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「切除前の化学療法」期待
世界の胃がん患者数は中国が約4割、日本が1割を占め、東アジア全体で約6割を占める。欧米は少なく、先進国では日本は突出して多い。胃がんのリスクを高めるピロリ菌の感染率が高いこと、塩分の多い食生活や喫煙習慣などが影響していると見られる。胃がんの初期症状には、胃の痛みや不快感、胸焼け、体重減少などがある。異変を感じたら、医療機関で検診を受けることが重要だ。胃がんは早く見つけて切除すれば治りやすいがんだ。がん治療の効果は、患者が治療5年後に生存している割合と日本人全体が5年後に生存している割合の比率「5年相対生存率」で表される。国立がん研究センターのまとめでは、転移などがなく、がんが胃だけにとどまっていれば、5年相対生存率は96%と高率だ。また、胃がんの約65%が早期の1期に見つかっている。1期までに見つかるケースが3,4割の大腸、肝臓、肺などのがんに比べて、胃がんは早期発見されることが多い。しかし、胃壁の表面にある粘膜にあまり出てこないため、発見が難しいタイプの胃がんもある。発見が遅れて遠くの臓器などに転移した場合や再発した場合、切除しても取り切れず、すぐ再発するなど、手術がかえって患者の不利益になることもある。それらの場合、手術しないのが標準的だ。手術不能な胃がんについては、1990年代に欧米で行われた比較試験で、抗がん剤を使うと生存率が大きく高まることが示された。日本の医療機関は胃がんの手術経験が豊富で、化学療法と組み合わせた治療も進んでいる。連載で紹介した女性(74)は、胃を全摘する手術のあとに1年間、化学療法を受けた。再発率を下げる効果があり、進行した胃がんの標準治療になっている。一方、女性が受けた「手術前の化学療法」は、有望な治療法として期待されるものの、効果があるかどうかの検証はこれからという。近年は、切除不能とされた場合でも、抗がん剤が非常によく効いてがんが小さくなり、治療を手術に切り替える「コンバージョン(変換)治療」も試みられている。(7月4日 朝日新聞 患者を生きる より)
Jul 12, 2015 10:42

治験 リスクも理解して 3
対照的なのが1相試験だ。すべての参加者に新薬が使われ、偽薬(プラセボ)を割り当てられる心配はない。ただし、安全性を確認するのが主な目的で、がんで1相を実施する医療機関は、態勢が整ったごく一部に限られる。募集する参加者も数人だけ。参加を望む患者が全国から集まってくる。1相の薬は人に使った経験がないケースもあり、未知の副作用のリスクは高いという点にも注意がいる。1相で安全性に問題が見つかり、2相へ進めないまま治験を終える薬もある。治験に参加する際は、医師や担当のコーディネーターから詳しい説明を受ける。国立がん研究センター東病院早期・探索臨床研究センターの設楽紘平さんは、「試験のメリット、デメリットについての説明を十分に理解した後で、参加を決めることが重要です」と話す。(3月22日 朝日新聞 患者を生きる 胃がん より)

Apr 04, 2015 09:08

治験 リスクも理解して 2
治験には1~3相の三つの試験がある。製造販売元の日本イーライリリー社によると、男性が参加した3相試験には、日本の140人を含む世界の665人が参加。薬の効果を厳密に評価するため、665人を新薬を使うグループと、使わないグループに分けて行なわれた。どちらに振り分けられるのかは、患者本人も医師も分からない仕組みになっている。3相試験は参加者の規模が大きく、全国の医療機関で比較的受けやすい。ただ、新薬を使わないグループに入る可能性も理解した上で参加する必要がある。(3月22日 朝日新聞 患者を生きる 胃がん より)
Apr 03, 2015 08:18

治験 リスクも理解して
胃がんは日本人に最も多いがんで、早期発見ならば90%以上が手術できる。一方、診断時に転移があったり術後に再発したりすると、治療が難しくなる。このため、国内外で新しい抗がん剤の開発が進んでいる。連載で紹介した埼玉県の男性(68)が県内の病院で2011年11月から1年近く参加した治験は、新薬という成果に結びつきそうだ。腫瘍に栄養を送る血管が新たに作られるのを阻む「サイラムザ」。厚生労働省の部会は今月5日、製造販売について「承認しても差し支えない」との見解を出した。近く承認され、手術不可能な胃がん患者向けに販売が始まる見通しだ。(3月22日 朝日新聞 患者を生きる 胃がん より)
Apr 02, 2015 07:50

治療5年目 人生前向き 3
「5月に旅行に行きたいのだが、どうだろう」。男性は高木さんに尋ねた。毎春、小中学時代の仲間と海外旅行へ行く。今年はインドネシアの予定だ。高木さんはできる限り支えたいと思った。「入院中じゃなければ」と答えた。2月中旬、退院した。服薬をやめていた治験の薬は、量を減らして再開したが、のどに違和感が出て、3月に入って再びやめた。腫瘍も少し大きくなった。3月中旬、設楽さんと相談し、今の治験への参加を中止することにした。今後の方針はこれから決める。それでも男性の表情は明るい。海外旅行、北アルプス登山、九州各地のお城めぐり・・・・。春から夏にかけて、スケジュールが埋まりつつある。「私と同じようにがんを治療する人たちに、少しでも勇気と希望を与えられれば」。前向きに人生を楽しむ姿勢は、治療から5年目に入っても変らない。
Apr 01, 2015 08:19

治療5年目 人生前向き 2
入院が必要なのは約1カ月。その間、外泊はできない。「大変だなあ」。高木さんの説明にため息をついた後、男性は言った。「でも、やりますよ」。1月末から薬を飲み始めた。食欲が落ち、皮膚に副作用とみられる症状が出た。ほかの参加者にもみられた。事前に定められた管理計画に従い、服薬をいったんめることになった。外泊がかなわず、暇をもてあました。妻(66)が持ってきてくれる書籍を読み、体力作りのため1日最低5回は、病室のある6階と1階を徒歩で往復した。(3月21日 朝日新聞 患者を生きる 胃がん より)
Mar 31, 2015 08:23

治療5年目 人生前向き
胃がんの治療を続ける埼玉県の男性(68)は今年に入り、国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)に入院した。東病院で4度目の治験に参加するためだ。1月中旬、主治医の消化管内科医、設楽紘平さん(37)が選んだ新たな治験の説明を受けた。治験には1相から3相まで三つの試験がある。4度目の今回も、参加したのは、薬の安全性を確かめるための初期段階にあたる1相試験だった。設楽さんに続いて、薬剤師でコーディネーターの高木啓子さん(47)がさらに詳しく説明してくれた。治験コーディネーターは医師と患者をつなぐのが役目。患者への説明やデータ管理などを担う。治験ごとに担当者が異なる。(3月21日 朝日新聞 患者を生きる 胃がん より)
Mar 30, 2015 07:55

旅と仲間に支えられて 2
11月には妻と南米へ。半年前から予定を立て、マチュピチュなどの世界遺産を訪ねた。「病院には無理を胃って、治験の参加を少しずらしてもらいました」。帰国して5日後。転院後3度目の治験に入った。1カ月の入院を要し、心細さもあった。「自分は前向きな性格だけど、全く不安がないわけじゃない」。町内会のソフトボールチームで仲良くしている友人(65)にメールを送った。我のがん 好きなだけ飲め しぐれ酒 早く友達と語らいながら酒でも飲みたい。窓から見える初冬の冷たい雨に、自らの孤独感を重ねた。友人は涙ぐんだ。自らも膀胱がんになり、不安を吐露したとき、男性は「大丈夫」と励ましてくれた。海外に出かける姿は「がんの先輩」として頼もしかった。「しぐれ」という表現に、入院中の男性の心情を思った。男性の外泊が認められた週末、友人も含めて近所の4人が集まった。山のこと、旅のこと、大いに笑いながら、語り合った。(3月20日 朝日新聞 患者を生きる 胃がん より)
Mar 29, 2015 08:17

旅と仲間に支えられて
新たな治験に参加するため、埼玉県の男性(68)は2013年秋、県内の病院から国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)に転院した。男性の胃がんは、腹部のリンパ節と胸の縦隔のリンパ節に再発していた。主治医の消化管内科医、設楽紘平さん(37)は、複数ある胃がんの治験から、男性の条件に合うものを選んだ。最初の治験には9月から参加した。12月、腫瘍の大きさは半分に縮小した。ただ、途中で両手の平にこぶのようなものが複数できた。副作用と考えられた。副作用が出ても、程度なんどによっては治験を続ける場合がある。しかし、男性は全身状態が良く、ほかの薬を使う治験に移る選択肢もあった。設楽さんと相談の上、2014年3月にこの治験による治療を中止した。4月から別の治験に参加した。10月に腫瘍が大きくなるまで半年間、続けた。治験期間中、男性は一時退院すると、妻(66)や友人を伴って、大好きな山登りや旅に出かけた。北海道の流氷。「日本百名城」を巡る関西や四国、中国への旅。北アルプスの山にも登った。(3月20日 朝日新聞 患者を生きる 胃がん より)
Mar 28, 2015 08:48

治験しかない 決意固く 3
東病院では特に1相試験が多く行われている。胃がん患者が参加できる1相だけでも、常時複数実施されていた。男性は主治医に紹介状を書いてもらった。男性と妻(66)は東病院で、新たに主治医となった設楽さんから治験の説明を受けた。特に1相は副作用のリスクが高く、厳重な管理下で行われる。入院して血液や尿を1日何度も採るなど負担もある。2~3相と違い、すべての参加患者に新薬を使い、偽薬を使うことはない。「参加します」。男性は即答したが、設楽さんは「持ち帰ってよく考えてください」と促した。しかし、気持は変らなかった。手術を受ける段階は過ぎ、使える薬はなくなった。「治験しか方法がない。先生が合う治験を見つけてくれるだろう」。副作用は、出てしまったらそのときだ。それぐらいの覚悟だった。(3月19日 朝日新聞 患者を生きる 胃がん より)
Mar 27, 2015 08:28

治験しかない 決意固く 2
男性は全身状態が良く、ほかの治験に参加できる可能性があった。主治医は、国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)に連絡した。胃がんでどんな治験が行われているか、消化管内科の設楽紘平さん(37)に尋ねた。治験には1~3相の三つの試験がある。このうち3相は、薬が承認される一歩手前にあたり、全国で比較的受けやすい。男性が以前参加したのも3相だ。一方、1相はその薬を始めて使う試験のため、どんな副作用が出るかリスクが高く、限られた病院でしか受けられない。(3月19日 朝日新聞 患者を生きる 胃がん より)
Mar 26, 2015 08:22

治験しかない 決意固く
2011年11月、胃がんが胸に転移して再発した埼玉県の男性(68)は、県内の病院で、製薬会社が新薬の承認を目指して行う「治験」に参加することになった。胃がんの再発では、有効性が科学的に裏付けられた「標準治療」は、抗がん剤を3段階に分けて順に使う。男性は1段階目の抗がん剤の効果がみられなくなり、2段階目に入るところでいったん標準治療から離れ、治験に参加した。新薬を使えたかどうかは分からない。1年近く経って効果がみられなくなり、再び標準治療へと戻った。2012年10月、3段階目のイリノテカンという点滴の抗がん剤を使い始めた。しかし、2013年夏には、がんが抑えられなくなった。標準治療で使える薬は、なくなった。(3月19日 朝日新聞 患者を生きる 胃がん より)
Mar 25, 2015 08:42

新薬に当たってくれれば 3
パクリタキセルだけでなく、新薬を併用し、その効果を確かめる「治験」に参加してみないか・・・。治験は新薬を承認するために行われる臨床試験。1相から3相まで、三つの試験がある。主に安全性を確認する1相、有効性を確認する2相、新薬の高価を従来の薬などと比べながら確かめる3相のうち、その治験は3相だった。新薬を使うグループと、使わないグループに患者を分けて行うという。新薬の効果を厳密に評価するための方法で、どちらに割り当てられたかは、患者本人だけでなく、医師にも分からない。もしかしたら新薬でないかもしれない。それでも男性は、この治験に参加することにした。「新しい薬に当たる可能性があるなら」」。治験は、企業が薬代を負担してくれることも大きかった。2011年11月、2段階目の治験が始まった。点滴から落ちる液体が新薬かどうかは、考えなかった。(3月18日 朝日新聞 患者を生きる 胃がん より)
Mar 24, 2015 08:25

新薬に当たってくれれば 2
町内会のソフトボールチームに所属していた。約30年前に結成され、週末の練習や試合に参加してきた。「休部したい」と相談すると、友人の男性(65)が引き留めてくれた。「休部するとそんままチームから離れてしまう。来られなくてもいいから休部はするな」。秋になると、腫瘍が大きくなるなど、1段階目の抗がん剤が効かなくなった。2段階目の抗がん剤に進むことになった。通常はパクリタキセルという点滴薬を使う。だが、この時、男性と妻(66)は主治医から別の「提案」を受けた。(3月18日 朝日新聞 患者を生きる 胃がん より)
Mar 23, 2015 08:30

新薬に当たってくれれば
2011年春、胃がんの治療を続けていた埼玉県の男性(68)は、県内の病院で抗がん剤治療を始めることになった。両肺に囲まれた縦隔のリンパ節に腫瘍が再発したためだ。胃がんが再発したときは、3段階の抗がん剤治療を順に行うのが一般的だ。男性はまず、1段階目のゼローダという飲み薬とシスプラチンという点滴薬を使った。副作用は強く出なかった。しかし、1月末に受けた手術で胃をすべて取ったため、1回に食べられる量が減った。食事は1日5回に分けてとるようになった。73キロあった体重は20キロ近く減った。体力が落ち、大好きな登山や旅行にはほとんど行けなかった。(3月18日 朝日新聞 患者を生きる 胃がん より)
Mar 22, 2015 09:30

定年2年前まさかの発病 3
胃がんの治療で腫瘍を手術で切るのは、胃から離れた臓器などへの「遠隔転移」がなく、切除が可能な場合とされている。男性の場合、手術前に遠隔転移は確認されなかったが、腫瘍は胃の壁の深くに達し、隣接する脾臓や胆嚢に広がっていた。周囲のリンパ節も大きく腫れていた。このままだと手術は難しい、と言われた。そこでまず、腫瘍を小さくするために抗がん剤治療を受けた。腫瘍は縮小し、2011年1月末に胃と脾臓、胆嚢をすべて摘出する手術を県内の病院で受けた。ところが、術後まもなく、左右の肺に囲まれた縦隔という部位のリンパ節に腫瘍が再発したことが判明した。胃がんは、発症時点で遠隔転移がある場合や再発した場合は、抗がん剤で治療する。ただ、治すのは難しくなる、と言われている。「最初はもっと軽く考えていた」という男性と抗がん剤との長い付き合いが、このときから始まった。(2月17日 朝日新聞 患者を生きる 胃がん より)
Mar 21, 2015 08:54

定年2年前まさかの発病 2
そこで告げられたのは、胃がんという事実だった。病気の進行を示すステージは、4段階あるうちの「3」。早期のがんではなかった。思い当たる症状はなかった。前年の内視鏡検査では、異常は見つからなかった。定年退職を2年後に控え、大きな病気も経験せず、仕事も趣味も楽しみながら生活を送っていた。銀行員として社会に出てから本格的に山登りを始め、前年には日本百名山を踏破したばかり。「自分ががんになることは百%ないだろう」と思っていた。信じられなかった。(3月17日 朝日新聞 患者を生きる 胃がん より)
Mar 20, 2015 08:25

定年2年前まさかの発病
胃がんの治療は、5年目に入った。治療と言っても、いま受けているのは、新薬の承認を得るための「治験」だ。安全性や有効性を人で確認するために行われる。「治験は実験とも言われるけれど、自分にとっては治療。効く薬と出会えれば、という気持ですね」。そう笑う埼玉県の男性(68)が、職場の検診で胃の内視鏡検査を受けたのは、2010年9月のことだった。「すぐに病院に行ってください。早いほうがいいです」。検査で異常が見つかったという。産業医から、県内の病院を紹介された。(3月17日 朝日新聞 患者を生きる 胃がん より)
Mar 19, 2015 08:32

リスク回避へまず検診 4
宮城県対がん協会がん検診センターの渋谷大助所長は「有効性が認められれば、内視鏡の専門医の多い都市部では、将来的に内視鏡検査も有望になる」と語る。胃がんをめぐっては、昨年がんの原因となる細菌ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)の除菌が、慢性胃炎の場合でも公的保険が使えるようになった。除菌をすると、がんの発生を3割程度抑えられるとの報告がある。渋谷さんは「除菌したらがんにならないと安心してしまう人がいるが、そうではない。その後も内視鏡など定期的な検査が必要」と指摘する。(5月19日 朝日新聞)
Jun 04, 2014 08:18

時には内視鏡検査も 8
X線検査は半日で40~50人できるが内視鏡は20人が限度。内視鏡の消毒には約15分かかるため、大勢に実施するには高価な内視鏡が何本もいる。このため、血液検査などでまず胃がんのリスクが高いかどうかを判断し、リスクに応じて受ける検診の種類や間隔を変えることができないかを調べる厚労省の研究が昨年(2010年)から始まった。(2011年7月28日)
Apr 19, 2014 08:37

時には内視鏡検査も 7
内視鏡を対策型検診に導入するには課題がある。「内視鏡を対策型検診で実施するには、費用や人手がかかりすぎ、現実的ではありません」と国立国際医療研究センターの後藤田卓志・内視鏡科長は指摘する。(2011年7月28日 朝日新聞)
Apr 18, 2014 08:44

時には内視鏡検査も 6
内視鏡検査はX線検査で胃がんが疑われた後の精密検査でも実施されており、精度が高い。検査中に組織の一部を切り取り、病理検査に回すこともできる。福井県の調査をまとめた細川さんは「内視鏡検査を早く対策型検診に導入すべきです。導入されるまでは自己負担ですが、一度はピロリ菌の感染と胃の粘膜の萎縮の有無を調べる血液検査『ABC検査』を受診し、感染や萎縮があったら胃がんのリスクが高いので内視鏡検査を受けることをお勧めします」と話す。(2011年7月28日 朝日新聞)
Apr 17, 2014 08:24

時には内視鏡検査も 5
しかし最近、内視鏡検査で死亡率が下がるとの報告が出ている。検診を受けない場合との比較だけでなく、X線検査と比べても死亡率が下がるという。横浜栄共済病院の細川治院長らが今年(2011)
5月、学会誌で報告した厚労省研究班の調査では、福井県で胃のX線検査を受けた約4万人と内視鏡検査を受けた約2万人を分析。内視鏡検査の方が胃がんの発見率が2.3倍と高かった。検査後5年以内の胃がんによる死亡リスクが8割り近く減り、早期の胃がんを見つけやすいことをうかがわせた。(2011年7月28日 朝日新聞)
Apr 16, 2014 08:35

時には内視鏡検査も 4
がん検診には、国全体でがん死亡率を下げることを目的に自治体や職場で実施する「対策型検診」と、個人が自分のがんを早く発見して自分の死亡リスクを下げるための「任意型検診」がある。現在、厚生労働省が推奨する対策型胃がん検診は造影剤(バリウム)と胃を膨らませる薬を飲んで実施するX線検査だ。国立がん研究センターは、X線検査は死亡率を下げる根拠が相応にあると評価。内視鏡検査はまだ根拠不十分とみる。(2011年7月28日 朝日新聞)
Apr 15, 2014 07:56

時には内視鏡検査も 3
「あ、『たこいぼ胃炎』ですね~。慢性胃炎です」。内視鏡で撮影した画像を見ながら斉藤大三院長に説明を受けた。胃の下部にわずかな隆起があり、周囲が少し充血している。とくに治療は必要ないという。不規則な生活がたたったのどろう。(2011年7月28日 朝日新聞)
Apr 14, 2014 08:43

時には内視鏡検査も 2
日本橋大三クリニック(東京都)で口から入れる内視鏡検査を受けた。入れる際、のどの部分麻酔だけか、意識がもうろうとするけれど、より痛みを抑える効果の強い鎮静剤を打つか選ぶことができる。「内視鏡を飲み込む時に苦労するかどうかは個人差が大きい」と看護師さん。痛みに弱いので鎮静剤を注射してもらった。すぐにボーっとし、内視鏡が入ったのも気づかなかった。検査が終わって内視鏡を抜く際、のどに少し違和感を覚えただけだった。検査後、鎮静剤が覚めるまで30分間横になって休む。寝不足だったので爆睡し、目覚めたら爽快だった。(2011年7月28日 朝日新聞)
Apr 11, 2014 08:48

時には内視鏡検査も
がんによる日本人の死亡で肺がんに次いで多いのが胃がんと大腸がん。X線検査や内視鏡検査、便の検査など、検診の方法は色々ある。どんな特徴があり、どの検診を受けたらいいのだろうか。胃の内視鏡検査は、先端にカメラがついた直径1センチ弱の細長い管を胃まで入れ、食道や胃の内部を観察する検査だ。のどを通す時に、はき出そうとする反応が起きて苦しいことがあるので、最近は直径がより細く、鼻から入れる経鼻内視鏡も出ている。(2011年7月28日 朝日新聞)
Apr 10, 2014 08:56

胃がん
国内における罹患患者が依然上位を占める胃がん。その増加率は以前の横ばい状態から、近年は増加傾向に転じている。しかし胃がんは治療法が進んでいるがんの一つ。早期に見つけてすみやかに適切な治療を受けることで9割以上の治癒が期待できる。また胃がんとの関連が指摘されるヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)の検査や除菌が保険の適用対象に広がったことはがん発症の抑制に期待されている。(9月5日 朝日新聞 広告)
Sep 10, 2013 07:58

定期的な検査が重要
胃がんで亡くなる人は日本では年に約5万人。除菌で胃がん発生を減らすことができれば、胃がんによる死亡が減ると期待される。ただ、除菌すれば、その後の胃がんのリスクがゼロになるというわけではない。子どものころにピロリ菌に感染して、長い年月の間に、がんになる前の病変ができている可能性があるためだ。とりわけ50代以上では、除菌をしても胃がんを減らす効果はやや下がってくると考えられている。日本消化器がん検診学会も4月、「除菌による胃がん発生予防効果は限定的」という理事会声明を公表して、除菌後にも検査の重要性を訴えている。浅香さんや青山さんも、除菌が成功した後にも定期的に内視鏡検査を受ける必要があると強調している。(5月28日 朝日新聞)
Sep 06, 2013 07:59

ピロリ菌除菌治療
除菌治療を受けるには、まず、内視鏡検査で胃炎と診断されることが出発点となる。人間ドックなどの内視鏡検査で胃炎が見つかった場合も含まれる。さらに、検査でピロリ菌が見つかった場合には薬を飲んで除菌をして、その後に検査をして菌が消えたかどうかを確かめる。除菌に使う薬は3種類。抗菌薬2種類と、胃酸の分泌を抑える薬1種類の組み合わせだ。これを1日2回、7日間続けて飲む。副作用には、下痢や軟便などがある。訳1800人の除菌をしてきた青山さんによると、この「1次除菌」の成功率は70%。2種類の抗菌薬の一つに耐性菌が出てきているためだ。1次で成功しない場合は次の抗菌薬を使って2次除菌をする。1次で不成功でも2次の成功率は90%なので、2次までの成功率は結局97%という。ピロリ菌に詳しい北海道大の浅香正博・特任教授(消化器内科)は「除菌が広がれば将来の胃がん死亡を減らせる」と話す。浅香さんたちは胃がんを内視鏡で取った患者を対象にした研究で、ピロリ除菌をすれば、その後に新たに発生する胃がんを3分の1に減らせることを示した。(5月28日 朝日新聞)

Sep 05, 2013 07:47

胃炎にも保険適用広がる
同クリニックの青山伸郎院長は「除菌で粘膜の炎症が改善し、胃がんの診断がしやすくなります」と語る。これまで公的医療保険でピロリ除菌の対象になるのは、この男性のように胃潰瘍や十二指腸潰瘍と診断などと診断された場合だった。それより症状が軽い胃炎では保険が使えないため、全額自己負担で除菌を受ける人もいた。今年2月から、ピロリ菌による胃炎も保険の対象になった。日本でピロリ菌の感染者は約3500万人とみられている。年代別では50代以上の人に多い。衛生環境が良くなかった時代、子どもの頃に感染したようだ。今の子どもの感染率は低い。感染すると、ほとんどが胃炎になると考えられるため、これから、除菌をする患者が増えてきそうだ。(5月28日 朝日新聞)
Sep 04, 2013 07:43

胃がん、見つけやすく
兵庫県姫路市に住む無職の男性(65)は2007年にピロリ菌を除菌した。「おかげで胃がんを早期に治せました。胃の痛みも、苦しさもなくなりました」と振り返る。当時は会社勤めで仕事が忙しく、よく胃が痛み、重苦しく食欲がなかった。胃の内視鏡検査を受けると、ある病院では「胃がんかどうか再検査を」と言われ、別の病院の再検査では「異常なし」と伝えられた。専門家に診てもらおうと青山内科クリニック(神戸市中央区)を訪ねた。胃潰瘍と診断され、検査で胃にピロリ菌が見つかった。抗菌剤などを飲んで除菌すると、赤くなった胃のただれが治ってきた。2008年に早期の胃がんが見つかり、内視鏡でがんを取った。その後の内視鏡検査で、さらに別の胃がんも見つかったが早期で取った。(5月28日 朝日新聞)
Sep 03, 2013 07:45

ピロリ菌除菌 身近に 
胃の粘膜にいて、胃潰瘍や胃がんの原因になる細菌(ヘリコバクター・ピロリ菌)。国内で3500万人が感染しているとみられる。2月から、公的医療保険でピロリ菌の除菌ができる対象の病気が広がり、今後、除菌を受ける人が増えそうだ。ピロリ除菌とはどんな治療なのだろう。(5月28日 朝日新聞)
Sep 02, 2013 07:34

胃の除菌治療 なお残るがんリスク 2
日本では毎年、約12万人から新たに胃がんが見つかる。年間約5万人が亡くなる。厚生労働省のまとめでは、検診や人間ドックで見つかる胃がんは、リンパ節への転移がないなど早い時期のものが約7割。渋谷さんは「胃がんは一部を除き進行が比較的遅い。検診を定期的に受ければ早く見つかり、直せる」と説く。公費が使われる自治体の胃がん検診は、エックス線検査が基本だ。集団全体の死亡率を下げる唯一の方法として国が推奨する。しかし最近、内視鏡検査や、ピロリ菌の有無などを調べて胃がんになるリスクを評価する検査を独自に行うところも増えており、受診者の選択肢は広がる。今後は、ピロリ菌の除菌者が増えることも予想される。日本消化器がん検診学会の深尾彰理事長は「除菌は胃がん対策の武器になりうるが、除菌後に胃がん発生がゼロになったという報告はない。検診を継続してほしい」と念を押す。学会は、除菌と検診の組み合わせ方や、リスク評価のあり方など、今後の胃がん検診について検討を始めた。(5月13日 朝日新聞)
Aug 24, 2013 07:31

胃の除菌治療 なお残るがんリスク
胃がんなどの原因になる細菌「ヘリコバクター・ピロリ」の除菌は今年2月、胃炎治療にも公的医療保険が使えるようになった。これを受け、同センターでも除菌希望者が増えている。週1回、最大8人受け入れるピロリ菌外来は、1カ月先まで予約でいっぱいだ。ただ、保険が使えるのは胃炎や胃潰瘍などの治療。胃がんのリスクは下がると考えられるが、予防効果は限定的とされる。同センターの渋谷大助所長は「除菌すれば絶対胃がんにならない、という誤った考えが広まらないよう、検診の必要性を伝えていかなければならない」と指摘する。同センターは除菌の1年後、はがきで検診を促している。
Aug 23, 2013 07:21

原因不明 欠かさず検診 2
ただ、三宅さんには慢性膵炎の患者に多い飲酒の習慣がない。糖尿病や中性脂肪の異常もない。原因は不明だ。以前にも増して食事に気を配る。「いつまた痛くなるかもしれない」からだ。相変わらず会食は多いが、肉類にはまず手をつけない。「ひからびないか」とが逆に心配されるほどだ。「自分の体のことは分かっていても、手に負えないことがある。だから定期検診がまず大事。次に医者を信頼しつつ、自分を信じる。治すのは自分なんだという強い意志が大事だ」。がんを患い、入院を繰り返したことでそう再認識した。そして、つないだ命。将来ある若者たちに、夢や希望を持つことの大切さを伝えたい。「私は食うや食わずで生き延び、49年前の東京オリンピックでは、日本のためと思って金メダルをとった」。もう一度金メダリストの生き様を知って欲しいと思う。「当時は敗戦から19年。復旧復興が急ピッチで進んでいる時代だった。今回も東日本大震災が起きた。世界が復興のためと考えてくれはしないか。なんとしても(東京に五輪が)来て欲しい」。9月には2020年の五輪開催地が決まる。(7月6日 朝日新聞 患者を生きる オリンピアン 三宅義信のおなか より)
Jul 13, 2013 07:21

原因不明 欠かさず検診
「もっと足を開け!上がった瞬間に、だ。そうしたらパーンと決まる」。バーベルを上げる選手たちに発破をかける。口調は厳しいが、そのまなざしは優しい。東京、メキシコ両五輪で連覇を果たした重量挙げの三宅義信さん(73)。今年6月、自衛隊体育学校(埼玉県朝霞市)を訪ね、後輩たちを指導した。元校長であり、NPO法人「ゴールドメダリストを育てる会」の理事長でもある。多くの肩書きをまとい、いまなお精力的に活動している。胃がんは2年前に切除手術を受けて以降、再発はない。自衛隊中央病院(東京都世田谷区)での定期検査は、年に1回でよくなった。がんが疑われた膵臓の検診は3カ月に1度。順天堂大学浦安病院(千葉県浦安市)消化器内科の須山正文さん(62)は「経過からみて、良性のものとみて差し支えない」。「慢性膵炎」と診断している。(7月6日 朝日新聞 患者を生きる オリンピアン 三宅義信のおなか より)
Jul 12, 2013 07:20

特注品も使い膵液検査 2
特注のカテーテルを作ってもらい、試すと狭くなった部分まで行き届いた。そこにプラシチック製の筒「ステント」を置いて、管を広げることに成功した。膵液の細胞も採取できた。これで膵液の通りもよくなる。あとは細胞の検査だ。だが、細胞検査の結果は悪性とも良性とも判断がつかない「グレーゾーン」だった。鼻からカテーテルを通したまま留め置き、数日かけて何度か膵液をとって調べた。その結果、良性と判断された。10月2日に退院した。経過はよく、12月に2泊3日の入院でステントを抜いた。そばにあった約1センチの「ふくろの塊」は10分の1に縮んでいた。膵液の細胞検査を良性だった。ただ、58キロほどあった体重は、47キロまで減った。若いころ重量挙げで鍛えた経験がなければ、病気との闘いに押しつぶされていたかもしれない。春の胃がんに始まり、膵炎の再発、膵がんの疑い・・・・・。治療や検査もなかなか進まず、苦しい半年だった。「予期しないがんの宣告。それをどう整理し、乗り越えるか。その精神力を自分に植え付けてぅれたのがスポーツだ」。しみじみ思った。(7月5日 朝日新聞 患者を生きる オリンピアン 三宅義信のおなか より)
Jul 11, 2013 07:34

特注品も使い膵液検査
膵がんが疑われた重量挙げの五輪金メダリスト、三宅義信さん(73)は2011年9月、順天堂大学浦安病院(千葉県浦安市)を訪ねた。前年に本院(東京都文京区)で診てくれた須山正文さん(62)が浦安病院の消化器内科に移っていた。膵臓から十二指腸へ膵液を送る「主膵管」が狭くて、膵炎が再発した。膵液のたまった「ふくろの塊」がそばにあり、膵がんの可能性も否定できないと言われていた。須山さんはこうした治療を多く手がけてきた。管を広げる治療に取りかかった。ところが、管は「とぐろを巻いたよう」で器具が通らなかった。その先の管から膵液を取ることができず、がん細胞の有無を調べる検査もできなかった。須山さんは別の手を考えた。膵臓と十二指腸は「副膵管」と呼ばれるもう一つの細い管でつながっている。副膵管は途中で主膵管と合流している。副膵管の出口(乳頭部)から器具を入れれば、主膵管の検査ができるかもしれない・・・・・。(7月5日 朝日新聞 患者を生きる オリンピアン 三宅義信のおなか より)
Jul 10, 2013 07:16

膵がんの疑いに苦悩 2
さらに心配なことがあった。近くに膵液を含む「ふくろの塊」ができていた。これがあると、膵がんの可能性が完全には否定できない。内視鏡を入れて膵液を取り、細胞を調べる必要があったが、やはり器具が届かなかった。膵がんは難治がんだと知っていた。「楽観的に考えてうまくいくことは、100回に1回くらい。スポーツと同じだ」。「死」も覚悟した。現役時代から耐えることには慣れていた。1964年の東京五輪前にも脱腸やヒザ痛に悩まされた。それでも、「忍耐、努力は希望の力」とバーベルを持ち上げ続けた。「内臓に負担がかかっていたんだよ」。知人や先生からは、よくこう言われる。忍耐と努力の反動が古希を過ぎて現れたのか・・・・。眠れず、苦悩する日々が続いた。しかし、前を向いた。「がんだとしても、残された時間で、できることをしよう」。症状が落ち着くのを待って、1カ月ほどで退院。9月、セカンドオピニオンを兼ねて、順天堂大学浦安病院(千葉県浦安市)に行った。(7月4日 朝日新聞 患者を生きる オリンピアン 三宅義信のおなか より)
Jul 09, 2013 07:38

膵がんの疑いに苦悩
重量挙げの五輪金メダリスト、三宅義信さん(73)は年春、胃がんの切除手術を受けた。経過は順調。月には中国・敦煌へ行く予定だった。その出発3日前。懇親会の夕食は焼肉だった。心配しつつ食べた。翌朝、あなかが激しく痛んだ。知人が紹介してくれたクリニックで鎮痛薬をもらったが、おさまらない。耐えかねて自衛隊中央病院(東京都世田谷区)に連絡した。「すぐ来てください」と言われた。血液を調べた。特定の数値がはね上がっていた。膵臓で作られる膵液に含まれる消化酵素の値だ。膵臓の炎症が再発した可能性が高い。十二指腸へと流れる膵液が管からあふれ、周りの血管に流れ込んだとみられる。内科部長で主治医の箱崎幸也さん(58)は強い鎮痛剤の注射と炎症を抑える点滴をして、入院するよう求めた。敦煌行きはあきらめ、入院した。CTや超音波検査などの結果、膵液が流れる「主膵管」の一部が狭くなっていた。ここを広げ、流れをよくしてやればよさそうだ。ところが、管の形がうねっていて器具が通らない。(7月4日 朝日新聞 患者を生きる オリンピアン 三宅義信のおなか より)
Jul 08, 2013 07:30

胃がん切除すぐ被災地へ 2
「胃に早期のがんが見つかりました」。主治医の箱崎幸也内科部長(58)に告げられた。箱崎さんは以前から三宅さんの胃を注視していた。ピロリ菌に感染していて、胃の粘膜が縮まって薄くなる「萎縮性胃炎」が進んでいた。悪化すると胃の粘膜が変化して、胃がんになりやすくなってしまう。心配が現実になった。ただし、がんは1センチほどの大きさ。切除すれば根治が望めるという。同月20日に入院し、25日に内視鏡手術を受けた。がんは「早期の早期」だった。ほっとする半面、入院中も被災地が気になっていた。手術から1週間そこそこで東北へ。五輪に出場経験があるマラソンの瀬古利彦さんやレスリングの太田章さんらと福島市のあづま総合運動公園を訪ねた。「私もがんと闘っている。みなさんも頑張ってください」と激励した。「役に立ちたい」という思いに突き動かされていた。(7月3日 朝日新聞 患者を生きる オリンピアン 三宅義信のおなか より)
Jul 07, 2013 07:59

胃がん切除すぐ被災地へ
1964年東京五輪の金メダリスト、重量挙げの三宅義信さん(73)は2010年、食べ過ぎるとたびたび、腹痛に襲われるようになった。その年の11月、順天堂大学病院(東京都文京区)で検査を受けると、膵臓に炎症が起きていkた。膵臓を酷使し過ぎたようだった。たんぱく質や脂肪、炭水化物などを分解する膵液を出す臓器。「脂っこいものは控えてください」と言われ、様子を見ることにした。「自分の体は自分が一番分かっている」。現役時代からこう自負してきた。練習で培った「感覚的なもの」だけでなく、健康管理の専門家の助言も、自分を知る助けにしてきた。母と姉を胃がんで亡くしたこともあり、自衛官を退官した後も、毎年のように胃や大腸の検査を欠かさない。周りから「医者好きだな」とからかわれても、「転ばぬ先の杖」だと思ってきた。翌11年3月、いつもどうり自衛隊中央病院(東京都世田谷区)へ定期検診に行った。おなかの具合は落ち着きを取り戻していたが、胃カメラも飲んだ。丁度東日本大震災の直後だった。宮城県村田町の出身。被災した地元の東北地方の様子が心配でやきもきしていた。4月に検診の結果が出た。(7月3日 朝日新聞 患者を生きる オリンピアン 三宅義信のおなか より)

Jul 06, 2013 08:02

子育てに追われ、つい
7年前、胃がんが見つかりました。その1年ほど前から、胃のあたりがキリキリ痛むなど体の不調を感じていましたが、放置していました。子育て真っ最中で忙しかったし、何よりも健康への過信はあったからです。頻繁に「げっぷ」が出て、人と話をするのにも難渋するようになってから、さすがに変だと病院に行きました。血液検査でヘモグロビン量が通常の半分以下とわかり、おなかを触診した医師が、すぐに大学病院への紹介状を書いてくれました。結果は、スキルス胃がん。かなり進行していて幸い手術はできましたが、胃の5分の4を失いました。その後4年間は抗がん剤をのみ、心身ともにつらい日々を過ごしました。スキルス胃がんは胃の粘膜の下を広がっていくので見つけにくいうえ、進行が速く、若い女性に多いそうです。不調のサインを見落とさず、早めの受診が大切だと痛感しました。(6月25日 朝日新聞 患者を生きる 消化器 読者編より)
Jun 29, 2013 07:24

抗がん剤 再発予防にも 3
がんが胃壁深くに達したり、肝臓や肺など遠方への転移があったりすると進行がんと呼ばれるが、遠方の転移がない場合は、手術で患部と周囲のリンパ節を取り除き、術後に再発予防のため抗がん剤を使う。かつては有効な薬がなかったが、「TS1」という抗がん剤だと延命効果があることが2007年に報告され、ガイドラインでも推奨されることになった。TS1は飲み薬なので自宅で服用でき、副作用も比較的少ない。1年間続けて、以後は経過を見守り、5年間再発がなければ完治とみなされる。遠方に転移した段階になると、手術ができないことも多い。TS1と「シスプラチン」という抗がん剤の併用が基本になる。乳がん治療薬「ハーセプチン」が、ある種の胃がんに効くこともわかってきた。国立がん研究センター東病院の大津敦・臨床開発センター長は「欧米で胃がんが少ないこともあり、最先端の抗がん剤の開発は他のがんより遅れている。薬の組み合わせや手術前の使用など、研究の成果が待たれる」と話している。(4月21日 朝日新聞 患者を生きる 消化器 胃がん より)
May 15, 2013 08:02

抗がん剤 再発予防にも 2
日本胃癌学界のガイドラインは「リンパ節転移がなく、がんも小さい」などの条件を満たせば、口から内視鏡を入れて取ることを標準治療としている。腹部にあけた小さい切れ目から内視鏡と手術器具を入れる「腹腔鏡手術」も、開腹手術より患者の負担が小さいので、試みる医療機関が増えている。ただ、ガイドラインでは「日常診療として推奨されるには至っていない」とし、研究段階の治療法と位置付けている。(4月21日 朝日新聞 患者を生きる 消化器 胃がん より)
May 14, 2013 07:42

抗がん剤 再発予防にも
新たに胃がんが見つかる人は年間12万人強(2008年、国立がん研究センター推計)で、がんの中で一番多い。死亡者数も、肺がんに次ぐ約5万人(11年、人口動態統計)にのぼる。ただ、診断法の進歩で早期発見が増え、治療成績は上がってきた。「全体の半分は早期で見つかり、その95%は治る」。がん研有明病院の山口俊晴副院長(消化器外科)は言う。早期のがんは、胃の内側にできたがんが、下の筋肉にまで広がっていないものを指す。リンパ節への転移が比較的少なく、手術で切り取った後、抗がん剤治療は原則として不要だ。(4月21日 朝日新聞 患者を生きる 消化器 胃がん より)
May 13, 2013 07:52

「向き合う」ファイト湧く 3
薬を朝晩のみながら、通勤を再開した。昼食は小ぶりな愛妻弁当をゆっくり食べる。午前午後に自席でパンやビスケットなどの軽食をはさむ。仕事がらみの会食は、辞退したいと周囲に伝えた。薬を始めて4週目、少し副作用が出てきた。食欲がなく、無理をしたら吐きそうな感じだ。服用を2週間休み、また4週間。この繰り返しを1年続ける。先の結果は分からない。しかし「病気に向き合うということは、大きな責任ある仕事を決めていくプロセスと同じだ」と思うと、ファイトが沸く。4月で、社内の重い役職を離れた。できた時間でジム通いを再開したいし、落語の寄席にも行きたい。がんを完全に忘れた生活には、もう戻れないだろう。闘病日誌は、表紙に「1」と番号が振ってある。2も3も、その先も書く覚悟だ。(4月20日 朝日新聞 患者を生きる 消化器 胃がん より)
May 12, 2013 07:23

「向き合う」ファイト湧く 2
がんの深さと転移とで判定する進行度は「ステージⅡB」。早期がんではないが、進行がんの中では軽い段階だ。山口さんは「医学会の治療方針に沿えば、1年間の抗がん剤治療が望ましい。5年後の生存率が高くなるので、やった方が無難かと思います」と告げた。抗がん剤と聞いて、十数年前に親類をがんで亡くしたときの、副作用に苦しむ様子が記憶によみがえった。しかし、いま使われている「TS1」という内服薬は、入院の必要がないし副作用も少ないという説明だった。それなら仕事にも差し障りない、と同意した。(4月20日 朝日新聞 患者を生きる 消化器 胃がん より)
May 11, 2013 08:17

「向き合う」ファイト湧く
手術を1月に終え、退院後初の診察は2月14日。東京都内の会社役員の男性(65)は、がん研有明病院の主治医の山口俊晴さん(64)に、切除した胃の写真を見せてもらった。がんは直径約3センチ。胃袋の内側の粘膜から筋肉の層へと根を下ろし、外側表面に近い膜にまで達していた。「皮一枚で中にとどまっていた」と山口さん。場所が胃の入り口に近く、手術で取ると、胃酸が食道に逆流するのを防ぐ機能が失われる。胃の下半分を残すと、かえってつらい症状に苦しむことになるため、全摘となった。腹部から摘出したリンパ節55個のうち、2個からがん細胞が見つかった。そう多くはないものの、転移はしていた。(4月20日 朝日新聞 患者を生きる 消化器 胃がん より)
May 10, 2013 07:55

胃全摘の翌月 酒飲めた
自宅に戻り、その日から外の散歩を始めた。まずは妻の買い物に同行して、近所のスーパーまで。次の日も自宅の周辺を歩いた。下痢が続いていたので、使えるトイレがある場所を頭の中で確認しながら、元の生活を取り戻すためにと一歩づつを踏みしめた。体を動かしても、以前の空腹感は戻ってこない。体力を維持するために、義務感で食べた。手術から1カ月たった2月11日、お祝いに大吟醸を試してみた。小さなおちょこに1杯。翌日は妻に「もうちょっと大きめのおちょこあったよね」とリクエストして、今度は2杯。手術は成功した。でも、まだ完治とは言えない。抗がん剤の治療が待っていた。(4月19日 朝日新聞 患者を生きる 消化器 胃がん より)
May 09, 2013 08:31

胃全摘の翌月 退院
術後11日目の1月22日、がん研有明病院を退院。傷口の痛みはもうないが、おなか周りが10センチ縮んで、心細い感じがする。ジム通いで鍛えた筋肉も、すっかり落ちていた。病院の管理栄養士による指導には、妻(65)に同席してもらった。「消化が悪いものを避け、ゆっくり食べること」。一度の食事を少量にして回数を増やす。そうでないと食べた物が逆流してしまう。縫い合わせた消化管は数カ月むくんで狭くなっているので、食後30分は安静にする・・・。チェックリストは15項目あった。
May 08, 2013 08:01

胃全摘後
胃を全て摘出する手術を受けた翌朝、水を飲むように言われて、東京都内の会社役員の男性(65)は戸惑った。傷口から漏れることはないのだろうか。ほんの少し飲み込んで、脇腹から伸びるドレーン管を見た。手術後に腹の中の体液を出すため、しばらくつけているチューブ。漏れていないか確認したのだが、それを見た看護師は、大丈夫ですよと笑った。術後3日目くらいから、たんがからむようになった。腹の空洞に響くような痛みで、うまくせきができず、息をするたび胸がぜーぜーと鳴り、ひどく苦しい。術前の呼吸訓練の意味を、このときに痛感した。食事は徐々におかゆの粒が形になってきた。尿の管、次にドレーン管を抜き、真っ黒な便が出て、抜糸の日がきた。入院中の出来事は、標準的な日程表を事前に渡されていた。先が見えるのが心強かった。(4月19日 朝日新聞 患者を生きる 消化器 胃がん より)
May 07, 2013 08:46

手術が終わって
翌朝6時。病室の電灯がつき、看護師が「歯磨きに行きましょう」と、体中に貼り付けられた管やコードをベッドの片側に寄せ始めた。電動ベッドの背中を起こし、ゆっくり足を床におろされる。スリッパをはき、おなかを抱えながら立ち上がり、一歩を踏み出す。傷は痛くない。回復を早めるために、なるべく歩いてと促される。ほどなく水を1杯出された。「傷口から漏れることって、ないですか」。口をつける前に看護師に尋ねた。(4月18日 朝日新聞 患者を生きる 消化器 胃がん より)
May 06, 2013 07:53

手術「マラソンみたい」
手術台は、幅がえらく狭く見えた。枕元の麻酔科の医師が、背骨の中心を包む「硬膜」の外側に麻酔薬を注入する、と説明した。口にマスクを当てられ、意識が遠のいた。看護師に揺り起こされて目を開けると、「パパ、わかる?」とのぞき込む妻の顔が見えた。全身がへとへとで、「フルマラソンを走ったみたいだ」と口からこぼれた。4時間の手術だったと妻が教えてくれた。執刀医の山口さんが「無事終わりましたよ」と声をかけてくれたが、もうろうとして、会話はよく覚えていない。ただ、血液が固まらないようにマッサージする装置が、筋肉質の足首にはきつすぎた。苦しくて一晩中眠れなかった。(4月18日 朝日新聞 患者を生きる 消化器 胃がん より)
May 05, 2013 08:06

検査の結果、手術
昨年末に胃がんと告知さtrた東京都内の会社役員男性(65)は1月3日、がん研有明病院の主治医・山口俊晴さんから電話をもらった。「検査の結果、がんが胃の入り口のところにある。胃を全部摘出することになる可能性が大です」。近くのリンパ節も腫れているという。すでに腹は決めていた。「先生の思う通りにお願いします」。電話を持ったまま頭を下げた。手術は11日と決まった。9日に入院。胃の手術なのに、まず呼吸の練習をするという。プラスチックの器具を口にくわえ、息を吸い続ける。全身麻酔の後は肺の機能が落ちるため、訓練するのだと説明された。病室で好きな落語とジャズを聴きながら、黙々と繰り返した。当日。妻(65)と長女(37)と、手術室の控室前で別れた。海外駐在員時代の習慣で、軽く抱き合い「行ってきます」と告げた。(4月18日 朝日新聞 患者を生きる 消化器 胃がん より)
May 04, 2013 08:42

がん研有明病院で検査
採血や心電図、転移の有無を調べるCT検査を受けた。食事をしてしまったため、胃カメラは1週間後。結果と今後の方針は、年明けに電話で知らせてもらうことになった。年末年始は、「強いお酒でなければ飲んでも構わない」と山口さんに言われた。海外から帰国した長女(37)を交え、初詣や墓参りをして過ごした。運動は積極的にと勧められたので、学生時代から続けてきた毎日5~10キロのジョギングをと思ったが、妻は反対した。「汗をかいて風邪をひかれたら困ります。体調万全で入院させるのが私の仕事です」。心遣いが、ありがたかった。代わりに1日3時間づつ歩いた。1月3日の午後、電話が鳴った。病院からだった。(4月17日 朝日新聞 患者を生きる 消化器 胃がん より)
May 03, 2013 08:04

がん研有明病院受診
翌12月20日朝、がん研有明病院。広い待合室で妻(65)と2人、「こんなに患者さんが多いんだね」と、ぽつりぽつりと言葉を交わしながら待った。昼近くにサンドイッチを買って食べたが、味はしなかった。診察室に呼ばれた。副院長で消化器センター長の山口俊晴さん(64)がいた。紹介状と検診施設の検査結果を渡すと、「胃の上部にがんがあるようですね」。検査をやり直してチームで治療方針を立てる、と説明した山口さんは、最後にこう付け加えた。「仕事は続けて下さい。通常の生活に戻ることが治療の目的ですから」。(4月17日 朝日新聞 患者を生きる 消化器 胃がん より)
May 02, 2013 08:37

入院控え 会社でも準備
昨年12月の定期検診で胃がんが見つかり、海外出張先で連絡を受けた東京都の会社役員の男性(65)は、帰国してすぐに入院の準備に取りかかった。まず社長に事情を報告。次に会社の産業医にアドバイスを求めた。「胃がんの手術症例が多いのは、がん研有明病院(東京)です」と聞き、紹介状を書いてもらった。大きな病気も手術も初めてだった。どれだけ入院することになるのか見当もつかない。病院に行く前に1日空けて、会社で引継ぎを済ませた。取引先にも足を運び、電子メールを書いた。夕刻、社内の電子掲示板に「病気療養のため当分休む」と業務連絡が流れた。部下を会議室に集めて言った。「病気というのは胃がんだ。言いふらす必要はないが、聞かれたら言ってくれてもいい」。(4月17日 朝日新聞 患者を生きる 消化器 胃がん より)
May 01, 2013 08:12

検査室 走る緊張に覚悟 3
過去に要精密検査とされた時は、結局問題がなかった。今回だって、大丈夫かも・・・・・。悩んでも仕方がないと、仕事に没頭することにした。翌週は上海出張。帰国当日の朝、滞在先のホテルで携帯電話が鳴った。「がん細胞が見つかりました」。悪い報告が上がってきたときこそ、冷静に事情をすべて聞き出す・・・・そんな仕事の習いから、必要なことを淡々と聞き取っている自分がいた。帰りの機内。出張報告には手をつけず、腕組みで目を閉じた。羽田空港の入国審査を終えて、妻(65)に電話をかけた。「座って聞いてくれるか。がんだった。とにかく頑張るから、心配しないで」。(4月16日 朝日新聞 患者を生きる 消化器 胃がん より)
Apr 30, 2013 08:49

検査室 走る緊張に覚悟 2
大手総合商社に勤め、国内外を飛び回ってきた。接待で夕食が2度なんてこともざら。会社の検診で胃潰瘍の痕が見つかっても、商社マンの勲章くらいに思っていた。50歳になって赴任したニューヨークでは、胃カメラの検査を毎年受けた。5年後に帰国してからも、胃の検査は欠かさなかった。60歳を前に、胃がんの一因になるというピロリ菌も除菌した。一安心だと思っていた。ただ一昨年だけ、多忙のため検診をさぼっていた。人間ドックの休憩室から診察室に戻ると、医師が写真を示しながら言った。「ここがちょっと気になりますね」。胃の内壁が、複雑な形で盛り上がっているのが見えた。「悪性腫瘍ですか」と尋ねると「その可能性が、かなりあると思います」。採取した細胞の検査結果が1週間後にわかる、という。
(4月16日 朝日新聞 患者を生きる 消化器 胃がん より)
Apr 29, 2013 17:22

検査室 走る緊張に覚悟
「あらっ。何かできてますね」。昨年12月「、定期健康診断で訪れた人間ドック施設で、胃カメラをのみ込んでいた東京都内の会社役員の男性(65)は、医師の一言で検査室内に緊張が走るのを感じた。「つまみます、よろしいですね」。事前に、必要なら胃の組織を採って検査することに同意していた。親指を立ててOKサインを送ると、医師は器具を操作し、「もう1回採ります。ちょっと我慢してください」と続けた。スタッフが慌しく動き回る気配がした。過去に経験した検診とは様子が違う。「これは覚悟せんといかんのかな」。目を閉じて思った。(4月16日 朝日新聞 患者を生きる 消化器 胃がん より)
Apr 28, 2013 08:24

ピロリ菌
正式名はヘリコバクター・ピロリ。人などの胃の粘膜にすみつく病菌。慢性胃炎や胃、十二指腸潰瘍、胃がんの発生原因となる。胃酸で強い酸性となる胃の中では、細菌は生息できないと考えられてきたが、1982年、オーストラリアのロビン・ウオーレンとバリー・マーシャルがピロリ菌の培養に成功。マーシャルは、培養した菌を自ら飲んで胃潰瘍を発症し、病原性を証明した。この功績で二人は、2005年のノーベル医学生理学賞を受賞した。(2月9日 朝日新聞)
Feb 20, 2013 08:26

抗生物質飲みしっかり治療 2
除菌が失敗するのは、患者が下痢や腹痛などの副作用で、きちんと薬を飲まないケース。また、クラリスロマイシンに耐性を持つピロリ菌がいるためだ。最近は成功率が下がる傾向があり、耐性菌が増えているのでは、という指摘がある。除菌が失敗した場合、薬の種類を変えて再び除菌療法を行う。古賀教授によると、除菌の成功率を高めるには「薬を飲む3~4週間前にヨーグルトを食べる、という方法があります」という。特定の菌株のヨーグルトには、ピロリ菌の抑制効果があることが分かっている。同大の高木敦司教授らの研究で、除菌の3週間前からこのヨーグルトを1日180グラム食べると、除菌の成功率が12%程度高くなった。また、耐性菌を持つ患者でみると、約15%だった成功率が50%以上に。「このヨーグルトが耐性菌に対しても効果があるということを示しています」。ピロリ除菌後に胃酸が増えて、胸焼けなどを起こす逆流性食道炎の症状が出る場合がある。「その際にもヨーグルトを食べることで症状が抑えられる効果も期待できる」と古賀教授は話す。(2月9日 朝日新聞)
Feb 19, 2013 08:13

抗生物質飲みしっかり治療
ピロリ菌の除菌治療はこれまで、胃・十二指腸潰瘍や早期胃がんの治療後など、4種類の疾患で保険適用されていた。ピロリ菌がいても、そうした病気がない場合の除菌は自費診療となり数万円必要だった。だが近く、胃のもたれの不快感といった症状の「慢性胃炎」と診断されれば、保険で受けられるようになる。実際の除菌治療では、「アモキシシリン」「クラリスロマイシン」の2種類の抗生物質と、胃酸を抑える1日2回、7日間飲む。4週間以上あとに、除菌できたかどうかを検査する。東海大学医学部の古賀泰裕教授によると、「最初の治療で除菌できるのは、70%程度」という。(2月9日 朝日新聞)
Feb 18, 2013 08:39

50大以上の感染率は80% 2
2008年には、「除菌をすれば胃がんの発生が3分に1になる」と発表された。日本ヘリコバクター学会は2009年、胃がん予防のために除菌を勧める指針を出した。ピロリ菌は世界中に存在する細菌だ。50代以上の日本人では特に感染率が高く、80%程度という。多くの人は5歳までの子どもの頃に井戸水や便、感染者からピロリ菌に感染。ピロリ菌が、胃の粘膜に定着すると胃炎になる。この状態から長い年月をかけて一部が胃潰瘍や胃がんに変化すると考えられている。「ただし、ピロリ菌だけでなく、たばこや、塩分などの食生活が胃がんのリスクを高めます」と春間教授。感染経路は特定できない場合が多い。子どもは、ピロリ菌を持った親から感染するケースもある。春間教授は「中高年はもちろん、胃がんになった場合に進行が早い若い人も、一度は検査をしてほしい」と呼びかけている。(2月9日 朝日新聞)
Feb 17, 2013 08:42

50代以上の感染率は80%
川崎医科大学(岡山県倉敷市)消化器センター長の春間賢教授は「例えば高校を卒業した時に、ピロリ菌の感染検査と除菌治療をする。こんな方法で除菌が広がれば、胃がんの数は激減するはずだ」と話す。春間教授によると、「日本人で胃がんの人はほとんどピロリ菌に感染している」という。「29歳以下の感染率は約30%と低いが、その世代で胃がんになった人の9割以上に感染がある」。ピロリ菌と胃がんの関係は長年研究されてきた。2001年に発表された日本人を対象とした調査では、約1万5千人でピロリ菌感染の有無を調べ、10年間追跡した。その結果、感染していた人の3%が胃がんになり、感染していなかった人では1人もいなかった。(2月9日 朝日新聞)
Feb 16, 2013 08:59

胃がん予防
胃がんや胃潰瘍の大きな原因とされるピロリ菌。胃潰瘍などの病気がさければ胃からの除菌はこれまで公的保険の対象ではなかったが、軽い胃炎でも保険適用が認められる見通しになった。日本人に多い胃がんが劇的に減るのではないかと期待がかかる。がんのなかでも日本人に最も多い胃がんの患者は、約21万人とされ、年間約5万人が亡くなる。胃がんは、がんの死因では2位だ。(2月9日 朝日新聞)
Feb 14, 2013 08:51

トラスツズマブが効く仕組み
がん細胞のHER2たんぱく(センサー)は、がん細胞が増えるよう信号を出す。これに、トラスツズバブを打つと、センサーに結合し、がん細胞の増殖を抑える。そして、免疫細胞ががん細胞を破壊する。おおきながんだったのが、縮小する。副作用として、トラスツブマズは、さむけ、発熱、息切れや脈が速くなるなど心臓への影響がある。シスプラチンは、吐き気、下痢、白血球の減少、腎臓の機能低下などがある。カペシタビンは、シスプラチンの副作用に加え、手足の痛みがある。全般の副作用として、息切れ、頭痛、脱力感がある。(8月28日 朝日新聞)

Nov 09, 2012 07:59

まずは検査を
国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)では今年4月までの約1年で、117人の胃がん患者の17%、20人が、この薬が使えるタイプだった。トラスツズマブなどで治療できた13人のうち4人は腫瘍が縮小し、根治につながる手術ができたという。土井俊彦・消化管内科副科長は「この薬が使えるがんか判定する検査を十分にしていない医療機関もある。がんのタイプにより、再発後も効く薬があるので、検査を受けたいと、主治医に伝えて欲しい」と話している。(8月28日 朝日新聞)
Nov 08, 2012 08:14

トラスツズマブ
聖マリアンナ医科大(川崎市)の朴成和教授(臨床腫瘍学)は「トラスツズマブはここ5年で、唯一、胃がんの生存期間を延ばした薬だ」という。この薬が効くタイプの胃がんか、治療前に判定できる。検査や手術でとったがん組織のHER2たんぱく量やたんぱくを作るもとになる遺伝子の量を調べる。ただ、アレルギーのような症状や、息切れや脈が速くなるなどの副作用がある。併用する抗がん剤の副作用に吐き気や腎機能の低下などがあり、腎臓病患者などには使いにくい。(8月28日 朝日新聞)
Nov 07, 2012 08:25

患者の2割弱
トラスツズマブは、がんの成長を促すHER2というたんぱく質と結合し、がんが大きくなるのを抑える。HER2が多いがんに有効だ。このタイプは、胃がんの2割弱という。日本人も参加した国際共同臨床試験で、以前からある抗がん剤、カペシタビンとシスプラチンの2剤の治療と、トラスツズマブを加えた3剤による治療を比べた。HER2が多い患者の全生存期間の中央値は、2剤の治療では、11.8カ月だったが、3剤では16カ月と、生存期間が延びている。以前は、打つ手がなかったような人でも、生活の質を保ったまま過ごせる例も出ている。(8月28日 朝日新聞)
Nov 06, 2012 08:34

手術が可能に
神奈川県鎌倉市の女性(54)は昨年10月、検診で胃がんが見つかった。国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)で診てもらうと、腫瘍は6センチ。腹膜やリンパにも広がり、手術はできないと説明された。検査を受けると、トラスツズマブ(商品名・ハーセプチン)という分子標的薬が有効なタイプのがんとわかった。11月、この薬を含む化学療法を始めた。3週間1コースの治療を3コース終えた今年1月下旬、腫瘍は小さくなり、医師から「手術できる状態になりました」と言われた。2月下旬、胃や脾臓をとる手術を受け、10日後に退院。女性は「この薬が効くタイプでなければ、今ごろどうなっていたか。ラッキーでした」と話す。がんの進行は抑えられ、現在、日常生活を送っている。(8月28日 朝日新聞)
Nov 05, 2012 08:29

胃がんにも分子標的薬
がん細胞をねらって攻撃する新しいタイプの抗がん剤、分子標的薬が、胃がん患者でも治療効果を上げつつある。手術できないほど進行したり、再発したりした患者が対象だ。がんのタイプを調べて、効果的な治療法を選べるようになってきている。(8月28日 朝日新聞)
Nov 04, 2012 08:52

胃がん検診はいつ受ける?
胃がんは40歳以上では検診を受けるのがいいです。X線検査より、早期のがんが分かりやすい内視鏡検査を勧めます。ピロリ菌の除菌は早ければ早いほどよいです。胃がんへの危険性はさらに少なくなります。母子感染を考えると、出産前に一度確認するのがいいと思います。(朝日新聞)
Jan 24, 2011 10:08

胃がんとピロリ菌
ピロリ菌についての質問です。便の検査で陽性だったのが、呼気の検査で陰性でした。どちらの結果を信用すればいいですか。どちらかが陽性ならば陽性ととらえていいです。内視鏡検査を受け、萎縮があれば年に1回は継続して検査を受けるべきです。(朝日新聞)
Jan 22, 2011 10:46

胃がんで命を落とさないためには
検診で、胃の粘膜にとどまる早期の段階でがんを見つけることができれば、内視鏡でがんの部分を切り取ることができます。最近は直径10センチもある大きながんでも、早期なら内視鏡で取れます。ピロリ菌に感染していないなら、胃がんになる危険性は低いです。念のために40~50歳の間に一度、内視鏡検査を受け、胃の萎縮がなくきれいな状態なら、その後の検査は必要ないくらいです。しかし、感染していたら必ず内視鏡検査を受け除菌する。取り除いても、その後も定期的に検診をしないといけません。そうすれば、胃がんでは命を落とすことはありません。(朝日新聞)
Jan 16, 2011 12:53

胃がんはどうやって感染する?

ピロリ菌に感染したお母さんが、赤ちゃんに口移しで食事を与えていたことが原因の一つと考えられています。感染している子どもの嘔吐物などが口に入って感染することも考えられます。昔、内視鏡の洗浄が不十分なまま検査して感染した例もありました。内視鏡検査では胃の組織の一部を取ってピロリ菌の酵素などを調べます。内視鏡を用いない検査では呼気に含まれる成分を調べたり、血中または尿中のピロリ菌の抗体を調べたりします。便を調べる方法もあります。内視鏡による胃がん検診は、X線で見ることができない細かい病変も見ることができます。できれば、内視鏡の検査を受けるのがよいと思います。(朝日新聞)

Jan 15, 2011 11:28

ピロリ菌除菌で予防可能
胃がんはピロリ菌が胃の中に巣くって、感染が続くことで発症します。最近の研究で、ピロリ菌の中にはいろいろな毒素を持った菌がいて、その毒素が胃がんの発症にかかわっていることがわかっていました。ピロリ菌は子どもの頃に感染します。5歳ぐらいまでの間に感染して定着すると、除菌しない限りずっと胃の中に巣くいます。日本は衛生環境が良くなってきて感染率が低くなってきていますが、50年前は10代でも約8割が感染していました。(朝日新聞)
Jan 14, 2011 10:49

◆胃がん

胃がんは、昔から日本が「世界一多い国」というレッテルをずっと張られています。男性では死者は肺がんに次いで、女性も大腸がん、肺がんに次いで多いです。しかし、男女とも胃がんによる死者は昔にくらべると減っています。ヘリコバクター・ピロリ菌の感染者が減っているのが大きな理由の一つです。ピロリ菌を除菌して検診を受ければ、多くの人は胃がんで命を落とさずに済む、予防可能ながんです。しかし、予防の意識がまだ浸透していません。胃がん検診の受診率は低いのが現状です。検診で早期にがんを見つけられないと、治すことができません。続く・・・。(朝日新聞)

 

Jan 10, 2011 11:36


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