今回はタレントの原千晶さん(41)のように、子宮の病気になった女性からの声を紹介します。●「なぜ?」と動転 2月に「子宮内膜増殖症」と診断されました。がん化のリスクが高い型のため、翌月に腹腔鏡手術で子宮と卵巣・卵管を摘出、骨盤内リンパ節を切除し、検査も受けました。更年期だったので子宮の摘出に迷いはありませんでしたが、「今まで健康だった私が?」と気が動転しました。初めての手術に緊張と不安を感じました。それでも家族、特に高齢の親には心配をかけたくなくて、平静を装っているのがつらかったです。検査の結果、がんではなく、治療は終わりました。術後の経過も順調です。がんという病名が我が身に降りかかった時の恐怖や、検査結果を待つ間の不安は、とても大きいものでした。励ますつもりで言ってもらったひと言に傷つくこともありました。以前と比べ「がん」や「死」という言葉に敏感になりました。医療記事も真剣に読むようになりました。これからは、自分の体としっかり向き合っていきたいと思います。(京都府 女性 55歳) ●かわいそうと思われたくない 子宮体がんと診断され、2006年に子宮と卵巣を全摘しました。手術前の約1年間は、ほかの治療法がないか模索し、月1回の通院で経過を観察していました。予約をしても診察まで2,3時間待ちは当たり前で、診察結果は「変化なし」ということを繰り返し経験しました。原千晶さんも、月1回の検査を2年間続け、足が遠のいたとありましたが、病院に行くのが面倒になることや、「行かなくても大丈夫」という希望を抱いてしまうことは仕方がないと思います。手術当日、病室から手術室まで歩いている時、「走って逃げたい」という衝動に駆られました。体に傷をつける恐怖と、もしかしたらがんではないのではないかという希望が入り乱れました。がんだったことは、家族とわずかな親類にまでしか話していません。「がんになってかわいそう」という目で見られるのが嫌なのです。(群馬県 女性 48歳) 7月8日 朝日新聞 患者を生きる より