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2019年11月21日 (木)
カテゴリ:免疫療法 驚くべき効果も
自治医科大学教授 萩原弘一さん
がんが見つかった時、治療方針はどう立てるのでしょう。画像所見でがんが見つかったら、本当にがんなのかどうか、組織の一部を取って確認します。手術ができるなら外科の先生の出番です。手術ができない場合には遺伝子の検査をします。遺伝子に変化がなかった場合は免疫療法と化学療法。変化があった場合には分子標的療法と化学療法で治療するという形になりつつあります。がんを完全に体から取り除く方法があれば、それが一番大事です。肺の場合、がんが転移していないようなら、手術で取って治るかもしれない。ところが、例えば、骨にまで転移していると完全に取り除くことは難しい。骨に転移した道筋に沿ってがん細胞が散らばっているかもしれないからです。転移があるときには免疫療法や分子標的療法などを組み合わせて治療します。臓器のがんは転移があったら根治は無理で、必ず再発すると言われていました。でも最近は、免疫療法で「もしかしたら治ったのかな」という人が出始めています。左の肺が全部がんという状態だった患者さんに免疫療法と化学療法をしたら、驚くような効き方をして、あと何回か治療を続けたら治ってしまうのではないかと思われる例もあります。化学療法だけの時代にこんなことはありませんでした。手術ができない場合、8カ月で半数の患者さんが亡くなっていました。副作用のコントロールも難しかったです。今は副作用も抑えられるようになり、治療しながら普通の生活ができる人も少なくありません。進行肺がんは患者さんが多く、製薬会社も新しい治療薬をどんどん投入しています。治療法が他のがんに広がっていく最前線のようになっています。進歩が急速なので、まだ経験が十分ではありません。どの薬が効くか、判断に迷うことも少なくありません。臨床試験のデータ、患者さんの体力を考えながら、患者さんと話し合い、少しでも良いと思われる治療を選びながら治療しています。その結果、明らかに生存期間は伸びています。今までにない良い治療が次々に使えるようになる時代です。諦めずに治療を続けていきましょう。11月4日 朝日新聞 日本癌学会 市民公開講座より
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