全国の大学病院や国立病院などから昨年1年間に、患者が死亡したり、重い障害を負ったりする重大な医療事故として報告されたのは計1440件だったことがわかった。2004年に全国約270病院に事故報告が義務付けられて以来、最多となった。財団法人・日本医療機能評価機構がまとめた。全体のうち患者が死亡に至った事故は115件。全体の内訳は、転倒や食事中にのどを詰まらせるなど「療養上の世話」に伴う事故が584件(41%)、手術やカテーテル(細い管)の血管挿入など「治療・処置」に伴う事故が360件(25%)だった。発生場所別にみると、全体の47%が病室で発生していた。死亡事故の中には、病室のベッドのさくの間に首を挟んで心肺停止状態で見つかったケースや、看護師が名前の似ている別の薬を誤って患者に投与して死亡させたケースもあった。
潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜に慢性の炎症が起こる炎症性腸疾患(IBD)の一つだ。クローン病と違い、炎症の範囲は大腸に限られる。原因ははっきりわかっていないが、免疫の異常や遺伝的要因などが関係しているのではないかと考えられている。特定疾患に指定され、医療受給者証の交付数は、2007年度は約97000人。患者数は年々増加傾向にある。腹痛や下痢、血便が主な症状で、これらに伴い、貧血や発熱、体重減少なども表れる。治療は炎症を抑える薬物療法が基本で、5-アミノサリチル酸製剤やステロイドが使われる。効果があまり得られないときは、免疫抑制剤のほか、ステロイドを大量に用いるパルス療法や白血球除去療法などが行われる。症状のない「緩解」になっても再び悪化する「再燃」を防ぐため、薬や通院を続ける必要がある。長期になると、炎症部分ががん化しやすいとも指摘され、症状がなくても定期的に内視鏡検査を受けるのがのぞましい。(朝日新聞)
年齢が高くなるほど、がんになりやすくなります。医療の発展により日本人の平均寿命は著しく延びました。それに伴い、残念なことですが、日本人の30%ががんで死亡し、がんは日本人の死亡原因の1位になりました。痛みの治療が十分でなかったころには、がんが進行した患者のほぼ7割に痛みが起こり、そのうちの3割の方は耐え難い痛みを訴えていました。がんによる痛みを治療するのは医療の基本であり、世界保健機関(WHO)は「がんの痛みからの解放」という治療法を1986年に発表しました。痛みの強さに合わせて3段階で治療をするという考え方で、鎮痛薬(痛み止め)やモルヒネのような麻薬性の鎮痛薬を、注射でなく内服することです。この「がんの痛みからの解放」による治療法で、ほぼ9割の患者は痛みが軽減すると言われています。痛みが軽い「第1段階」では鎮痛薬を服用し、それでも痛みが軽減できないときは「第2段階」として中程度に効果がある麻薬を使います。それでも痛みが軽くならなければ、「第3段階」として、より効き目のある麻薬を服用します。強い痛みに効果がある代表的な麻薬がモルヒネです。(朝日新聞)
久留米大医学部は1日、がん患者個人に適したワクチン療法を行う「がんワクチン外来」を全国で初めて設置し、診察予約に必要な資料請求の受付を始めた。しかし申込みが殺到したため、約1時間半で受付を中断した。同外来は完全予約制で、資料を請求して申し込んだ上、治療の基準審査に適合した患者のみが予約をすることができる。初回の受け入れは60人を予定していた。同大によると、1日午前10時からホームページと電話で資料請求の受付を始めたが、約1時間半でホームページへのアクセスが約1500件、電話が100件に達した。受け入れ可能な患者数を超えることが予想されたため、急きょ受付を中断したという。次回の受付開始時期は未定だが、半年後をめどにホームページと電話(0942-31-7350)で案内するという。
厚生労働省が2005年、小児科病棟のある全国の1024病院を調べたところ、難病の子どもの院内学級があるのは26%の267病院だった。長期療養が必要な子どもたちを支援する制度には「小児慢性特定疾患治療研究事業」もある。現在、悪性新生物(白血病など)、慢性腎疾患(ネフローゼ症候群など)、神経・筋疾患(無痛無汗症など)、慢性消化器疾患(胆道閉鎖症など)、糖尿病、こうげん病など514疾患が対象で、医療費の助成が受けられる。2005年度からは、対象となる病気が増える一方、それまでは全額公費負担だったが、重症を除いて親の所得に応じた自己負担が必要になった。医師の意見書を添え、保健所を通じて都道府県に申請する。2006年度は約10万8千人が給付を受けている。18歳未満が対象で、20歳になるまで継続できる。
病気の研究のために二人の日本人が世界各地で集めてきたモンゴロイド系少数民族約3500人分の血液に、注目が集まっている。園田鹿児島大名誉教授(71)と田島愛知県がんセンター研究所長(61)が、成人T細胞白血病(ATL)を起こすHTLVというウイルスを研究するため、10年以上かけて集めた。ATLは1977年に高月熊本大名誉教授らが初報告した血液のがん。患者は南西九州、沖縄、北海道のアイヌなどに偏り、家族で発症することもある。「弥生人」が来るより前から列島に暮らしていた「縄文人」との関連が疑われた。
体への負担が少ない治療法を選ぶには、早期でみつかるかどうかが問題。だが早期発見の手立てとなる子宮頸がん検診の受診率は低い。<アサヒ・コム>欧米の大半が6割を超えているのに、日本は23.7%だ。(2007年経済協力開発機構調べ) 自治医大の鈴木教授は「予防への関心が薄い国民性のほか、がん検診を受けたら保険料が安くなるといった欧米のような推進策がない」と指摘。自治体の検診も年間の可能人数が限られるなど欠点がある、という。また、いまの日本の検診では頚部の細胞を取って調べる「細胞診」。ただ、2割ほど見落としがある方法といい、欧米ではウイルス感染の有無を調べる「HPV検査」もするよう学会が推奨している。(朝日新聞)