私は2004年の12月27日、腎臓がんの告知を受けました。大きさはソフトボールくらいで、余命3カ月。医者が告知を迷うほどの、末期のがんでした。でも誤解を恐れずに言えば、そんな私が今日、みなさんにお話したいのは、「がんと闘おうとか、立ち向かおうとか考えなくていい!」ということです。患者にとって、がんについて知るのはとても怖いことです。絶望的な気持ちになることもあります。がんを乗り越える?そんなことはお医者さんに任せておけばいい。なにより大切なのは、「治ったら何をしようかと、前向きに考えること!具体的に計画して、毎日楽しみにそのことだけを考える。私はまず思いました、「よし治ったらあの《徹子の部屋》に出て、この体験を語ろう」って。(笑) それからは、あの番組に出ると勝手に決め込んで、そのつもりで過ごしました。(俳優・小西博之さん) 朝日新聞