がんになると、治療に様々な支出が強いられる。備えとして、民間の医療保険やがん保険に加入しておくのも一つの手だ。「闘病に専念できたのは保険のおかげ」。3年前、夫を肺がんで亡くした四国の50代の女性は振り返る。がんの発見は2002年。夫は40代の働き盛りで、会社経営をしていた。「できるだけよい病院で」と、最初の3カ月の入院は自宅から遠い都市部の病院に。仕事と看病の両立のため、女性は毎日約5千円の交通費で病院を往復。その後も名医を求めて本州で入院するなど、手を尽くした。合計400万円を超す保険金が出たが、医療費や交通費などの全経費とほぼ同じ額だったという。すべての経費は貯蓄の範囲で十分収まり、保険がなくても同様の闘病はできた。それでも「先を見通せない中で貯金がどんどん減れば、不安だったと思う。保険でお金の不安は消えた」と女性は話す。(朝日新聞)