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2021年12月5日 (日)
カテゴリ:成長見たい 摘出決意 子宮頸がんと妊娠
群馬県内の30代女性は妊娠15週だった2018年1月、新潟大医歯学総合病院で子宮頸がんの手術を受けた。出産までそのまま入院することになった。安静が必要で、行けるのは病院内の売店ぐらい。病院内の図書館で借りた本を読んだり、部屋の窓から桜を眺めたり。夫は毎週末、3時間以上かけて新潟に来てくれた。同年4月、榎本隆之教授(65)らから改めて、「摘出した子宮頚部の末端近くまでがんがあることがわかりました。もし子宮を残してがんが見つかれば、放射線や抗がん剤の治療が必要になるかもしれません」と、出産後に子宮をとる説明を受けた。「ちゃんと生きて、子どもの成長を自分の目で見届けたい」。子宮をとることに同意した。出産は帝王切開で、出産後は全身麻酔に切り替えて子宮を摘出する。赤ちゃんが予定より早く生まれて肺が未熟な場合は、新生児集中治療室に入ることになる。赤ちゃんと一緒に退院したくて、できる限り予定日の近くで産めるようにと、榎本さんにお願いした。おなかの中の赤ちゃんはよく動いた。入院していてよかったのは、毎日エコーをしてくれることだった。「顔を見せてよ。パパ似でもいいよ」。エコーの画像は、顔がいつも手で隠れていた。6月。赤ちゃんは37週まで大きくなってくれた。朝8時に手術室に入り、帝王切開で出産。「アー」大きく泣いてくれた。声が大きくて、「やっぱりパパに似ていたね」。5分後、全身麻酔で子宮をとる手術が始まった。がんの広がりは確認されず、放射線や抗がん剤治療の必要はなかった。「私の大事な子宮をとったんだから、もう大丈夫でしょ」。女性は20歳のとき、心筋梗塞で父を亡くした。おだやかな人だった。父のように明るく愛され、争いを止める子であってほしい。娘の名前には、父の名前から「和」の文字をもらった。娘が2歳のとき、女性は添い寝をしながら、「生まれるとき、どう思った?」と聞いてみたことがある。娘の答えは、「助かった、と思った」。おなかの中にいて、もしかしたらいろいろとわかっていたのかもしれない。12月2日 朝日新聞 患者を生きる
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