がんになった患者が最も気にするのは、治療を受ければ治るのか、あと何年生きられるかということだろう。近年、「生存率」などを公表する医療機関が増えているが、算定の基準や精度にはばらつきがある。混乱を防ごうと公表モデルを示す試みも始まった。患者は治療のデータをどう読み、どう利用すればいいのだろうか。生存率とは、診断後、一定の期間がたったときに患者が生きていることが確認できた割合。がん治療の場合は通常、5年経過が治癒の目安だが、部位によっては10年の場合もある。死因に関係なく、すべての死亡を含めて計算したのが「実測生存率」。そこから、がん以外の死亡の影響を取り除くため、対象者と同じ性別や年齢などの集団と比較し、調整したものを「相対生存率」という。地域がん登録や国際比較では相対生存率を用いる。(朝日新聞)