日本では、胃がんと子宮がんは減少していますが、肺がんや大腸がん、乳がんが増加しています。これは、高齢者の増加や食事などの生活習慣によるものと考えられています。がんの主な原因としては、「たばこ」「食事」「感染症」などがあげられます。その発生には、生活習慣や生活環境がが非常に深く関わっています。そこで我々医師が、がん予防のためにみなさんにお願いしているのは、「たばこは吸わない、吸っていたらやめる」「アルコールは控えめに」「運動をして肥満を防ぐ」「塩分を控えて、野菜や果物を多く食べる」といったことです。また原因を除けばがんが防げるといった意味で、感染症対策は国の取り組みとして非常に重要です。例えば、早期胃がん患者の内視鏡切除手術後にヘリコバクターピロリ菌を除菌することで、二次胃がんの発生を3分の1にできたとの報告があります。胃がん患者へのヘリコバクターピロリ菌の除菌は、保険診療の対象にすべきだと考えます。(朝日新聞)