皮膚・排泄ケア
愛知県江南市のJA愛知厚生連江南厚生病院には、皮膚・排泄ケア認定看護士が3人いる。ケアやサポートの対象は次のような人たちだ。大腸(肛門を含む)、膀胱、子宮などにがんができてストーマ(人工肛門・人工膀胱)を造った人 △がんによって皮膚症状がある人 △入院中や退院後に床ずれや皮膚のかぶれ、むくみなどができた人 △糖尿病の合併症で足の皮膚に症状がある人。祖父江正代さん(39)は皮膚・排泄ケア認定看護師の一人。ストーマの場合で言えば、手術前後の説明から、造設位置の相談と決定、定期的なサポートと皮膚のトラブルなどのケア、日常生活の悩みや不安の支援、社会福祉に関する情報提供などを担当する。ストーマ保有者でも生活上の制限はない。祖父江さんは、これまでの生活をできるだけ続けられるように、「漏れない。におわない」「皮膚がかぶれない」「ケアしやすい」ための知識や技術を患者に教える。排泄だけでなく、食事や入浴に始まり、服装や趣味、性生活にいたるまで一緒に考える。外来でストーマ保有者の方から、「海外旅行に行ってきた」「ゴルフしたけど大丈夫だった」と言われる。「そんなときに一緒に喜べるのが一番嬉しいです」と言う。(朝日新聞)
Nov 26, 2009 09:14

◆PET 勧めない医師も

PETのがん検診(保険適用外)は2003年~2005年に3倍に急増し月間6千件を数えた。しかし、その後は5千件前後で推移し、そう増えてはいない。2006年にはPETはがんの大半を見落とす、との報道もあった。焦点となったのは、国立がんセンターの検診データ。他の画像診断や内視鏡など、各手法を駆使した手厚い検診で約3千人から見つかった129個のがんのうち、PETが検知したのは28個だけだった。担当者は「ほかの検査では通常は余り見つからない緊急性の低いがんも多かった。それで相対的にPETの成績が落ちた」と分析する。横浜市立大などが、国内のPETを併用した検診結果を検証したところ、大腸、甲状腺、肺、乳がんで、PETが検知しなかったがんは2割以下にとどまる。前立腺と胃は6割以上だが、同大の井上登美夫教授は「大腸などは個別に臓器を調べるほかの検診方法より成績はそう劣らない。さらにPETには全身を一度に見られる利点もある。万能な検診手法はなく、PETとその弱点を補う別の手法を合わせるのが大事」という。(朝日新聞)

Nov 25, 2009 22:00

◆PET 見直される力
最近は抗がん剤の効果確認にも、PETは注目されるようになってきた。特に期待されるのが、分子標的薬という新しいタイプの薬だ。分子標的薬は正常細胞に影響がないよう、がん細胞の増殖だけを阻害し、副作用を抑えることを狙った薬。ただし、がん細胞そのものを殺す効果は少ないため、従来のタイプよりがんが縮小しにくい。このため、形状を見るだけの画像検査では効果が分かりにくいが、がん細胞の活発さを見るPETなら評価しやすい。「より早い効果の確認で患者に適した治療に早く移ることができる」と独協医大の村上康二教授は語る。(朝日新聞)
Nov 24, 2009 09:29

◆PET 治療方針を大きく左右
エックス線など、他の画像検査で分からないがんがPETで見つかるのは、体内の組織の形を見るのではなく、細胞の糖分消費の活発さを調べるためだ。がん細胞は盛んに成長するため、通常の細胞よりもエネルギー源になる糖分の消費が多い。検査では、放射線を出すブドウ糖の試薬を受診者に注射し、PET機器で放射線を測定して、その多さによって体内のどこでブドウ糖が多く消費されているのかを見る。PETは治療方針を決めるのに大きな役割を果たしてきた。米国のグループの昨年の報告では、同国の高齢者医療保険制度のもとでPET検査を受けた約35000人のがん患者のうち、38%で検査後の治療方針が変わっていた。このうち30%の患者は、検査前に「治療不可能まはは不要」と判断されていたのが、PET検査後は治療する方針に。逆に8%は検査後、治療不可能または不要と判断された。PETの有効性を研究する寺内隆司・国立がんセンター特殊検診室長によると、PETけんさで治療が改善し、寿命が延びたという統計データはない。だが「助かる可能性のある人が新たに見つかるのは確か」と指摘する。逆に「助からない」と分かることも。寺内さんは可能性のない治療で苦しむより、人生を最後まで充実させる選択肢が生まれる」と話す。(朝日新聞)
Nov 23, 2009 10:02

◆PET かつて「夢の検診法」 今は・・・
「夢の検診法」として数年前に関心を集めた陽電子放射断層撮影(PET)。健康な人のがんを見つける検診目的でPETは急激な増加を燃せたが、最近は、治療方針の検討や化学療法の効果を確かめる手段として、重要性が高まっている。患者や家族が正しい知識を持ち、医師にPET検査の受診を相談することも大切だ。今年1月、独協医大病院(栃木県)でPET検査を受けた宇都宮市の主婦、高知春子さん=仮名=(57)はあぜんとした。医師に示された画像の所々に、がんを示すオレンジ色の部分が見えた。乳がん再発に加え、全身の骨や肺、リンパ節に転移していた。通っていた県内のほかの病院では、がんは「ない」とされていた。高知さんは2005年、乳がんで左乳房を切除。その後も定期的に検査を受け続けていたが、当時の病院ではPET検査はなく、再発や転移は見つかっていなかった。再発が分かってからは薬剤治療が効いて、今夏には、がんが骨の一部に残るだけまで縮小。「前の病院はPET検査をすすめてくれなかったが、思い切って独協医大を尋ねて訪ねてよかった」と話す。
Nov 22, 2009 21:15

◆今後のがん治療
がんと仲良く暮らしていくためには、早期からのがん治療と栄養管理が重要であり、それによってQOLの向上が期待できます。ぜひ患者さんにも医療従事者とコミュニケーションをとりながら、積極的に治療に参加していただきたいですね。また、癌研有明病院では日本一の胃がん症例数をてがけていますが、栄養を損なう前になるべく早く手術を行うことをモットーとしています。また紹介状のない患者さんに対しても、手術までの期間を3週間以内にすることを目標として、早期からのがん治療に取り組みたいと思います。日本においてもEPA・たんぱく質栄養強化食品(飲料)で筋肉の萎縮や「がん悪液質」を抑制するといったデータの構築が必要になります。またがん治療において、今後は一人一人の患者さんに合わせた適切な治療(テーラーメイド治療)を行えるよう、取り組んでいきたいですね。(朝日新聞)
Nov 19, 2009 08:44

◆がんの治療と栄養管理
がん治療は、「手術や抗がん剤などでがんを攻撃する治療」と「がんによる痛みなどの心身の苦痛を和らげる治療(がん緩和医療)」の大きく二つに分けられます。「がん緩和医療」というと、終末期医療と思われがちですが、精神的苦痛を含む様々な問題を、がんと分かったその日から取り除いていくということが、現在の「がん緩和医療」の考え方になっています。その一つの戦略として、栄養管理が重要になってきます。また、慢性炎症が進行することによって起こる「がん悪液質」では、心身の消耗によって日常生活の大部分を他に依存しなければならないなどの状態になります。そのような状態に陥ると、身体的苦痛、精神的苦痛、社会的苦痛にのみならず、スピリチュアルペイン(生きることへの意味や目的の喪失などの人間の根源的な苦痛や苦悩)を伴います。そのため、慢性炎症を早くから抑え、「がん悪液質」の進行を制御することは、苦痛の緩和やQOLの向上において非常に重要な課題です。(朝日新聞)
Nov 18, 2009 08:40

◆体重減少の影響
体重の減少、主に全身の筋肉の萎縮がおこると、患者さんの体力が奪われ続けるとともに、生活の質(QOL)を維持することが難しくなります。同時に、抗がん剤などを分解する酵素の働きが弱くなって、抗がん剤の副作用が強く出たり、治療を続けられなくなったりします。また体重減少はがん患者さんの平均生存期間を短くしてしまうとの報告もあります。体重の減少を抑えて、筋肉をいじすることが重要ですが、慢性炎症が起こっている場合、運動だけで筋肉を維持することは困難です。運動以外で筋肉を維持するには、まず体の中で起こっているボヤが大火事になる前に、炎症をマイルドに抑えることが必要です。次に筋肉が壊されるのを防ぐこと、さらに筋肉を作る栄養素を補給することが必要になり、これらを行うことによって筋肉を維持することができます。(朝日新聞)
Nov 17, 2009 08:39

◆慢性炎症とは
慢性炎症とは、火事でいう「ボヤ」のようなものが、体の中で絶え間なく起きている状態のことです。これは、がん細胞そのものから分泌される物質、また、がんに対する治療(抗がん剤など)そのものが火種となって起こっています。慢性炎症が起こると、ちょっとしたことで疲れやすくなる、気力がなくなるなどの症状が見られます。しかも同時にがん細胞から筋肉を壊してしまう物質が分泌されることによって、脂肪ではなく主にたんぱく質と糖が消費され、がん細胞は筋肉を壊してエネルギーを補うようになります。そのため、がん患者さんでは脂肪ではなく筋肉が減ることによって、体重が減少してしまいます。がん患者さんがやせ細り、元気がないように見えるのは、こういったことが原因になっているのです。(朝日新聞)
Nov 16, 2009 08:43

◆体重減少を引き起こすがんの「慢性炎症」
最近、ますますがん患者さんが増えてきていますね。現在、日本では男性の2人に1人、女性の3人に1人が、がんになっていることから、がんは最も身近な成人病といえます。がんになっても長生きをしている方はたくさんいるので、がんと仲良く暮らしていくために、がんによって引き起こされる障害を最小限に抑えることを考えていきたいですね。 がんによって起こる障害とはどんなものでしょうか。がんによって起こる障害には、器質的障害と機能的障害の二つがあります。器質的障害とは、がんが大きくなり、塊を作ったりして起こる障害(たとえば、がんが腸を塞いでしまうなど)のことをいいます。また機能的障害とは、がん細胞・組織から分泌される物質などにより、体内で慢性炎症、脳神経・内分泌・代謝・免疫異常を起こし、体が衰弱するだけでなく、精神的にも消耗してしまうことをいいます。これらの障害が進行すると、「がん悪液質」と呼ばれる状態に陥ります。私は腫瘍内科医・がん緩和医療内科医として「がん悪液質」の病態の解析と治療薬の研究を行っていますが、「がん悪液質」になることを予防する、あるいは抑えるためには、慢性炎症を日頃から抑えることが重要になると考えています。(朝日新聞)
Nov 15, 2009 08:54

◆がんを早期に見つける方法
がんを早期に見つける方法ですが、内視鏡でも胃がんの検査ができます。胃の中を直接見る方法ですが、小さな早期がんは熟練者でもほとんど分からない場合があり、万全とはいえません。一般的に約5%の見落としがあると言われています。毎年検査を受けていれば、命にかかわらない状況で見つけられると思います。人間ドックでも見つけられるし、行政の検診でも悪くない割合で発見しきるのに、胃がんは進行した状態で見つかる方が半数近い。早期発見に努めることが重要です。治療法も進んできました。(開腹や腹腔鏡)手術と内視鏡手術に分かれますが、手術はリンパ節もとる術式だという特徴があります。早期の粘膜のがんの場合、リンパ節転移は約3%。なので、早期ならば、慎重にリスクを検討できれば、切らずに内視鏡で治せる可能性があります。内視鏡では最近、胃の内側の壁を相当な広さで切り取れる術式、ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)が広がりました。従来式の切除は2センチ程度までで、大きな初期のがんはぶつ切りでとらねばならず、一定の再発リスクが報告されています。5~6センチでもひとかたまりで切除できるESDは、再発の危険が減ります。(朝日新聞)
Nov 14, 2009 10:40

◆痛みさえ除けば尊厳保てる
なぜ、がんになるのでしょう。遺伝子が傷ついて正常な細胞ができなくなり、がんが生まれるのです。遺伝子に傷がつくのは年齢が要因です。50~60歳の人口10万人あたりのがん患者は250人くらいですが、80歳を超えると千人以上。昔ならがんになる前に亡くなっていたのが、寿命が延びたため、といえます。ところで、死ぬのは誰でも怖いけど、避けられません。ただ、がんで死ぬのは、そう悪くない、と最近、思います。今春、父を骨髄のがんで亡くしました。その最期の生き様を見ていて、がんによる痛みさえ除ければ、頭がしっかりとしていることで、尊厳を保ったまま死を迎えられると信じています。ただ、がんになった半数の方は、根治して社会復帰しています。早期発見が、がんで死なないためには大事です。胃がんの場合、がんが粘膜にとどまっているものや、粘膜下層にとどまっているものが、早期がんです。(朝日新聞)
Nov 13, 2009 12:52

◆検診はどれがいい?
例えば、一番死亡の多い肺がん。CT(コンピュータ断層撮影)と胸部のX線撮影を見たら、CTの方が3~4倍の検出率であることが最近わかってきました。おなかの場合、都道府県の検診で、超音波はほとんど使われていません。しかしやはり、肝臓、胆嚢、膵臓、腎臓といったものは超音波で見ないとほかに見ようがないのです。絶対的にどれがいいという検診の手法はありません。PET(陽電子放射断層撮影)は「小さいがんまで全部わかる夢の検査法だ」と言われたのですが、必ずしもそうではなく、小さいものも「分かることがある」と理解していただいた方がいいでしょう。PETで全身を診ることで、検診の対象とならない腸や鼻の奥のがんなどが見つかることがあります。他方、CTで見つかる非常に早期の肺がんなどは写りません。ではどんな検診を受けたらいいかということですが、様々な検診がありますから、とりあえずまず受けてみるという姿勢が大切だと思います。(朝日新聞)
Nov 12, 2009 08:50

◆検診、とりあえず受けてみて
がんで年に34万人の人が亡くなっていますが、これは交通事故の約60年分にあたります。国民の3人に1人はがんで死亡しています。がんになっても助かる人もいますが、男性では大体、一生のうち2人に1人ががんになり、女性は3人に1人がなります。乳がんのように80%以上の方が5年以上生存されているがんもあれば、膵がんのように非常に予後の悪いものもある。様々ですが、どのがんも早期の方が治しやすい。検診で難しいのは、どの検診が「有効か」という点。自治体が検診を実施するとき、「有効である」ことが証明されていなければなりません。でも、有効であるためには、がんがただ見つかるだけではだめで、検診を受けた人が受けなかった人に比べ、がんによる死亡が少なくなることを証明する必要があります。例えば、大腸がんの検診で、便の鮮血反応は有効とされています。でもこれだけでは、進行がんの患者でも大体10%~15%は発見されず、見落とされるんです。それでも、鮮血反応は受診者全体の死亡率を下げるという論文があるので「有効」になっています。一方、内視鏡の方が精度は高いのに、そういう論文としての証拠がない。(朝日新聞)
Nov 11, 2009 11:53

◆条例、WHO枠組みに従った
まず、県民の皆さんとタウンミーティングをやり、関係施設の皆さんと直接の対話を繰り返しました。パチンコ業界の反対はすごかったですね。「たばこを吸いながら打たないと玉が出ない」という感情的な反発もありました。すし店などでは「たばこの煙で料理の味が損なわれたらかなわない。禁煙は賛成だ」という店も多かったのですが、居酒屋業界は猛反対でした。最後は議会。議員さんにも様々な立場がありますから、大激論に。最終的に、二つの修正条件を出されました。一つはパチンコ店やマージャン店など、風俗営業法の関連施設と、100平方m以下の飲食店は禁煙・分煙を「努力義務」にすること。パチンコ店を分煙のために改装するには警察の許可が必要で、何カ月も店を休まねばならない。カウンターしかない小さなバーを分煙にするには無理だという反発もあり、これは受け入れました。もう一つは罰則を盛り込まないという条件。でも健康増進法25条は受動喫煙の防止をうたっているのに、罰則がないから誰も真剣に守っていない。これは絶対譲れないということになりました。(神奈川県知事・松沢成文さん・朝日新聞)
Nov 10, 2009 09:42

◆「広めたい、たばこ規制」
神奈川県は3月、全国初となる受動喫煙防止条例を成立させました。がんや脳血管疾患、肺疾患などにも大きな影響を与える受動喫煙を防止するための新たなルールです。がん予防で、最も注目すべきたばこ対策。はばこを吸わない人にとって、隣の人に勝手にたばこを吸われるのは、迷惑を超えて危害です。欧米だけでなく、アジア各国も受動喫煙防止のルールを、大議論をしながら作っています。WHO(世界保健機関)のたばこ規制枠組み条約に従っているわけで、日本だけは大きく遅れています。国が進めなくてはいけない受動喫煙対策だが、進まない。私は2期目の選挙公約に公共施設の喫煙規制条例を作ると宣言し、当選。条例作りを始めましたが大変でした。規制を受ける施設、パチンコ店やレストラン、居酒屋業界にとって経営に影響する。「民間施設は完全禁煙か完全分煙に」という方針に対し、「不景気で客が減っているのに、たばこを吸う人が来なくなる。冗談じゃない」と大反対運動が始まったのです。(朝日新聞)
Nov 09, 2009 08:25

◆がん患者の悩み
多くのがん患者さんに悩みを聞くと、半数近い方が不安などの心の問題を抱えているという報告があります。具体的には再発や転移の不安が代表的。悩みにどう対処するか、これまで私が話をうかがった患者さんが、いろいろな知恵をくださっています。患者会に参加、闘病記などを読んだりする、つらいときは思い切り泣いてみる。呼吸法など簡単なリラックス方を身に付ける、1日のなかに病気を忘れる時間を作る、といったことです。視点を変えて「同じような状況の人に、自分ならどう助言するか」を考えてみる、という方法もあります。人によって、それぞれに合ったやり方があります。また患者さんは、ご家族がこれまでと同様、そばにいると感じられるだけで心強く感じられるものです。ご家族の適度な気遣いは大切ですが、気遣うあまり腫れ物にさわるような接し方をすると、ご本人が孤独を感じてしまうこともあります。ある意味では「ふつう」に接することも大切です。病気をオープンに話されることで、より絆が深まることもあると思います。(朝日新聞)
Nov 08, 2009 10:36

◆ふつうに接するのも大切
がんと診断されると、患者さんは頭が真っ白になってしまったり、病気を認めたくなかったりするなど、強い気持ちの動きを経験します。1~2週間すると、これからどうなるのかといった不安や落ち込み、また食欲が落ちたり眠れなくなったりなどの症状が出やすくなります。でもこれらは、だでもが経験する心の動きです。多くは数週間くらい経つと「がんになっても元気に過ごしている人もたくさんいる」などと考えられるようになります。心のケアを必要とするがんの患者さんはどれくらいいるのでしょうか。代表的な米国の研究によれば、全体の47%ほどは何らかのケアが望まれる状態だったそうです。昨年ストレスに関する心理社会的要因とがんについてのこれまでの国内外の研究をまとめた結果が発表されました。がんのなりやすさ、死亡率の高さは、心理的な要因とかかわっている可能性はあるようですが、ストレスの影響はあったとしても、わずかだということが科学的に言えそうです。(朝日新聞)
Nov 07, 2009 09:39

◆「拡大しなければいい」考えで
これからの薬は、乳がんの中でも、標的である「HER2」という物質が出ているがん細胞にしか効きません。それが出ているかどうか、事前に調べる必要があります。次に、イレッサ(ゲフィチニブ)。肺がん細胞の上皮成長因子受容体(EGFR)という物質に作用します。この物質の遺伝子の特定の場所に、変化が起こることがわかりました。こうした変化は、実は日本人を含む東洋人に多いんです。また、肺がんの中でも腺がんというタイプや、たばこを吸わない肺がん患者の方に多いと言われます。そういった方に集まっていただいて、従来の化学療法とゲフィチニブのどちらがいいかを比較したら、遺伝子変化がある方でのみ、ゲフィチニブは大きな効果を示すことがわかりました。遺伝子変化がない方では、従来の化学療法の方がよかったのです。従来の抗がん剤はがん細胞を殺して、がんが縮小することを目標にしてきました。一方、分子標的薬は基本的に、「たとえ縮まなくても大きくならなければいい」という考え方で開発されています。(朝日新聞)
Nov 06, 2009 10:21

◆抗がん剤
抗がん剤は髪の毛が抜ける、気持ちが悪くなるなどと、あまり良くないイメージをお持ちだと思います。でも最近「分子標的薬」という新しい薬物が登場し、がんの化学療法は変化してきました。従来の抗がん剤は天然界の植物やカビといったものから、がん細胞を殺す働きをする物質を探して薬にします。抗がん剤は分裂の早い細胞を攻撃します。そのため白血球や髪の毛といった、分裂が早い正常な細胞にも障害を与えて副作用が出ます。分子標的薬はがん細胞が生きていくのに必要な分子、いわば増殖の「信号」をブロックしようという考えです。白血球減少や脱毛などの症状は軽いですが、ニキビのような発疹、あかぎれのような皮疹といった、抗がん薬とは違う副作用が見られます。乳がんの治療に使われるハーセプチン(トラスツズマブ)という分子標的薬。従来の抗がん剤に上乗せすることで、術後4年の時点で従来なら33%の人が再発していたのを15%に抑え、乳がんの治療を大きく変えました。またトラスツズマブが効かなくなってしまっても、ラパチニブ(タイケルブ)という新しい分子標的薬や効くこともあります。このように次々と分子標的薬が登場しています。(朝日新聞)
Nov 05, 2009 08:44

◆進歩する「切らない」治療
新技術もご紹介します。一つは「4次元放射線治療」。たとえば呼吸をすると肺などの腫瘍は動いてしまって狙い撃ちがしにくいという問題がありましたが、新しい装置を開発して腫瘍を追いながら照射できるようにします。もう一つは、「個別化放射線治療」です。同じ腫瘍でも、場所によって増殖能力が特に高かったり、酸素の消費が低かったりします。低酸素の場所は、放射線が効きにくいことが知られていて、治療のハードルの一つと言われています。がんの診断に使われるPETを使うと、この領域をそれ以外の場所と区別することができます。そうしておいて、低酸素領域にIMRTの技術を使い、より高い線量の放射線を当てようというわけです。(朝日新聞)
Nov 04, 2009 10:21

◆がん医療 最先端の応援団

新たにがんと診断された患者で、放射線治療を経験したのは2005年で25%、2015年には40%と予想されています。「がんを切らずに治す」という放射線治療への期待もあるのではないかと思っています。放射線治療は高度化しています。正常な細胞に極力影響を与えずに、がん細胞だけを効率的に殺すことができるようになってきました。一つが、早期の肺がんを対象とした「定位放射線治療」です。たくさんの方角から細いビームを集める原理で、正常組織を避けながら腫瘍に高い線量の放射線を集めます。いわゆるピンポイント照射です。高齢などで手術が難しい患者さんは、治療の第一選択肢と考えていいと思います。次は、「強度変調放射線治療」(IMRT)です。これは一つひとつのビームの強度をそれぞれ操作して、腫瘍だけにたくさんの放射線を当てるという方法です。前立腺がん、頭頚部がん、脳腫瘍について保険が適用されていますが、欧米では子宮がんや乳がんなどでも使われています。治療が難しい悪性中皮腫は、IMRTでないと放射線に弱い臓器を避けながら照射することはできないのではないかと考えています。(朝日新聞)

 

Nov 03, 2009 08:48

◆顔を上げて空を見る
進行した乳がんであるのを物ともせず闘っている人がいる。横浜に住んでいたころの友人で、同じ年頃の子を持つ母親でもある。彼女は手術や化学療法は一切せず、人間をまるごと診る「ホリスティック医学」を志し、頑張っている。自分のがんにも名前を付けている彼女は、心と体は繋がっているんだから、すべてものはプラスに!と言う。私の不安な気持ちはメールの文字でもちゃんと伝わるようで「たあ、検査の前は顔をぐっと上げて、空見る気持ちでね!毎回、私はそうしてました。祈ってる!私、祈ってるからね}。いつもエールを送ってくれる。おしゃれな彼女はクリスマスに向け、大好きなアンティーク雑貨屋で企画の手伝いをすることにしたと言う。「頭の中、がんのことばかりだったから、そうとう楽しくなってきた!私たちはみんな魔法を持っていると思う。それを信じるか、信じないか。引き出すか、引き出さないかは自分の中にあるような気がする」真夜中の3時間、異様な盛り上がりで電話を続け、最期は「宇宙の中の私たちの存在は・・・」みたいな話にまでなった。彼女は言う。「今感じているすべてが命。がんはありがたい自分へのプレゼントと私は思っている。新しい自分を発見することができたから・・・」「手遅れです。手術できません。一生、がんとともに生きることになります」そういわれた悪夢のような中から、明るい光のほうへ進んできた。余命なんて信じない。自分の体なんだから。どれだけ生きるかは自分で決める。私たちは奇跡を起こすんだからね!こんな話をしているときの"場のエネルギー"は、確実に上昇していると思う。自分でも感じることができる。自分のこと、この状況を、笑って話せるようになれたら楽になる。(西日本新聞・生きてる・・・西富貴子 より)
Nov 02, 2009 09:00

◆患者から話せる環境作りに
臨床研究コーディネーター(CRC)は患者の代弁者としての役割も担うので、山際さんは「治験についてどう思っているか、症状は出ていないか」など、患者から話してもらえるよう、いつも気をつかうという。治験に対して、「病院のモルモット(実験材料)」とイメージする人もいる。松山市内に住む乳がんの女性(44)もそうだった。だが、説明を聞いて誤解と思い、治験に参加した。2年半になる。CRCのことは「病院内の信頼できるパートナー」と表現し、こう言う。「治験で体に痛みやだるさが出たときや不安なとき、山際さんに話すとよく聞いてくれ、私の気持ちも分かってくださる。それが治験への安心につながり、心も癒されます」 山際さんは仕事のやりがいについて、「多くの人に役立つ薬が市場に出る過程に携わっていることと、そして、その中で患者さんに向き合えることです」と話している。(朝日新聞)
Nov 01, 2009 09:34

◆臨床研究
「臨床研究」とは、病気の予防法、診断法、治療法について、人を対象に研究をすることだ。その一つが臨床試験で、薬の安全性や有効性、副作用などを評価するためにデータを集める。特に、新薬や既存薬の新たな効用について厚生労働省から承認を得るための試験は「治験」と呼ばれる。臨床研究コーディネーター(CRC)は、それら臨床試験の開始から終了までスムーズに進むように、病院内の関連部署との調整や患者のサポートを担当する。日本では1998年に新設された。四国がんセンター治験・臨床試験管理室副主任の山際有美子さん(40)はCRCになって6年目。以前は薬剤師の業務をしていた。消化器内科と乳腺外科で、術後補助療法や進行・再発時に行う7種類の抗がん剤の治験を受け持つ。治験の参加には、新しい治療の選択肢が加わるというメリットだけでなく、未知の副作用出現というデメリットも考えられる。このため倫理的な配慮として、患者自身がその必要性を認めなければ断ることも、途中で参加をとりやめることもできる。(朝日新聞)
Oct 31, 2009 08:42

◆相談窓口の充実が課題
がん患者の利用が増えている鶴巻訪問看護ステーション(神奈川県秦野市)の和田洋子さんも「がんの痛みが強い人でも訪問介護などを利用すると自宅で暮らせる。自宅に帰ると力がわいて気分もよくなる人も多い」と指摘する。がん患者が在宅ケアを相談したい場合、主治医、あるいは病院の患者相談窓口や地域医療連携室などが応じてくれればいい。実際には、がん患者に対応する診療所や訪問看護ステーションを病院側が把握していない場合もある。角田さんも「相談窓口の充実が課題」という。地域によって差があるが、市区町村の地域包括支援センターや、がん診療連携拠点病院に置かれている相談支援センターが役立つ場合もあるという。(朝日新聞)
Oct 30, 2009 11:04

◆早めの準備が必要
「介護保険は活用できるのに使いこなされていません。介護を手厚くすれば、家にいられるがん患者が多いのに」。日本訪問看護振興財団の事業部長でがん看護専門看護師の角田直枝さんはこう話す。普通の介護保険の利用者というと65歳以上の人だが、2006年4月からは「がん末期」と医師が診断した場合には40歳以上65歳未満の人でも利用できるようになった。介護保険と訪問看護を利用すれば、さまざまなケアが受けられ、自宅で安心して療養できる。しかしがん患者の具合は数日で急に悪くなることもある。先のBさんの例のように介護保険を申請しても市区町村の調査が間に合わず亡くなると、利用できない。急いで対応してくれる市区町村もあるが、必ずしもうまくいっていない。がん末期ちいっても、申請のじてんでは歩ける人もいる。介護の必要度が分かりにくい面もある。訪問介護の申請では、ぎりぎりの段階でがん患者のケアに入ることもしばしばだ。(朝日新聞)
Oct 29, 2009 10:34

◆がん患者の在宅療養
さわやかな秋晴れの朝、東京都北区に住む60代の主婦Aさん宅を看護師の滝井望さん(37)が訪れた。Aさんは4年前、大腸がんの手術を受けた。その後、肝臓に転移が見つかり、病院に通って抗がん剤治療を受けている。副作用が苦しい。吐き気や下痢。食欲がわかない。自宅に帰ってからしばらくは体を動かせないほどだ。「調子はどうですか」「先週は悪かったけど、今週は普通に食べられます」滝井さんは体温や血圧、血糖値などをチェックし、おなかに聴診器を当て腸の状態を調べる。マッサージを受けながら、「手のぬくもりが気持ちいいです」とAさん。訪問看護は週1回。このほか、週2回ヘルパーさんが入浴や家事を助けてくれる。医師から「がん末期」と診断され、介護保険で要介護1と認定されている。Aさんはがん患者が介護保険を使えることも、訪問看護があることも知らなかった。通っている病院から勧められたこともない。ただ夫が病気で以前から介護保険を使っていた。夫を担当するケアマネージャーが介護保険を利用できると教えてくれ、訪問介護も紹介してくれた。(朝日新聞)
Oct 26, 2009 09:23

◆張り詰めた心を放つ
自分ががんだと知ったとき、それまでに築いてきたもの、これから描いていた未来がガラガラと音を立てて崩れていった。しかし、生きていくためには早く気持ちを立て直さなければならない。治療が始まると「よし、頑張るぞ」という気持ちにはなる。しかしながらマイナーな思いは幾度となく訪れた。昔から物事をあまりくよくよと考える性格ではないのだが、がんに関しては、それがあてはまらないようだった。ひとたび陥ってしまうとサーっと顔から血の気がひいていき、手足がガタガタと震えるのだった。ほんとうに闘うべきは、がんではなく自分自身の心なのかもしれない。そして音楽療法の篠崎智恵子先生にとうとう言ってしまった。「先生、自分の葬儀のプランを立てておこうと思うんですが・・・」。すると先生は「分かります!その気持ち。いいですね、私もやりたいくらい」 このような答えが返ってくるとは想像していなかったので、少し驚いたのと同時に、変かも知れないが何だかうれしくなった。「好きでもないBGMを流されたりしたら、たっまたものじゃないですしね」 そんな話になり、気がついたら笑っている自分がいた。先生は、暗い深みにはまったときの私の気持ちをも否定せず、理解してくださる。否定されないということ自体に救いがあった。ほのかな明かりの部屋で目を閉じて鳥のさえずりや波の音を聴いていると、いつも硬く緊張している体からスッと力が抜けてくるのが感じられる。瞑想することが、いかにがん患者の張り詰めた心を解き放つことか・・・。(西日本新聞・「生きてる・・・」西富貴子 より)
Oct 25, 2009 13:55

◆貸し切り湯船で笑顔の花
大浴場ではリラックスしていた参加者だが、入浴前の講演会では、少しでも情報を得ようと、国立病院機構長崎医療センターの前田茂人外科医長の話を真剣に聞いていた。承認されたばかりの治療薬の服用方法や効果、乳がんの手術をした人になりやすいリンパ浮腫を防ぐにはどうしたらいいか、。なかでも印象深かったのが「乳がんは5年で終わりじゃない」という言葉だった。術後の薬物療法の一つであるホルモン療法の目安は最低5年とされているが、近年では10年継続した方が効果があるとの報告も海外ではあるという。前田医師は「10年たっても、10%未満ですが再発する人はいるんです」とも語った。「乳がんに卒業はないんだねえ」。お風呂ではそんな会話も交わされ、しんみりとした雰囲気にみなった。しかし、すぐ別の話題になり、また笑い声ー。高齢の女性が私に耳打ちした。「明るいやろ?けどもんな抱える不安は相当なもの。くよくよしたってしょうがなか、って踏ん張とるんよ」。(西日本新聞)
Oct 24, 2009 09:52

◆同じ悩み、ゆったり話し合う

佐賀県吉野ヶ里町から参加した女性(45)は2007年6月、テレビ番組の乳がん特集を見て、自分の左胸の腫瘍に気付いた。「肉まんの中に、梅ぼしの種があるような感触」だった。治療を受けたことで、腕の血管がつぶれ、20センチほどにわたり切り傷のようなくぼみが残った。ほっとマンマへの参加は2回目。再発の不安を打ちあけた友人から「不安定なのは更年期障害のせいじゃないの」と言われた。悪意はないにせよ傷ついた。同じ病で苦しんだ人が集うこの場なら、思いを共有できるのではと参加したという。先月、手術した左胸に3センチほどの新たな腫瘍が見つかった。私も触らせてもらった。表面がつるつるとした小石のようだ。病院では次回の診察時に検査すると言われたので急を要する事態ではないだろうが「やっぱり不安・・・・。みんなはどう言うかな、と思って」。「私は悪い腫瘍がわかってすぐ手術だった。しばらく様子をみるのだったら、まずは大丈夫よ」などと励ます声が掛けられていた。(西日本新聞)

 

Oct 23, 2009 10:32

◆乳がん患者 温泉に行く
湯船に体を滑り込ませた女性たちは「普段もこんな風に堂々と入れればいいのにね」と幸せそうにつぶやいた。参加者の半数以上は腫瘍と一緒に乳房を切除している。乳房の形をできるだけ残す温存療法を選択した人も、やはり傷跡がある。「私は大浴場ではいつも娘の影に隠れてますよ。お母さん、気にしすぎよ、って言われるけど、できなくてねえ」その言葉に周囲の女性たちはうなずいた。乳房がない、手術のあとがある、というコンプレックスが、温泉や銭湯ではどうしても人の視線を意識させる。普段は大浴場にいかない人も多いという。「気付かれないように深く湯につかった、のぼせたりね」。どっと笑いが起きた。同じ立場だからこそ、屈託なく笑いあえるのだろう。「ほっとマンマ・イン・嬉野」は、嬉野市と嬉野温泉旅館組合おかみの会(北川節子会長)が企画した。「マンマ」はラテン語で乳房を意味する。7年目の今回は福岡、佐賀、長崎各県から25人が参加、その7割はリピーターという。二つの大浴場が1時間貸切。今日だけは胸を隠すタオルは必要ない。風呂上り。脱衣所で、乳がん患者のための下着を見せてもらった。切除した乳房の代わりに、それに似た柔らかさや重みのある三角形のパッドを下着の中に装着せきるようになっていた。その女性は「年が経つと、本物の方が小さくなっちゃってね」と笑った。(西日本新聞)
Oct 22, 2009 08:34

◆長期的改善が課題に
国内初の生体肝移植は、1989年に島根医科大で胆道閉鎖症の1歳の男児に対して行われた。当初は、胆道閉鎖症などの子どものために、親が肝臓を提供するのがほとんどだった。その後、技術の向上や免疫抑制の開発などが進み、成人間の移植も広がった。1998年から保険適応にもなった。対象となる病気は、大人ではB型、C型肝炎ウイルスなどによる肝硬変、硬化性胆管炎などのうっ滞性肝硬変、劇症肝炎などが多い。がんも3割くらい占めると見られている。小児では、胆道閉鎖症などがある。提供者と血液型が合わなくても、免疫抑制剤や手術方法の開発により、いまでは血液型が合っている場合と同じ程度の生存率が得られるまでになった。生体肝移植全体では、患者の1年後の生存率は85%、5年後の生存率は75%と良好で、有効な治療法として確率されたといえる。今後は5年目以降の長期的な経過をよくすることが課題、と言われている。(朝日新聞)
Oct 21, 2009 09:12

◆京都基準
京都基準は「PIVKAーⅡ」と呼ばれる、肝細胞がんで特異的に上昇する血液擬固因子の数値をみる腫瘍マーカーの検査値を盛り込んだ。がんの大きさは5センチ未満という点ではミラノ基準と同じだが、個数を10個以内と増やし、さらに「PIVKA-Ⅱ」が一定の値以下であることを条件にしている。京都基準を満たした場合の5年生存率は86%、再発率は5%だった。基準を作った2007年以降の36例でも再発は1例のみで成績は良好だ。画像診断技術の進歩で、ミラニ基準ができた当時は見えなかった小さながんまで見えるようになった。京都大の上本伸ニ教授は「がんの数は以前より多く診断されがち」と、大きさや数での規定は限界が出てきたとも指摘する。現在、京大以外の施設でも、独自の基準が開発されている。上本さんは「腫瘍マーカーで、悪性度の高いがんを除去することにつながる」と新基準の意義を話す。(朝日新聞)
Oct 20, 2009 08:31

◆独自基準で成績良好
ミラノ基準は1996年にがん患者への生体移植の適応基準として、イタリア・ミラノ大学の研究者が発表した。2004年からは日本の保険適用の基準として用いられている。脳死移植が主流の欧州で、限られた移植の機会を生かすため、再発の可能性が少ない症例に絞って適用すべきだ、という考えが基準の下地にある。もとになった海外の移植データは、4年後の生存率は75%。京都大学肝胆膵・移植外科は、1999年2月から2006年12月に実施した肝がんの生体移植136例を調べた。ミラノ基準を満たした74例の5年後の再発率が9%だったが、基準外の62例は33%と高かった。日本人でもミラノ基準は妥当だと裏付ける結果だが、海道さんらはさらに、基準外で再発した例と、再発しなかった例を分析。腫瘍の大きさや数だけでなく、悪性度が再発に関係していることを突き止めた。このことが京都基準づくりにつながった。(朝日新聞)
Oct 19, 2009 08:40

◆脳死肝移植と生体肝移植
健康な家族から肝臓の一部を提供してもらう生体肝移植が日本で始まって20年になる。症例はすでに5千件を超え、移植を受ける対象も広がっているが、再発の恐れがある肝がん患者では、適応基準の見直しが進む。現状と課題を探った。1997年に日本で脳死による移植を認める法律が施行されてから脳死肝移植は63例にとどまる。日本は親子や夫婦などの間の生体肝移植が主流だ。いつ現れるか分からない脳死の例を待つのに比べ、計画的に手術を進めることができる。一方で、肝臓の摘出などによる合併症など提供者に危険が伴う。健康な人の体にメスを入れる倫理問題もある。順天堂大学静岡病院の市田隆文教授は「移植がうまくいかなかったときの提供者の精神的なショックへの対応も課題」という。(朝日新聞)
Oct 17, 2009 11:05

◆増えている女性医師
現在、国内の総医師・歯科医師数に占める女性医師の割合は5分の1ほどですが、年齢が下がるほど女性の割合は高まっており、24歳以下ではほぼ同数になっています。現在では、新しく医師になる方の4割が女性で、産婦人科のように新人医師の約7割が女性である診療科もあるほど。女性の医療人が男性と同等に力を発揮しなければ、将来の医療は成り立たないわけです。現在、九州大学では、文部科学省の医療人養成プログラムの一つとして、女性医療人が生涯現役で勤務継続可能な環境づくりを目指して「女性医療人きらめきプリジェクト」が展開されていますが、こうした活動を通じて、女性医療人が働きやすい環境を整備していくことが今後重要になると思われます。「センチネルリンパ節生検」の検査方法が確立されたことで、乳がんの治療はより低侵襲な方向に進化しています。また一人一人の症状に合わせて、手術だけでなく、放射線療法、薬物療法などを併用する治療法を進んでいます。多くの女性に乳がんの早期発見の重要性について理解していただければと思います。(朝日新聞)
Oct 16, 2009 08:47

◆医療事故の低減
女性医師が増えれば、乳がん検診の受診率が高まるわけですね。乳がんばかりでなく、その他の女性特有の疾患に関しても、受診率と早期発見率が高まるでしょうね。乳がん検診で、がん以外の乳腺疾患が発見されるケースも少なくないのですから。女性医師が診療現場に定着することで、マンパワーに起因する医療事故等の防止も期待できると思われます。(財)日本医療機能評価機関では、病院の第三者評価、衣料事故やヒヤリ・ハット(事例)の収集を行っていますが、医療事故の原因としてマンパワーの問題は無視できませんので、出産・育児等でいったん離職した女性医師が安心感を持って復帰できる環境を整えることが重要といえます。必要な支援の中には育児や介護の支援もありますが,紛争リスクが高いといわれる診療科にも医師が定着するように、例えば今年1月に開始した「産科医療補償制度」のように、補償と原因分析、再発防止を組み合わせた制度の整備も必要と考えています。(朝日新聞)
Oct 15, 2009 09:02

◆定期的な自己触診を
乳がん検診の受診率が高まらない要因は? 乳がんに対する正しい認識が、まだまだ一般の方々に浸透していないことが最大の原因だといえます。乳房のしこりなどの異常を感じたら、マンモグラフィや乳腺超音波で詳しい検査を行い、その結果、がんが疑われるようであれば組織生検など精密検査を行うのですが、最初の「何らかの以上を感じる」というきっかけが早ければ早いほど、早期発見・早期治療に結びつくのです。定期的な自己触診を、より多くの女性に心がけていただきたいものです。男性の医師に乳房を診られたり触られることに抵抗がある方も少なくないようですが、最近は女性医師が検査を行う医療施設も増えていて、特に福岡県の乳腺外科では、専門医のおおよそ3分の1が女性です。同姓ですから、どんな風に違和感を感じるのかといった感覚的な部分まで理解しやすく、心理的な抵抗感も少ないはず。乳がん検診は女性医師に頼みたいという方は、最寄の入選外科に問い合わせてみてください。(朝日新聞)
Oct 14, 2009 10:19

◆乳がん検診の促進
マンモグラフィ検査はどこで受けられるのですか?都道府県が医療法に基づく医療機能情報公表制度としてWeb上で医療機関を紹介しているサイトから、「乳腺」の診療をしている最寄の医療機関を探すか、「ピンクリボン(NPO法人乳房健康研究会)」のホームページから乳がん検診が受けられる施設を探せます。また、(財)日本医療機能評価機構では「Minds(マインズ)」という事業の中で、色々な病気の診療ガイドラインを公表しており、乳がんの予防や検診、治療に関する情報も掲載されています。(朝日新聞)
Oct 13, 2009 07:13

◆増加を続ける乳がんは早期発見で根治可能
乳がんが増加しているそうですが、近年の傾向は?数年前に大腸がんを追い抜き、女性に最も多いがんになっています。これに伴って乳がんによる死亡者数も増加しており、現在は年間1万人以上が死に至っています。毎年約4万人の女性が乳がんと診断されていますから、日本女性のおおよそ20人に1人が乳がんになる可能性があるということです。年齢別に見ると、30歳代から増え始め40歳代後半~50歳代がピークですが、若い女性や60歳以上の女性が罹ることも少なくありません。「女性なら誰もがなり得るがん」と言えるでしょう。食生活の変化や女性の社会進出などライフスタイルの変化が、乳がんの増加原因と見られています。他にも閉経後の肥満、喫煙などでリスクが高まることが分かっていますが、効果的な予防法は見つかっていません。ただ、他の部位のがんと違い、自分自身でチェックすることが可能な「見えるがん」ですから、自己触診や「マンモグラフィ」というX線撮影検査の定期受診で早期発見することが大切です。(朝日新聞)
Oct 12, 2009 09:29

◆自分を取り戻す
しかし私たちの意識の中から死は遠ざけられており、あってはならないもの、今の自分には関係ないもの、とされている。こうやって自分の身にさし迫ってくると、動揺し、身動きが取れなくなってしまう。一歩先の人生など、何が起こるか誰にも分からないというのに。緩和ケアにも力を入れる宮崎市の外科医で、20年来の友人でもある藤木啓医師は、再発して自分ではどうしようもないほど取り乱していた私にこう言われた。「今日、再発を聞かされて、昨日までのあなたと何か違ってる?再発は昨日も、そして1カ月前からもあった。でもあなたは毎日変わりなく過ごしていたでしょ?明日もいつもと変わらない1日がくるよ」。何だか肩からスーっと力が抜ける気がした。ずっと見失っていた自分を取り戻すことができそうな気がしてきたのだった。(西富貴子・西日本新聞・「生きてる・・・」より) 
Oct 11, 2009 09:09

◆限りある命を生きる
2005年7月。38歳にして私は乳がんの告知を受けた。2人に1人ががんになるといわれる現在、がんは珍しい病気ではない。でも診断されるまで、まさか私ががんになるなどとは考えたこともなかった。もしなるとしても、もっとずっと年をとってからだろう、という漠然とした、それでいて本当にそう思っている自分がいた。しかし現実は、今から思えばなんてあいまいなともいえるそんな考えをいとも簡単に裏切った。そしてあらためて、誰もが年齢を問わずがんになる可能性があることを認識させられた。そもそも、この自分の体に対して妙な自信のようなものを持っていたのはなぜだろうか、と考えてみた。そしてやはり「死」というものがずっと遠くにあると思っていたからだ。もちろん命は有限であり、生まれてその時から、死に向かって歩いているようなものだ。けれども、がんになる以前、私は死を意識した生き方をしていただろうか。淡々と過ぎる毎日を、ただ忙しく過ごしていたのではないか。限りある人生の1日1日を生きているのだと実感し、今日を・・・"今"を生きているということに喜びと感謝の気持ちを持っていただろうか。・・・続く・・・ 「生きてる・・・」西富貴子 より (西日本新聞)
Oct 10, 2009 09:31

◆チェルノブイリ がん治療支援 ヘアカットぜひ来て

旧ソ連のチェルノブイリ原発事故の影響でがんに苦しむ人たちを支援するチャリティイベントが苦戦を強いられている。NPOの「チェルノブイリ医療支援ネットワーク」(古賀市)が主催する「チャリティヘアサロン・スネガビーク(雪の精)」。プロの美容師に髪を切ってもらい、その収益を原発周辺で多発している甲状腺がんの検診、治療に宛てようとの取り組みで、今年で6回目。前回は150人が参加したが、今年は開催まで1週間を切ったのに予約が50人止まりという。同ネットワークは「宣伝不足だったかも知れない。120人を目標にこれからも呼びかけたい」と話している。同ネットワークは1990年に設立。事故の被害が大きかったベラルーシ共和国を中心に日本人医師団の派遣、移動検診車や医療機器、薬品などの支援を続けている。イベントは12日午前10時から午後3時まで。福岡市中央区大名2丁目の大村美容専門学校オムニス・スタジオで。料金は1500円(シャンプー・カット・ブロー)。(朝日新聞)

 

Oct 08, 2009 08:42

◆ピンクリボンフェスティバル全国3都市で開催

乳がんを毎日の生活の中で意識し、自己検診や定期検診への第一歩を踏み出してもらおうと、2003年から「街」と「人」をコンセプトにピンクリボンフェスティバルが開催されている。(朝日新聞社など主催)今年も街を歩くことでピンクリボンのメッサージを伝える「ピンクリボンスマイルウオーク」や専門家と乳がん体験者による「ピンクリボンシンポジウム」、検診の大切さを伝える作品を募集する「ピンクリボンデザイン大賞」を始め、地域の特色を生かしたイベントが行われる。これまでピンクリボンフェスティバル参加者からは「早期発見につながった」という声も寄せられている。これからもブレストケアの大切さを伝えるため、さまざまな活動を展開する予定だ。

詳しい情報はピンクリボンフェスティバル公式サイト

Oct 07, 2009 07:51

習慣づけて!月1回の自己検診
早期発見は、乳がんから身を守るうえでとても大切なこと。早期発見のための検診には、検診機関で受ける「マンモグラフィー」「超音波検査」「視触診」のほか、みずから乳房をチェックする「自己検診」がある。自己検診は、生理が始まって1週間後、閉経後の人は毎月、日を決めて行うのが理想的。しこりなど気になることがあったら乳腺外科、乳腺科などに相談を。 両腕を下げたときの、左右の乳房や乳首の形を覚えておく。両腕を上げて、正面、側面、斜めを鏡に映しながら①乳房にくぼみやひきつれたところがないか ②乳首のへこみや湿疹のようならだれがないか、チェックする。 あおむけに寝て右の乳房のしこりを調べる。右肩の下に薄い枕を敷いて乳房が胸の上に広がるようにしたら、右腕を上げて頭の下に入れる。次に、左手の指の腹で内側から外側に向かって乳房を圧迫しながらまんべんなく触れる。右腕を下ろし、左手の指の腹で外側から内側に向かって乳房を圧迫しながらまんべんなく触れる。 右の胸が終わったら、左の乳房も同じ要領でチェックする。左右の乳首を軽くつまみ、血のような異常な液がでないか調べる。(朝日新聞)
Oct 06, 2009 09:00

アメリカで始まった乳がんのキャンペーン
ピンクリボン運動がスタートしたのは1980年代。当時、8人に1人が乳がんをわずらうと言われたアメリカで、乳がんの早期発見、早期治療の大切さを伝える運動として広まった。乳がんは早い段階で発見できれば90%を超える高い確率で治癒すると言われている。そこで行政、市民団体、企業などが一丸となって乳がん検診を呼びかけた結果、アメリカでは乳がんへの意識が高まり、死亡率の低下につながった。アメリカでの活動を受けて、いまでは世界各国でピンクリボン運動が盛り上がりをみせている。日本では2000年ごろからピンクリボン運動が始まったが、残念ながらいまだに検診率が高いとは言えない。毎年新たに乳がんと診断される女性は約4万人、そして、毎年1万人以上が乳がんで亡くなっている。現在、日本人女性の20人に1人が乳がんにかかると言われている。女性ホルモンの乱れ、少子化、高齢出産の増加など、乳がんを引き起こしやすい環境にさらされている現代の女性たち。「わたしはきっと大丈夫」、そう思って検診をおろそかにするのではなく、自分の問題として考えていきたい。(朝日新聞)
Oct 05, 2009 15:31

海の中道で24時間ウオーク&催し
昨年11月に看護師、友人の患者と3人で始めた実行委員会は、職場や家庭などで共感を広げ、現在63人にまでなった。患者だけでなく家族、同僚、遺族らも加わった。博喜さんはいつ体調が暗転するかわからない妻を案じ、副委員長を買って出た。両日は、医師、看護師に常駐してもらうほか、救急態勢を持つ病院とも連携、食事の心配もしないですむようにさまざまな出店も手配した。その売上金の一部は、患者支援にあてる。趣旨に賛同した人たちによる踊りや詩の朗読などでステージはにぎあう。これまでに各地で行われたリレー・フォー・ライフでは、主催者さえ把握していなかった人たちが当日大勢参加しているという。「1人で参加されても大丈夫。孤独な思いはさせません。自分のペースで歩いて」と宮部さん。問い合わせは宮部さん(080-3998-6500)へ。 (朝日新聞)
Oct 04, 2009 09:36

生きる希望 がん患者に
がん患者や支援者たちが24時間たすきをつないで歩き、境遇を語り、励まし合うイベント「リレー・フォー・ライフ」が3、4日に、福岡市東区海の中道海浜公園・光と風の広場(1周400m)である。すでに320人以上が参加を申し込んでいるが、患者で実行委員長の宮部治恵さん(41)=同市東区三苫1丁目=は「誘える仲間がいなくても、個人で参加する人同士でたすきを渡せます」と、当日の個人参加も大歓迎するという。リレー・フォー・ライフは1985年、米国の医師が、がん患者の支援金を集める目的で始めた。日本では2006年の茨城県つくば市の開催が初で、九州では昨年の大分に次いで2カ所目となる。9月27日には最後の実行委員会を開き、50人ほどの出席者が「参加者全員と話をしたいな」「笑ろうていくばい」などと当日に向けての決意表明をした。宮部さんのがんは子宮頚部に始まり、甲状腺、大腸と転移したが、2006年9月につくば市でのリレー・フォー・ライフに参加し、生きることに前向きになれた。その前月に知り合った福岡市出身の博喜さん(41)にもがんを告白、結婚して神奈川から福岡市に移り住んだ。・・・続く・・・ (朝日新聞)
Oct 03, 2009 09:28

医師らに働きかけ、記録充実
「地域における疾病の調査や当院の治療の妥当性などについて、院内の第三者が科学的根拠をもとにチェックでき、結果として精度の高い記録として集積することもできます。これは病院の財産になります」と小島靖彦病院長は言う。情報登録は患者の退院後から始まる。稲垣さんが「診療記録の監視役」として、医療従事者に丁寧な記入を求めても、1日の入院患者数が560人にものぼることから、多忙な現場で理解を得るのは難しかった。そこで、稲垣さんは患者の治療方針などを決めるカンファレンス(会議)に積極的に出席して勉強するとともに、院内のコミュニケーションもはかった。「3年後のいまでは、『患者さんの生涯の病気記録』と、院内で認識されるようになり、記載が充実してきました」。稲垣さんは女性でも長く働ける仕事に就きたいと医療事務の資格をとり病院に就職した。働きながら13年目に通信教育で診療情報管理士の資格を取得。現在の病院ではその働きぶりが認められ、4年目に非常勤から常勤の正職員に採用された。「カルテを見るときは、自分が患者だったら大切な記録として納得できるかどうか、いつも念頭においています」。(朝日新聞)
Oct 02, 2009 10:50

カルテの記入漏れ・誤記を点検
かつて、診療時のカルテは医師の備忘録として用いられ、治療が終われば束ねて保管されるだけだった。、近年、カルテ開示が始まったことから診療録が見直され、さらに、電子カルテの導入に伴い、病院の診療情報(カルテ、薬の処方箋、検査数値など)はデータベース化されている。この日々の診療記録を点検して、記入漏れや誤記を各担当者に訂正してもらいながら完成させ、必要に応じていつでも使えるように管理しているのが診療情報管理士だ。国立病院機構金沢医療センター医療情報管理室に勤める稲垣時子さん(45)は、おもに、がんと循環器病(脳卒中・心筋梗塞)の登録を担当する。例えば、がんの場合、患者ごとに診断・初回治療・予後など49項目の情報を打ち込む。集積されると、年間の部位別・年齢別・男女別の罹患率・来院経路別(他の病院の紹介・がん検診・健康診断など)・治療前の進行度・手術症例の5年生存率などが出来上がる。このとき、情報は患者個人が特定できないよう、原簿から切り離される。・・・続く・・・ (朝日新聞)
Oct 01, 2009 08:45

ブラシより綿棒が

新潟県新発田市の検査機関、下越総合健康開発センターの細胞検査士、赤松節さんは「綿棒を用いた検診は要注意だ」と指摘する。赤松さんは2005年、6年にかけて新潟県内で行われた検診で、液状検体法という方式で作られた約5万点の検体について、調べた。その結果、専用ブラシで細胞を採取したケースでは、検体に含まれる細胞の数が、欧米で多く用いられる国際基準を満たさなかった割合は0.6%にとどまった。これに対して綿棒では、5.8%と約10倍に上がった。基準に満たない検体では、がんの兆しを発見できない危険は高まる。日本産婦人科医会は2008年、細胞診の基準に、検体として適切かどうか判断するための国際基準の導入を決めた。だが検診にかかわる医師らによれば、専用ブラシでななく綿棒が使われるケースが今でも多い。綿棒が1本数円なのに対し、ブラシは100円程度のため、コスト面で嫌われるらしい。赤松さんは「受診する医療機関を決める際、検査方法を聞いて綿棒でないかどうか確認するのも、賢い受診方法かもしれません」と話す。(朝日新聞)

 

Sep 30, 2009 10:30

綿棒での採取 精度に疑問
「子宮頸がん検診は、確実に実施すれば死亡率を大幅に減らせる」と、東京の国立がんセンター診療支援情報室の濱島ちさと室長は強調する。名古屋大などの研究グループの報告(2006年)によると、国内45市町村で1988年~2003年の間、受診者と未受診者、計約6万人の子宮頸がんによる死亡率を比較した結果、受診者の死亡率は、未受診者より7割も少なかった。受診の継続も大切だ。濱島室長によると、検診の効果は3~5年に一度、受診する人で認められる。国は2年に一度の受診を推奨している。適切な検体の作成が、検診の成功には欠かせない。だが、細胞の採取法が、検査の精度にかかわることが問題視されている。・・・続く・・・ (朝日新聞)
Sep 29, 2009 08:52

早期発見なら部分切除
子宮頸がんは、膣の奥にある子宮の入り口で起こる。子宮の入り口付近を、医師が専用のブラシなどでこすって細胞を採取。細胞を薬品で処理した液体を検査士が顕微鏡で観察し、がんになりかかっている異形成の細胞の有無を点検する方法だ。正常な細胞ががん細胞になる際、細胞の形が変わったり細胞核の数が変わるなど、段階を経て変化する。この途中の段階を異形成といい、軽度、中等度、高度に分類される。軽度と中等度は8割以上が正常に戻るとされ、経過観察となる。高度なら、がんに進行する恐れが高いので子宮の入り口の一部を切除する円錐切除術をするのが一般的だ。日本婦人科腫瘍学会の子宮頸がん治療ガイドライン作成に副委員長として加わった八重樫信生・東北大教授は「円錐切除の場合、術後半年も経てば性生活を再開できるし、妊娠・出産にも支障はない。ただ病状が進むと、そうとも限らない」という。円錐切除ができるのは現在、子宮の上皮で生まれたがん細胞が、内部に浸潤し始めるごく最初の時期までだ。それでも、がんを見落として切り残す恐れがある。基本的に浸潤がんに進行した場合、子宮を全摘出することになる。(朝日新聞)
Sep 28, 2009 10:39

子宮頸がん 検診率2割
子宮頸がんの検診は、きちんと受け続ければ高い効果が期待できるが、全国の受診率は2割程度と低い現状だ。受診する人を増やそうと、検診を無料化する国のクーポンの配布が市区町村を通して本格化している。宮城県冨谷町の主婦、高橋真由美さん(42)は、11歳を頭に3人の子育てに追われる毎日だ。「検診を受けなかったら、三男には恵まれなかったかも」と振り返る。3年前、子宮頸がん検診を組み込んだ人間ドックを受診。40代を前に「そろそろ健康を気遣おう」と思ったから。健康診断のたぐいを受けるのは10年以上ぶりで、体調はどこも悪くなかった。ところが後日、子宮に高度異形成という前がん状態があることがわかった。3カ月後、高橋さんは東北大病院で手術を受け、子宮の入り口の一部を切り取った。手術の時間は30分ほどで術後の痛みもほぼなく、退院後の生活も今まで通り。昨年末には第三子も生まれた。・・・続く・・・ (朝日新聞)
Sep 27, 2009 08:49

9月はがん征圧月間
9月は「がん征圧月間」。全国大会は乳がん手術の先駆者である華岡青洲ゆかりの地、和歌山市で開催し、千人を超える参加者と和歌山県知事、和歌山市長、厚生労働省、医療関係者、協会のほほえみ大使アグネス・チャンさんらが、がん征圧を誓いあいました。10月は「乳がん月間」です。朝日新聞社などと共催でピンクリボンフェスティバルを東京都、神戸市、仙台市で開催。乳がんを正しく理解するシンポジウムと広く検診をアピールするスマイルウオークを実施します。11月は今年から「子宮頸がん月間」と位置づけました。首都圏でリボン運動を展開する学生たちの集まり「結」(YUI)が、若い女性に子宮頸がんが急増していることに気付き、小冊子やウエブを通じて啓発します。政権交代。民主党のマニュフェストには「がん検診受診率を引き上げる」「子宮頸がんワクチンの任意接種を促進する」「化学療法、放射線治療専門医を養成する」など、具体的施策がうたわれました。がん対策の一層の前進を期待します。(日本対がん協会から。朝日新聞)
Sep 26, 2009 09:25

国が検診無料クーポン
子宮頸がんと乳がんの検診が無料になるクーポン券の配布が本格化している。国費でまかなうクーポン券を各市町村が作成し、対象者に送る方式だ。クーポン券事業は国の5月の補正予算で初めて盛り込まれ、216億円を計上した。子宮頸がん征圧を目指す専門家会議(議長・野田起一朗・近畿大前学長)が8月に行った市町村担当者のアンケートでは、9月末までに約7割の市町村が終える。クーポン券の配布対象は、子宮頸がんで2008年度に20,25,30,35,40歳になった人。乳がんは40,45,50,55,60歳。対象年齢なら、今年度に市区町村の行う検診の対象者でない人も含めて全員、国費で受診できる。今年度限りの事業だが、厚生労働省は継続する方針。(朝日新聞)
Sep 25, 2009 09:04

生かしてもらった者の恩返し

今の病院で新人産科医として働き始めたのは、今年4月。合併症と闘う母親がいて、双子以上の多胎妊娠もある。絶え絶えの息で「赤ちゃんは大丈夫ですか?」と何度も尋ねられる。危険な状態で意識を失った妊婦とは手術室で向き合う。リスクの高いお産を専門に扱う周産期センターだから、夜中も休日も電話1本で呼び出される。少子化が進む、医大時代の友人に「どうして産科医に?」と不思議がられるが、信念は変わらない。「命を生み出すことにかかわることが、生かしてもらった者の恩返し」。目前まで迫った死を乗り越えたいま、そんな思いが強い。生まれたばかりの赤ちゃんは全身で震えながら、元気な泣き声を上げる。「生きて生まれてよかったなあ。いよいよ人生、これからだぞ」。いとおしさがあふれた顔で我が子を抱く母親を見て、天国の美知子さんを思う。(朝日新聞)

Sep 24, 2009 09:00

がんと母の死が導く
2年の研修期間も残りわずかの2008年2月、首に違和感があり、軽い気持ちで診察を受けた。「悪性リンパ腫だよ」。知人の担当医に告げられた。何でおれが?うそだろう?放置すれば余命は半年。説明されなくても、医師の卵だからわかった。「死」が現実味を帯びた。同時に母の顔が浮かんだ。「もっと生きたかっただろうな。人生これからだったのに」。自分は残された時間で何をしたいのか。病室で懸命に考えた。答えはすぐ出た。太陽が昇る前に出勤し、お産や手術に立会い、元気な母親や赤ちゃんの顔に接し、夜遅くに帰る。「休みたい」と思っていた日常が何よりの幸せだと気付いた。もう一度、白衣を着て病院に戻りたい。骨髄移植を受ければ、助かる望みがあった。骨髄バンクに登録して1カ月後、提供してくれるドナーが見つかった。静岡県の30代の男性とだけ聞いた。移植手術は2008年8月13日。美知子さんの三回忌の前日だった。「死んだら終わり。生きなさい」と、母に言われたような気がした。放射線治療の副作用にも、術後のリハビリにも耐え、11月に復帰した。(朝日新聞)
Sep 23, 2009 09:13

授かった産科医の幸せ
新しい命が生まれた。福岡新水巻病院(福岡県水巻町)の周産期センター。産声をあげる赤ちゃんを抱く母親に、産科医の倉員正光さん(31)は言葉をかける。「おめでとうございます」。いつも声が震えてしまう。母を亡くし、自分も命を失いかけた記憶が重なるからかもしれない。母美知子さんは2006年8月14日、肺がんで亡くなった。産婦人科の長女として生まれ、皮膚科医の父と結婚。3年間の闘病の末の51年の生涯だった。一人息子の倉員さんは幼い頃から、医師を目指すよう母に言われた。友人関係にまで口を出されることを、疎ましく思った時期もある。2006年春に医師国家試験に合格し、福岡市の総合病院などで研修医の生活が始まった。「これからがスタートだね」。病床の美知子さんは、そっけなかった。見舞っても「早う病院に帰りなさい」。知人に電話し、「正光も医者になったよ」とうれしそうに話していたと知ったのは、亡くなった後だ。もっと早く母の愛情に気がつけばよかった。母を亡くした日常は色あせ、つまらなかった。「お母さんがあっての、子どもなんだ」。母子の命を助ける、産科医の道を志した。<続く> (朝日新聞)
Sep 22, 2009 09:43

患者が望む医師との理想的関係は?
国立がんセンター東病院臨床開発センター(千葉県)の内冨庸介・精神腫瘍学開発部長に、患者としてどう望めばいいか聞いた。 東病院では、がんの告知後の患者の心のケアに当たっている。外来患者530人に、患者が望む医師とのコミュニケーションを調査した。その中で「自分が質問できるよう(医師の方から)促してほしい」という回答が全体の7割を超えた。治療方針を決める大事な段階で患者の気持ちを聞けていない。このため、患者が話しやすい雰囲気でがん告知するための手法「SHARE」(シェア)を開発した。逆に患者は、告知に望む際に質問を整理しておいた方がいい。病態や治療内容のほかにも、暮らしや仕事への影響も知りたいだろう。乳がん患者は20~50代で、普通のがん患者よりも若い年代がかかるので、そうした心配が強い。各地のがん拠点病院には患者や家族の相談支援センターがあり、ソーシャルワーカーや看護師がいる。そこに立ち寄って心配や不安を語ってほしい。告知後も人の心は揺れ動くし心配事も変わる。その都度、医師や看護師に伝えることが大切だ。(朝日新聞)
Sep 21, 2009 08:28

ピンクリボン・ネイルアートコレクション
NPO法人日本ネイリスト協会が、フェスティバルと連携して主催するチャリティー企画。大地真央さん、ベッキーさんらによるネイルデザインを、トップネイリストが作品化、10月1日~4日、表参道ヒルズで展示。作品は、同1~7日に「Yahoo!チャリティオークション」に出品、収益金は日本対がん協会「乳がんをなくす ほほえみ基金」に全額寄付。問合せ先:NPO法人日本ネイリスト協会事務局(03-3500-1580) *各イベントの詳細は、ピンクリボンフェスティバル公式サイトまで。電話0120-711-951)
Sep 20, 2009 09:46

ピンクリボンシンポジウム

乳がんの治療に携わる医師や看護師、闘病経験者を講師に、早期発見の大切さを考える。 <東京会場 10月4日> 東京都千代田区の有楽町朝日ホールで1部(一般向け)は午後1時~3時、岩瀬拓士・癌研有明病院レディースセンター乳腺科部長、アグネス・チャンさんらが講師として参加。 2部(体験者向け)同4時~6時、講師に中村清吾・聖路加国際病院ブレストセンター長、長谷川雅子・聖マリアンナ医科大学付属研究所ブレスト&イメージング先端医療センター付属クリニック看護師長らを迎える。 <神戸会場 10月18日> 神戸ポートピアホールで午後1時~4時、講師は岩田広冶・愛知県がんセンター中央病院乳腺科部長、渡辺亨・医療法人佳友会浜松オンコロジーセンター院長、山田邦子さんら。 (朝日新聞)

Sep 19, 2009 09:43

ピンクリボンフェスティバル

ピンクリボンフェスティバルの期間中は、乳がんの経験者や医師らが語るシンポジウムや、検診の大切さを訴えるウオーキングなどの催しが開かれる。◆東京都庁点灯式イベント:10月1日午後7時、ピンクリボンにちなみ、都庁舎がピンク色に照らされる。それに先立ち、6時15分には、アグネス・チャンさん、山田邦子さん、宮崎ますみさんらによるトークショーも。問い合わせは、東京都健康推進課(03-5320-4363) ◆ピンキリボンスマイルウオーク<東京大会 10月3日>東京ミッドタウンを出発、12キロ、6キロのコース。<神戸大会 10月17日>神戸市役所そばの東遊園地を出発、10キロ、5キロのコース。<仙台大会 10月31日>勾当台公園市民広場を出発、10キロ、5キロのコース。

*大会では、山田邦子さん、宮崎ますみさんら乳がん経験者や萩原次晴さん、大野靖之さん、医師ら迎え、トークショーやミニライブなどを実施。マンモグラフィーによる乳がん検診(事前申込み制、40歳以上対象)もある。

Sep 18, 2009 08:37

新しい自分

矢形:本当は僕らも聞いた方が患者さんとコミュニケーションが取れるし、信頼感が生まれるのだけど、一方で、1人に30分~1時間と、時間をとってしまうと外来が翌日まで続きかねない。だから僕らとのやりとりは味気ないものになりがちですよね。 アグネス:がんって終わらないじゃないですか。胸の大きさも肩の大きさも変わってくる。手術前の状態には戻れない。小さなことなんだけど、元の自分に未練を持っていると落ち込んでしまいます。それを割り切って、どう新しい自分をベストな状態に持っていけるかが大事になってくる。私も元気に見えるように化粧方法や運動方法を変えた。声も低くなった。でも命があるのだから、それ以外は小さな問題だと感じています。助けてもらって生きていることがすべてで、一番大事なこと。私も仕事を続けて家族がいて、食べたいものを食べることができる。 矢形:そう言ってくれると、多くの人が勇気を持ってくれると思います。患者さんをみていて思うのは、がんで変わってしまった自分の体は変えられないということ。治療を受けて新しい自分を見つけて、そこからまた再スタートを切ればいいんだと考えてもらうのが大事なんだと思います。

Sep 17, 2009 13:34

治療を受け、新しい自分みつけて
《手術から約1カ月後、放射線治療、抗ホルモン剤による治療が始まった》 アグネス:手術は治療のほんの入り口なんですね。次の放射線治療が大変でした。5分程度の放射線治療のために毎日病院に通いました。次の仕事に間に合わせるために、新幹線に走って乗り込んだことも。その次の抗ホルモン剤の治療も大変でした。副作用からか、たまに顔が3倍くらい腫れることがあるんです。一度、コンサート直前にそれが起きて、化粧でごまかして舞台に上がりました。でもいつもと違う顔だから、最初は客席も引きました。でも歌い出したら顔のことは忘れてしまったみたい。自分が気にするほど周りは気にしないということに気付きました。 矢形:こういう話を聞くたびに、皆さん、知らないところでかなり苦労していると感じます。僕らが外来で患者さんと会うと、それまでの数カ月間の出来事について「いかがでしたか」「どうでしたか」という聞き方になりがち。薬の副作用が出た、という出来事までは聞けるけど、心の中のことまで聞くには、30分はかかってしまう。<続く> (朝日新聞)
Sep 16, 2009 10:56

元の自分に未練があると落ち込む

《中国・北京の人民大会堂でのコンサートを約1カ月後に控えた10月1日に、手術で乳房の一部を摘出することが決まった》 矢形:手術は大イベントですが、実は治療の中で一番短い。その後の放射線治療は1カ月。抗がん剤をするなら半年。さらにホルモン剤を使った治療は5年。非常に長いスパンで治療を考えます。アグネスさんの場合、最初から本人が「必要な治療はすべてきちんと受けます」と言ってくれました。真剣な様子に、がんと闘うのだなと感じました。乳がんには、標準的な治療方法が確立されているのですが、患者さんにとっては未知の世界。乳房の摘出に迷ったり、抗がん剤の治療が必要と聞いて落ち込んだり、向き合うのに時間がかかることも多いです。 アグネス:手術をいつにするか話し合ったときに、10月末のコンサートは絶対にやりたいんだと伝えた。その前に手術するのかどうかは、私たちが選択しました。手術後、先生が、「僕はピンクリボンの日に手術をしたので、病室からピンク色の東京タワーを見せたかった」と。なんてすてきなことなんだろう、そんな日に手術できたなんてと思った。私はサバイバー(生存者)になるんだと。(朝日新聞)

 

Sep 15, 2009 09:22

乳がんと診断
《アグネスさんが胸の小さなしこりに気付いたのは、2007年9月だった》 アグネス:かかりつけの産婦人科医にかかったら聖路加国際病院を紹介されました。そのとき初めて矢形先生とお会いしたんです。 矢形:その日1日だけで、乳房X線撮影(マンモグラフィー)や組織の一部を取り出して検査する針生検のマンモトームなど、必要な検査は全部やりました。 《検査から約1週間後、早期の乳がんと分かった》 矢形:がんだと伝えるときは、いきなり「乳がんでした」とは言わない。本人や家族が心の準備ができるよう「思わしくない結果でした」と、必ずワンクッション置いて話をするようにしています。それでも固まって動けなくなる人もいるし、泣き出す人もいる。話す間に涙が止まらなくなる人もいる。 アグネス:私の場合、結果は夫が電話で聞いてくれました。それから病院に向かう途中、悔しいのか何なのかわからないけれど泣きましたね。何で私が乳がんなんだろうって。子どもも生んだし、乳がんにかかった家族もいないのに。そしたら夫に「先生の話も聞いていないのに何泣いているんだ。寿命がくれば人は死ぬ。来なければ死なないんです」と怒られました。泣きながら噴出しました。かえって納得したんです。泣いても意味がない、と。(朝日新聞)
Sep 14, 2009 09:29

早くみつければ きっと治る

早く見つかれば、高い確率で治るといわれる乳がん。一方で、検診を受けなかったばかりに発見や治療が遅れ、毎年1万人を超える人が亡くなっている。そんな状況を変えようと、「乳がん月間」の10月、全国でピンクリボンフェスティバルが始まる。皮切りの10月1日夜には、街や建物がシンボルカラーのピンク色に彩られ、ウオーキングやシンポジウムなど、早期発見の大切さを訴える催しが開かれる。乳がんが見つかったら、患者は何を思い、医師はどう治療に当たるのだろう。2007年10月、乳がんの手術を受けたアグネス・チャンさんと、主治医で聖路加国際病院ブレストセンターの矢形寛さんに、この2年を振り返ってもらった。以下・次号 (朝日新聞)

Sep 13, 2009 09:12

公開講座のお知らせ
◆がんと共に歩く「たんぽぽの会」 9月12日午後2時 福岡市城南区七隈の福岡大学文系センター15階。がんになった人や家族が病気や治療の疑問を医師に尋ねたり悩みを話しあったりする。抗がん剤についての講義も。100円。村上華林堂病院の柴田隆夫さん。092-811-3331 ◆リンパ浮腫ケア講習会 9月13日午前11時~午後4時 北九州市八幡西区黒埼3丁目の北九州市立子どもの館。2000円。申込みは住所、氏名、連絡先、浮腫の部位を明記して九州・山口リンパ浮腫医療従事者の会の生田志保さん 090-9589-3698 ◆長崎県がん診療拠点病院公開講座「がんについてよく考えよう」 9月26日午後1時半、長崎市茂里町のncc&スタジオ。講演=大腸がんの診断と治療(長崎大学病院光学医療診療部講師・磯本一氏、同腫瘍外科准教授・澤井照光氏)、特別講演=がんと向き合って(ジャーナリスト・鳥越俊太郎氏)。無料(抽選で500人) 申込みは往復はがきに住所、氏名、年齢、電話、参加人数(2人まで)、がんについての質問を書き、9日必着で。〒852-8501(住所不要)長崎大学病院がん診療センター 電話095-819-7779 (西日本新聞) 
Sep 12, 2009 09:19

政治に求めたいこと
夏が過ぎていく・・・。夏の終わりはいつも物悲しい思いになる。夕立に濡れたアスファルトのにおい、朝顔、風鈴、蝉時雨・・・。幼い頃の思い出が懐かしくよみがえってくる。今年の夏は夏らしい日が少なく、加えて新型インフルエンザ、総選挙とともに慌しく過ぎてしまった。それにしても、マニフェスト(政権公約)でがん対策を前面に打ち出す政党は見当たらず、暗い気持ちになった。私と同じく乳がんを患った横浜の友人が、夏休みに家族でカナダに行ったとメールをくれた。「お世話になったのが乳がんの経験のある方で、カナダではがんの治療費は全額かからないんだって!」 あらためて、この国と他国とのがんに対する認識と、闘うための医療・福祉政策の違いを考えさせられる思いだった。ドラッグラグも患者にとっては大きな問題だ。海外で新薬が発売されてから日本で発売されるまでの時間差は平均4年ほどと言われている。効くかも知れない薬が使えない。がん患者には時間がないのに・・・。高額な医療費に加え、使いたい薬は使えない。これでは八方ふさがりだ。私が処方されているハーセプチンも、今では再発抑制のための術後化学療法として使えるが、以前は再発してからの治療薬だった。再発を抑制するのに高い効果があるといわれていたにもかかわらず・・・。(略) どんな治療が効くかは誰にもわからない。あきらめてはいけない。完治しなくてもいい。少しでもQOL(生命・生活の質)が向上し、要は普通に生活できる状態が続いてくれればいいのだ。がんを暴れさせることなく、共存する。そうできれば、と思う。(西富貴子・西日本新聞"生きてる"より)
Sep 11, 2009 09:14

気持ちを病まないように
乳がんで両胸を全摘してから2年半になります。今は3カ月おきの胸部エックス線と採血による血液分析、それに6カ月おきの甲状腺がんのエコー検査を続けています。同病の友と「この病気は退院してからが本番ね!10年無事だったら完治と言えるのかな」と話します。術後、勧められて、あるところにお参りに行き始めました。お参りしていれば、一抹の不安から、再発から逃れられるかもしれないとの安易な思いからでした。本来信仰心が薄いせいか、徐々に気持ちが不自由になり、窮屈な思いにとらわれていきました。いろいろあり、悩んだ末にお参りにいくことをやめました。この経験も自分にためには良かったと思います。以来、日々つながっている命と周りでささえてくださる人々に恵まれ、感謝して、仕事もしながら楽しく暮らせています。この喜びが体の免疫力を高めてくれると信じて、気持ちを病まないように、心の置き場は楽に楽に、と思っています。(福岡県 大城由紀子さん 61歳) 西日本新聞
Sep 10, 2009 09:50

副作用

すべての薬には副作用があります。副作用は、薬がもたらす光に対する影でもあります。それでも薬を使う理由は、副作用より好ましい作用の方が勝っているからです。インターフェロン治療を受けるときは、自分の病気をよく理解し、これから受ける治療について十分説明を受けるべきです。専門医は副作用の予測と心構えをお伝えすることができます。昨年よりインターフェロン治療の副作用に対する治療費も、医療費助成の対象になりました。肝炎ウイルスは肝臓病以外の病気を引き起こすことがあり、その一つに扁平苔癬があります。C型肝炎の方がインターフェロン治療前から扁平苔癬を合併していると、扁平苔癬の症状が悪化することがあります。口の粘膜がただれて、痛みがひどくなり、食事ができないこともあります。治療を始めてから新たに扁平苔癬があらわれることもあります。症状によっては治療を最後までうけられない場合もあります。口の中の痛みを感じたら、治療うぃ受けている医療機関に早目に相談するよう心がけましょう。(朝日新聞)

 

 

 

 

Sep 09, 2009 09:24

歯周病に注意
私たち人間がウイルスに感染した際に、自ら作り出すたんぱく質の一つがインターフェロンです。免疫力を高めたり、腫瘍が大きくなるのを抑えたりする作用を持っています。インターフェロンは1954年に日本人が発見した物質です。この素晴らしい作用を人類の幸福に役立てるために多くの試みがなされ、現在では肝炎の一般的な治療薬として使われるようになりました。2008年4月からは医療費が助成されるようになり、患者の負担する費用がかなり軽くなりました。しかし、インターフェロン治療で肝炎が治る確率が高いことを理解していても、この治療を断る方がいます。その理由を私たちがある地域で調査したところ、一番多かったのは「副作用がこわい」という答えでした。副作用のあらわれ方は個人差がありますが、まず悪寒、発熱、倦怠感など風邪に似た症状があらわれます。しばらくすると、皮膚のかゆみや粘膜のただれ、不眠やうつ症状があらわれる方もいます。2~3カ月目に抜け毛が増えてきます。ただし、抗がん剤と違って、髪の毛がすべて抜けてしまことはありません。(朝日新聞)
Sep 08, 2009 12:58

ピロリ菌
「胃がんは感染症です。除菌と検診で大幅に減らすことができます」 毎年、約5万人が胃がんで死ぬ。でもにこやかにこう断言されると、がん征圧の希望が見えてくる。胃の粘膜にすみついて胃がんや胃潰瘍、十二指腸潰瘍をおこす細菌、ヘリコバクター・ピロリの研究で日本を代表する1人だ。北海道大病院長として新型インフルエンザ対策など多忙な中、研究の第一線に立つ。この細菌にとりつかれたのは1987年。シカゴの学会で米国の友人がこの細菌の最新検査法を発表。講演が絶賛されるのを目の当たりにし、「日本でも調べよう」と、感染状況や病気との関連を調査した。中高年層では約8割もの人が感染していることなど、実態を明らかにした。それでも、胃がんや潰瘍との関係に疑問を持つ医師は多かった。潰瘍の原因はストレスと言われていた。そんな逆風の当時、忘れられない男性患者がいる。7年前、十二指腸潰瘍の再発を繰り返して苦しんでいた。遠くの村から2時間かけて治療に通っていた。ピロリ菌を薬で除菌したらぴたりと治った。では除菌をすれば胃がんを防げるもカ。全国の仲間に呼びかけて研究の検討を始めたのが2000年。胃がんの内視鏡治療を受けた患者が除菌した場合と除菌しない場合を比べ、除菌をすれば胃がんの発生が3分の1になると、昨年発表した。「続けてきてよかった。ピロリ菌でこんなに成果が出るとは思っていませんでした」 (朝日新聞)
Sep 07, 2009 08:28

ウイルス感染について
日常生活や看病で感染しますか?⇒基本的には日常生活や看病では感染しませんが、かみそりや歯ブラシは共用しないようにしてください。 母子感染はありますか?⇒ありますが、比較的まれです。子どもでは感染しても自然に治る例もあります。厚労省の研究班報告によると母子感染は約10%ですが、最終的に子どもがキャリアになる可能性は5~6%です。 医療行為での感染か?⇒血液を扱う行為での感染で可能性はゼロではありませんが、ほとんどないと思ってください。現在の新規感染者の大半は、覚せい剤の回し打ちや不潔な器具を用いた行為、例えば、入れ墨、はり治療、ピアスなどによるものです。現在では新たなC型肝炎ウイルス感染はまれとなり、年間10万人当たり2~3人と推定されています。(西日本新聞)
Sep 06, 2009 08:53

インターフェロン以外の治療法

インターフェロン治療を過去2回受けて、現在は肝硬変初期です。これからはどのような治療がありますか?⇒ALTが正常でなければ少量のインターフェロン治療をお勧めします。そのほかにも瀉血や肝庇護剤でALTをできるだけ低い値に保持し、可能であれば正常化することが重要です。 食事で鉄分を取らないほうがいいということですが。⇒レバーとひじきは取らないでください。ほかにも鉄分が多い食品はありますが、気にし過ぎると食べるものがなくなりますので、いろんな食材をバランスよく食べることを心掛けてください。また一部の健康食品に鉄分が多く含まれているものがありますので注意してください。瀉血治療の方法を教えてください。⇒血液中のフェリチン値20以下を目標に、ヘモグロビン11g/d1以下の貧血にならないように瀉血を繰り返します。殆どの例でALTの値は下がります。(西日本新聞)

 

 

Sep 05, 2009 08:58

インターフェロン再治療2
インテーフェロン治療を過去2回受け、治療中は陰性になりますが、終えるとすぐ陽性になります。肝機能は正常ですが、再治療が必要でしょうか?⇒再治療でウイルスを排除できるかの予測には、過去の治療内容と経過の把握が重要になります。また、一見、肝機能は正常でも実は病変が進行している場合もあります。これらの点を総合的に検討する必要があります。 インターフェロン治療でウイルスは消えましたが、肝硬変に近い状態で発がんが心配です。⇒私どもの病院では肝硬変でインターフェロンで完治した例から10年後約25%が発がんしています。完治しても定期的な検査は欠かさず受けてください。 肝機能は正常ですが、今治療を受けた方がいいのでしょうか?⇒若いうちに治療したほうが良い治療成績が期待できますので、今、治療するのも一案です。また、数年後に発売される予定の新薬は副作用が強いものの治療期間は短くなる可能性がありますので、それを待つという選択もあります。(西日本新聞)
Sep 04, 2009 09:04

インターフェロン再治療
過去2回、インターフェロン単独治療を受けており、再治療を勧められています。効果予測はできましか?⇒併用療法の著効の確率は年齢や過去のインターフェロンの治療反応性などによって予測できますが、患者さんにとっては治るか治らないかですから、正確に予測することは難しいです。治療を始めれば1、2カ月でウイルスの減り方が分かりますから、それからならば著効の確率がある程度予測がつきます。悩まれているのであれば、まずは治療してみることをお勧めします。 インターフェロン治療を受けて陰性となった後、数年後に再陽性となることはあるのでしょうか?⇒まれです。さらに最近2年くらいの治療であればウイルス検査の感度も向上していますので、治療後6カ月以降に再陽性になることはないと思います。(西日本新聞)
Sep 03, 2009 09:20

C型肝炎の診断
肝炎検査は一生に1回でいいのはどうしてですか?⇒C型肝炎は大きな手術を受けたりした場合の輸血や血液製剤による感染がほとんどですから、一度検査を受けてキャリアでなければこれから新たに感染する可能性は低いのです。 陰性になったら進行しないと考えていいのでしょうか?⇒ウイルスがいなくなれば進行はしません。ただ、肝炎がある程度進んだ状態でウイルスを排除した場合、肝臓自体の線維化は進んでいますから、発がんリスクはあると考えたほうがいいでしょう。C型肝炎が治っても、アルコールや肥満、糖尿病が原因で肝硬変や肝臓がんになることはあります。十分注意してください。(西日本新聞) 
Sep 01, 2009 08:48

インターフェロン治療には肝臓がん予防効果も
C型肝炎ウイルスはインターフェロン治療によって体内から排除が可能なウイルスです。ただし年齢などによる個人差があり、特に高齢になるとウイルスを排除できる確率は低くなります。だからといって、インターフェロン治療をあきらめてはいけません。たとえ肝硬変に進んでおり、ウイルスの完全な排除ができないケースでも、治療によってALTの値を正常に保つことができれば、発がん率を下げられるのです。肝硬変例でもインターフェロン治療によって約6割の例でALTを正常に保つことに成功しています。また発がんリスクのマーカーであるAFPも低下します。つまりインターフェロン治療は、ウイルスの排除だけではなく、肝硬変への進行を送らせたり、肝臓がんの発生を予防したりする二次的な効果もあるのです。特に肝炎の進行防止と発がん及び肝臓がん治療後の再発防止を目的として、インターフェロンを少量投与する維持療法は、副作用が少なく、高齢者にも優しい治療です。(西日本新聞)
Aug 31, 2009 08:38

C型肝炎から肝がんにならないために
肝機能の検査値の中で知っておいてほしいのは次の四つです。①ALT(GPT)=肝機能の破壊 ②血小板数=慢性肝炎の進行度 ③アルビミン値=肝硬変の重症度 ④AFP(αフェトタンパク)=肝臓がんのマーカー、発がんリスクのマーカー。新日鉄八幡記念病院で治療をしている肝臓がん患者の原因を見ると、C型肝炎が7割超、B型肝炎が1割超、つまり8割以上で肝炎が原因となっています。年齢的にはC型肝炎が原因の肝臓がんの平均年齢は70歳と高齢化が進み、さらに肝炎対策が発展していることを考えると数十年先には大幅に減少すると考えられます。現在、C型肝炎ウイルスに感染しているキャリアから将来、肝臓がんになる可能性は約3割といわれています。その予防のために、インターフェロンを中心とした適切な治療を受けることが重要です。(西日本新聞)
Aug 30, 2009 08:33

40歳以上の方は 一度ウイルス検査を!

肝炎の感染経路は不明な場合が多いのですが、最近では過去に輸血を受けた経験がなくても、例えば入れ墨やピアス用の穴を開ける際に不潔な器具を使ったため肝炎に感染したというケースも報告されています。インターフェロン治療費の助成制度は福岡県が行っているもので、B型・C型肝炎治療のためのインターフェロン、副作用を抑える治療などの費用について、自己負担額を月額1万円~5万円に抑えることができます。自己負担額は患者の所得によって決まりますが、これまでインターフェロン治療の壁となっていた高額な費用が事実上大幅に減額されることで、治療に踏み切る人が増えることを期待しています。助成の受付窓口は各区役所の保健福祉課で、2008年度は610人が制度を利用されました。C型肝炎は早期発見と適切な治療が重要です。将来の肝硬変や肝臓がんを予防するためにも、40歳以上の人はぜひウイルス検査を受けてください。(西日本新聞)

 

Aug 29, 2009 08:25

行政におけるC型肝炎対策
現在、国内の肝炎感染者数はB型が110万~140万人、C型が200万~240万人と推定されています。しかしそのうち治療を受けているのはそれぞれ約10万人、約50万人しかいません。こうした現状を改善するために、国は2008年度から新しい肝炎総合対策を実施し、肝炎治療の環境が一気に前進しました。予算面では2007年度までは年間60億円前後でしたが、2008年度からは200億円に急増しています。これを受けて北九州市でも①肝炎ウイルス検査(B・C型) ②インターフェロン治療費助成制度の受付窓口設置 ③広報・啓発 などに力を入れています。ウイルス検査は、市内564の医療施設と保健所で、無料で受けることができます。肝炎検査を受けていただきたいのは、①40歳以上 ②過去に肝機能の異常を指摘されてことがある ③大きな手術や出産などで大量に出血したことがある などの方々です。(西日本新聞)
Aug 28, 2009 15:39

治療法の進歩
知らないうちに感染して、自覚症状がないまま何十年も後に肝硬変や肝臓がんを引き起こす・・・。日本人で200万人を超す感染者がいるといわれるC型肝炎。新薬の開発も進んでいますが、有力視されている新薬はインターフェロンとの併用が必要です。インターフェロンを使わずにC型肝炎を治療できるのはかなり先の話になりそうです。C型肝炎は怖い病気ですが、治療法も進歩しており、治らない病気ではなくなっています。それでも年齢やウイルスのタイプなどによって、治療の効果に個人差があります。副作用も同様です。従って、個人の状況に合わせていかに副作用を克服して、必要な期間、治療を継続するかが重要です。(西日本新聞)
Aug 27, 2009 08:38

インターフェロン治療
C型肝炎のインターフェロン治療成績は近年、向上しています。2002年頃までは日本人に多いインターフェロン難治例(1群高ウイルス量症例)でのSVR率は5%程度でした。しかし、ペグインターフェロンの登場や経口抗ウイルス薬との併用によって、現在では難治例でも50%、難治例以外なら80%のSVRを達成できるようになりました。さらに、最近では治療開始後のウイルス陰性化時期により投与期間を延長させる試みがなされ、さらなるSVRの向上が期待されています。インターフェロン治療には副作用があります。治療初期には発熱などのインフルエンザに似た症状が出ます。これは次第に収まってきますが、症例により倦怠感、食欲不振、うつ、脱毛などが出現します。血小板や白血球の減少や貧血のために、薬剤を減少する症例もあります。インターフェロン治療は、長期にわたる治療ですから、専門医とよく相談し、副作用をうまく乗り切って行く必要があります。(西日本新聞)
Aug 26, 2009 08:22

C型肝炎の最新治療

ウイルスによる病気の中には、インフルエンザのように自然に治っていくものと、C型肝炎のようにウイルスが持続感染して最終的に重篤な病態の至るものとがあります。C型肝炎ウイルスは、肝硬変や肝臓がんを引き起こすウイルスですが、日本人の肝臓がんの8割はC型肝炎ウイルスが原因です。持続感染したC型肝炎ウイルスを排除する方法としては、インターフェロン療法があります。インターフェロン治療においてC型肝炎ウイルスが完全に排除できた場合を「SVR」(著効:Sustained Virologocal Response)といいますが、インターフェロン治療中にいったんウイルスが陰性化しても治療終了後に再燃する場合もありますので、治療終了後24時間経過観察して初めて、SVRと判定されます。(西日本新聞)

 

Aug 25, 2009 08:23

定期検診による早期発見
がん検診技術は年々高度化しており、早期がんの発見率は飛躍的に伸びている。同時に、手術療法や放射線療法、化学療法の発達に伴い、がんによる死亡率も低下している。特に胃がん、肺がん、乳がん、子宮頸がん、大腸がんの5種は特定の検診で早期発見して直ちに治療を行えば、死亡率が低下することが科学的に証明されている。ところが我が国のがん検診受診率は20%にとどまっているのが実情だ。ちなみにアメリカの場合、受診率は80%近くに達しており、がん死者数も1990年代前半から減少に転じているという。日本でがん死者数の増加に歯止めがかからないのは、受診率の低さも原因の一つと言えるだろう。現在我が国で実施されているがん検診は、住民検診や職域検診などの「対策型検診」と人間ドックをはじめとする「任意型検診」の2種類。このうち前者を日本対がん協会も実施しており、本部及び全国の支部が企業や自治体の委託を受けて実施した検診の受診者数は、累計1億8千万人を超えた。今後も最新技術の導入による検診の充実や受診者数増加を図りながら「がん征圧運動」を推進する構えだ。(朝日新聞)
Aug 24, 2009 08:27

生活習慣の見直し
急速な高齢化や生活様式の変化によって、我が国におけるがんの状況も徐々に変化している。例えば、日本人に最も多い胃がん。現在も患者数の多さは1位だが、死因としては男性2位、女性3位に下降。変わって肺がんが、男女とも死亡者数第一位となっている。また前立腺がん、大腸がん、乳がんなど、かつて日本では少数派だったがんが顕著に増えているのも、ここ10年間ほどの特徴だ。胃がんは、食塩の過剰摂取を始めとする食生活との関連が以前から指摘されており、肺がんも、喫煙習慣と深く関わっていることが分かっている。前立腺がん、大腸がんなどに関しても、食生活の欧米化が増加原因の一つとする見方が主流だ。このように、がんと密接に関わっている生活習慣を改善し、がんの一次予防をはかるため、国立がんセンターは2005年「禁煙」「栄養バランスのとれた食事」「節度ある飲酒」「適度なスポーツ」などからなる「がんを防ぐための12カ条」を発表。(財)日本対がん協会も、がんに関する知識の普及をはかりながら、同12カ条に基づく生活習慣の改善や定期的ながん検診の重要性を訴え続けている。(朝日新聞)
Aug 23, 2009 12:34

定期的ながん検診の受診を
がんの死亡率を下げるためには、早期発見・早期治療が重要なキーワードとなります。そのため、定期的にがん検診をお受けいただきたいのですが、日本における各がん検診の受診率は、20%前後に過ぎません。現在、がん検診受診率50%以上を目標に掲げ、国を挙げた様々な取り組みが進められています。その一環として今年度、「女性特有のがん検診推進事業」が実施されます。特定の年齢の女性の方に、市町村から、子宮頸がん検診と乳がん検診の無料クーポンが配布されます。医師会も各検診機関と協力して、この事業を後押しすることになりました。この機会に、対象者の方はぜひ検診をお受けください。今後も、福岡県すこやか健康事業団、日本対がん協会等関係団体と連携し、がん検診のより一層の普及を進めていきます。県民の皆様には、規則正しい生活習慣と疾病予防により、健康に生活をお送りいただきたいと願っております。定期的にがん検診を受けて、ご自身の健康を管理しましょう。(朝日新聞)
Aug 21, 2009 09:27

扁平苔癬
久留米大で治療を受けた口腔がんの方について、C型肝炎ウイルスの感染状況を調べてみると、4人に1人が感染していました。この感染率は食道がん、胃がん、大腸がんの方と比べても高く、全国調査でも証明されました。また、口の中にがんができる方の中には、例えば舌がんと胃がんのように、異なる臓器に同時にがんができる場合があります。これを多重複がんといいます。C型肝炎ウイルスに感染していると、多重複がんを発症する倍率が高いことも分かっています。肝炎の方は、肝硬変に病気が進んでしまうかも知れない、肝臓がんになったらどうしよう、と考えがちですが、ぜひ他のがんにも目を向けて、がん検診を受けましょう。口の中にあらわれる肝外病変の一つに、扁平苔癬(へんぺいたいせん)があります。この病気は治りにくく、長年にわたって炎症が続いた後、悪化してがんになることもあります。C型肝炎ウイルスに感染している型は、感染していない方よりも、扁平苔癬ががんになりやすいことも分かっています。扁平苔癬と診断されたら、口の中を清潔に保ち、薬物療法で悪化を防ぐこと、そして1年に3~4回は定期検査を受けることが大切です。(朝日新聞)
Aug 20, 2009 09:09

口の中のがん
口の中にも、がんができることがあります。もっとも多く見られる部位は舌がんですが、歯をささえている歯茎や、ほおの内側の部分、そして口の底の部分にもみられることがあります。口の中にがんができる頻度は、胃がんや肝臓がんに比べ、はるかに低い割合です。ただ、口という器官は、食べたり飲み込んだりする機能のほかに、しゃべったり、味わったりといった様々な機能を持ち合わせているため、がんになってその機能が大きく損なわれると、生きていく上で大きな障害となります。口の中のがんは、早く見つけて早く治療をすることが鉄則です。口の中にがんができる原因として、たばこの吸い過ぎやアルコールの飲み過ぎなどのほかに、肝臓病が関係する場合もあることが分かっています。肝炎ウイルスは肝臓病以外の病気も引き起こし、これらを総称して肝外病変といいますが、口腔がんもその一つだと考えられています。(朝日新聞)
Aug 19, 2009 08:59

乳がんの全摘手術
昨年乳がんの全摘手術を受けました。治療中は必死でしたが、終わってからは乳房をなくしたことや再発の不安などで落ち込んでしまいます。(山田邦子さん)私の場合は2年前、左右の乳房に三つのがんが見つかり手術となりました。最初はやはり落ち込みました。命にかかわる病気ですし、治療の大変さは目に見えている。しかも再発の可能性もあるわけです。幸い手術は成功して、温存手術により乳房も守られました。ただ薬により治療は今も続いていますし、成功したとはいえ左右のトップが微妙にずれてしまった乳房を見ると、ちょっと残念だと思う気持ちがないわけではありません。でも様々なイベントで「私もなの」という方にお会いすると、皆さんが生き生き輝いているのに驚きます。それは何かを受け止め、背負う覚悟を決めたことで溌剌とされたからだと思うのです。私も皆さんと同様、いま咲いている花の美しさを楽しむような、日々の楽しみを見つけるのが上手になりました。(朝日新聞)
Aug 18, 2009 12:57

抗がん剤の副作用
乳がんの手術を受け、手術後は抗がん剤治療を予定していますが、副作用で髪の毛が抜けるのが嫌でたまりません。髪の抜けない抗がん剤はありませんか。浸潤がんの場合は、その種が全身に飛んでいる可能性があります。その種が再発してしまってからでは完全に叩くことは難しいので、できる限り早く撲滅するために行うのが、手術後の抗がん剤治療です。抗がん剤治療にはいくつかあり、ご質問の場合はACという治療で、全12週、3週間に1回の点滴を4回行います。ただご指摘の通り、最初に点滴してから15日目頃に髪の毛が抜けます。再び生えそろうまでの間は、つらい思いをされるかも知れません。髪の毛の抜けない抗がん剤としてはテガフール・フラシルという薬があり、こちらは2年間毎日飲み続けることで治療を行います。どちらの方法がよいか主治医と相談してみてください。(朝日新聞)
Aug 17, 2009 09:06

細胞診
乳がんの疑いで細胞診という検査を受けたところ良性とのことでした。でも本当に良性なのか心配です。また良性の腫瘍が、悪性に変わってしまうことはあるのでしょうか。細胞診というのはがんが疑われる部位に小さな細い針を刺して、細胞をとって調べる検査のことです。かなり狭い範囲の組織をとるので、針先がその場所に当たっていなければ正確な診断を下すことはできませんし、ごく小さな検体なので良悪性の判断も難しいものです。つまりがんが出なかったからがんではない、とは言い切れないのです。不安な場合はセカンドオピニオンをおすすめしますが、細胞診より組織を大きくとって調べる針生検やマンモトームなどの検査をうけることのできる病院を探してみてください。良性の腫瘍が途中から悪性に変わることはありません。セカンドオピニオンの結果、良性が悪性に、逆に悪性が良性に変わることがあれば、最初の診断が不確定なものだった可能性があります。また良性の腫瘍がある人の場合、悪性の腫瘍もできやすいのではないかとご心配かもしれませんが、そういうことありません。ご安心を。(朝日新聞)
Aug 16, 2009 09:43

乳がん撲滅 自販機で協力

乳がん撲滅の一助にと、福岡商工会議所とキリンビバレッジ九州地区本部が協力して11日、福岡市博多区の同会議所ビル1階ロビーに「ピンクリボン支援自動販売機」を置いた。同会議所が清涼飲料水メーカー4社に、アイデアを凝らした自販機の設置を持ちかけたところ、乳がん撲滅の推進を手がけるキリンビバレッジ側がこの販売機を提案した。市内では始めての設置という。同会議所総合企画本部の藤川課長は「今年はちょうど創立130周年。社会貢献をしたいという、こちらの思いとマッチした」と語る。自販機はピンク色で統一され、リボンがデザインされている。「日本では女性の20人に1人が乳がんになるといわれています・・・・大切な人のため、男性にだってできることがあります」と記したプレートがはめこまれている。売上金の2%を同会議所と同社が半分ずつ、日本対がん協会に寄付。150円のジュースで計3円になる。同社九州地区本部の稲田課長は「ジュース類を買っていただく皆さんに、社会貢献をしているんだと思ってもらえたらうれしい」と話した。(朝日新聞)

 

Aug 15, 2009 14:51

正常細胞外し"狙い撃ち"
注入するウイルスは、口の周りなどに水泡をつくるヘルペスウイルスの三つの遺伝子を組み換えた。ウイルスが細胞に感染した際、がん細胞だけ増殖し、正常な細胞では増えることができないように工夫。がんを攻撃する免疫細胞を強める働きももたせた。これまで、ウイルスを運搬役にして、がん細胞増殖を抑える遺伝子を運ぶなどの方法はあったが、今回の治療法はウイルスそのもが増殖して次々にがん細胞を破壊する。欧米では同様の臨床試験が始まっているが、今回はさらに安全性や効果を高めたウイルスを使う。藤堂さんは「ウイルス療法は脳腫瘍だけでなく、前立腺がんや乳がんにも使える可能性がある。慎重に研究を重ね、放射線や抗がん剤などと並ぶ、新しい治療法の一つとして確立したい」と話している。(朝日新聞)
Aug 14, 2009 09:27

がん治療 ウイルスで
がん細胞を破壊するよう遺伝子を組み換えたウイルスを使って、がんを治療する臨床試験を今月中にも始めると東京大医学部付属病院が10日、発表した。再発した悪性脳腫瘍の患者を対象に、がん細胞だけを狙い撃ちするウイルスを注入し、安全性と効果を検証、新しい治療法の確立えお目指す。臨床試験を計画しているのは、東大病院の藤堂具紀特任教授(脳神経外科)らのチーム。2007年に学内の審査委員会で承認され、2009年5月、厚生労働省の承認を受けた。こうしたウイルス療法の臨床試験は国内初。臨床試験の対象とするのは悪性脳腫瘍の一種の膠芽腫(こうがしゅ)。手術後に放射線や抗がん剤治療を行っても、平均余命は診断から1年ほどで、2年生存率は30%以下とされる。国内では年間約10万人に1人が発症するという。頭部に小さな穴を開け、開発したウイルスを腫瘍部分に注入する。腫瘍が再発し、治療の手立てがない症例が対象で、2年をめどに21人に行う。脳の炎症やまひなどが起こらないかや、腫瘍の大きさの変化などを調べる。(朝日新聞)
Aug 13, 2009 09:16

石灰化

検診の普及にともなって、検査の結果「石灰化」を指摘される方が増え、多くなってきました。石灰化とは乳房内に見られるカルシウムで、マンモグラフィでは砂粒をまいたように見えます。ただ石灰化を指摘されたとしても、必ずしも悪性とは限りません。その形状や大きさは様々で、程度に応じてカテゴリー1~5までに分類されます。程度が軽く、石灰化の他に所見がない場合などは6カ月ごとに検査をして経過をみることも多いものですし、「石灰化=がん」ということはないのでむやみに焦らないことです。疑わしいものはさらに超音波検査をしたり、組織検査をしたりすることになりますが、診断の手順は症状によってかなり異なるので、よく説明を受けてください。(朝日新聞)

Aug 12, 2009 10:57

乳房温存療法での変形
乳房温存療法で小さく部分切除しても、変形に悩んでいる人は少なくないと聞きます。ある程度の変形は仕方のないことなのでしょうか。乳房温存手術にも様々なケースがあり、がんが広範に広がっていることで切除範囲が広くなる場合や、がんのできた部分によっては左右のバランスが崩れるなど、変形が避けられない場合もあります。多少変形しても温存療法で乳房を残す方がいいのか、最初から再建手術をすると決めて、より美しい形をつくっていく方がいいのかは、症状ともよく考え合わせて、主治医の先生と相談していただきたいと思います。今後は再建手術もより普及して、周囲の組織などを使ってうまく形をつくる技術もどんどん修練されてくると思います。(朝日新聞)
Aug 11, 2009 09:05

乳がんの確定診断
たとえばあなたが検診の結果を聞きにいって「乳がんです」と言われたらどうしますか。大切なのは、「本当にがんなの?」と調べることだと私は考えます。アメリカでは必ずこれをやるけれど、日本の女性はほとんどやらない。私にはそれが不思議でたまりませんでした。画像診断の段階ではまだがんが確定したとは言えません。疑われる部位の組織をとって病理診断でがんとされたときに初めてがんと確定します。しかしここで悪性か良性かを見極めるのは非常に難しく、間違えると患者の天地は引っくり返ってしまいます。難しい理由は様々ですが、一つには乳がんの症例をたくさん見てきた経験がなければ正しい診断は下しにくいこと。一般的には「形の良いものは良性、形が悪いのは悪性」と考えられてきたのですが、乳がんにおいては形が崩れていても悪性ではなく、小さくまとまったほうが悪いという逆のケースも珍しくないからです。いずれにせよ、良悪性の判断に少しでも疑問を感じたら、セカンドオピニオンを依頼することが最良の方法でなないでしょうか。その結果、がんと分かった時には、腰を据え、心を据えて治療を開始してほしいのです。
Aug 10, 2009 11:22

オーダーメイド治療
一口にがんといっても様々な顔があって、性格の良いがん、悪いがんが存在します。細胞の増殖が早く転移を起こしやすい全身型のがんもあれば、時間が経っても転移を起こさない局所型で、小さいままのがんもある。つまりがんの治療では、最初にこうした性格を見極め、それに応じた治療をすることが可能になってきたのです。昔はがん細胞はおしなべて無秩序無限の増殖をしてどんなものでも取り込んで大きくなる貪欲なイメージで捉えられていました。だから抗がん剤を使ってとにかくがん細胞をやっつけなければと、正常な細胞まで傷つけてしまうとこも不可避となっていました。とことが近年はがんの性格と同時に、その好物まで分かってきました。女性ホルモンを好物として取り込むがんには、ホルモンを取り込む口をブロックする薬を使う。またHER2タンパクというものが多数存在するがんには、このタンパクに縄をかけて働きを抑えるトラスツズマブなどを投与する。こんな風に一例ごとのがんの性格に応じた薬を使うことで、治療の方法もより患者さんの負担を軽減させる方向へ変化してきたと言えます。
Aug 09, 2009 08:51

小さく切除する「温存療法」の進化
乳がんの治療はここ20年で著しい変化を遂げています。現在ではまず画像診断でがんの大きさを測定し、がんの部分の組織をとって浸潤の有無を調べます。そしてそのがんは女性ホルモンの刺激に反応するのか、活発に大きくなる性質なのかなどを見極めます。その結果、たとえば抗がん剤が効くタイプのがんなら、先に抗がん剤治療を行ってがんを小さくしてから小さく切除するという、乳房をより美しく残す手術が可能となりました。今はこの乳房温存療法が一般的になり、私たちの病院における温存率も7割を超えています。ただ乳房全体に広がるがんの場合は大きく取らざるを得ませんし、極力小さくとっても左右のバランスが崩れることもあります。昨今は形成外科との協力により形成技術も進歩してきましたし、収束超音波を当ててがんを焼き切る方法など、切らずに治す方法論も研究段階に入っています。今後そうした様々な治療法を選択していく上でも、まず自分のがんの状態を把握することが大切です。主治医に任せるのではなく、本当に自分で納得した裁量の治療法を選択していただいきたいと私は考えています。(朝日新聞)
Aug 08, 2009 10:17

乳がんをみてみよう・・・ミクロの世界

私たち病理医は、顕微鏡でみるミクロの世界の中でがんの診断をしています。がん細胞は1個が約20ミクロンです。1ミリが1000ミクロンですから、1センチの塊の中の1個のがん細胞は人間1人が東京ドームの中にポツンと立っているようなものです。その小ささがお分かりいただけると思います。乳がんの病理診断の中で重要なことは、「浸潤がん」と「非浸潤がん」の見分けです。乳がんは主に乳汁を運ぶ乳管の中に発生し、そのがん細胞が長い時間をかけて乳管を破り、乳管の周りにある血管やリンパ管に入りこむことで命を脅かすようながんになっていきます。この乳管が破られた状態を「浸潤がん」、またまだ早期で乳管内にとどまっているものを「非浸潤がん」と呼んでいます。理論的には非浸潤がんであれば遠隔転移の可能性がないので、この二つを見極めることが治療方針に大きく影響してくるのです。病理診断のもう一つの重要なポイントは、針生検、細胞診などと呼ばれる検査です。これはがんの疑われる部位から細胞をとってきて行われますが、私たち病理医はこの乳房の中にある病変が良性か悪性かについても診断しています。ここで診断を間違えると患者さんの生活は天と地ほどにひっくり返ってしまいます。わずか数ミリの検体から良悪性を見極める病理医の役割は重い、といつも肝に銘じています。(朝日新聞)

 

Aug 07, 2009 10:53

知っておきたい乳がんの画像診断
乳がんの早期発見において大切なことの一つは、検診による画像診断です。しこりや皮膚の引きつれなど、自分の目で見て変だとわかる症状もありますが、表には出ないがん、小さながんなどの場合は検査しなければ早期に発見することはできません。またしこりに気付いても、それが良性か悪性かはきちんと調べなければ判定することができないのです。画像診断にはマンモグラフィ、超音波検査やMRI、CTなど様々なものがあります。それぞれ長所も短所もありますので、がんの症状を踏まえて裁量の検査方法を選択していくことになりますが、通常の検診ではマンモグラフィによる画像診断が多くなってきています。透明な板で乳房を挟み、できるだけ平らに広げて撮影をすることで乳管と呼ばれる乳腺の実質を見ていくものですが、このときがんが疑われる場合は周囲と異なる塊状のしこりや、乳管に沈着したカルシウムが砂をまいたように見える「石灰化」した状態が見られたりします。ただこうした症状があっても、すべて悪性とは限りません。専門医はしこりや石灰化した部分の形、広がり方など様々な角度から検証してさらに詳しい検査が必要かどうかを見極めます。ですからまずは検診を受け、自分の今の乳房の状態をきちんと確認していただければと思います。(朝日新聞)
Aug 06, 2009 20:51

良い治療は"対話"から
私は通院のときに、とにかくしゃべるようにしています。薬の副作用とか、体調とか。着替え中も話しています。短い診察時間にどれくらい話ができるかが勝負ですから。診察が終わって、喜びでいっぱいだったり、がっかりしたり。ちゃんと聞けたかなって、帰る途中になって考えることがありますよね。それを考える時間を診察室でつくるのが医療者側の役目の一つだと思います。短い時間の中で工夫が必要ですが。それに時々こう尋ねます。この前話したこと、説明してくださいって。本当に理解していないと説明できませんから。もう一つ、僕は何かあったら尋ねてくださいと言って患者さんにメールのsドレスを伝えています。あまりメールはありませんけど。いつでも主治医の先生に連絡がつく、というのは私たち患者にとってとても大きな安心になります。窓を開けておく、ということですね。声を出せば聞こえるよ、1人で恐れたり悩んだりしないで、って。(朝日新聞)
Aug 05, 2009 11:14

満足できる医療
がんのような病気になると、どの病院がいいのか、みんな必死で探します。でも目の前の医療者と良いコミュニケーションがとれていればけっこう良い医療を受けられる。そのことを知っておいて欲しい。セカンドオピニオンを受けると、そのほうがよく思えることがありませんか。その前に考えてください。目の前の医師とコミュニケーションがとれているか、と。良い情報が提供されても自分のものにしないと意味がない。一番はじめに教えられたのは座って患者さんの目をみて話しなさい、ということです。それと患者さんが、話やすい形で切り出すこと。それで1分位自由に話してもらうようにした。そうすると、患者さんはよかったと思う気持ちになれる。患者さんにお願いしたいのは、自分が本当に思っていることを正直に医師に伝えることです。ちょっとでも引っ掛かっていることがあれば必ず言う。診療の前にまとめておくといいでしょう。医療者は、患者さんが言ったことは簡単にあしらってはいけません。患者さんが本当のことを話せなくなってしまう。
Aug 04, 2009 09:47

管理栄養士
がん治療では、食べられなくなることがよくある。手術の影響、化学療法や放射線療法の副作用のほか、がんの症状や心の問題もからむ。たとえば、「食欲がない」 「においが不快」 「味がしない、おかしい」など。口内炎や吐き気、便秘、下痢などで悩む場合もある。そんなとき相談に乗ってくれるのが管理栄養士だ。静岡県立静岡がんセンター栄養室長の稲野利美さん(46)は5病棟150人ほどの入院患者を担当する。出勤後すぐ、治療の進行に沿って1日約60人のカルテを確かめ、気になることがあると病室を訪問。食べたいものや、食べられそうな形状、素材から、食事の考えた方まで、患者の話を詳しく聞く。病棟の食事は、かつて集団の栄養管理や効率性が優先されたが、近年は「人間栄養学」として個別事情に応じた対応に目が向けられている。「食事は治療を受けるための体づくりであり、楽しみであり、生きることにつながる」同県御殿場市在住で入院中の東るみ子さん(57)には流動食の指示が出たので、食事にはポタージュや重湯などが選ばれていた。だが、食欲がわかず、ほとんど手をつけない日が続いた。(朝日新聞)
Aug 03, 2009 09:07

乳がん検診の比較試験に参加しませんか
未来の女性の命を救う乳がん検診の比較試験に、参加していただけませんか。乳がん検診はマンモグラフィー(乳房X線撮影)検査が基本とされ、50歳以上に有効という科学的根拠もあります。ただ発症のピークの40歳代は乳腺濃度が高く、検診精度は低いといわれます。そこで国のプロジェクトとして「乳がん検診における超音波検査の有効性を検証するための比較試験(J-START)」が始まり、今年で3期目を迎えました。対がん協会は研究支援組織として参加を呼びかけ、4万人の協力が得られていますが、この3倍が必要です。超音波検査は通常の診療では欠かせませんが、無症状の方が対象の検診では有効性が確立されておらず、方法の標準化もなされておりません。試験ではマンモグラフィーと超音波を併用する群と、マンモグラフィー単独の群に分け検診を実施し、その結果とそれぞれの利益、不利益を比較して、超音波検査の検診精度と有効性を調べます。詳しくは日本対がん協会、またはJ-STARTのホームページをご覧ください。(朝日新聞)
Aug 02, 2009 09:18

KRAS検査
KRAS検査が普及すれば、いまは治療対象外の人が検査の結果、「効果が期待できない」として対象外になることも考えられる。「たとえ1%でも可能性があるなら使いたい」と考える患者は少なくないが、抗がん剤治療は高額化していて、すべてを受け入れるのに限界がある。さらに検査は治療の結果を保証するわけでもない。埼玉医科大の佐々木教授(腫瘍内科)は「日本でも科学的に質の高い試験をして、検査の有用性を検証するべきだ」と指摘する。薬の一般名:セツキシマブ(商品名:アービタックス)は、大腸がんで、検査対象はKRAS遺伝子、効果が見込めない人を探すのが目的。逆に、効果が見込める人を探す目的の場合は、検査対象は、EGFRたんぱく質になる。(朝日新聞)
Aug 01, 2009 09:32

検査の費用

これまでの研究では、酵素の働きが弱いタイプだと重い白血球減少が8割ほどの確率で起きることが分かっている。強いタイプなら2割弱ほどにとどまるという。副作用の出やすさは、患者の年齢や肝機能などによっても違う。名古屋大病院化学療法部の安藤雄一准教授は「検査で酵素の働きが弱めだと分かれば、ほかの情報とあわせて薬の量を減らしたり、使用自体をやめたりすることを考えます」という。検査の費用は2万円。一般的な3割負担だと、患者が支払うのは6千円になる。検査薬を販売している積水メディカルはウエブサイトで、患者向け説明文書の案を公表している。(積水メディカル)(朝日新聞)

 

Jul 30, 2009 08:33

保険適用まだ途上
肺や大腸、婦人科のがんなどで幅広く使われている抗がん剤に「イリノテカン」がある。効果が評価される一方、白血球の減少や下痢といった副作用も出やすく、副作用が疑われる死亡例が臨床試験中だけで50人あまり出た。イリノテカンで強い副作用が出やすいかどうかは、生まれつきの遺伝子の特徴で、ある程度決まっていることがわかっている。その体質を調べる検査薬が昨秋に保険適用を受け、今春から全国で利用できるようになった。お酒に強かったり、弱かったりするのがお酒を分解する酵素の遺伝子の違いで決まっているように、UGT1A1という主に肝臓で働く酵素の遺伝子タイプによって、副作用の出方が大きく違う。検査薬は患者の血液を使い、この遺伝子タイプを調べる。(朝日新聞)
Jul 29, 2009 11:03

副作用は最小限で済む
検査には以前に手術で取り出したがん組織を使った。細胞中にある「KRAS」(ケイラス)という細胞増殖にかかわる遺伝子が、変異を起こしていないかどうかをみる。男性に変異はなかった。海外の臨床試験で、KRAS遺伝子に変異があると、セツキシマブを使っても治療効果がほとんど見込めないことがわかっている。「変異があると、治療中の生存期間が変異がない場合の半分以下」とする報告もある。病院は国の認定を受け、「先進医療」として5月にこの検査を始めた。検査費8万円は自費で払ってもらうが、それ以外の治療費は保険が使える。大腸がん患者でKRAS遺伝子に変異があるのは全体の3割~4割。変異があれば、この薬は使わない方針だ。海外では欧州連合諸国や韓国など多くの国で、KRAS遺伝子に変異がないことが大腸がんの治療で使う条件になっている。米国も臨床腫瘍学会などが、KRAS遺伝子検査を推奨している。日本は、まだ条件になっていない。がんセンター東病院消化器内科の吉野医師は「効果がなければ、副作用に苦しむだけで、治療費も無駄になってしまう。国内でも早く、保険で検査を受けられるようになってほしい」と話す。
Jul 28, 2009 15:51

抗がん剤の個別化治療

薬は効きそうか、強い副作用の恐れはないか・・・・。患者の遺伝子情報を調べ、個々の状況に応じて治療の仕方を決める「個別化治療」が、抗がん剤の領域で少しずつ広がっている。不必要な薬の副作用に苦しまなくてすむといった期待があるが、実用性には限界もある。「効いているようでほっとしました。このまま続いてほしい」。国立がんセンター東病院(千葉県柏市)に週1度通う男性(68)は笑顔を見せた。大腸からリンパ節に転移したがんが、3月末に始まった抗がん剤治療で「縮小傾向」と判定されたからだ。使っているのは、国内で昨年9月に導入されたセツキシマブ(商品名アービタックス)。がん細胞が増殖する仕組を邪魔する分子標的薬だ。男性は10年前に手術を受けたが、3年前に再発。いろんな抗がん剤を使ったが、どれも行き詰まっていた。セツキシマブが男性に効きそうなことは、ある程度予想できた。事前に遺伝子の検査を受け、効くタイプのがんとわっかていたからだ。(朝日新聞)

 

Jul 26, 2009 09:03

肝炎の治療費
現在は肝炎治療の医療費助成制度がありすから、それを利用すれば自己負担は月額1万円から最高でも5万円ですみます。金額は患者さんを含む世帯の所得に合わせて決まるので、決して無理な負担にはならないと思います。申請の手続きは、地域の保健所に問い合わせれば必要な書類を教えてくれますし、明らかにこの治療を受ける必要がない人などを除けば、原則的に誰でも助成を受けられます。時間的な負担については、専門医と地域の医療機関がしっかり連携していれば、1人の患者さんが最初の治療方針決定時には専門医を受診し、その後の注射は近所のかかりつけ医で受けるといったこともできます。忙しい方でも治療は十分可能だと思います。肝炎・肝臓がん治療の方法や成績は、最近10年で劇的に変わっています。おそらく肝臓病に知識や関心がある人ほど、現在の状況を知ると驚くと思います。いい治療薬もどんどん生まれていますから、まず検査を受けて、ウイルス陽性の場合は怖がらずすぐに専門医に相談してください。(朝日新聞)
Jul 25, 2009 10:40

新しいインターフェロン
肝炎は治療が苦しい、怖いというイメージがあるようです。それはおそらく、昔のインターフェロン治療のイメージでしょう。日本でのC型肝炎のウイルス治療が保険適用になったのは1992年ですが、そのころのインターフェロンは、副作用が強いうえに週3回の注射が必要でしたから、たしかに患者さんの負担は小さくなかったと思います。しかし現在の治療は当時とは全く違います。ペグインターフェロンという新しいインターフェロンと経口抗ウイルス薬を併用する治療法では、副作用は以前よりコントロールしやすく、通院も週1回ですむようになりました。昔はC型肝炎といえば治療法のない病気でしたが、今はこの併用療法によって難治性の場合であっても約5割、それ以外の比較的治りやすいタイプなら8~9割が根治できるようになっています。また副作用が起きた場合でも、患者さんの負担をなるべく軽くする方法を熟知した肝臓専門医の数が増えていますので、その点でも怖がる必要はありません。(朝日新聞)
Jul 24, 2009 10:43

肝炎・肝臓がん治療

しじみやレバーなど鉄分の多い食品は肝臓にいいと言われることがあります。こうした食品で肝炎を防ぐことはできますか?すでにC型肝炎ウイルスに感染している人の場合は、鉄分を取ると逆に症状が悪化することがあります。健康な人にはいいものでも、ウイルスを持っている人には逆効果になることもあるので、まず検査を受けて自分がウイルスに感染していないかどうかを調べておくことが大切です。年1回の職場の検診で「あなたは肝炎です」と言われたことがないから自分は大丈夫、と思っている人も多いようです。肝炎ウイルス検査を従業員検診に取り入れている企業は徐々に増えていますが、すべてではありません。地域の検診でも100%実施されているわけではないので、指摘されたことがないから大丈夫と安易に思わないほうがいいでしょう。ウイルス検査は、血液を摂るだけの簡単な検査ですので時間もかかりません。自治体が実施する無料の検査もありますから、お近くの保健所へお問い合わせください。(朝日新聞)

 

Jul 23, 2009 08:36

肝炎・肝臓がん
肝臓の病気というとアルコールが原因だと思う方が多いようで「お酒の飲みすぎで肝臓がんになりますか」という質問をたくさんいただきます。依存症になるほど多量に飲み続ければもちろん肝臓にもよくないですが、日本で1年間に肝臓がんで亡くなる約35000人のうち、アルコール性の肝炎が原因の人は1割ほど。残りの8~9割はB型またはC型のウイルス性肝炎を発症した後、長い時間をかけて肝硬変になり、やがてがんに移行したケースです。よく「自分はそんなに飲まないのに肝炎になるなんて」と驚く患者さんがあられますが、大半はウイルス性なのですから何も不思議なことではありません。肝炎は肝臓に炎症が起き、肝細胞が破壊される病気です。ただし「肝臓は沈黙の臓器」という言葉があるように、自覚症状はほとんどないので、異常に気付いてから治療を始めたのでは遅すぎます。早期に発見して治療を始めることが重要です。(朝日新聞)
Jul 22, 2009 10:48

副作用・脱毛・口内炎、口内乾燥
放射線照射により、毛球細胞がダメージを受けて脱毛が起こりますが、脱毛が起こるのは放射線が照射された範囲のみです。頭部への照射の場合は、照射開始後約2週間で脱毛が始まります。脱毛の程度は照射方法により異なるので、かつらや帽子などが不要な場合もあります。脱毛し始める前に頭髪を刈ると、脱毛の際に短い毛が抜けてちくちくと刺激になる場合もあるので、短くし過ぎるのもよくありません。髪は、治療後3~6カ月程度で生えてきます。口腔や頭頚部の放射線治療の場合、口腔粘膜や唾液腺がダメージを受け、口の中が荒れたり、乾燥したりする場合があります。口腔内が照射範囲に含まれる場合は、適度な柔らかさで、ヘッドのブラシ部分が小さな歯ブラシを使用し、粘膜を刺激しないように注意しながら磨きます。口腔内が荒れてきたら歯磨きを中止し、うがいに切り替えて、口腔内の清潔を保つように心がけます。禁酒・禁煙し、食事は激辛などの刺激物や熱過ぎるもの、冷た過ぎるのえお避け、よくかんで食べるようにします。(国立がんセンカー・がん情報サービス)
Jul 21, 2009 11:11

副作用の対処法

放射線治療を受ける場合は、皮膚への刺激を避けるよう工夫し、皮膚炎の予防に努めます。具体的には、・照射部位をこすらない ・ゴシゴシこすって洗わず、石鹸の泡をのせて流す ・化粧品や軟膏などを塗らない ・柔らかい衣服を着用する などですが、照射部位に合わせた工夫が必要です。赤みやむくみが進んで、皮膚が破れ、「びらん」や潰瘍となる場合もありますが、治療方法が進歩している現在では、潰瘍にはほとんど至りません。強い「びらん」の場合は、軟膏などを使用する場合もあります。ただし軟膏のために皮膚にあたる放射線の量が増えて症状が悪化したり、軟膏を塗る処置が刺激となって、皮膚の再生を遅らせてしまう場合もありますので、慎重な判断が必要です。放射線皮膚炎は、放射線治療特有の症状であり、治療には放射線に関する専門的知識が必要です。処置については、放射線科医師の指示を受けましょう。(国立がんセンター・がん情報サービス)

 

Jul 20, 2009 09:49

放射線療法の副作用・合併症

放射線療法で一般的に行われる治療法は、放射線を体の外から照射する「外照射」です。この「外照射」の場合、放射線は必ず皮膚を通過して病巣に達するため、照射された部位の皮膚に日焼けのような症状が起こります。皮膚の基底細胞は、がん細胞と同様に分裂の盛んな細胞です。放射線には細胞分裂が盛んな細胞に働きかける作用があるため、皮膚は照射により炎症が出現しやすい部位の一つです。皮膚炎の症状は、皮膚の乾燥やかゆみ、ヒリヒリ感、熱感、色調の変化(発赤・ほっせき)、色素沈着、色素脱失)、むくみ、表皮隔離などです。皮膚炎の出現時期や症状の程度には、物理的刺激や化学的刺激が影響します。(国立がんセンター・がん情報サービス)

Jul 19, 2009 09:06

粒子線治療の現況と将来
国立がんセンター東病院では、サイクロトロンを用いた陽子線治療システムが1998年末より稼動し、主に頭蓋底、頭頸部、肺、肝臓、前立腺等のがん例に使用されています。病院に附属した陽子線治療装置としては国内では初めての装置で、2001年7月に高度先進医療(医療の名称:悪性腫瘍に対する粒子線治療)の認可を受けて治療を行っています。治療の費用288万3千円は自己負担です。国立がんセンター東病院以外に、わが国での陽子線治療は、筑波大学陽子線医学利用研究センター、兵庫県立粒子線医療センター、若狭湾エネルギー研究センター、静岡県立静岡がんセンターの4カ所で行われています。また、独立行政法人放射線医学総合研究所では、炭素を使った重粒子(重イオン)線治療が行われていて、2003年10月に高度先進医療として認可されました。これら粒子線治療は、国内でも今後さらに数箇所での建設が計画されています。(国立がんセンター・がん情報サービス)
Jul 18, 2009 10:32

粒子線治療の特徴
粒子線治療は、サイクロトロンやシンクロトロン等の加速器から得られる陽子線や重粒子(重イオン)線を、がんという標的に狙いを絞って照射する治療法です。粒子線のうち電荷を持つもの(荷電重粒子線)の特徴は、一定の深さ以上には進まないということと、ある深さにおいて最も強く作用するといyことです。これらの特徴から、陽子線や重粒子(重イオン)線では、光子線に比べてがん病巣にその効果を集中させることが容易になります。したがって、がん病巣周囲の組織に強い副作用を引き起こすことなく、十分な線量を照射することができます。これらはがんに限局して照射できることから、進行していない限局したがん病巣の治療に適していると考えられています。がんのまわりに放射線に弱い組織がある場合の治療に、特に有効性が発揮できると思われます。今までの実績から、眼球内の悪性黒色腫、一部の頭頸部がん、Ⅰ期非小細胞肺がん、肝細胞がん、前立腺がん等に対する有効性が明らかになっています。(国立がんセンター・がん情報サービス)
Jul 17, 2009 08:48

粒子線治療
粒子線(荷電重粒子線)治療とは、陽子や重粒子(重イオン)等の粒子放射線のビームを病巣に照射することによって、主にがんを治す放射線治療の総称です。利用する粒子の種類によって、陽子線治療、重粒子線(重イオン)治療、パイ中間子治療等に分けられ、世界の各地で臨床応用や研究が行われています。例えば陽子線治療では、水素原子の原子核であり、正の電荷を持つ陽子を加速して高速にしたものを体内に照射します。これらはX線やγ線(ガンマ線)を用いた外照射放射線治療の臨床経験を基礎として開発されているものですが、がんの治療に適した特徴を持つ治療法として期待されています。X線やγ線(これらは光子線とも呼びます)により外部放射線治療は、コバルト照射装置やリニアップ等の高エネルギー深部治療装置が普及した現在、がんの放射線治療法の主役を担っています。一方、粒子線治療については、1946年にWilsonというアメリカの物理学者が提唱し、1954年に応用が開始されました。以来、世界各地で重粒子によるがん治療の研究が行われてきました。なお、現在治療に用いられている粒子は、陽子と炭素の二つです。(国立ガンセンター・がん情報サービス)
Jul 16, 2009 09:26

がん予防・検診の普及でがん患者を減らしたい
国立がんセンター名誉総長の垣添忠生さん自身も過去に大腸がんと腎臓がんを経験している。「大腸がんは、10年ほど前に職員検診で便に潜血反応が出たのですが、忙しくてその年は精密検査を見送ってしまいました。翌年もまた潜血反応が陽性になったので内視鏡を入れたら、三つポリープがあって、そのうちの一つにがんが見つかったのです」。開腹せず内視鏡による切除で済んだのも検診のおかげだという。腎臓がんの手術は2005年。前年に国立がんセンター内に開設された「がん予防・検診研究センター」で、どんなサービスが提供されているのか自身で確かめようと思い、検診料を払って検査を受けたところ、がんが発見された。幸い、初期のがんだったので小さく部分切除し、2週間後にはもう海外出張に出掛けられるまでに回復した。「がんが見つかるのが怖いから検診を受けないという人も少なくないようですが、早く見つければ治療費も少なく済み、あっという間に元気になる、いいことずくめなのです」。
Jul 15, 2009 12:34

検診の重要性

国立がんセンター名誉総長・垣添忠生さんんは語る。「胃がんの発症にはピロリ菌という細菌が関与していることがわかっています。ピロリ菌を除菌すると胃がんになる危険性が3分に1になるという研究成果も報告されています。子宮頸がんの原因とされるヒトパピローマウイルスに対し、欧米ではすでにワクチンが承認されて、罹患率も死亡率も減ってきている。ワクチンの導入にはお金がかかりますが、非常に大事なことです」 予防に加え、「たとえがんになっても治す」ことが、死亡率の低下に大きく貢献する。その柱が検診の普及。早期の治せるがんであるうちに見つけることが大切なのだ。 「残念ながら、現在市町村で実施している集団検診の受診率はせいぜい20%程度です。胃がん、乳がん、大腸がん、肺がん、子宮頸がんは、比較的検診で見つかりやすいので、ぜひ受けてほしい。国の計画では5年以内に受診率50%を目標にしていますが、受診率を上げるだけでなく、検診の質を高めて見落としを防ぐことも大切ですね」 (アフラックスコープ28より)

Jul 14, 2009 10:01

癒す力
早朝、台所の窓を開けると、小鳥のさえずりとともに、さあっと入ってくる澄んだ空気をふうっと吸い込んだ時・・・。「あ何だか今、確実に私の免疫力が上がった」と思える瞬間がある。病気は薬だけで治すのではない。薬と「癒す力」という自分の気持ちがピタリと重なり、治る道がつくられていくのではないかという気がする。病院というところが、医師や看護師の方々と会話をすることによって、そのように患者のモチベーションが高まるような、病気と闘えるパワーを養えるような場であることを強く願っている。がん患者は、患者としてではなく人として見てほしいのだ。患者にただ寄り添うのではなく、自分自身もはかない命を持つ同じ人間として、その思いを感じてほしい。そして、患者とともに希望を捨てないでいただきたい。どんな状況であっても。(西日本新聞 『生きてる・・・』より 西冨貴子)
Jul 13, 2009 08:13

希望を持ち続けたい

2006年9月に骨転移の治療を開始してからの私は、家族と一緒に近場ながらもいろんな所に出掛けた。楽しい思い出を作りたいとか、そんな思いからではない。ただ普通に、家族で過ごす日々を満喫していたと言える。医療者や周りの人たちから「この人は、がんが再発している。まだ若いのにかわいそうに・・・」という同情や哀れみのまなざしを向けられるのだけは嫌だった。私はいつも、どんな時でも凛としていたい。たとえシビアな状況であっても希望を持ち続けていたい。別に大それた希望ではなく、明日は今日よりはちょっと良い一日だったらいいな・・・。本を読み、音楽を聞き、子どもたちと楽しく過ごせたらいいな・・・という、ささいな希望。病院とは病気になった人が行くところだ。そう考えただけで気持ちが沈んでいく。しかしこんなマイナスな気持ちこそが、がん患者には大敵なのだ。これは病んでから気付いたことだが、医師や看護師の一言で気持ちがぐっと高まるときがある。逆の場合もあるのだが、うまく言い表せないけれども、カチっとスイッチが入ったような・・・。それはまるで素晴らしい音楽を聴いたときの感覚にも相通じるものがある。その幻想的な光景の中に、あたかも自分が漂い夢のような時を過ごしているような・・・。(西日本新聞 『生きてる・・・』より 西冨貴子)

 

Jul 12, 2009 09:07

認知症の場合
森院長は、施設を訪れていた家族に「がんの処置をする際には鎮静剤で眠ってもらうということで(長崎病院ニ)入院してもらうことはできる。でも、いまのように自由に生活することはできなくなると思います」と正直に説明した。家族は「もう少し近くの病院を探したい」との意向で、受け入れてくれる病院が見つかるまでグループホームに入所を続けることになった。帰り道の車内で小林さんは「認知症の人にはいろんなイメージを持っていたけど、話していると楽しかった。あのおばあさん、これからどうなるんでしょうか」と心配そうな顔をした。車を走らせながら森院長が「引き取ってくれる病院がみつかるかどうか。認知症でがんを患っている場合、自宅で看取ることができなければ行き場がなくなってしまうことが多いんだよ」と説明すると、しばらく学生たちは言葉少なだった。(西日本新聞)
Jul 11, 2009 09:35

患者の気持ちに向き合って
33歳の女子学生は、がんを患う女性(78)が喫煙所に向かうのに付き添った。車いすを押す夫が「毎日見舞いにきて一服させてやるとさ」と笑顔を見せる。女性の自宅は石段を数十段上った高台にあり、通院などの移動が困難なため在宅医療を断念したという。喫煙所のベンチに腰掛けると、夫は「ビールも飲めるようになってこの人は幸せよ」と話し、うとうとと眠る女性を見やった。病院のスタッフは、女性が好物のビールをのどに詰まらせずに飲めるようにと、泡の食感も楽しめる"ビールゼリー"を考案して食べせてくれるという。午後になると、学生たちは、森院長が運転する車に1時間ほど揺られて同県西海市にある認知症のお年寄りのためのグループホーム「わらび苑」に向かった。施設のスタッフは、大腸がんの転移で治癒が見込めなくなった女性(90)のことを森院長に相談した。女性は認知症の症状が進行するにつれ、風呂に入らせる際などに体に触れると暴れるようになり、職員にかみついたり殴ったりする。入院できる病院を探しているが、「認知症の患者は引き取れません」と断られてしまう。普段は陽気な性格なのである。この日も、医学部3年の小林典子さん(27)に「お前、名前は何ていうとな」と話かけた。小林さんが「のりこです」と答えると、「おお、よか名前たい。おまえが大将」と言って周囲を笑わせた。小林さんが「何か歌いましょうか」と誘うと、「あかさか べっちゃか」と1人で歌い始めた。「何の歌ですか」と聞かれた女性は「知らん。おまえ、名前何ていうとな」と再び同じ質問を小林さんに向けた。(西日本新聞)
Jul 10, 2009 11:41

医学生、現場の課題学ぶ
がん患者の体と心の痛みを和らげるホスピス医療(緩和ケア)を広げていくには、患者の気持ちを理解できる医療者の育成が欠かせない。緩和ケアを提供する国立病院機構長崎病院(長崎市)は、医学部の学生を病院に招いて現場の課題を学んでもらっている。学生たちは、自宅での医療を望みながらかなわない患者がいることや、がんを患った認知症の患者が行き場を失っている現状などに、戸惑いながらも向き合おうとしていた。6月の土曜日の朝。坂のまち長崎の山の中腹に立つ長崎病院の院長室に、長崎大医学部に学ぶ学生6人が集まった。森俊介院長(61)が「患者さんと仲良くなったら、温泉にも連れていってあげてください」というと、学生たちは「一緒に入るんですか」と少し困惑気味である。森院長は「患者さんたちは、若い皆さんと会うのを楽しみにしているんですよ」と笑い、病棟へ案内した。長崎病院には、重度の障害者やがん患者など、家庭の事情で在宅での暮らしが難しい人が多く入院している。森院長は「在宅で暮らせるのは恵まれた人たち。でも、入院していてもできる限り家庭と同じような安心した生活を送ってほしい」と話した。(西日本新聞)
Jul 09, 2009 08:40

緩和ケアチームの要件
厚生労働省が指定するがん診療連携拠点病院には必ず設置しなければならない。昨年、要件が厳しくなった。①専任(業務の50%以上をチームの活動にあてる)の患者の身体症状に対応する医師 ②専従(業務の80%以上をチームに当てる)の専門知識・技能がある看護師 ③精神的な症状に対応する医師をそれぞれ1人以上配置。拠点病院のほかに、独自のチームを持つ病院もある。 厚労省は、チームの詳しい活動指針は出していない。チームづくりの進め方は手探りで、支援が求められている。国立がんセンター(東京都)は2007年から、緩和ケアチームの研修会を開催。2年間で128チームが参加、今年は64チームが参加の予定だ。NPO千葉・在宅ケア市民ネットワークピュアの藤田さんは、家族をみとった経験から、がん患者や家族の相談に乗っている。「いまは入院期間が短くなり、外来の化学療法も盛ん。院内のチームだけでなく、緩和ケア外来も充実させ、多くの患者がチーム医療の恩恵をうけられるようにしてほしい」。 (朝日新聞)
Jul 08, 2009 08:06

向上へ研修・情報公開
2007年のがん対策推進基本計画により、都道府県と地域のがん診療連携拠点病院(375)にチームを置かなければならないが、院内で緩和ケアへの理解を得られず悩むチームは少なくない。主治医が「痛みのコントロールは必要ない」と拒む場合もある。緩和ケアを広めるため、厚生労働省は基本計画で「がん医療にかかわる医師はすべて研修等により、緩和ケアの基本的な知識を習得する」と掲げている。研修は2日間。研究班や学会が作成したプログラムを参考に、拠点病院や都道府県が開く。患者への悪い知らせの伝え方や、がん患者が療養する場の選択、地域連携などについて学ぶ。厚労省は、都道府県への助成として今年度は2億6千万円の予算を付けた。計画から5年で、がん医療にかかわる医師10万人(目安)に受けてもらう。だが実際に受けたのは、昨年度から約1年で、3730人だった。専門かも不足している。厚労省が2008年、拠点病院に調査した結果、「チームに緩和ケアの知識・技能のある常勤の専従看護師がいる」と応えたのは約58%にとどまった。(朝日新聞)
Jul 07, 2009 08:26

緩和ケアチーム

ある日の会合。「Aさんは『きのうまで自分でトイレに行けたのに、両足が動かなくなった』と冷静に話していました。付き添っている奥さんのほうが、不安が強くて、心配です」 「奥さんの話を聞いてみましょう」。精神腫瘍科の大西教授が提案した。報告後、全員で病棟を回診し、患者に会った。チーム員は、なるべく毎日、病棟を回り、患者や家族と顔を合わせる。報告内容と、実際の状態が違う場合もあるからだ。センターは2007年に開かれ、「地域がん診療連携拠点病院」に指定されている。悩みを抱える患者がいた場合、主治医がチームに支援を依頼する仕組になっている。依頼を受けると、チームの看護師が、患者の担当看護師や主治医から情報を集め、可能なら患者を訪ねて話しを聞く。内容に応じて緩和医療科の医師が必要な薬をカルテに書き、主治医がそれに基づいて処方する。うつや不眠には精神腫瘍科の医師が対応する。がんの病棟は約300床あるが、依頼は年間40~70件。緩和医療科の奈良林教授は「主治医が緩和ケアの必要性を理解し、チームに依頼してくれなければ、患者の苦しみがそのままになってしまいかねない」と指摘する。(朝日新聞)

 

Jul 06, 2009 08:32

チームで支えるがん緩和ケア
専門医や看護師、薬剤師らが、主治医と協力しながらがん患者や家族を支える「緩和ケアチーム」。心身の痛みを和らげ、困ったことの対応し、患者のQOL(生活の質)を上げるのが目的で、全国のがん診療連携拠点病院に設置された。活動を広めるため、緩和ケアの専門家を育てる研修会が開かれ、患者に情報を提供する態勢づくりも始まった。埼玉医大国際医療センター(埼玉県日高市)の緩和ケアチームは、毎週火曜日にカンファレンスを開く。がん患者には、身体や精神症状の治療だけでなく、食事など生活面の支援も必要になる。主治医だけでは対応できない、患者と家族の様々なニーズに応えるチーム医療だ。メンバーは医療用麻薬などで患者の痛みを和らげる緩和医療科と、心のケアをする精神腫瘍科の医師ら。薬剤師、看護師、ソーシャルワーカー、栄養士らも加わり役10人。がん患者の様子を報告し合い、情報を共有する。(朝日新聞)
Jul 05, 2009 08:53

あたりまえの日常
けれども、人はそう強いばかりではない。車を運転しているとき、掃除をしているとき、食事の支度をしているとき・・・涙があふれてくる。そんな時は泣きたいだけ泣く。そして新しい自分に気持ちをリセットする。落ち込んでもいい。泣いてもいい。弱い自分でもいい。その繰り返しの中で、がんであるということにだんだん「慣れ」ていき、少しずつ自分の限りある命を受け入れていく。病むということは、それまであたりまえにできていたことが一つずつできなくなったり、あきらめたりしなくてはならなくなる。風が気持ちいいこと。おいしくご飯が食べられること。子どもたちと笑っていられること。本が読め、音楽が聴けること。何げない日々・・・・。あたりまえの日常・・・。いや、そもそもこの世に「あたりまえ」のことなどない。死を間近に感じる病や出来事に遭遇してはじゅめて、命というものがどれほどはかなく、かけがいのないものであるかに気付かされる。(西日本新聞・『生きてる・・・』より・西富貴子)
Jul 04, 2009 14:21

新しい自分を感じて
乳がんの骨転移とみなして治療を受けながらも慌しい毎日は続いた。嘆き悲しむ暇などはない。涙は家族の前ではなるべく見せないようにしている。なぜなら家族も私と同様、私が病んだことによって深い悲しみの中にあると思うから。私が泣くと娘が泣く。みんなが暗闇のふちを歩かねばならない。それを見ると私も落ち込む。ただでさえ家族や周りに対して「病気になってごめんね」という思いでいっぱいなのに、暗い雰囲気が漂うと、これは自分がもたらしたのだと責められているようにも感じ、さらに落ち込む。悲観的な自分でいるのは悪循環なのだ。それだけは避けなければと思う。ジャーナリストの鳥越俊太郎さんも講演で「生きるという支えは家族。それはもちろんだけれども、最終的な支えは自分自身」と言われた。がんと闘うには、自分がもう駄目だと思ったらそこで終わると。本当にその通りだと思った。検査のたび死の宣告を待たされているような気持ちになり、結果を聞き、突き落とされ、それでも「生きたい」 「生きなければ」とはい上がる。がん患者はいつもその極限の選択、極限の思い、そして極限の「生」を突きつけられる。このぎりぎりの「生」の中で、命、生きるということの尊さを心底感じさせられる。(西日本新聞・『生きてる』より・西冨貴子)
Jul 03, 2009 09:04

お互いに思いを打ち明け
患者同士が思いを打ち明けあうことによって、不安が和らぐこともある。福岡市・天神のビルの一室で月2回活動している「元気が出るがん患者のつどい」には、テーブルを囲んで13人の患者が集まっていた。「今日は表情が明るいですね」。講師の波多江伸子さんが声をかけると、乳がんを患う十河紀子さん(40)が「アルバイトの仕事を始めたんです。気分が落ち込み『人生終わった』と思っていた頃に比べると、ずっと前向きになれました」と笑顔を見せた。十河さんは2年前にがんを告知された。治療によって症状はおさまったものの、再発や転移の恐怖にさいなまれうつ病になった。自分の死後に長男(4)が少しずつ成長していく姿を思い浮かべ、さまざまなサイズの子ども服を買い揃えたこともあるという。「以前は夜寝るのが怖くて・・・。みなさんが、がんを受け入れながら前向きに生きる姿を見せてくれたおかげです」。十河さんが言うと、別の参加者が「よかったね」 「自身を持つことが大事」と思いやった。(西日本新聞)
Jul 02, 2009 08:39

心のケア、支え合う患者たち
黒崎さん夫妻がボランティアを始めたのは、身近な死がきっかけだった。13年前、長男の妻が白血病で亡くなった。長崎県佐世保市から福岡市に移り住み残された子の育児を手伝っていたが、9年前には34歳だった三女が脳血栓で亡くなった。ホスピスボランティアをする「福岡ホスピスの会」の活動を知り、「患者さんと向き合うことで、自分の悲しみも癒されるのでは」と考えて2004年に入会した。病棟を訪れても、患者の状態によっては誰とも会うことがない日もある。「また会いにきて」と言ってくれた患者が、次に訪ねたときには亡くなっていてつらい思いをすることもある。「これでも、亡くなる前に一つでも多く楽しい思い出をつくってあげられたら、と思うんです」。黒崎さん夫妻は、健康な間は2人でボランティアを続けたいと考えている。福岡ホスピスの会には、40人のボランティアが登録し、福岡市内七つの病院で活動している。(西日本新聞)
Jul 01, 2009 10:57

寄り添うボランティア
がんを患った人には、体の痛みとともに、再発への不安や死と向き合うことの恐れといった苦痛ものしかかる。患者に寄り添うボランティアと、支え合うことで心のケアに取り組む患者会を取材した。生の松原を見晴らす西福岡病院(福岡市西区)の緩和ケア病棟(15床)の談話室を訪れると、エプロン姿で出迎えてくれたのは黒崎広治さん(84)と妻の靖子さん(75)だった。2人は患者ではない。病棟を月2回訪れるホスピスボランティアだ。病室に差し入れをするために、コーヒーを沸かしているところだった。そこに手押し車で体を支えながら、入院する池田澄子さん(88)がやってきた。「コーヒーにはお砂糖を入れますか?」。池田さんがテーブルに座ると、広治さんが声をかけ、靖子さんは隣に腰掛けて手を握った。池田さんは高齢の体には負担が重い積極的な治療を選ばず、昨年10月からこの病棟に入院している。そのことを知ってはいても、黒崎さん夫妻は、相手が口にしない限り病気のことには触れず、慰めの言葉をかけることもしない。(西日本新聞)
Jun 30, 2009 08:26

「治験」より緩い規制
厚労省は高度医療評価制度の目的を「高度な医療技術を安全かつ低い負担で受けたいという患者のニーズに対応するため」という。ただ、同省の文章では、臨床試験と位置づけられている。「被験者」という言葉が使われ、試験期間や症例数も定めることになっている。施設も、大学病院や、緊急時の対応が可能な医療機関に限られる。重篤な有害事象が起こった場合の公表・厚労省への副作用の報告・被験者の同意取得の方法や実施機関の責任者の責務などを定めた同省の「臨床研究の倫理指針」の順守、などが求められる。しかし試験終了後に使用された未承認薬・機器がただちに薬事承認を得られるわけではない。法令で実施基準が厳格に定められている治験ではないからだ。既承認のもので、承認されていない別の効能・効果について試した場合、国内外の論文などのデータがあれば、国内で新たに治験をしなくても薬や機器の適応が拡大される制度がある。臨床試験の結果を医師が論文にまとめ、それが適応拡大のための承認用データとして活用されるケースがありえるという。(朝日新聞)
Jun 29, 2009 09:19

ダビンチ
従来の内視鏡手術は遠近感がつかみにくい2次元映像を見ながら行うが、出血を起こしやすい前立腺摘出手術は難易度が高く別の病院で医療事故も起きた。東京医大病院ではいまは実施していない。ロボッタは「ダビンチ」と呼ばれ、米ベンチャー企業インテュイティブサージカル社が2000年に米国で承認を取った。同社のウエブサイトによると、米国を中心に約40カ国で1171台を販売、2008年だけで約13万6千件の手術が行われた。その8割は前立腺と子宮の摘出手術だった。日本でも2001年から治験が行われたが、代理店となった日本企業が撤退、承認申請されずじまいだった。現在5病院が米国から直接個人輸入の形で購入し、使っている。東京医大病院は2005年に約2億5千万円で購入。手術には研究費を使い、患者には負担を求めてこなかった。厚生労働省は2008年4月、先進医療制度の一つとして新たに「高度医療評価制度」をつくり、未承認の薬や医療機器を用いた場合でも保険診療の併用を認めた。同病院は前立腺摘出手術の実績(50例)を添えて申請し、今年1月から保険併用が認められた。患者の払う医療費はロボット手術にかかる保険外負担が72万円。高額だが、これまでに18人が手術を受けた。5月末に手術を受けた都内の男性(60)は、「開腹手術に比べ傷が小さく、早く回復できると聞いていた通りで、ロボット手術を選んでよかった」と話した。(朝日新聞)
Jun 28, 2009 09:42

先進医療
新しい治療方法が保険診療となるまで、入院や検査費用が健康保険でカバーされる先進医療制度。混合診療解禁論議の末に導入されたが、そのルールが昨春変わり、未承認の薬や医療機器を使う場合も認められるようになった。臨床研究(試験)の一種だが、企業が製造販売承認を得るための「治験」のような厳しい規制はない。あいまいさが残る制度は患者にとってどんな意味を持つのだろう。6月初め、東京医科大学病院(東京都新宿区)で男性患者からがんに侵された前立腺を摘出する手術が行われた。おなかに開けた穴から手術器具を入れる、ロボットを使った内視鏡手術だ。ロボットの4本の腕の先端には手術器具やカメラが取り付けられている。執刀医は手術台から3mほど離れた場所に座り、モニターテレビに映し出される映像を見ながら、左右の手の親指と人差し指で2本のコントローラーを操作する。執刀医の指の動きに合わせて患者の体内に挿入されたロボットの腕の先端部分についている手術器具が動く。「自分の小さな指が体に入り込んでいる感じですね」泌尿器科の橘主任教授が言った。
Jun 27, 2009 13:02

がん予防と早期発見
国立がんセンター名誉総長の垣添忠生さん(68歳)は、病院長、総長等を歴任し、病院運営の指揮をとったが、それ以前には外科医として泌尿器がん、特に前立腺がんや膀胱がんで傑出した技術を発揮した。毎年、新たにがんに罹る人は約60万人、年間のがんによる死亡者は約34万人にものぼる。「国立がんセンターでは年間約400人が亡くなりますが、その方々の病歴を調べさせていただくと、7割の方が発見したときすでに進行がんになっている。さらにその人たちの大半が、一度も検診を受けていないのです」 垣添氏は、その悔しさを「がん対策基本法」の中で存分に生かそうと全力を傾けている。同法の施行は2007年4月。法律を実効あるものにするため、厚生労働省内に「がん対策推進協議会」が置かれ、国の「がん対策推進基本計画」策定に携わるよう定められている。協議会のメンバーには専門医や医療従事者に混じって患者や患者団体の代表も加わっている点が画期的であり、垣添氏はその会長を務めている。「がんの原因は約30%がたばこ、約35%が食生活、約10%が細菌やウイルスによる感染症です」 特に1本に約60種類の発がん物質が含まれるたばこに関しては「がんに罹る人を減らすためには、禁煙が一番の講堂目標。1箱500円程度に値上げできれば必ず効果が上がるはずなのですが・・・」と垣添氏は強調する。(アフラックスコープ28より)
Jun 26, 2009 12:58

内視鏡手術
内視鏡を用いたがん手術も、成果を上げている。斗南病院(札幌市)の奥芝副院長が解説した。内視鏡手術は、手術する部分も周りに複数の穴を開け、そこから内視鏡などを差込み、映しだされる画像をモニターで見ながら、病変を特殊な電気メスなどで切除する。手術による傷は小さく、回復も早い。消化器がんを中心に手術数は急増。日本内視鏡外科学会の調査によると、胃がん手術の場合、2007年に4,765例が実施され、胃がん手術全体の24%まで増えた。奥芝副院長によると、体に穴を開けずに、胃や腸などを通し、内視鏡や手術器具を体内に入れて患部を摘出する「経管腔的内視鏡手術」で、胆嚢を摘出したり、虫垂を切り取ったりする手術や機器も開発されている。奥芝副院長は「さらに進歩すれば、がん手術にも適用される可能性がある」と話した。全国どこでも一定水準以上のがん治療を受けられるようにする「治療の標準化」が重要になっている。治療成績など科学的な根拠や医師の合意に基づいた診断指針(ガイドライン)の作成、一定の実績やキャリアを持つ専門医をきちんと育成するシステム、各地のがん拠点病院などの医療施設の整備。これらが標準治療の充実に必要だ。と、平田札幌医科大学教授の講演「がんの標準化を考える」から。(朝日新聞)
Jun 25, 2009 08:44

がん治療の最先端

がんの治療では、体に開けた小さな穴から内視鏡(腹腔鏡)を差し込んで行う手術や、がん細胞を狙い撃ちする薬で、患者の負担を軽くする方法が広がっている。分子標的治療薬は、がん細胞特有の様々な機能を担っている特定の物質(分子)を狙って、その機能を抑える。正常な細胞にもダメージを従来の抗がん剤とその点で大きく違う。慢性骨髄性白血病の治療にも使われている。「グリベック」(一般名イマチニブ)は、消化管間質腫瘍でも使われている。この薬の登場前は、手術だけが治療方法だったため、手術できない人の生存期間は7カ月(中央値)と短かった。だが、グリベックが使われ始めると、手術できない人でも生存期間は57カ月に延びた。大腸がんの場合は、栄養補給のためにがん細胞の周囲に新しい血管を張り巡らす動きを阻害する「アバスチン」(一般名ベバシズマブ)や細胞増殖にかかわる動きを阻害する「アービタックス」(一般名セツキシマブ)がある。いずれもここ1,2年の間に発売された新しい薬だ。従来の抗がん剤とアバスチンを併用した臨床試験では、アバスチンを併用しない場合と比べ生存期間が5カ月近く延びた。従来の抗がん剤と比べ副作用は少ないといわれる。ただ、肺がんの分子標的治療薬イレッサの場合、副作用による間質性肺炎で死亡するケースも起きていることから、注意も必要だ。また、どの薬も価格が1錠約3,350円(グリベック)、1瓶約5万円(アバスチン)、1瓶約36,000円(アービタックス)と高額なため、高額療養費精度も適用される。自己負担の目安は、70歳以上だと月12,000円、70歳未満だと月44,000円以上となる。(朝日新聞)

 

Jun 24, 2009 09:24

リハビリの重要性
リハビリ中は、患者が体で覚えられるよう、うまくできたときに何度もほめ言葉をかけていた。脳腫瘍になったり、がんが脳に転移した場合は、高次脳機能障害が起こることもある。症状は記憶障害、注意障害、遂行機能障害(物事の段取りが悪くなる、計画が立てられない)、失語症(思っていることを言葉に出せない、話を理解できない)などだ。それらのリハビリは言語聴覚士が中心になる。病院によっては作業療法士も担当する。リハビリは「毎日、少しずつでも続けることが大事」。特に、高次脳機能障害は、発症後5~6年たってから変化が出ることもあるそうだ。安藤さんは大学で美術史を専攻後、会社勤めを2年経験後して言語聴覚士の資格を取得した。「笑顔で退院される患者さんを見送るときは、たとえほんの数時間でも、その方の人生と密なかかわりができてよかったと思います」。(朝日新聞)
Jun 23, 2009 11:34

言語聴覚士
東京都新宿区の慶応大病院リハビリテーション科には言語聴覚士が3人いる。主にがんの進行とその治療、脳卒中の後遺症、神経系の病気によって、「食べる」「話す」「聞く」「読む」「書く」機能に生じた障害を改善するリハビリテーションを担当している。安藤牧子さん(37)は多くのがん患者のリハビリを経験してきた。例えば、舌がんで舌を切除したり、舌がんやのどのがんの治療で放射線を照射したりした場合や、食道がんの手術後などには、食べ物を飲み込む力が弱くなることがある。本人は飲み込んだと思っていても、のどに食べ物が残ったり、気管に入って誤嚥性肺炎を起こしたりする。特に水分は気管に入りやすい。舌や軟口蓋、声帯を切除した後や、食道がんの治療後には、うまく発音できなくなることがある。安藤さんは食べ物を飲み込みやすくしたり、聞き取りやすい発音を身につけたりするための工夫を指導する。「ヒハビリで機能を完全に回復させることはできませんが、日常生活の不便さを軽くしたり、生活を楽しめるようになったりします」。(朝日新聞)
Jun 22, 2009 10:54

納得した治療の指針に

国内外でいろいろながんに使われる「TNM悪性腫瘍の分類」という方法をつくっている国際対がん連合(UICC)は「がんの病期を決めることは治療や研究だけでなく、対策を考えるためにも欠かせない」としている。がんの治療成績が全国どこでも変わらないよう、国ががん対策を進めるには、同じ病期ごとの治療の結果が同じになるようにしなければ意味がない。それには、正確な病期判定が前提となる。がんの専門病院などでつくる全国がん(成人病)センター協議会(全がん協)はホームページの中で、加盟する施設での5年生存率を病期ごとに公表している。リンパ節などへのがんの転移は、手術をして初めて分かることもある。病期は手術の前と後で変わることも珍しくないので、注意が必要だ。日本人の代表的ながんである胃がんの場合、UICCとは別に日本胃癌学会の独自の分類が使われている。東京都内の病院で胃がんの手術を受けた37歳の男性は、日本の分類だと最も進んだ段階である「ステージⅣ」と診断された。しかし、UICCの分類では「ⅠB」だった。大きな差が出た理由は、リンパ節への転移にあった。男性の場合、胃からだいぶ離れたリンパ節1カ所にだけ、転移があった。胃癌学会は、どこのリンパ節に転移したかを重視し、離れた場所にあるほどがんは進んでいると考え、病期は高くなる。一方、UICCは転移の「数」を重くみる。治療法を考えるなら日本基準、将来の見通しを予想するなら国際基準。胃がんについては、目的に応じて使い分けるのがいいらしい。(朝日新聞)

 

Jun 21, 2009 10:45

大きさ・転移でⅠ~Ⅳ期
がんがどれくらい進行しているかを判断するための三大要素がある。最初にできたがんの大きさや広がり具合(T)、リンパ節への転移の様子(N)、がんが離れた場所に転移していないかどうか(M)、だ。病期は基本的に、この三つを組み合わせて決まる。腎臓がんでみると、大きさが8cmで腎臓にとどまっているだけならⅡ期、小さくても別の臓器に転移していればⅣ期になる。組み合わせはがんの種類によっていろいろだが、考え方は似ている。Tを決めるときに大切な要素は、がんの種類によっても違う。乳がんでは基本的にがんの大きさが、食道がんではがんが組織のどれくらいの深さまで達しているかが重視される。周囲のリンパ節や離れた臓器に転移していれば、病期は高くなっていく。予測される生存期間も病期ごとに公表されるのが原則だ。ただし、光冨さんは「仮に、ある病期の代表的な生存期間が1年だったとしても、人によっては1週間で亡くなったり、3年以上生存されたりする。病期をもとにした情報には幅があることを注意してほしい」と話す。(朝日新聞)
Jun 20, 2009 09:25

がん進行度「病期」

がんと診断されたとき、医師の説明でよく出てくるのが進行度を示す「病期」(ステージ)。見慣れない用語が多くてとっつきにくい。それでも、がんの標準的な治療はそれぞれの病期に応じて決められていて、生存期間を考える目安にもなる。納得してがんと向き合うためにも、病期の特徴や限界をしっておくことは大切だ。 「この人のステージは?」「ⅡAです」「手術が標準だね」「ただ、この人には負担が大きいかも知れません」 愛知県がんセンター胸部外科のグループが毎週開く症例検討会。肺がんがあった男性患者の胸部X線やコンピュータ断層撮影(CT)の画像フィルムを前に、医師たちが治療方針を話し合っていた。画像や内視鏡などを使った検査の結果をもとに、医師は病期を判断し、進行度に応じた標準的な治療法を患者に伝える。患者はその情報から、十分の価値観を交えて治療法を決めることになる。「『わたし、末期ですか?』と聞かれることが多いが、末期という病期はありません。対話の質を高めるためにも、患者には病期について知ってほしいし、我々はわかりやすく伝えないといけない」。胸部外科部長の光冨副院長はいう。(朝日新聞)

 

Jun 19, 2009 10:25

薬物療法 経済的な負担は
製薬会社の研究開発が始まってから、患者や健康な人に薬を投与し、安全性と有効性を確認する治験は、平均6.1年かかります。独立行政法人「医薬品医療機器総合機構」の治験のデータ審査には、平均1.8年かかります。最終的に審査の結果、問題がなければ厚生労働省により承認されます。製薬会社が一つの抗がん剤開発にかける経費は数百億円といわれます。新薬にはこれらの開発コストが反映されるため、治療費も高額になります。また一度に複数の薬を使う「多剤併用」が行われることも多く、患者側の負担はさらに大きくなっています。東北大学の濃沼教授(医療管理学)らが行ったがん患者を対象とするアンケート調査によると、薬物療法を受けた患者(1150人)の自己負担(入院・外来費用に交通費や健康食品費などを加えた総額)は年間平均133.1万円。一定額以上の自己負担が払い戻される「高額療養費精度」などの割戻し分を差し引いた実質負担は57.9万円と報告されており、負担の重い医療費や、療養中の生活費などについては、国や自治体による融資制度の充実など、支援策が求められています。前述の高額療養費制度や税金の医療費控除などを活用するとともに、民間のがん保険などでしっかりと経済的な備えをしておくことが大切です。(アフラックスコープ28)
Jun 18, 2009 08:28

薬物療法の課題
がんの薬物療法を専門に行う医師は「腫瘍内科医」と呼ばれます。2007年に施行された「がん対策基本法」に基づき、全国各地に設けられた「がん診療連携拠点病院」では、手術・放射線・薬物療法の専門医が協力する「集学的治療」の実施が指定条件となっているほか、腫瘍内科医の配置も義務付けられています。日本臨床腫瘍学会が認定する「がん薬物療法専門医」は全国でわずか200人あまり。「これまで日本のがん治療は、外科医を中心に臓器ごとの縦割りでおこなわれてきたため、薬物療法の専門医がとても少ないのです」と渡辺さん。がん患者・家族には「海外でかなり前に承認されている新薬が日本では使えない」との不満もあるようです。承認までのこうした時間差を「ドラッグ(薬)・ラグ(遅れ)」といいます。新薬が承認されるまでには、臨床試験で安全性と有効性を確かめる「治験」や専門機関の「審査」を経なければなりません。医療産業政策研究所が2007年、製薬会社を対象に実施したアンケートによると、様々な種類の薬剤について、日本では治験着手までの遅れを含め、承認まで欧米より約4年程度の遅れが認められています。
Jun 17, 2009 10:25

抗がん剤治療12か条

「たとえがんが再発・転移しても、『慌てず、焦らず、諦めず』。患者さんや家族をシームレス(継ぎ目なし)に支えていくことが医師の仕事です。抗がん剤治療を受けるときは、私が提唱している12か条をぜひ参考にしてみてください。◆安心して抗がん剤治療を受けるための12か条 第1条 病気を理解する 第2条 治療を理解する 第3条副作用を理解する 第4条 副作用の対処方法を知る 第5条 健康食品、代替医療におぼれない 第6条 普通の生活を送る 第7条 何でもがんと結びつけて考えない 第8条 先々のことを考えない 第9条 近い時期に楽しいことを計画する 第10条 いい友達を付き合い、家族を大切にする 第11条 仕方ないこと、済んだことにこだわらない 第12条 納得するまで聞いてみよう (渡辺亨さん提唱)  アフラックスコープ28より 

 

 

 

Jun 16, 2009 09:19

薬物療法の副作用
「副作用を恐れるあまり、抗がん剤治療に不安を抱く患者さんもいますが、今は吐き気を抑える『制吐剤』や、白血球の成分である好中球を増やして免疫力の低下を防ぐ『顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)』など、よい薬もあります。複数の抗がん剤を併用する場合は、副作用が重ならないよう配慮します。また、専門医が副作用が出る時期についてしっかりと計画を立て、患者さんにも分かりやすく説明して心構えをしておいてもらえば心配ありません」 前出の渡辺さんは、副作用に対する誤解をこう指摘します。近頃はがん細胞の増殖パターンの研究が進み、乳がんや胃がんなどの固形がん(塊を形成するがん)には薬剤を一気に大量投与せず、週1回など、小刻みに投与する方法が広まっています。そのため、入院せず、外来で薬物療法を受けるケースが増えています。「私のクリニックでは95%が外来の患者さんで、仕事を続けながら通う男性や、子供が学校に行っている間に点滴治療を受けているお母さんもいます。これからは患者さん1人ひとりのがんの性質を見極め、日常生活の継続を重視して最適な治療法を組み立てる"テーラーメイド治療"の時代です」と渡辺さん。
Jun 15, 2009 11:06

薬物療法の進め方
薬物療法は、がんの部位や細胞の性質、進行度や症状などに合わせて行われます。最大の目的は、「がんの治癒」と「延命」です。がんの増殖を遅らせたり、痛みなどの症状を和らげたり、生活の質(QOL)を改善するために使われる場合もあります。進行がんなどの痛みのコントロール(疼痛管理)も、薬物療法の一つです。現状では、薬物療法のみで治癒(完治)が期待できるのは、急性骨髄性白血病、悪性リンパ腫、精巣(睾丸)がんなどに限られます。抗がん剤の投与方法には、注射(点滴)と内服(飲み薬)などがあります。注射の場合は静脈への点滴注射が一般的ですが、がんの種類、状態によっては動脈や腹腔内への投与も行われます。抗がん剤は1種類のみの場合と複数を併用して効果を高める場合(多剤併用)もあります。抗がん剤の主な副作用は、①吐き気・嘔吐 ②脱毛 ③白血球減少 ④内臓障害 ⑤貧血 ⑥不妊症などです。これら以外に、検査して初めて分かる自覚症状のない副作用もあります。
Jun 14, 2009 10:19

薬物療法は「全身治療」
「がんは発生部位や細胞の性質によって局所にとどまりやすいタイプと、転移しやすいタイプがあります。前者は手術や放射線による『局所治療』で完治が望めますが、後者はがんが見つかった時点ですでに他の場所に微小転移(検査では見つけられない小さな転移病巣)が起こっている可能性があり、抗がん剤による『全身治療』も同時に行う必要があります」。 こう話すのは、圭友会浜松オンコロジーセンター長で「NPO法人がん情報局」の理事長を勤める腫瘍内科医の渡辺亨さんです。日本でがん治療に使われる薬剤は現在、約150種類。効果の仕組によって次のように分類されます。<従来の抗がん剤>従来から使われている抗がん剤は、細胞のDNAの複製を妨げ、活発に分裂するがん細胞の増殖を抑えます。正常細胞も攻撃してしまうため、副作用が表れやすい傾向があります。<分子標的薬>1980年代以降、分子生物学の進歩で生まれたのが分子標的薬と呼ばれる抗がん剤です。がん細胞特有の分子を標的にして、がん細胞の増殖や転移を抑制するため、正常細胞への影響は少ない薬です。<ホルモン剤>ホルモンの働きを阻害してがんの増殖を抑えます。前立腺がんや乳がんなどホルモンの影響を受けやすいがんに使われます。従来の抗がん剤に比べて副作用の比較的少ない薬です。(アフラックスコープ28より)
Jun 13, 2009 09:19

「がん」とくすり

手術、放射線療法と並び、がんの三大療法の一つとして重要な役割を担っている「薬物療法(化学療法)」。とはいえ、「副作用が怖い」「新薬がなかなか承認されない」など不安の声も聞かれます。国のがん対策の重点課題と位置づけられ、日々進歩するがんの薬物療法について、現状と課題を探ってみました。ーーーーがんは増殖し続ける「異常な細胞」----薬物療法に使われる「抗がん剤」などの効果の仕組を理解するために、がんとは何かを改めて確認しておきましょう。人間の身体は数十兆個の細胞からできています。細胞の中心には核があり、その中に細胞の設計図である遺伝子(DNA)が入っています。この遺伝子に傷がつくことによって生まれるのが「がん細胞」です。傷の原因は、細胞分裂のときの遺伝子の複写ミスや化学物質、放射線などの影響と考えられています。正常な細胞には増殖抑制遺伝子があって、一定の規律に従っていますが、がん細胞は分裂、増殖に歯止めのかからない「異常な細胞」です。1日にできるがん細胞は数千個に上りますが、大半は免疫細胞の攻撃によって死滅します。生き残ったものが増殖を繰り返し、長い時間をかけて目に見える塊になります。さらに周辺の臓器に広がったり、脳や骨などあちこちに転移して私たちの身体を蝕んでいくのです。加齢とともにがん細胞の発生数は増え、免疫力も落ちるため、がんが見つかる人は高齢者ほど多くなります。

Jun 12, 2009 10:23

ホスピス医療

JR行橋駅近くの「ひと息の村」は、1階には訪問看護ステーションやヘルパーステーションなどが入り、11部屋あるアパートは2階。住民は300mほど離れた診療所から矢津医師(51)に診てもらうことができる。体と心の痛みを取り除くホスピス医療。法律は、男性の2人に1人、女性の3人に1人が患うとされるがんと、エイズ(後天性免疫不全症候群)の患者のみを対象にしている。だが矢津医師は、残りの人にも目を向ける。「その人その人なりの意思を尊重し、ケアをする。それがホスピスです」。死を看取るだけでなく、できる限りの延命治療を望む人には、その希望をかなえる助けをする。尊厳ある死やホスピス医療は、実は家族を支援することでもある。「自宅のように過ごさせたい、と言っても病院では限界がある。一方、看護師がいつも近くにいる病院から、いきなり連れて帰るのは不安。自宅に近い環境で、医療のサポートも受けられる。その両方のニーズを満たせる場所に」。在宅医療に力を入れてきた矢津医師は、ひと息の村を作った理由をこう話す。(西日本新聞)

Jun 11, 2009 09:51

私だけではなかった
西富貴子さんのエッセー「生きてる・・・③」(西日本新聞1日付)を読み、私の気持ちを代弁していただいているように思いました。私も乳がん患者です。4月に抗がん剤治療が終わり、ホルモン剤を飲んでいます。主治医の説明によると5~10年は続けることになりそうです。化学療法のつらい副作用から開放された喜びもつかの間、押し寄せてくる不安感で涙が止まらず仕方ありませんでした。特に子供たちのことを思うと、切なくて切なくてたまりませんでした。治療代もそうです。まだ働くこともできず家計は苦しいです。お金がないと、ある意味、命もつながらないのだと思いました。私だけがこんな気持ちになるのかと思っていたので、西富さんも同じ思いなのか、きっとまだ同じ思いの人がたくさんいらっしゃるのかと思うと、不謹慎ですがホっとしました。今は前向きに考えることもできるようになり、毎日楽しく過ごしています。落ち込んだりするときも、もちろんありますが・・・。頑張り過ぎないように頑張るしかないのです。(福岡県飯塚市、40代女性) 西日本新聞
Jun 10, 2009 11:42

がんと共に歩く「たんぽぽの会」

6月13日午後2時~4時、福岡市城南区七隈の福岡大学文系センター15階第七会議室。がんになった人や家族が病気の疑問を医師に尋ねたり、参加者同士、悩みや生活について話し合ったりする。講義は「治療のあれこれ」。参加費100円。問い合わせは、村上華林堂病院の柴田隆夫さん=092-811-3331、池亀チエさん=080-5206-1694。

ファイナルステージを考える会定例会「もっと知りたいホスピス」

6月20日午後2時、福岡市・天神のアクロス福岡5階、久留米大学福岡サテライト。講師は、村上華林堂病院長の司城博志氏。参加費1500円。問い合わせは、清水クリニック=092-502-6767まで。

 

Jun 09, 2009 09:16

被爆者のがん組織 蓄積
長崎大学の原爆後遺障害医療研究施設(原研)は、がんなどの手術で被爆者から摘出した組織を冷凍保存し、被爆情報とともにデータベース化する「被爆者腫瘍組織バンク」の設立を決めた。2012年をめどに、インターネットで世界の研究者に公開する方針。集めたサンプルをもとに研究が進み、がんが発生しやすいメカニズムが解明できれば、被爆者だけでなく、がんの予防や早期発見につながる可能性があるという。実務を担当する中島准教授(44)によると、被爆者から腫瘍と正常な組織の提供を受け、液体窒素で急速冷凍し、原研の冷凍庫でマイナス80度で保存する。従来のホルマリン漬けと違い、DNAが細かく千切れたり、たんぱく質が変性したりすることがなく、より詳しい解析が可能になるという。放射線が遺伝子を傷つけてがんを誘発することは分かっているが、被爆者にがんが多発するメカニズムが明らかでないという。(朝日新聞)
Jun 08, 2009 09:14

先進医療
現在、先進医療の対象は107種類で実施機関はのべ1025施設。高度先進医療時代の2004年と比べると、のべ医療機関数は約4倍となった。財政の論理で「先進医療」から「保険診療」への移行が進まないのでは、と心配されたが、いまのところ移行が制限されているとはいえない。2006年は心臓移植手術など8種類、2008年は、病巣の周りの正常組織への放射線照射を少なくできる強度変調放射線治療(IMRT)など20種類が保険診療となった。ただ、保険診療適用後の患者増に対応し切れない場合もある。その一つがIMRT。先進医療となって2年弱で、前立腺がん、頭頚部がん、脳腫瘍が保険診療となった。東大病院では、前立腺がん(38回照射)で約130万円を負担してもらっていたが、保険診療になった昨年4月以降は同じ治療が3割負担の人で約37万円で済むようになり、患者は激増。リスクの低い患者は半年ほど待ってもらうこともある。東大病院は「現在の態勢ではIMRTを受けられる人を50人から70人程度に増やすのがやっと。高度な機器に対応できる専門家や精度管理の専門家が足りない」という。(朝日新聞)
Jun 07, 2009 10:00

小泉内閣での医療の規制緩和
民間開放推進会議(現在の規制改革会議の前身)が2004年8月に混合診療の解禁を求めた。混合診療は保険診療と保険外診療を併用することだ。厚生労働省は高度先進医療や差額ベッドなどに限って併用を例外的に認め、それ以外は禁止していた。そのため未承認の薬や医療機器などが用いられれば、本来は保険診療の対象となる検査や診察、入院費なども保険請求できない。同会議はこの規制を撤廃するよう主張した。2004年12月に厚労相と規制改革担当相が保険診療と保険外診療を併用する範囲を広げることで合意。その際、「必要かつ適切な医療は基本的に保険診療により確保する」ことが確認された。先進医療を保険診療にするかどうかは、技術の有効性や安全性だけでなく、普及の度合いや、技術的な成熟度なども考慮しながら決定される。(朝日新聞)
Jun 06, 2009 09:31

患者と家族のために

乳がんの手術を受け、先週退院しました。24年前に同居していた伯母を膀胱がんで、14年前にたった一人の家族だった母を卵巣がんで見送っていたので、頭の血がスーっと引いていくようでした。母は最期の1カ月をホスピスで過ごしました。担当の先生が「あなたの命はあと少しかも知れません。その残りの時間を娘さんと一緒に有意義に過ごせるよう、私たちがお手伝いします」と言ってくださり、どうしても告知できなかった重い心が一気に弾けて、母の前で初めて大泣きしました。あるとき先生は、母がいなくなった後の私の生活について聞かれ「今は、あなたの今後が一番心配です」と・・・。母の病状を心配してくれる方はたくさんいましたが、私には「若いのに偉いわね。親孝行してね」と褒めてくださるばかり。私の心のケアなど考えてくださる方は、それまで一人もいませんでした。母は笑顔で眠りにつきました。ホスピスでなかったら、私は母の死をどう受け止めて、同生活を立て直していけたか想像もできません。ホスピスは患者と家族のためにあると思います。(西日本新聞)

 

Jun 05, 2009 09:44

在宅ホスピス

「在宅ホスピスのすすめ」など緩和ケアに関する本を出版している木星舎の古野たづ子さんが、自身でも看取りを経験された。90歳で亡くなったお父様は、前立腺がんが4年前に見つかったとき、既に骨にも転移していたが、ホルモン療法と疼痛を抑える薬によって、杖と椅子を頼りにメサイアの合唱に加わったりもしていた。痛みが増し、起き上がれなくなってからの三週間の在宅ホスピスは、長年連れ添った妻和子さん(83)を独りにはできないという強い思いから、ご自分が決断された。九州で初めての公団住宅曙団地(福岡市早良区)に1956年の完成ととに入居。建て替えられてからも住み、リビングで最期を迎えた。お昼が近づき、口を湿らせようとしたたづ子さんが、「あ、お父ちゃん逝ったみたい」とつぶやいたとき、和子さんはいつものようにベランダで、洗濯物を手にしていたという。(西日本新聞)

Jun 04, 2009 09:35

オマエはオマエだろ
タキソテールに替わってからは吐き気は落ち着いたものの、体中の痛み、味覚は麻痺し、爪が黒く変色した。手足はしびれ、皮膚が薄くなったようにヒリヒリして熱いカップなど全く持てなかった。治療を開始して2週間ほどで脱毛が始まり、一日で正確に言うと一時間ぐらいでばさっと抜けてしまった。分かってはいたが、ショックは想像以上のものだった。髪がない、まゆ毛も、まつげもない。枯れ枝のようになっていく自分・・・。自分が自分でなくなっていくようで、鏡を見るのも嫌だった。そんなとき、長男が「ママ、大丈夫だよ。治療が終わればまたすぐ生えてくるって」と優しい言葉をかけてくれた。夫も「外見が変わったからって、オマエが変わったのか?オマエはオマエだろ」と・・・。言葉や態度でいたわってくれる人ではないが、この一言で、そのときの私は救われ、その後も頑張ることができた気がする。私はウイッグ(かつら)をつけ、帽子をかぶり、髪が抜けようが、化学療法で気分が優れなくても、次男の送迎のため毎日学校へ通った。(西日本新聞)
Jun 03, 2009 09:15

化学療法
乳がんの告知を受けた私が「ああ、わたしってほんとうにがんなんだ」と実感したのは、手術後の化学療法が始まってからだった。手術より何より、化学療法を受けることがショックで、怖かった。体に毒を入れる感覚、体がどうにかなってしまうのではないかという気がした。2005年の6月に受けた診断は湿潤性乳管がん。リンパ節への転移も認められたため、化学療法は、3種類の抗がん剤を組み合わせたCEFを4クール(1クールとは1週間目に点滴し、次の2週間は治療を休むこと)、その後、別の抗がん剤タキソテールを4クールという計8クールだった。かなり強力な薬で、CEFの赤い蛍光灯の点滴を見ただけで吐き気がした。吐き気を抑える薬もあるが、それでも一日中、乗り物酔いのような、つわりのような、何ともいえない気分だった。抗がん剤はがん細胞を攻撃するのと同時に正常な細胞も破壊する。怖いのは白血球の減少だ。白血球が減ると免疫力が落ち、感染症を引き起こすことがある。白血球を増やす注射をして、抗がん剤投与を延期したこともあった。(西日本新聞)
Jun 02, 2009 13:11

緩和ケア病棟
緩和ケア病棟では、医療行為はほとんど行わない。原口医師は個室を回り、病状だけでなく、患者の悩みや家族の相談などを聴く時間を大切にしている。ギターを手に取り、童謡を歌うお年寄りの伴奏をすることもある。自転車で通勤途中に四つ葉のクローバーを探しては患者に贈る。原口医師は「がんが治らなくても、ホスピスによって元気になることはよくある。治すだけが医療ではない」と話す。那珂川病院の緩和ケア病棟は、常にほぼ満床。入院を希望する約200人の相談予約が7月まで詰まっている。原口医師たち担当の医師二人は、入院患者のケアにあたる傍ら外来を受け持ち、自宅への往診にも出掛けている。福岡県には緩和ケア病棟が19施設あり、病床数は全国最多だが、それでも足りない。原口医師は「緩和ケア病棟をいくら増やしても限界がある。一般の病院への緩和ケアの普及や、在宅での看取りを支援する仕組を広げることが欠かせない」という。(西日本新聞)
Jun 01, 2009 09:08

治らなくても生きる希望を

寝て、テレビを見て、泣いてばかりだった生活も、医療スタッフの支えもあって変わり始めた。週に一度訪れるボランティアからは絵手紙の書き方を習っている。10日の母の日には、同じく闘病中の母(75)に「元気になったら会いにおきます」とカーネーションの絵を添えて手紙を出した。病室に様子を見に来ていた担当の原口勝医師(52)が「あれはカーネーションのつもりだったんですね」とからかった。女性は「もっとうまくならないと」と照れ「ここまで元気になれたのは、先生たちの励ましのおかげです」と涙をこぼした。原口医師は、那珂川病院に勤務するようになった4年前まで九州がんセンター(福岡市南区)などで外科医を務め、朝から夕までがんの手術にあたっていた。手術に追われ、ベッドサイドで患者と会話ができるのは、夕方以降のわずかな時間。退院した患者がどんな生活を送っているのかも知ることができない。「手術だけでは患者の苦痛は取り除けない。24時間、最期まで患者と向き合いたい」との思いが募り、緩和ケア病棟の開設準備をしていた那珂川病院に移った。(西日本新聞)

May 31, 2009 09:58

ホスピス
がん患者の痛みや不安を和らげるためのホスピス医療を行う緩和ケア病棟。人生の最期を穏やかに迎えてもらおうと広がってきたが、闘病で傷ついた心身を癒し、再び前向きに生きる力を与えるために必要な施設でもある。福岡市南区の那珂川病院の4階にある緩和ケア病棟には20の個室がある。その一室に入院する女性(53)が、これまでの闘病生活について話してくれた。ズボンのすそをめくって見せたふくらはぎには、抗がん剤の副作用でできたあざがいくつも残っている。「あきらめたり希望を持ったりの繰り返しだけど、6月1日を退院の目標日に決めて頑張っています」 女性は2005年春にせきが止まらなくなり、訪れた病院で肺がんと診断された。リンパ節や頭部、骨にも転移していて手術は不可能だった。抗がん剤や放射線の治療を続けたが、昨年末、医師から「これ以上治療はできない。緩和ケア病棟を探してください」と告げられた。「緩和ケア病棟はがん患者が生涯を終える場所でしょう」。そう思っていた女性は医師に迫った。「ほかに薬はないんですか。治療を続けてください」けれど今年1月から緩和ケア病院に入院し、痛み止めの投与などを受けながら静養した結果、体力は回復していった。入院当初はほとんど歩けなかったが、最近は300メートル離れたスーパーまで散歩にでかけることもある。(西日本新聞)
May 30, 2009 09:24

医療費助成
医療機関を受診している人の数は、B型肝炎とそれによる肝硬変、肝臓がんを合わせて約10万人、C型が約50万人です。ただしウイルスキャリア(持続感染者)そのものは、B型は100万~130万人、C型が150万~190万人と推定されています。キャリアに比べ治療を受けている人が少ないのは、検査を受けていないため自分がキャリアであることを知らない方も多いでしょうが、インターフェロン治療にお金がかかることも大きな原因だと思います。そこで国では、将来の肝硬変、肝臓がんを防ぐことを目的としてインターフェロン治療の医療費助成を行っています。患者さんの所得によって、月々の自己負担額を1万円、3万円、5万円のいずれかに定め、残りは全額公費で負担する制度です。適用となる期間は標準で48週ですが、難治性のタイプであり、かつ治療を継続すれば効果が見込める場合は、72週まで延長することが今年度から可能になりました。(朝日新聞)
May 29, 2009 10:46

インターフェロン治療
ウイルスが陽性であることがわかった場合の治療法は、かつては肝機能改善薬による治療が一般的でしたが、これは症状の進行を遅らせることしかできませんでした。しかし現在はインターフェロン注射を一定期間投与することで、体からのウイルスを取り除く、つまり肝炎を根治することが可能になりました。日本では1992年に最初のインターフェロン治療が認可され、さらに2004年からペグインターフェロンとリバビリンを併用した新しい治療法が始まりました。2剤併用することにより、治療効果も上がりました。またペグインターフェロンは週1回の注射でよいので、患者さんの肉体的および精神的な負担も軽くなり、「インターフェロン治療はつらい」というイメージはずいぶん変わりました。またインターフェロン治療に経験を積んだ国内の肝臓専門医の数も増え、副作用に早めに対処し患者さんがどうしてもつらい場合はインターフェロンの種類を変更するといった手法も確立されましたので、全然怖がる必要はありません。(朝日新聞)
May 28, 2009 08:47

肝炎ウイルス
ウイルス感染の主な経路は、以前であれば輸血や注射などの医療行為のほか、B型の場合は出産時の母子感染などによる感染ンもありました。ただし感染から重症化するまでには長い時間がかかる上、自覚症状が乏しいので検査を受けない限り感染の事実を知りようがなく、ようやく発見されたときにはそもそも何が原因だったのか本人にも分からないケースがほとんどです。適切な処置をせず肝炎を放置しておくと、やがて肝硬変、肝臓がんへ移行することがあるため、なるべく早く検査を受け治療を始めることが大切です。対処が早いほど完治の可能性が高くなるのですから。肝炎の検査は、市町村の検診や、地域の保健所、医療機関で受けられます。内容は血液検査だけですので気軽に受けることができますし、都道府県の検査であれば費用も無料のところも多いです。
May 27, 2009 08:30

沈黙の臓器
B型とC型を合わせた肝炎ウイルス感染者数は300万人以上と推定され、「国内最大の感染症」ともいわれるウイルス性肝炎。治療が遅れると肝硬変や肝臓がんに至ることもある難しい病気ですが、今年度からは公費助成によるインターフェロン治療がさらに利用しやすくなり、治療成績の向上と将来の肝臓がん予防に大いに役立つものと期待されています。そもそも肝臓とは、大まかに、人間が生きていく上で必要な物質の代謝・合成、体内外の毒物の解毒、エネルギーの合成・貯蔵の三つが肝臓の主な働きです。このように人間が生きていく上で大変重要な臓器ですが、病気になってもなかなか自覚症状が現れないことが大きな特徴で、「沈黙の臓器」とも呼ばれています。肝炎とは、肝臓に炎症が起き、肝細胞が破壊される病気です。原因別にウイルス性、アルコール性、薬物性、そのたの四つに大別されますが、このうち最も多いのがウイルス性肝炎で、日本では全体の約8割を占めています。このウイルス性肝炎はウイルスの種類によってAからEの五つの型がありますが、このうち慢性肝炎、肝硬変、肝がんへと進展するのは、日本ではB型とC型がほとんどです。
May 26, 2009 10:14

多様な治療法
手術を受けたくない、受けられない人へのアドバイスは、早期がんなら、治療せずに定期検査で経過を見る待機療法で済む場合もあります。しかし進行してさまざまな症状が出てきたら、その人の体の状態をよく知る泌尿器科専門医などに相談して、ホルモン療法や放射線治療を始めてください。手術後の再発の診断基準は?手術後のPSA値は低い値で変動することもあり、注意が必要ですが、一般的にはPSA値0.1以下が5年間保たれれば完治と判断します。逆に、0.4を超えてくると、がん細胞の取り残しや転移があるとみて追加療法を考えます。ホルモン療法の合併症と限界については?ホルモン療法は男性ホルモンの働きを抑えるため、副作用も特異です。4~5分程度のほてりや、食欲増進、胸のふくらみ、肝機能障害のほか、髪の毛が増えることもあります。副作用が強い場合は薬剤を変更します。薬剤の効果が落ちてきたら?一般的には継続します。男性ホルモンを栄養に増殖するがん細胞を抑え続けるためで、一方でがん細胞そのものを攻撃する抗がん剤などを併用したりします。(西日本新聞)
May 25, 2009 09:23

多い骨転移、治療は多様
再燃前立腺がんは85%の確率で骨への転移が見られることから、骨を守る治療も重要です。がん自体に対するホルモン療法に併せて、痛みやしびれ、骨折などの負担を軽くするために骨転移進行を遅らせたり、症状を改善する治療をします。骨転移の進行を遅らせるのに効果的なのが、ビスホスホネート剤です。骨転移を進める破骨細胞の働きを抑えて骨を守り、病巣の進行を抑制します。3~4週間に一度、15~30分の点滴で投与するため外来での治療が可能です。ただし発熱やあごの骨に副作用が出ることもあります。痛みなどの症状を抑えるには、放射線照射や鎮痛剤、痛む部位を取り除く手術をします。痛みを抑えないと前立腺がんと戦う力も失われますから、強い痛みがある場合にはモルヒネなどの麻薬も積極的に使います。医療用麻薬は適正に使えば依存症に陥ることはありません。大切なのは、自分の症状と治療の内容を理解して、がんとうまく付き合うつもりで治療に臨むことです。(西日本新聞)
May 23, 2009 10:17

再燃・進行前立腺がんの治療
ホルモン療法の効果が落ちた状態を再燃前立腺がんといいます。残ったがん細胞が再び増殖に転じてPSA値が上昇し、前立腺の肥大化による排尿障害や、がん細胞の骨転移による痛みが出ます。今のところ特効薬はないのですが、年齢や社会生活、身体機能に合わせていろいろな治療を組み合わせ、症状を和らげることは可能です。主な治療法は三つ。ホルモン療法の変更と、抗がん剤の投与、骨転移に対する治療です。ホルモン剤の変更から始めて、効果が出なくなった場合は抗がん剤を使った化学療法に切り替えます。日本でも2008年からドセタキセルという抗がん剤が保険適用されています。3~4週間に1回の点滴治療を通院だけで続けることができますが、食欲不振や体のだるさなどの副作用があります。(西日本新聞)
May 22, 2009 10:30

メリットとリスクを考慮して
もう一つは、またの間から前立腺に放射線を放出する長さ4.5ミリの針を80~100本埋め込み、体の内側から照射する組織内照射法です。針を埋め込むのは2時間程度ですが、3日から1週間の入院が必要になります。いずれの放射線治療も手術に比べて副作用は軽いのですが、放射線治療後は手術療法を選択できなくなります。服薬か注射のみのホルモン療法は、体への負担が少なく、進行がんには年齢を問わず第一の選択となります。精巣(睾丸)を取り除く手術や、皮下注射、女性ホルモンの内服薬などで男性ホルモンの作用を抑える薬を内服する方法があります。リスクとして、性機能障害や太りやすくなるなどがあり、長期間の治療で効果が弱くなることもあります。(西日本新聞)
May 21, 2009 09:44

PSA検診で早期発見可能
診断ではまず、病気の有無を調べるスクリーニングを実施。肛門から直腸に指を入れて前立腺の大きさや硬さなどを調べる直腸診や、棒状の超音波探子を直腸に挿入してがんや結石の有無を調べる超音波検査など、方法はいくつかあります。中でも有効なのは、前立腺でつくられるタンパク質PSAの血中濃度を調べる検査。がん化すると大量のPSAが分泌されるため、80%の確率で病気の有無がわかるのです。ただし前立腺肥大症や前立腺炎でも、血中のPSA値が高くなる場合があります。その場合は、前立腺の組織の一部を切り取ってがん細胞の有無を調べる組織検査「針生検」をして確定させます。一般的に採取は六カ所程度ですが、鹿児島大学病院では取りこぼしを防ぐため12カ所を採取します。前立腺がんと診断されたら、CTやMRI、放射性物質を使って骨の状態を調べる骨シンチグラフィーなどで、病気がどの段階にあるのか調べます。(西日本新聞)
May 19, 2009 00:00

前立腺がんの疫学と診断
高齢化社会を背景に、前立腺がんが急増している。進行は比較的緩やかなため早期発見できれば治癒しやすいが、進行すれば骨に転移して痛みや骨折を伴うケースも多いという。前立腺がんの危険因子は人種や年齢、家族歴などで、かつては欧米人に多い疾患だったのが、最近では日本でも食事の欧米化で動物性脂肪摂取量が増えたために急増しています。2020年には日本人男性の患者数が、肺がんに次いで二番目に多くなるという予測もあるほどです。しかし前立腺がんの進行はゆっくりで、初期には自覚症状がなかったり、尿が細くなったり、頻尿になる程度。またの間が痛んだり、足がむくんでくると、骨への転移まで進行している場合があるのでやっかいです。ただし、進行がゆっくりな分、早期発見して根気よく治療すれば、がん細胞の増殖を抑えて完治も可能です。症状を感じたら、すぐ専門医に診てもらってください。(西日本新聞)
May 18, 2009 09:14

がんと向き合うため グループ療法

厚生労働省の研究班が2008年にがん患者約8千人を対象にしたアンケートでは、半数近い48.6%の人が不安など心の問題を抱えていたことがわかった。具体的には、再発・転移の不安・将来に対する漠然とした不安・死を意識など。告知されたとき、治療からこれまで、現在と、時期によって患者が抱える悩みの中身が変わることも判明。その時々に合わせた適切なサポートが求められている。がん患者を精神的にサポートする「サオコオンコロジー(精神腫瘍学)」は2077年に米国で生まれ、がん患者や家族への心理的な援助が、がんの治療にもプラスの影響を与えることが分かってきた。日本でも90年代に取り組みが始まったが、普及は遅れている。厚労省研究班が全国のがん診療連携拠点病院286施設を対象に患者や家族のサポート体制について行った調査では、グループ療法を実施している施設はわずか7施設。実施できない理由で最も多かったのは「トレーニングを受けたスタッフがいない」だった。そこで研究班は2007年から、グループ療法のファシリテーター(司会者役)を養成する講座を全国で開いている。昨年までの2年間で、医師、看護師、臨床心理士ら1000人を超える医療従事者が受講。うえお乳腺外科の久保田さんもその一人だ。 「がん患者さんのためのグループ療法マニュアル」は「こころのリエゾン」からダウンローデできる。(朝日新聞)

May 17, 2009 13:13

がん患者 心もケア 2

「がんの告知を受けた時に頭が真っ白になりませんでしたか。『そんなわけはない』と思ったり『がんと闘っていこう』と前向きになったり。時間をかけて病気を受け入れる。それが適応です」と久保田医師。「不安、うつ状態、不眠になることもありますが、この段階なら親しい人に相談などして回復できます。でもうつ病に進むと、その治療に時間がかかってしまいます。食欲不振や肩こりなど体の症状が表れる『仮面うつ病』もあるので要注意です」 久保田さんの話を受けて再び患者同士の話が弾む。「自分の病気より職場や家族の生活のことが気になった。かえってそれがよかったかも」 「ボーっとしたり、涙が出たりするときもあった」 1時間はあっという間だ。複式呼吸などでリラックスしてミーティングが終わる。グループ療法では、そこで話したことは外には漏れないから安心して本音を出せる。一人では気付かなかった解決法が身つかることもある。院長の上尾さんは「乳がん専門施設だから、こうした手法を取り入れやすいのかもしれない」と話す。一般の病院と違い、患者は全員が乳がんを患った女性なので連帯感が生まれやすい。2002年の開院直後から、手術室に入る患者を励まそうと、患者中間が並んで見送るのが恒例になっているほどだ。(朝日新聞)

 

 

May 16, 2009 09:44

がん患者 心もケア
がんを告知されて平静でいられる人は少ないだろう。悲観、楽観を繰り返し、やがて正面から向き合えるようになる。しかし病気を受け入れられず抑うつ状態になる人も約3割にのぼる。患者の心のケアにどう取り組むか。医療現場での取り組みは始まったばかりだ。大分市にある乳がん専門施設「うえお乳腺外科」は今年3月から、グループ療法(集団心理療法)による患者の心のケアに取り組んでいる。同時期に手術した5~7人がひとつのグループになり、毎週土曜日の午前、1時間のミーティングを行う。入院中に1回、退院してから4回、計5回のプログラムだ。午前9時半、再発予防のための術後の抗がん剤治療を始めたばかりのメンバーが集まった。司会役の久保田陽子医師が「この1週間、どう過ごされましたか」と切り出す。話題は副作用による脱毛。「髪を洗うたびにポロポロ抜けて。分かっていたけどつらい」「ヘアピースを着けたら暑くて。夏場が不安」「抜けたところがヒリヒリして、触ると痛いよね」 久保田さんは近況報告が一段落したところで医学情報を伝えることにしている。(朝日新聞)
May 15, 2009 10:22

乳がん闘病記著者 大原まゆさん死去
乳がんとの闘病記「おっぱいの詩」(講談社)の著者、大原まゆさんが、札幌市内の病院で9日に亡くなっていたことがわかった。26歳だった。12日に近親者で密葬を行った。大原さんは札幌市教育委に勤務していた2003年9月、21歳で乳がんの宣告を受けた。翌年、闘病生活をつづったブログを開設。2005年、抗がん剤治療のつらさや気持ちの浮き沈み、家族や友人の支えなどをまとめた手記を出版した。2007年にはこの手記を原作にした映画「Mayu-ココロの星ー」(松浦雅子監督)が公開された。各地で乳がん検診の重要性を訴える講演を行うなど、乳がん撲滅を訴えるピンクリボン運動にも積極的に参加。2006年6月に乳がんが再発、今年4月に病状が悪化し、入院していた。(朝日新聞)
May 14, 2009 09:27

白血病生徒の受験拒否
長崎県で今春、白血病(小児がんの急性リンパ性白血病)を患う女子中学生(15)が私立高校から受験を断られるという出来事があった。治療中だったことから風邪などの感染を防ぐため、個室での受験を求めたが、高校側の答えは「対応できない」だった。女子生徒はその後、別の私立や公立では受験を認められている。どこに違いがあったのか。どんな場合に受験を拒否できるか定めた法令はない。文部科学省によると、規定を作れば、スポーツ推薦など多様な入試を妨げてしまうからだ。ただし、「安易に拒否していけないのは当然」という。関係者の考え方も分かれる。中学教諭を長く務めた法政大の尾木教授は「学ぶ権利は誰にでもある。私立も都道府県から助成金をもらっており、公的責任がある。校長室や応接室を使うなど方法はあった」と話す。一方、富士見丘中・高校の校長で日本私立中学高等学校連合会の吉田会長は「私立は公立と違い、学校で判断できる裁量が大きい。助成金も全額もらっているわけでない。できる配慮はすべきだが、一人のために対応が難しい場合もある」と話す。女子生徒は「受験できなくてショックだったが、気持ちを切り替えた。高校に入学できて夢への一歩を踏み出せたので、前向きに頑張りたい」と話している。(朝日新聞)
May 13, 2009 09:06

上皮内新生物

異型細胞(正常の細胞とは顔つきが異なる細胞)が見られるが、異型細胞が上皮内にとどまっていて、上皮の外には浸潤していない。上皮内にはリンパ管・血管が通っていないため、転移している可能性はない。上皮内への浸潤も転移もないため、病変を取りきれば根治する。(例:皮膚のボーエン病、子宮頚部の上皮内がんと高度異形性・大腸粘膜がんなど)   *大腸のみ腫瘍細胞が粘膜(上皮・基底膜・粘膜固有層・粘膜筋板)内にとどまっているものも「上皮内新生物」と定義されている。(WHO分類)

 

May 12, 2009 09:45

乳がんの早期発見へマンモグラフィーを
「母の日」にちなみ、福岡県宗像市の市民グループ「むなかたMAMMA(マンマ)」は10日、乳がんを早期発見する乳房専用のエックス線撮影装置「マンモグラフィー」検診を呼びかける啓発運動を同市内で行った。同グループは2007年7月、同市のマンモグラフィー検診向上を目指して発足。メンバーは主婦13人で、うち松永代表を含む6人が、検診で乳がんを発見し治療を受けている。この経験から、年に6回のペースで市内の大型店舗前やイベント会場で、女性に検診の大切さを訴えるキャンペーンを続けている。この日は午後1時30分から、同市のゆめタウン宗像前で、女性に「乳がんのマンモグラフィー検診はお済ですか」と語りかけ、啓発のチラシとエコバッグを配った。(西日本新聞)
May 11, 2009 09:14

新生物とは
新生物とは、「新たに形成される物」という意味で、一般に腫瘍と呼ばれています。私たちの体は、約60兆個の細胞からできており、これらの細胞はそれぞれの役割を果たし、ある一定の調和を保っています。「新生物」とは、このような正常な細胞が変化して生まれるもので、体全体の調和からはずれた、過剰な増殖を示すものをいいます。
May 10, 2009 21:43

上皮内新生物とは
上皮内新生物は腫瘍細胞がそのまま上皮内(大腸は「粘膜内」)にとどまっている、すなわち基底膜(大腸は粘膜筋板)を超えて浸潤をしていないことが悪性新生物(がん)との大きな違いで