女性が勤めたことがある複数の外資系企業では、職場で禁煙することが当たり前だった。「不況の今は仕事があるだけでありがたいので、働く人の立場が弱くなっています。法律で職場は禁煙とし、違反したら厳しく罰してほしい」。東京都内に住む主婦(65)は医学系の出版社で20年間、編集に携わった。職場は喫煙に寛大で、雨の日は窓を開けても煙が室内にとどまった。頭や耳、鼻、のどが痛み、翌日は休むしかなかった。退職して2年後、のどにがんが見つかった。喫煙も飲酒もしない人の発症は珍しいと医師から言われた。「個人の嗜好のために他人に害を与える喫煙がなぜ放置されているのか不思議です。厳しい規制は喫煙者本人の健康のためにもなるはずです」。(朝日新聞)