サラリーマンの夫(50)と私立大学に通う娘(18)と、賃貸マンションに住む。治療を始める前は、カード会社の事務パートでつき10万円ほど稼いでいたが、薬の副作用で退職せざるを得なかった。スーパーに行く回数を減らし、旅行にも行かなくなった。本来なら、老後の貯蓄と夫の実家への仕送りをしなければならないが、その余裕がない。「私に老後はないでしょうから、夫一人なら何とかなるでしょうが・・・」 乳がんが見つかったとき、娘は中学1年生だった。大学に通う姿も見られた。「でも、生涯治療が必要で何百万円もかかる。治療をやめたほうがいいのかなあと、罪悪感さえ持ってしまいます」(朝日新聞)