●「がんはしつこい」実感 大腸がんの転移と治療に関する連載「転移と手術」に登場する男性と、よく似たケースでした。「そうそう」「そうなんだよね」と記事を読むたびに過去を振り返っていました。2011年9月にS状結腸がんで手術しました。ステージ4で、すでに肝臓に転移。大腸の腫瘍は取りきり、現在まで再発はありません。問題は肝臓で、4、5個腫瘍があり、外科手術は体力的に無理との主治医の判断でラジオ波焼灼術を同年11月に行いました。その後3,4回この方法を行い、今のところ肝臓には大きな変化はありません。ところが、今年3月、記事の男性と同じように肺への転移が見つかりました。大橋巨泉さんが前にこのコーナーで指摘していたように、がんというのは本当にしつこいものだと思います。4月に手術し、幸い腫瘍は1カ所で、経過を見ることになり、3,4カ月ごとにCTやMRI検査を続けています。がんになって思うのは、なぜ早く検査しなかったのかという悔いです。兆候はあったのにほっておいたのです。今は前だけ向いて生きていこうと心に決めています。(神奈川県 男性 71歳) ●「機能残したい」に共感 脳腫瘍の方の記事は勇気づけられました。私も2年前、子宮体がんで手術と抗がん剤治療を受けました。今は仕事に復帰し、普通に社会生活を送っています。ただ、いつまたがんになるかわからないと思っています。脳腫瘍の方の記事を読み、私以上に大変ながんと闘っていらっしゃることを知りました。「また、がんになってとしても闘える」と思うことができました。脳腫瘍になった女性の「脳の機能を残したい」という思いが、とてもよくわかります。記事によると、ピアノを教えていらっしゃるとのことでした。こういう方に習いに行きたいと思いました。どうか、お大事に。千葉県 林洋子 56歳。(10月17日 朝日新聞 患者を生きる 読者編より)