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2019年11月18日 (月)
カテゴリ:放射線で狙い撃ち 可能に
関西医科大学准教授 中村聡明さん
放射線治療は、がんに放射線(X線)を照射することでDNAを切断し、がんが増殖・分裂できなくします。完全にがんを治す目的と、進行したがんの痛みを取る、出血を止めるという対症的な治療の両方に使われます。20年前は頭頚部がん、子宮頸がん、悪性リンパ腫が中心でしたが、今はいわゆる一般的な固形がん全てが治療対象になってきています。1日1回、1~2カ月ほどかけてゆっくり治していくのが基本で、照射中は痛くもかゆくもありません。がん患者の3分の1から半分は放射線治療を受けています。放射線治療というとがん以外の場所にも放射線が当たって被曝するイメージがありましたが、コンピューターの進化もあって、今ではミリ単位で制御された放射線をがんに当てることができます。例えば前立腺がんでは、前立腺のすぐ後ろにある直腸を外してがんにたくさん放射線を当てることがポイントです。色々な方向から放射線を照射することで、スポットライトのように体内に放射線がたくさん当たる場所を作ることができます。また、照射する放射線に強弱をつけて、必要な部分だけに3次元できれいに当てられます。また、陽子を加速させた陽子線や炭素の原子核を加速させた重粒子線を使う「粒子線治療」という放射線治療では、今まで放射線では効かないと考えられていた悪性黒色腫などの放射線抵抗性がんも治ると分かってきました。粒子線はある一定の距離でエネルギーが一気に強くなり、その距離から外れると一気にエネルギーがゼロになるという性質があります。この性質をうまく使うことで、がんの周囲の正常な組織への影響を少なくしつつ、がんに照射することができます。設備が大掛かりで、建築費がかかるのが問題ですが、有効性が分かってきて、日本でも導入する施設が増えてきました。放射線は今まで、遠隔転移があったら完全にがんを治す目的には使いませんでした。ですが、免疫の力を利用してがんを攻撃する免疫チェックポイント阻害剤との併用で、転移がある場合も放射線治療が大きな効果を発揮するのではないかとという研究も進んでいます。今後も発展させていきたいと考えています。11月4日 朝日新聞 日本癌学会 市民公開講座より
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