「『食べる』『しゃべる』は生活の質(QOL)の最たる部分。患者が希望する状態に近づけるよう頭をひねります」。月に一度、声のリハビリをする患者が集う「発声の会」を開く。患者仲間の回復の様子を見て刺激を受け、リハビリへの意欲を高めてもらうのが狙い。「たんの取り方は?」「こっちの機器の方が声を出しやすいよ」といった情報交換の場にもなっている。「努力をしても良くならない」「治療が不安」といった本音も聞き逃さない。解決できる方法を一緒に探したり、主治医に伝えたりしている。自身を含め、4人の言語聴覚士にリハビリを受ける患者は年に約650人。5年前の2倍近くに増えた。「言語聴覚士を必要とする人が増え、期待もされている。応えられるよう、若手の育成にも力を入れています」。大垣市民病院・言語聴覚士 管田隆弘さん(35) (9月18日 朝日新聞)