お父さまがお母さまの病気を皆さんに言ったのは、お父さまがすごく不安だったからだと思います。大切な人のために少しでも情報が欲しいし、少しでも共有して欲しい、そんな思いだったと思います。私が乳がんになったとき、夫もそう言っていましたし、いろんな人に経験を聞いていたので、お父さまの気持ちがすごく分かるような気がします。私自身は、若いお母さんたちに気をつけてほしいという思いから、退院後、たくさんの人に自分の経験を話しました。入院中、病院にお見舞にくる小さな子どもたちの不安そうな顔が目に焼きついています。私も場合は子どもたちが成人してたので気分的にまったく違いました。しかし病気のことは病気になった人にしか分からないこともあり、デリケートな問題です。何げない言葉に傷つくこともありました。2年間いろいろ経験して心に決めたことは、病気は恥ずかしくないと自分自身が強く思うこと。役に立ちそうな情報は人に知らせていくこと。私の病気のことを分かろうとしてくれる人たちを大切にしていくこと、です。(福岡県筑紫野市、武井ミエコさん、55歳・異見/医見より、西日本新聞)