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ES細胞研究 再建へ米転換 オバマ大統領、支出解禁
オバマ米大統領は9日、ヒトの胚性幹細胞(ES細胞)を使った研究への連邦政府予算の支出制限を撤廃する大統領令に署名した。受精卵を壊してつくるES細胞研究に反対するキリスト教右派などに支持されてきたブッシュ前政権の政策を転換する。ES細胞は体のいろいろな組織になりうる性質を持つ万能細胞の一つ。神経細胞やインスリンを合成する細胞ができれば、難病のパーキンソン病やアルツハイマー病、糖尿病といった病気の治療に応用できると期待される。しかし受精卵を壊してつくるため、受精卵を生命の萌芽とみるキリスト教右派は、研究に「倫理に反する」と強く反対。これに対する政治的な配慮から、ブッシュ前大統領は就任直後の2001年8月、その時点で培養されていた21株のES細胞を除き、新たにつくられるES細胞を使う再生医療などの研究に連邦政府予算を支出しないことを決めた。オバマ大統領は「ES細胞には分からないことも多く、利点が強調され過ぎてはいけない。しかし、政府が投資を怠れば、チャンスは失われる。」などと署名の理由を説明した。(3月10日朝日新聞)
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