重粒子線は、体内に入るとある一定の深さで急激にエネルギーが高くなり、その後はそれ以上進まないという特徴があります。エネルギーが高くなるところにがん細胞がくるように調整すると、がん細胞に強い放射線が当たり、それより先はまったく放射線が当たらないという治療ができます。どちらも基本的にはがんがある程度小さく、リンパ節転移がないような人が対象です。全国的に定位放射線治療ができる施設は増えていますが、重粒子線治療ができるのは、日本ではまだ2カ所だけです。(朝日新聞)
定位放射線治療は、がんのある部分を中心にして多方向から放射線を当てます。周囲の正常組織には強い放射線が当たらないので副作用が軽減でき、1回の照射量が増やせます。(朝日新聞)
放射線療法の進化はいかがでしょう。ここ10年のコンピュータ技術の進化に伴い、放射線を狭い範囲に当てる技術が進歩しています。ピンポイント照射といわれるもので、「定位放射線治療」と「重粒子線治療」があります。がんが少し進行した患者さんでは、抗がん剤と同時併用する「化学放射線療法」で成績がよくなることがわかってきました。(朝日新聞)
新たにがんと診断された患者で、放射線治療を経験したのは2005年で25%、2015年には40%と予想されています。「がんを切らずに治す」という放射線治療への期待もあるのではないかと思っています。放射線治療は高度化しています。正常な細胞に極力影響を与えずに、がん細胞だけを効率的に殺すことができるようになってきました。一つが、早期の肺がんを対象とした「定位放射線治療」です。たくさんの方角から細いビームを集める原理で、正常組織を避けながら腫瘍に高い線量の放射線を集めます。いわゆるピンポイント照射です。高齢などで手術が難しい患者さんは、治療の第一選択肢と考えていいと思います。次は、「強度変調放射線治療」(IMRT)です。これは一つひとつのビームの強度をそれぞれ操作して、腫瘍だけにたくさんの放射線を当てるという方法です。前立腺がん、頭頚部がん、脳腫瘍について保険が適用されていますが、欧米では子宮がんや乳がんなどでも使われています。治療が難しい悪性中皮腫は、IMRTでないと放射線に弱い臓器を避けながら照射することはできないのではないかと考えています。(朝日新聞)
日本ではこの30年ずっと、病気による死亡要因の第一位はがんのままです。国ががんの予防、早期発見、がん医療の発展と普及などを盛り込んだ「がん対策基本法」を2007年4月に施行。厚生労働省の推計では、男性の2人に1人、女性の3人に1人ががんにかかる可能性があり、日本国民にとってがんは身近な病気です。人口動態統計「悪性新生物別・都道府県別年齢調整死亡率」(2005年)によると、「がんによる死亡率が高い上位10県」では、第一位・青森(男性)・大阪(女性)、第二位・大阪(男性)・佐賀(女性)、第三位・長崎(男性)・福岡(女性)、第四位・佐賀(男性)・北海道(女性)、第五位・福岡(男性)・東京(女性)、第六位・秋田(男性)・和歌山(女性)、第七位・山口(男性)・兵庫(女性)、第八位・北海道(男性)・埼玉(女性)、第九位・和歌山(男性)・青森(女性)、第十位・兵庫(男性)・長崎(女性)となっており、悪性新生物による死亡が全体の約3割を占めています。これらを受け、厚生労働省は「がん対策推進基本計画」を策定し、放射線療法と化学療法の推進や専門医の育成などを重点課題としています。①「免疫細胞」で良好な結果 ②放射線治療も格段の進歩 ③通院治療で生活の質向上など、先端医療を身近な医療に定着させることが課題とされています。