除菌治療を受けるには、まず、内視鏡検査で胃炎と診断されることが出発点となる。人間ドックなどの内視鏡検査で胃炎が見つかった場合も含まれる。さらに、検査でピロリ菌が見つかった場合には薬を飲んで除菌をして、その後に検査をして菌が消えたかどうかを確かめる。除菌に使う薬は3種類。抗菌薬2種類と、胃酸の分泌を抑える薬1種類の組み合わせだ。これを1日2回、7日間続けて飲む。副作用には、下痢や軟便などがある。訳1800人の除菌をしてきた青山さんによると、この「1次除菌」の成功率は70%。2種類の抗菌薬の一つに耐性菌が出てきているためだ。1次で成功しない場合は次の抗菌薬を使って2次除菌をする。1次で不成功でも2次の成功率は90%なので、2次までの成功率は結局97%という。ピロリ菌に詳しい北海道大の浅香正博・特任教授(消化器内科)は「除菌が広がれば将来の胃がん死亡を減らせる」と話す。浅香さんたちは胃がんを内視鏡で取った患者を対象にした研究で、ピロリ除菌をすれば、その後に新たに発生する胃がんを3分の1に減らせることを示した。(5月28日 朝日新聞)