頸がんの検診は、一般に「子宮がん検診」と呼ばれているものだ。子宮の入り口を眼で確認し、小さなブラシや綿棒でこすり、採った細胞を顕微鏡で調べる。異型細胞の段階から見つけることができる。近年、細胞が採りにくい部位にできるがんも増えているが「発見精度は8割を超す」という。さらに今後は"予防の時代"が到来する。ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を防ぐワクチンが、年内にも国内で販売が始まるためだ。そもそも頸がんは、性行為によって細胞がHPVに感染することで起こる。このHPVは身近なウイルスで、人に感染するもので100種以上ある。うち15種に発がん性があり、大半の女性は一生に一度は感染すると言われている。ただほとんどの場合、ウイルスは自然に体外へ排除され、感染が続いたごく一部の女性が異型細胞やがんに進む危険がある。そこで感染そのものを予防接種で防ごうというわけだ。(西日本新聞)