全がん協は、「症例数100、病期判明率60%、追跡率90%以上」という基準に適合する施設のデータを公表した。猿木さんは「予後調査の仕組が確立しておらず、自治体などに問い合わせてみても"個人情報だから"と断られるケースがある」。患者のその後を性格に把握するため、自治体などがデータを集めるがん登録を法制化すべきだと訴える。猿木さんは医学雑誌で発表された大阪府立成人病センターの肺がん患者の生存率を分析してみた。その結果、手術のみの症例に比べ、全症例だと生存率は低かった。予後調査として、自治体の「地域がん登録」との照合(追跡率88.7%)や、役場で住民票照会(同99.8%)をした場合に比べ、受診歴などで確認した場合(同58.7%)は、数値が高く出る傾向があった。院内の情報だけだと、患者の死亡を把握しきれないことが大きい。いずれもこの患者グループの「生存率」ということができるが、最も高い値(75.8%)と低い値(28.0%)では50ポイント近い差があった。