「廃止」「縮減」と多くの事業を次々に判定していった行政刷新会議の事業仕分け。廃止とされた「地域科学技術振興・産学官連携事業」には久留米大や県、久留米市、民間企業が共同でがんペプチドワクチンを中心とした研究を行う「知的クラスター創成事業」が含まれる。今年度から5年間、念3億円が交付される予定だった。がんペプチドワクチン療法は患者自身の免疫力を活用してがん細胞を攻撃し、副作用が少ないとされる。同大が全国初のがんワクチン外来を4月に設けると、診察予約に必要な資料請求が殺到。同外来で治療を受けた患者は200人を超える。11月からは九大、熊本大など11機関と共同で計300人の患者にワクチン接種を始める予定だったが、先行きが不透明になり保留している。「廃止の評価がなければワクチン接種を始められた患者さんがいた。ぜひ継続させてほしい」と久留米大先端癌治療研究センターの山田所長。(朝日新聞)