愛媛県で、がん対策を向上させる動きが加速している。「がん施策が充実」とは言い難く、がん拠点病院への県の2009年補助金は国が決めた標準額の3割以下。だが今、来年2月にがん対策条例を成立させようと全45人の県会議員のうち44人が加わる議連で模索する。原動力は松本さんらの活動だ。松本さんはNHK松山放送の局の元キャスター。高校時代、がんを告知されないまま世を去った父に「そんな態度でよかったのか」と悩み、医療問題を取材し続けた。1999年に自らも子宮頸がんに。2007年に取材先の推薦で患者代表として県のがん対策推進協議会委員になった。だが同年、全国の患者委員の集会でショックを受けた。自分以外の全員が、所属の患者会の名刺を持っていたからだ。「自分の主張は、患者を集約した意見だったろうか」翌春、仲間を募って会を立ち上げると真っ先に県庁に向かい協力を要請。患者にアンケートして、患者にとって何が問題なのかを伝えるなどの行動に入った。いまでは定期的に県などと会合を開く。(朝日新聞)