胃がんは日本人に最も多いがんで、早期発見ならば90%以上が手術できる。一方、診断時に転移があったり術後に再発したりすると、治療が難しくなる。このため、国内外で新しい抗がん剤の開発が進んでいる。連載で紹介した埼玉県の男性(68)が県内の病院で2011年11月から1年近く参加した治験は、新薬という成果に結びつきそうだ。腫瘍に栄養を送る血管が新たに作られるのを阻む「サイラムザ」。厚生労働省の部会は今月5日、製造販売について「承認しても差し支えない」との見解を出した。近く承認され、手術不可能な胃がん患者向けに販売が始まる見通しだ。(3月22日 朝日新聞 患者を生きる 胃がん より)