乳がん手術で、乳腺の一部だけを切除する「乳房温存術」を選ぶ患者の割合が減少傾向に転じた。日本乳癌学界の調べでわかった。人工乳房の普及などで、全摘しても乳房をきれいに再建できるようになったことが背景にある。先進的な乳がん治療を進めるがん研有明病院(東京)ではここ数年で温存が2割減り、全摘と温存がほぼ同じ割合になった。7月には人工乳房で公的医療保険が使えるようになり、さらに全摘が増えそうだ。日本では1980年代に乳房温存が本格的に始まった。毎年新たに乳がんになる約6万人のうち8割を登録する乳癌学会の調査では、2004年に温存が全摘を抜き、2008年には59.7%まで増えた。しかし、2009年に温存率が59.4%、2010年は59.3%、2011年(暫定値)は58.8%と、減少傾向が明らかになった。(8月9日 朝日新聞)
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