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2021年12月16日 (木)
カテゴリ:2歳目前に手術 声失う
福井市の浪花莉愛さん(12)は、2009年12月に生まれた。1歳を過ぎ、「ママ」や「パパ」と声を出すようになった。つかまり立ちもした。ところが11年夏、ふらつくようになった。
1歳8カ月を迎える頃、福井県立病院で脳のMRIを撮り、「脳腫瘍」と診断された。紹介された福井大学病院で、脳神経外科の医師は「腫瘍が小脳と脳幹を圧迫している危険な状態。早く手術が必要」と話した。翌8月4日、緊急手術となった。「おはよう」と父浩和さん(52)が声をかけると、「おはよ」。「がんばろうね」と言うと、「うん」。莉愛さんは答えた。病気は「退形成性上衣腫」という脳腫瘍だとわかった。手術で腫瘍をとることが治療の第一選択で、抗がん剤は効きにくいタイプだ。「5年生存率は20%ほど」とも医師から聞かされた。手術の合併症として、のみこみがうまくいかない嚥下障害や顔面神経まひ、呼吸障害が出た。さらに唾液が肺に入り肺炎になる、誤嚥性肺炎を繰り返した。8月下旬、のどに管を入れるための穴を開ける気管切開をした。9月、2度目の開頭手術を受けた。脳神経外科の山内貴寛助教(41)によると、「1度目の手術の目的は救命と診断。2度目は計画を立て、腫瘍の全摘出を目指す手術」だった。腫瘍はほぼ全て摘出できたが、しばらく経つとまた誤嚥性肺炎になり、高熱が出た。抗生剤の点滴をやめると発熱する。1カ月ほど繰り返した。のどは、空気を通す気管と、胃に向かう食道につながっている。気管と食道を分け、空気の通り道を気管切開をしたところに一本化するため、「喉頭全摘術」を受けることになった。
声帯も一緒にとるため、声を出せなくなる。浩和さんは悩んだ。だが、「命を優先しよう」と決めた。10月下旬に手術を受け、その後は肺炎になることはなかった。ただ、まひやふらつきは残った。12年3月に退院し、障害児向けの療育センターに通った。小学校は普通学級に入学でき、まひは改善していく。12月14日 朝日新聞 患者を生きる 脳腫瘍から10年
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