2011年春、胃がんの治療を続けていた埼玉県の男性(68)は、県内の病院で抗がん剤治療を始めることになった。両肺に囲まれた縦隔のリンパ節に腫瘍が再発したためだ。胃がんが再発したときは、3段階の抗がん剤治療を順に行うのが一般的だ。男性はまず、1段階目のゼローダという飲み薬とシスプラチンという点滴薬を使った。副作用は強く出なかった。しかし、1月末に受けた手術で胃をすべて取ったため、1回に食べられる量が減った。食事は1日5回に分けてとるようになった。73キロあった体重は20キロ近く減った。体力が落ち、大好きな登山や旅行にはほとんど行けなかった。(3月18日 朝日新聞 患者を生きる 胃がん より)